PERSPECTIVEさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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用心棒(1961年製作の映画)

4.2

作品も監督も越えて登場し続けた、「三船敏郎に巨大感情を抱く仲代達矢」伝説の始まり。

星の数ほどの後継者を生み出した痛快無比なプロットは確かにすごいと思う反面、人質交換のシーンを二回やったり、斬られて
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

5.0

とあるサイトにてヴィルヌーヴは「今回は若い方にも見てもらえるようなエンタメ作品にしようとしました」と語っている。

しかしこれがエンタメ映画ならこの世全ての映画はエンタメ映画であろう。

そも、ヴィル
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砂の女(1964年製作の映画)

5.0

(そんな数観てないけど)日本映画界屈指のSF・ホラームービー。

これまで弱者の武器として培ってきた「理屈・理論」が不条理な空間という強者によってぞんざいにされるというのはこれ以上ない恐怖である。
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イングリッシュ・ペイシェント(1996年製作の映画)

3.2

一面に広がる別世界の光景を見つつ、主役の男女に移入して、快適な夢の旅をお楽しみください。

そう貴族方に勧めるアナウンスが聞こえてきそうな映画。

ウィレム・デフォーが主役で、ジュリエット・ビノシュが
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ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)

4.0

アニメというのはキレイでおしゃれなものではなかったのか!

なんだこのペキンパーばりの男臭さは!!

カラミティ(2020年製作の映画)

3.8

色彩の豊かさと世界を構成する様々な音の力強さは実写に一寸も劣らない面白さを持った活劇としてこれを君臨させている。実にお見事なり。

反面ストーリーに所謂「男らしさ」への忌避を現代映画の義務であるかの如
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

5.0

ああ 椅子に掛け日だまりへ
ああ あの街でキミに逢う

繰り返し 繰り返し
来た道を辿るよ

繰り返し 繰り返し 
来た道が見え

変わりたくても変われない、抜け出したくても結局は居ついてしまう。
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

4.0

Be water, my friend.

友よ、水になれ                 

ブルース・リー師父が遺したこの格言通り、氏の没後まもなく生み出されたキャラクターを主役としたこの「シャン
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

5.0

9/20時点の感想(5回以上更新します)

この世界はあまりにも重すぎて、
量ろうとすれば恐怖のあまり天秤を破壊してしまう。

ゆえに世界は切り取られる。量りやすいに越したことはないのだ。
しかし天秤
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

得てして映画監督とは何かしらのフェチで、役者はそのあおりを受けて記号化されやすいものだと思っていたが(キューブリックやマイケル・チミノがいい例だ)、これはまさかまさかの超局所性・役者フェチ映画であった>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

Q:テイラー・シェリダンは主人公に銃を持たせないままクライマックスを盛り上げられましたか?

A:全くできていませんでした。シェリダンの映画は銃の下に平等な社会映画なのですから無理もないことです。
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The Public Image Is Rotten ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン(2017年製作の映画)

4.5

ジョニー・ロットンからプログレの敗北を悟ってテクノポップを始め、ジョン・ライドンに触発されてそれすらあっさり捨てた某音楽使いは言いました。
「他人を喜ばせる最終手段は自分の好きなようにやることである」
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ガルシアの首(1974年製作の映画)

4.5

爛れる灼熱の先に得られるものなどない。むしろ渇きがあらゆるものを奪っていく。いや汗の湿気ぐらいは残るか。もっともそんなの不快でしかないだろうが。

全てのシーンにおいて希望を登場も予感もさせず、伝家の
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

4.4

処女作「search」を観て、「この演出…イケル!」と思い至ってから早三年、この監督の作品をまた劇場で見ることができたのは本当に幸いである。

「search」のような奇をてらった発想や展開は無い、予
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

約35年前に作られた「ストップ・メイキング・センス」からニューウェーブらしさが全く褪せていないパフォーマンス、歌詞が貫き続ける「キミとボク」の世界観。謙虚且つ完璧な音楽は、最近の”映画監督”が「これだ>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

