外は雨さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

4.1

ミシェル・オスロ監督。ベル・エポックの時代のパリ。パリ万博でニューカレドニアの暮らしを演じる少女。彼女は聡明で礼儀正しく勇敢で、でも実はひとりぼっちな少女ディリリが当時のパリの有名人に出会いながらある>>続きを読む

アンナ(1966年製作の映画)

3.8

とても久しぶりにこの映画をスクリーンで観たのだけれど、あれ?わたしほとんど覚えてなかったw その時寝てたのか? そのくらい新鮮な気持ちで観た。アンナ・カリーナの大きな口の笑い顔や声があまりにも可愛くて>>続きを読む

気球クラブ、その後(2006年製作の映画)

3.3

学生時代の気球サークルうわの空。その一人の唐突な事故の知らせによるみんなとの再会と別れと。ミツコさん。浮かんだままのバルーン。落ちてくるのを待っていたのに。落ちて来やしない。ダラけてモヤって誰かをじっ>>続きを読む

インビクタス/負けざる者たち(2009年製作の映画)

4.0

アパルトヘイト政策撤廃直後の南アフリカ。南アフリカといえばここ最近ではサッカーのワールドカップですがその前に1995年のラグビーのワールドカップの開催地。ネルソン・マンデラ大統領とスプリングボクスのリ>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.7

老人ホームにいる妻を無くした認知症の老人。目が醒める度に妻のルースがこの世から居なくなっている事に気付かず探す。手紙を手掛かりにある人物を探していく。ピアノを弾く、最初は辿々しく、徐々に身体が記憶を取>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

5.0

IMAXで2019年というその時に観られるとは。ついこの映画を観ると何度も観ているのに視点が定まらず、いろんな場所を観てしまう。あの写真を解析する装置が好きすぎる。フォークトカンプフ検査のあの装置も。>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

3.6

ボレロのあの瞬間が1時間後の奇跡爆誕タイトル。高校時代はキリスト教系の学校に通っていたのでこのコリント人への手紙の一節はよく朝の礼拝で聞いていたっけ。「愛がなければ無に等しい」。あー、あたしあの悦っぽ>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.3

69年ハリウッド。面白かった!あー、パンナムってワクワクする。シャロン・テートのキュートさ。白いブーツと裸足。デカプリオの泣き虫なちょっと落ち目の悩めるちょっとアホっぽいアクター。とそのスタントマンブ>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.5

いいんですよね。つい放送されると観ちゃう。

妻を亡くし、息子達とは不仲。孤独な頑固ジジイとアジア系移民の家族。

近隣の住民がアメリカ人ではなくなり、多くがアジア系になってしまったことをポーチでビー
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.5

天使のような。善悪のその区別もなく、手にしたものへの執着もなく、そこに愛もなく。彼には渇望すらもないのでは。そんな無垢。好きな音楽で手を広げて踊る。少年というより幼児性すら残すその丸みを帯びた身体。ロ>>続きを読む

ONE PIECE ワンピース 珍獣島のチョッパー王国(2002年製作の映画)

2.5

番外編的なサイドストーリー。チョッパーのストーリーはオリジナルの方がグッとくるし、かわいい。

ひとごろし(1976年製作の映画)

3.5

周囲から臆病者の烙印を押され妹の縁談すらままならない侍の六兵衛。そんな臆病者の侍が上意討ちを志願する。相手は剣豪、かたや自分は剣の腕も度胸もからっきしそんな彼が企てたのは・・・。

監督は「木枯し紋次
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愛する時と死する時(1958年製作の映画)

3.2

アメリカ映画がドイツ側の視点で描いた第二次世界大戦終盤の映画。恋愛模様などメロドラマっぽい要素も多分にあるけど、瓦礫の中家族を探す場面や、極寒の何もかもが凍るような中歩く兵士達の様、そしてラストシーン>>続きを読む

いそしぎ(1965年製作の映画)

2.8

美しい海辺の風景と最高の音楽。ジョニー・マンデルのこのサントラは本当に素晴らしい。
でも、映画の内容は超メロドラマ、なんですよね。エリザベス・テイラーの自由な母親像はいつの間にやら子供の存在自体映画
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東京キッド(1950年製作の映画)

3.7

なんと言っても美空ひばりの歌! 子供が歌うにはちょっと不釣り合いにも思える哀愁を帯びた楽曲も素敵。戦後間もない東京の子供。映画としてはちょっとドタバタとしたところがあるし、チャップリンの映画からの影響>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.5

千尋の大粒の涙のシーン。ここで生きることを決めておにぎりを頬張りながらポロンポロン涙が溢れる。ハクの名前を思い出してポロンポロン涙が上に昇っていく。あのエレベーターで守ってくれた大根の神様、浅草に大根>>続きを読む

ボルタンスキーを探して(1990年製作の映画)

4.5

‪駅の忘れられた傘を拾い集め、古着の一枚一枚に着ていた人を想像し、雑誌の写真を切り抜きそのままにして混ぜこぜにして一体誰の事だかわからなくなってしまった人達を祀る。自分の少年時代なのか他者のそれなのか>>続きを読む

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札(2014年製作の映画)

3.2

グレース・ケリーにニコール・キッドマン。レーニエ公にティム・ロス。ヒッチコックが「マーニー」の出演依頼に訪れる。アルジェリア戦争を背景にフランスとの関係の政治的な危機をどのように乗り切るかを事実とフィ>>続きを読む

メン・イン・キャット(2016年製作の映画)

