子持ちのカイロレンさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

エデン、その後(1970年製作の映画)

4.5

作りそのものが騙し絵のようなカフェ『エデン』にたむろする頭でっかち大学生たちのエスカレートする実験。構図、色使い、風景の切り取り方、どれをとっても非凡なセンスに感服。反復されるモチーフや意味を想像する>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

自分にとって新シリーズはつまるところキャラクターの良さだったので、懐古主義と言われようとキャラクターたちを再び生き生きと描いてくれたJJにまずはありがとうを言いたい。どんな紆余曲折があったか分からない>>続きを読む

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

4.5

とにかく可愛いアニセーアルヴィナに男も女も狂わされるエロノワール。背徳的なイメージの数々と美女たちの裸。シネフィルと中坊をエロで繋ぐ橋渡し的怪作。

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

2.0

ストリーミング対応なのか知らないけど、早めに見せ場を持ってこようとか、下手に構成いじらないで時間軸どおりにやった方がよっぽど良かったと思う。気球が全部CGなのもなんか悲しい。実話ベースと謳いながら、気>>続きを読む

人生劇場 青春・愛欲・残侠篇(1972年製作の映画)

5.0

濃かった。濃すぎて濃すぎて、縁が濃すぎて、縁が濃けりゃあ人生で大事な人といつでも巡り会えるんだ、そう納得させられる傑作だった。反則のような出会いの数々に説得力を持たせる、加藤泰の演出力がすごい。胸を打>>続きを読む

6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

4.0

マイケルベイと「デッドプール」の脚本家がタッグを組んで予想どおりの悪ノリ三昧。主演のライアンレイノルズはきっと当て書きだろう。軽薄な世界観にピッタリはまってる。ちゃんと実物壊してスタントもやってるのは>>続きを読む

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)

3.0

四半世紀ぶりに鑑賞。昔テレビで見たときは本当怖くて布団被りながら見たトラウマ映画。今見ると案の定…
暴走するトラックのスピード感とか、ペット墓地の雰囲気とか、自殺する近隣住民とか、前半はまだ不穏な空気
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炎のごとく(1981年製作の映画)

4.5

菅原文太の雪山絶叫登山から始まって、青姦セックス、大名行列を強引なパンフォーカスで繋げたカットにどどーんと「監督 加藤泰」の文字。なんだか分からんが凄い。そんな感じで2時間半突っ走る加藤泰の集大成。若>>続きを読む

スキン~あなたに触らせて~(2017年製作の映画)

2.0

口と肛門が逆転している女の子、目のない女の子、自分の足を切断したい男の子、顔のただれた女の子、全員がただただ悲惨。美しく統一された画面設計の中に対比されるように置かれた彼・彼女たちを見ていると、監督の>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.8

圧巻だった。環境問題から、西部劇を彷彿とさせるような民族同士の融和、そして世界平和まで。ここ数年のディズニー映画の志の高さ、ここに極まれり。耳馴染みなかったあの曲も映画の中だとしっくりくる。ラブソング>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

虐げられてきた者の逆襲という点で「アニマルハウス」と同じ精神性を感じた。あのラストの狂乱をどうやって現代に置き換えて成立させるか。「アダルトスクール」で濃厚オマージュを捧げてたトッドフィリップスは、同>>続きを読む

遠い喇叭(1963年製作の映画)

3.3

トロイドナヒュー演じる主人公が歴代彼女を部屋に飾るような女々しい奴なうえに、上司の女房寝とるクソ野郎。そのくせ部下には厳しい。まず自分の股間に厳しくあれ!上司の女房がスザンヌプレシェットでいくらエロく>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

4.5

田舎から上京して20年ばかり経つと、不思議とあれほど強かった地元の思い出も薄れてくる。でもこの映画を観てる間は主人公たちと一緒に自分も昔の思い出がいろいろ蘇ってきて、忘れてること自体忘れてることに気付>>続きを読む

エディ・マーフィー/ライブ!ライブ!ライブ!(1983年製作の映画)

4.5

むかーし、ビデオ屋の片隅で見かけて気になってたエディーマーフィーのスタンダップコメディーショーがNetflixにあった。絶頂期のエディー、本人曰く、プッシーが次々に飛んできてポケットに収まらない状態。>>続きを読む

フィフティ・シェイズ・フリード(2018年製作の映画)

2.5

アクション映画のシリーズ物と同じ方法論でエロを増量したシリーズ最終章。5分に一度ダコタジョンソンのおっぱいが見られる。ポップソングが終始流れる中、音楽担当はダニーエルフマン。あんた一体何の仕事したんだ>>続きを読む

エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

3.5

6年の歳月がキャストの容姿に重くのしかかる。特にトッドことジェシープレモンス、おまえどうにかならんかったのか…デニーロやクリスチャンベール見習えとまでは言わんけど、真逆の体重アプローチでもはや新キャラ>>続きを読む

女獄門帖 引き裂かれた尼僧(1977年製作の映画)

3.5

胸にも股間にもあまり響かず。。。映画秘宝の『日本カルト映画50』で読んで以来、約20年ずっと観たかった映画。でももっと若い時に観とくんだった。予備知識なしで観たらさぞびっくりしただろうなぁ。予備知識入>>続きを読む

アジズ・アンサリの"今"をブッタ斬り!(2019年製作の映画)

5.0

とても良かった。ポリコレに意識的な現代だからこその矛盾に笑いながら気づかせてくれる1時間。決してシニカルにならず、根底にはそんな社会を肯定する暖かい視線がある。自身のmetoo騒動や汚い部分も曝け出し>>続きを読む

クリス・ロックのタンバリン(2018年製作の映画)