5.0

これが本場のニューウェーブか...すげえカッコ悪くてすっげえカッコイイな(語彙力)

メンバー結構いるのにカメラまんべんなく向けてるのすごい

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

4.4

モノローグの多さと劇伴のやかましさと、80分台だから耐えられたブレッソン本来のしんどさ115分はなっかなっかストレスフル。

それもラストの”これぞブレッソン!”と叫びたくなる静謐さを迎えるためと思え
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

観る前は「大泉洋が主役で展開の急激な変化に振り回されるドラマ」とばかり思っていたが、いざ観てみると「大泉以上に松岡茉優が奮闘し、展開の変化をこちらで察知でき、それがいつ来るかを楽しむヒッチコック的サス>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

4.8

・これが遺作となった主役俳優のブルース・リーばりの気迫(つーか目力)
・そんな彼以上に主役してる「マンハッタン島」という舞台そのもの
・「逃げる犯人→追う刑事を同じ地点で交互に写す」など閉鎖された空間
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

4.0

怒涛の長回しでのカーチェイスが話題の作品だが、僕個人としては全体的に漂う「サムライ」や「ザ・ドライバー」などのフィルム・ノワール的なニヒリズムに非常に心をつかまれた(多分主人公のサポートをするめちゃく>>続きを読む

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)

3.4

原作及びその他メディア化作品は全くの未見、ただステファノ・ソッリマ×テイラー・シェリダンという「ボーダーライン・ソルジャーズデイ」コンビの再来を祝っての鑑賞(シェリダン先生早くボーダーライン3作ってく>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.6

紐を切ったこいのぼりのためのカントリー・ミュージック

私の母親より色気がないマクドーマンドおばさんの孤高の演技に、アメリカ人は失った過去を見出したか?

ドキュメンタリー・タッチ≠単調な展開なはずな
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ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実(2019年製作の映画)

4.0

セバスタ狂信者の友人に脅迫されて泣く泣く観賞(大嘘)。
独りの戦死した兵士の軍功を追う中で見えてくる、戦争で負った千差万別な傷。それに直面することの辛さと大切さを名優たちの演技で渋~く描いた中々の良作
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

4.2

盛者必滅。されど人情は不滅。話は無理解。されど映像には終始関心関心。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.6

お前のようなキリスト様がいてたm...いや、いてくれ。こいつなら話分かりそうだし。

マルタの鷹(1941年製作の映画)

4.5

事の価値を決めるのは、真贋や重要性ではなくそこに行きつく過程である。

それが私が映画に求める一つの条件だ。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.4

時はや遅くのこぎり鳥は直線上の視界の奴隷

消える自分をどうにかしようと

すべてよし これでよし

荒んでもキミはまだキミ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.7

轟音に美徳はやつれ。最初は気づかなかった欺瞞の匂いが今ではたまらなくキツイ

ブロンコ・ビリー(1980年製作の映画)

4.9

彼は誰よりもカウボーイに憧れて、誰よりもカウボーイになりたくて

しかし自身生きている「現実」は絶対に彼をカウボーイにさせない。

所詮はまがい物なのだ。それでも彼は映画の中に本物を追い求める。

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となりのトトロ(1988年製作の映画)

4.5

心の中の大地震は、現実世界の鼠一匹動かすに足らず。

もはや気狂いじみた元気溌剌ぶりに軽く引いてる自分が嫌になり
それに何の疑いもなく劇場で歓声を上げていた子供たちに心を温められ

もののけ姫(1997年製作の映画)

3.7

美しい自然を限界まで引き出すため残酷な暴力を病的に追求する。
しかし役者の魅力の無さはその美への没入を阻害する。

宮崎駿はアニメ界のマイケル・チミノだった...?

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.7

「また、村が一つ死んだ」

こう納谷悟朗の声が宣えば、あっという間にこの映画の世界は完成した。