春花とおくさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

13人の命(2022年製作の映画)

4.0

なにか劇的な展開がある訳では無い。あるのは淡々とした事実で、冷え冷えとした現実。それなのに、何故こんなに熱いのかと言えば、それはただ一途だから。ダイバーたちが、人々が、登場人物の全員が、救助に、子ども>>続きを読む

ハングオーバー!!! 最後の反省会(2013年製作の映画)

3.8

毎回結構腹立つアラン。しかし、さすがにキリンの頭ミサイルには笑みが零れる。

とはいえ、「施設送り」。会議中のアランの叫びといい、シリーズ最後に相応しく、今回ばかりはしんみり雰囲気で行くのか……と思っ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.9

訳分からん。頭が混乱する。けど惹かれる。クリストファー・ノーラン作品に対するイメージ違わず。

頭が痛いからすぐ寝る。今作は特に。しかし、最終的にはそれが正しいのかはともかく「わかった気」になれる。と
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.7

SF映画の金字塔と。知らずに観たが、なかなか理解に難かった。というのは、何となく、認識は出来ても納得ができない、イマイチぴんとこない、そんな気がした。
あまり説明がなされぬまま物語が進むからか、あるい
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ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(2011年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

このシリーズは気持ちを明るくしてくれる。のだが、こいつ(アラン)とはこんなだったっけ。演出であるのは分かりつつ、常識外れの振舞いにこちらまで頭にきてしまうのはしてやられた証拠か。筋弛緩剤やらを盛る行い>>続きを読む

ロッキー2(1979年製作の映画)

4.4

冒頭五分。熱い。ロッキー(無印)のこのシーンは何度観ても熱くなれる。

それはさておき、無印とは基本的に同じ構造とはいえ、全然違って面白い。中でも2ではエイドリアンの昏睡で落とす所まで落としての転換だ
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グレムリン(1984年製作の映画)

3.6

勝手に可愛い(架空の)ペットものと思っていた。確かに違ってはないのだが、割とグロい。しかしホラーとも言えず、パニック、あるいはコメディか。とにかく騙された。

ペットにしては妙に可愛くないと思っていた
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

強烈…全く強烈

冒頭からの軍曹節には圧倒されるばかり。本当にこんなことがあったのか?恐らく日本語が本場の悪口に追いついてないからこそのあの訳なのだろうな。。
そして衝撃的なレナードの狂行。

後半に
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ロッキー(1976年製作の映画)

4.4

所謂スポ根には冷めた目を向けがちな自分だが、それでも最後に熱くいないではいられない。半世紀以上も前の作品が現代でも冷めることなく熱々でいられるとは、本当に名作なのだと思い知らされる。

内容はシンプル
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

3.5

多くのレビューでも言及される通り、主人公の周囲だけがその世界とは違って感じられるような、独特の雰囲気がある。『ノルウェイの森』しか読んだことない自分の思う、個人的な村上春樹らしさは確かに感じられる。>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.2

もっと、完全に爽やかなスポーツものと思ったら……マギーの努力、勝利、そしてチャンピオンへの王手……熱くなって観てたのに、そこからの落差が辛い。辛いけど、自身大病持ちとしてマギーの気持ちが分かってしまう>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.0

わからないようで、わかる。やっぱそうでもないか。知らんけど。
理解と理解不能の間で揺蕩い続ける事を強いる映画だと思う。「shining」「2001年宇宙の旅」しか観たことないが、その点キューブリック作
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長ぐつをはいたネコ(2011年製作の映画)

3.6

子供っぽい。

と言えばそれまでなのだけど、キャラクターの可愛らしさや面白さ、また物語の単純さの中に大人でも惹き込まれる風刺性や小洒落た台詞といった魅力がある。ドリームワークスのアニメーションはそんな
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.6

常に気味の悪さを残しつつ進み、そしてそのまま終わっていくような印象を受けた。
何かが起こっている。しかしよく分からない。よく分からないけれど、何かは明らかになっている。最終的な解決も、すっきりはしない
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ベスト・キッド(2010年製作の映画)

4.2

男だとか女だとか、セクシズムには断固反対なジェンダー平等主義者なのだが、それでも言いたい。
これは男なら誰でも熱くなれる作品であると。
いや、やっぱり女もだな。

本当に観ていて気持ちがいい。洗練され
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イコライザー2(2018年製作の映画)

4.1

MIB然り、ジョン・ウィック然り、渋いオッサンのアクション映画は数知れど、イコライザーは中でも温かい。前作もそうだった。今作はややブラックではあったが、それでも問題の核心に入るまでの一時間以上は愚か最>>続きを読む

幸せのレシピ(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

姉の死後、幾つかの強い切り返しショットで姉の死を手早く力強く受け止めた後、すぐに忙しく緊張感ある厨房のシーンへ移行するなど、スピード感覚が印象的。ケイトの人柄、故の職場の緊張感、ゾーイとの齟齬、多くを>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.6