3.5

浮気、離婚、裁判とクリスロックの「冬来たる」な時期のスタンダップコメディー特番。こんな大物でも離婚はキツかったらしく、少し哀愁を感じる。自分は女性軽視なネタがキツくてあまり笑えなかった。
これ一本でギ
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アダム・サンドラーの100%フレッシュ(2018年製作の映画)

4.5

アダムサンドラーのスタンダップコメディー集。SNLとかでお馴染の歌ネタも、日本じゃあまり見れないのでこういう作品は貴重。51歳になってもおばあちゃんネタと幼稚園児みたいな下ネタを貫く、相変わらずの芸風>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

3.2

エルトンさん、分かりました、個人面談で話して下さい、勘弁してください、暴れないでください、他の皆さんもいますから、という集団セラピーの他の参加者たちの声が聞こえてきそうな気がした。「ボヘミアンラプソデ>>続きを読む

シャイアン(1964年製作の映画)

4.0

シャイアン族が故郷を目指す道のりに、ホロコーストや黒人奴隷、そして旧約聖書までを重ねるような、あらゆるマイノリティの悲劇を透かし見る壮大な叙事詩。ワイアットアープとドクホリデイの馬鹿げた描写は、70年>>続きを読む

王になろうとした男(1975年製作の映画)

5.0

ショーンコネリーとマイケルケインが秘境の国を目指して繰り広げる大冒険活劇。終始陽気な2人だが、死を厭わない姿勢はどこか虚無的で、全編に刹那的な空気が漂う。戦争を経験したジョンヒューストンだからこそ作れ>>続きを読む

ザ・ヤクザ(1974年製作の映画)

4.0

無理矢理ヤクザ映画と西部劇を合体させようとする志の高さが素晴らしい。日本に対するうわべの知識じゃ作れない脚本はさすがポールシュレイダー。サラリーマン達が「愛しのクレメンタイン」を歌い出すトンデモな中盤>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

観ている間タランティーノの近作を思い出した。スパイクリーは「ジャンゴ」を批判していたけど、人類の悲惨な歴史を塗り替えるやり方は表面的によく似ている。と同時に2人の違いも分かって面白かった。
ファンタジ
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.2

決めつけられた社会のルールや男性的価値観をマーベル起源まで遡り蹴っ飛ばす快作。アイデンティティを巡る問い掛けがラストの決め台詞に直結した時の感動。男根の象徴を破壊しまくる雄姿。何度も立ち上がるモンター>>続きを読む

バンブルビー(2018年製作の映画)

1.5

ヘイリースタインフェルドを便利に使い過ぎ。朝からスミス聴くタイプにはどうしても見えない。拗らせ女子=オルタナロック好きじゃないぞ。あと「ブレックファストクラブ」の無駄使いするな。それなら最低限学園ドラ>>続きを読む

神さまの言うとおり(2014年製作の映画)

2.5

三池崇史が得意の見世物CGで見せる残酷と笑いのコントラスト。先が読めない展開と見た目の奇抜さで、途中まで「もしかして拾い物かも」と期待させるも後半はユーモアがなくなり萎んでいくのが惜しい。「テラフォー>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

2.0

巷の評判に反して全く乗れず、CGだらけの映像に疲れた。早くも内容を忘れかけてるが、なんとか記憶に残りそうなのはタコが8本の足でドラム叩いてたとこだけ。2億ドルの制作費をかけて、タコドラムしか記憶に残ら>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.5

批判は覚悟のうえで真っ直ぐなヒューマニズムを貫くのがファレリー監督らしい。ただ、描き方に配慮しキャラクターに捻りが加えられてても、黒人が白人のボディーガードを頼る構図の中では、どうしたってシャーリーが>>続きを読む

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

4.0

すごーく丁寧なフリのあと怒涛のボケタイムに突入する、笑いの基本に忠実なラブコメディ。親切設計だなぁーと余裕ぶっこいて見てたら、しかし最後の展開に泣かされた。すごく現代的。こうしてラブコメのヒロイン像も>>続きを読む

ザ・インフェルノ(2017年製作の映画)

2.5

観てる間ずっと胸糞悪くなるチリの残虐ホラー映画。近親相姦と死姦を強要される冒頭からどうかしてる。赤ちゃんネタはダメだよ…話はピノチェト軍事政権の負の連鎖として描かれてるけど、不要なエロが多いんで監督が>>続きを読む

FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー(2019年製作の映画)

4.5

実現不可能な夢のフェスに踊らされた、関係者の怒りと悲しみと自虐的な笑いで綴る濃密なドキュメンタリー。スタッフにとっては不幸でも、外野にとってこれほど面白いネタはないだろう。まさに祭り。次々起こるトラブ>>続きを読む

シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

4.8

面白かった!アナ雪、モアナ以降のヒロイン像の、その先。魑魅魍魎と踊るディスイズミーなミュージカルシーンが泣ける。ドラマ部分を担うラルフの葛藤を、ゾンビ〜怪獣映画に仕上げるセンスも流石。小ネタと悪趣味の>>続きを読む

テレマークの要塞(1965年製作の映画)

3.0

開始1時間サスペンスが何も起こらないのがきつい。レジスタンスの生活は地味だ。やれることといえば大岩転がして戦車にぶつけることくらい。その報復で村人がいきなり15人殺されるんだけど、ファロンはチャンピオ>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.5

驚異のロングランのお陰でようやく見れた。ありがとうシネマート新宿。遥か昔にVHSで観た時の衝撃が、4Kの綺麗な映像に塗り替えられた。吊橋のシーンは記憶より短かった。ロイシャイダーが呪われた運命を思い返>>続きを読む