Kajiさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Kaji

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高速道路家族(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

生ぬるい映画ではなかった。
経済が幸福にいかに干渉しているかをこういう描き方で切り取った作品は見過ごせない。

パーキングエリアでホームレス状態にあり、寸借詐欺をしている一家と中古家具店のオーナーが遭
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コレクターズ ~ソウルに眠る宝刀を盗み出せ~(2020年製作の映画)

3.2

小粒だけども、韓国映画好きなら観たいスクワッド感がありキャラのクセも良い。
イジェフン俳優がホンギルドンといいこういう「鼠小僧」的な善性と犯罪の両儀をもつ役が似合う。
しかもかっこいい。

私はイムウ
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GP506(2007年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

演出とアイデアはおもしろかったけど、全体的にホラーかゴアかゾンビかどっちつかずでサスペンスが深まらない。
惜しい!


しかしながら北朝鮮との最前線監視線から閉鎖空間での小集団パニックで明言は避けられ
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

総観としては落ち着いていて順当な展開。
脱北という移民方法に予備知識があると無いとで深みが変わるんじゃ無いかなと思う。

類似作が何作か想起されるストーリーだっただけに、その構図によって何を伝えたかっ
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.2

最高でした。
100点中100億点です。

クリストファー・ロイドが武闘派のお爺でエブエブのお爺と好きな映画の中の爺さんで殿堂入りだし、アジョシが暴れる映画としても最高で、ラジオの声お前やったんかって
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.4

ゴア描写も凄惨そのもので、素晴らしく流血している一本でした。

希死念慮や暴力の根拠にフォーカスが傾いていた韓国ノワール映画へ喝入ってんなと思う。

自主規制に挑戦することで、表現の限界値を模索するジ
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ハンサン ―龍の出現―(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

一部吹替版でした。
いきなり脇阪勢のシーンは声優さんのスムースな日本語になるので、ちょっと面くらいました。
この作品で青龍賞取ったピョンヨハン俳優に失礼じゃないかな、と思いつつ、過去作で散々「韓国映画
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オマージュ(2021年製作の映画)

3.7

劇場にて。

「報酬は少ないけどやりがいのある仕事」が彼女のところに入るとこから社会批評が始まっていて、更年期障害や婦人科疾患の描写もあり、息子の冷笑的な詩手紙や家事を平気で拒否する夫、、
身の回りの
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キル・ボクスン(2023年製作の映画)

3.5

おもしろかった〜

食堂飲み屋のシーンはギャグ×アクションで長いカットと短いカットですごいセンスよく繋げてあって。

裏社会での社会性とかセクシュアリティも絡めてレイヤーもあったし、
隠し事と真っ当さ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

大きな視点で身の丈の話をする映画は好きです。
走り出しとラストのギャップが良くて、ちょっと泣きました。

この映画が好きなもの同士ですごく「あそこはこう」「あのシーンは良かった」とか色々キャッキャ言い
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.8

面白かった!
公開直後に映画館にて見ました。

クラッシュやチェイスではなくてテクニックにフォーカスしたドライヴシーンにミラーを見る冷静沈着なソダムちゃんの目!車が拡張身体のようでカッコよかった。
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

スリービルボードの時も同じく「きつねに摘まれた」ラスト。
シンプルなシチュエーションでエスカレートしていく出来事が暗喩のようで明喩ようで捉え所がないように見えるが、登場人物たちには生きている現実だと思
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ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

3.6

井戸に落ちた死体を引き上げるため(彼らは紛争地の衛生管理NGOのメンバー)
の奮闘映画とまとめてしまうには勿体無い。

水の確保もままならない地でロープ一本求める道中、紛争の惨禍が前景化してくる構成が
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The Pit And The Pendulum(英題)(2008年製作の映画)

3.5

日本未公開作、WATCHAにて配信開始。

仲間内に陰口を言われる歴史学者サンテをめぐるトホホ映画と思いきや、スーパースピンして「え??お??おおおっ」って思ってる間に全部繋がって着地するので、狐につ
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

初日初回で1回目。
全く感想をまとめられず、頭の中に断片的な感想が浮かぶ。




整えられた庭園を壊すのは大切に植えられた草花なのだ、という映画だったようにおもった1回目。

まだまだ頭に一つ一つの
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アイ・キャン・スピーク(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

この作品こそ日本公開しなければならなかったのではないか。


冒頭は騒がしいハルモニと堅物の職員との交流、、このパートもコメディと心情描写のバランスが良くてわかりやすい。

弟君と久しぶりにハルモニの
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ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-(2019年製作の映画)