かなり淡々としている。それは息を飲むような展開や涙誘われるシーンといった大きな「見せ場」がない(とも言いきれないだろうが、印象は薄い)点でつまらないともとれる。

しかし、これがノンフィクションである
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きっと、またあえる(2019年製作の映画)

3.8

なるほど、八割はしょうもなく、残りに心動かされる。
同じくインド映画の「きっと、うまくいく」と異様に似ているのは何か関連があるのか。物語の流れからするとこちらのがややブラック、というより不穏な影が強い
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.6

ONEPIECEとして観ればかつてのキャラクターなど色々登場して、1ファンとして嬉しいし、楽しい。また今後の展開のヒントであろう要素もあり目を離せない所は多い。

しかし、ただの映画ファンとして観れば
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

これは、女として死ぬ事のできたリリーのハッピーエンドと観るべきか、或いは夫を失ったゲルダの悲しみの物語ととるべきか。普通なら、あらゆる意味で「自由」を得た二人のハッピーエンドと考えるべきだろうが、なん>>続きを読む

ホリデイ(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

失恋を嘆く二人の女性が、気を新たにするために家を交換し合う「休暇」をとる──女性に仕事、男と女、、、特に前半などは「セックス・アンド・ザ・シティ」に近い陽気さがあり心が踊るよう。だが後半にはその明るさ>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

フェミニズム的意味が込められた作品。しかし、それだけとして観ると、やや混乱することになる。そうならば、主人公の女性は死ぬまい。これは加えて、「いじめ」と同じ構造の問題を提起している。

その問題意識は
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.1

監督がサマータイムレンダの人なのか!
道理で絵が…というよりは、雰囲気がいい。それこそ、「レンダ」のようなリアル(綺麗)路線ではなくむしろ、肉子を代表としてアニメらしい誇張に満ちた楽しい絵をしているの
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ラブストーリーとあらすじで知った上で、このどこがラブストーリーなのかと一時間ほど疑問に思う。
しかし、やがてわかることになる。家族、異性、会社、友人…あらゆる「愛」の物語の詰まった、まさにラブストーリ
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.8

良くも悪くもシンプルに思える。
簡単に言えば、元凄い人で良い人が悪いヤツをやっつける話。
主人公は人徳のある気持ちの良い人で、そんな人が女の子を虐めるような悪い奴らをバッタバッタと倒していくのには爽快
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エスター(2009年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます


狂気的ながら狡猾なエスターの、目的の見えぬ行為が気味が悪く恐ろしい。
突如錯乱したり、詰めの甘さがあったりと、どうしようもなく垣間見える子どもらしさがあるのが余計おぞましさを感じさせる。彼女が大人な
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バッドボーイズ(1995年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ありガチなバディもの。。
渋い二人がいざこざを起こしながらも協力し事件を解決する、大味ながらもしっかり面白い物語。

間違いなくそうなのだけど、道中で二人が成り代わるというのは初めて。それが面白くてい
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100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

3.6

悪評は最もだが、しかし、悪くは無いと思うのは変だろうか。寧ろ、少しいいとまで思うのだ。

確かに、「100日前」に退屈は感じる。特に原作を追っていた身としては。これを映画化する必要はあるのか、と。その
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.2

始まりから終わりまで淡々としてる。
テーマからしてそんなはずないのに、そう思わずいられないくらい、起こる出来事全てが等価に描かれているという印象。幸福な結婚式も、愛も、殺しも。まるで時間に価値などない
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

4.3

本当に秀逸な構造してる。どこかで大逆転がある、どこかで騙されるとわかってても驚かされる。
普通の流れで同じことをしても、恐らくはあまりにご都合主義というか無理な展開に飽き飽きとさせられるだろう。それが
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思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

3.0

少女マンガ原作、なのだろうか。少女マンガはあまり読まないから偏見塗れの感想だが、少女マンガの悪い印象・偏見を煮詰めきった感。うじうじした主人公、都合の良すぎる展開、甘ったるい描写…クドくて白けてしまう>>続きを読む

素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.7

「つながり」

がこの物語のテーマになっているのか。ハワードがかつて残したつながりが、娘を亡くし色んなつながりを見失った彼を取り戻そうと奮闘する。その過程で増えた会話は、知らずハワードに新たなつながり
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メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

いつもの2人じゃないのか…という寂しさはややあるも、新たなペアもまたいい。
特にHはHだ…()
キャラは新しいながら、皆魅力的。

メン&ウィメン イン ブラックの件などはMへの信頼感などが現れていて
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キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)

3.9

ポップな音楽に冒頭から上がると思った矢先に飛行機の爆音、そして静かな森の行軍、爆撃…とその抑揚、戦時の描写に一気に入り込まされた。

お父さんの性格がとても好き。聖人ではなく、人間らしい優しさ、という
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.3

前作から10年以上、そして個人的に3Dで映画を観るという体験から10年以上。
なるほど、3Dも進化した。目が疲れない。それから、この作品は是非とも3Dで観たい。前作もかなり綺麗だったが、今作は輪をかけ
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