2.8

もしかして、猫と、入れ替わってる〜!?映画。タイトルがなんでまたMICなんって思ってたら監督がバリー・ソネンフェルドじゃないですか。ケビン・スペイシーやクリストファー・ウォーケンが出てるとか何気に豪華>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

4.0

小津安二郎監督。小津最後の白黒映画。父と姉妹、そして出て行った母。物語と不釣り合いな軽妙な音楽。あまりにも唐突な別れ。母の山田五十鈴が素晴らしい。彼女の事は何一つ理解できないけど、申し訳ない様子もない>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

3.5

火星探査機の持ち帰った生命体サンプル。ISSで実験が行われる。ミジンコのような存在から粘菌のように。その存在はカルヴィンと名付けられる。これって智天使ケルビムの事でしょうか?小さな粘菌が羽を広げている>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

3.3

1993年。ずっと観る機会なかった作品。子供の頃の夏の1日。もしもあの時、の世界。奥菜恵が無邪気な男の子達のその中で、すいっと一人だけが大人びていて、美しい。実はどうも岩井俊二のその綺麗で儚い感じが、>>続きを読む

劇場版 零 ゼロ(2014年製作の映画)

2.5

安里麻里監督。零。ゲームの映画化作品。女の子だけにかかる呪い。オフィーリアの水浴。中条あやみちゃんはかわいいし、カトリックのミッション学校の女生徒たちの制服姿も麗しい。でも、まるで怖くない。オフィーリ>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

4.0

STUDIO4℃のオリジナリティ溢れる映像のそのアプローチがあまりにも凄まじい。原作は知らないで観たんですけど、こいつはどう考えてもアシッドな精神世界です。あまりに美しいけど、わははこりゃ危ないw 博>>続きを読む

女囚さそり 第41雑居房(1972年製作の映画)

3.6

ほとんど言葉を発しない梶芽衣子のその美しさたるや。女の恨みを全て引き受けたような冷めた視線。男性共はもうみんな本当に最低で腐れショッカーみたいですw 白装束で罪を告白していく。いやいや女共も最低だ。老>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.0

ぽっかりと空に空いたドーム。崩れて目だけが残ったイコン。各地で民族音楽や舞踊を収集し舞踊団を創設する。そのオーディションの場面で彼はもう彼女に釘付けになる。この世にただ一人の人、破滅を内在する女。ファ>>続きを読む

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

3.7

暗闇の弾丸の音と閃光。悪態をつきながらぶっきらぼうにお互いを助け合う二人。過ごした時間の伸びた髪を切る。スカーフの匂いを嗅ぎ嘘っぱちの物語にすがり、馬の死にあまりに悲しくなる自分に狼狽する。そんなイー>>続きを読む

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

3.8

東野圭吾原作のドラマ「新参者」の劇場版。琵琶湖の岸のほとりに立つ短いシーンや、人の背の窓から見える海の水平線の位置が浅くなったり深くなったりするその絵はちょっと驚いてしまうほど美しい。物語は闇の部分や>>続きを読む

劇場版ポケットモンスター キミにきめた!(2017年製作の映画)

3.2

サトシとピカチュウが相棒になる物語。アニメ版初めてでテレビ放送テレテレ観てたんですが、ピカチュウ喋ってて超ビックリしたんですけど、喋るの名探偵だけだと思ってて、ビックリしたよぉ。てかそれは泣くから、も>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

5.0

ユーリ・ノルシュテイン監督。1975年。ハリネズミのヨージクがこぐまに会うために森を抜けていく。立ち込める霧の海にトプンと沈む。立ち込める霧の海の岸辺トプンと沈む。ホタルのトーチカ。白い馬やフクロウ優>>続きを読む

アイム・ソー・エキサイテッド!(2013年製作の映画)

2.3

ゲイの客室乗務員が機転を効かせて大活躍する物語かと思ったらそうでなくw やっぱ飛行機のパニックモノってどうしても場面が限定されちゃうので会話劇に終始しがちですよね。しかも下ネタ満載です。アルモドバルら>>続きを読む

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.2

ウズベキスタンでバラエティ番組を撮る人達。ずっとあっちゃんが心も行動もお仕事も迷子。ずっと一人で言葉の通じない街を駆け出している。あっちゃんの歌のシーンは何か不思議な感覚で、おめでとう!と声を出して言>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.1

ラース・フォン・トリアー監督による悪趣味現代美術的殺人大全。引用される美術史とダンテの神曲。グレン・グールドの天界の響きと呻き声。彼が撮る写真のネガフィルムの小さな黒い点。連続し移動する欲望の影の黒い>>続きを読む

アナモルフォーシス(1991年製作の映画)

3.7

ブラザーズ・クエイ監督。1991年。絵画手法。レンズ越しに、鏡越しに、カーテン越しの、覗き窓。歪んで隠された絵画の中の秘密を、視点の移動によって歪んだ像が変容する様を人形と一緒にお勉強。ハンス・ホルバ>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.7

キングコングってなんか可哀想なんでなんとなく敬遠してて観てなかったんですけど、ゴジラ観た後で観ました。そっかーそんな感じで繋がるんですかほぉー。時代がベトナム戦争直後という事で「地獄の黙示録」っぽい絵>>続きを読む

アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.2

ユーリ・ノルシュテイン監督。1974年。ウラジーミル・ダーリ原案のロシア民話。妻で美術監督のヤールブソワ。久しぶりに観たけど本当に綺麗。細いペンで描いたような線がこの奥行きと相まってあまりにも美しくて>>続きを読む