3.4

ソダーバーグ監督が第四の壁を壊すスタイルを採用するってのも意外だけど、パナマ文書にまつわる課税逃れのカラクリが軽薄極まる動機の連続で、確実に被害者がいるので笑ってられない。

合法だけど罪深い、法律の
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ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~(2023年製作の映画)

3.4

永遠に分かり合えないと気づくところからお互いの歩み寄りが始まるところにジョナヒルの信念を感じた。

切り離せないアイデンティティやコミュニティでのコードが火花を散らし、マイクロアグレッションや無自覚な
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JUNG_E ジョンイ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なぜこれがOTTスルーなのかもったいない。
戦闘で脳死状態になった傭兵ジョンイの脳をコピーして戦闘用アンドロイドを生産している世界、宇宙へシェルター移住した人類がシェルター同士で独立戦争を始め、その戦
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パラレルライフ(2009年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

着眼点は気が利いているが、結末が弱く残念。
並行理論との結びつきと崩壊が幻覚だったのなら、ラストの過去の再現映像は蛇足だったように思う。キムテフン氏じゃん。もったいない。

そんな薬を飲みながら裁判長
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黒水仙(2001年製作の映画)

3.3

イジョンジェし演の刑事が捜査する殺人事件の真相に巨済島捕虜収容所にまつわる悲恋が浮かび上がる。


正直ラブストーリーか捜査ミステリーどちらかフォーカスするかした方が良かった気もするけど、この感じ、市
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女教師 シークレット・レッスン(2016年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

オムファタールを見つけてしまった生真面目な女性の話かと思ったら、、、って作品で嫉妬についての話だった。

ちょうど良いタイミングでお湯が沸くとこが1番盛り上がりました。

後を引くストーリーは好きなの
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非常宣言(2020年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

酷評を楽しむ映画だと思うので、思いの丈を正直に書きます。
蔑みたくはないですが、あまりに粗いので。
韓国映画が大好きですが、無条件に褒める不誠実なファンになりたくないので。。。

総じて「ほんとにこの
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ザ・レポート(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

9.11からビンラディン捕捉までに行われたCIAの拷問を資料調査する立法府職員が主役。

虚偽報告、捏造、嫌がらせ、権力の壁に抗いながら長大なレポートを仕上げる。

結論と開示はどうなる!?っという話
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.6

どうしようもなく膨らむ不安の話が、主体とジャンルをスイッチしながら展開。

構築力の高さを感じる脚本には、さすがバームバック監督と唸るし、不安の対極にスーパーマーケットを置く皮肉、ナチスの研究者という
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奇跡のジョッキー(2011年製作の映画)

2.9

うーん、まったくの好みで分析もせずにこういう事を言うのはおこがましいのだけども、
馬に人間的感情があるように描きすぎていて、競走馬としての優秀さが輝いていない。

チャテヒョン氏が得意そうな役で敗北の
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ポン・ジュノ アーリーワークス(2008年製作の映画)

3.5

過去視聴

卒業制作の作品など初期短編を収録。

この頃からすでにブラックユーモアと社会批評のセンスや絵作りのセンスが伺いしれる。もちろんジャンルがじわじわ変わるポンジュノスタイルも感じられ、洗練され
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

永く読まれてきた原作も知らずに見たので改変箇所まではわかりませんが「ガウェインの大冒険」の副題がつかなくてよかったなと思ったほどストーリーは明快で、真の騎士になれていない若者のイニシエーションを神話や>>続きを読む

ローラーコースター(2013年製作の映画)

2.5

クセ強乗客とCAが台風で着陸できない飛行機内でドタバタ。
シチュエーションコメディでフォールームスの時のタランティーノをマイルドにしたような下衆さが楽しい。気楽に見れるし、会話のテンポがエライ良くて演
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気まぐれな唇(2002年製作の映画)

3.3

初期作の味わい。

メロドラマと自己愛の消失点を観察してる人なのかな、と遡り型の視聴をしつつ思ってたけど、初期作にいくほど目線がドライなとこがあっておもしろい。
しょうもなさを愛おしむような、はっきり
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夜明けの詩(2021年製作の映画)

4.0

静けさに余韻がある作品で、それでいて音の演出にきめの細かさを感じました。
落ち葉が擦れる音、タバコの火が進む音、室内で流れる音楽がいつの間にかBGMと同化していったり。電話を通す声。
なんの音もないシ
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