外は雨さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

フォトグラフ ~あなたが私を見つけた日~(2019年製作の映画)

2.9

ムンバイで観光客相手に写真を撮る仕事をしている物静かな男と、高学歴で優秀だけど人の言うなりになってしまう娘との物語。都会で暮らす地方出身者のコミュニティが密でどんな事でも知っているご近所さんという面倒>>続きを読む

ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

3.0

マーティン・ブレスト監督。ロバート・デ・ニーロの元刑事の賞金稼ぎとマフィアを出し抜いた会計士がありとあらゆるところから追われてしまう逃亡劇。みんながみんなボケ倒してる。前に観た事あったけど忘れてた。8>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.4

冒頭のモンタージュ。サブリミナル的に挿入される生殖器。看護婦のアルマと言葉を失った女優エリザベート。アルマの寝室に訪れるエリザベートの姿が白く肉体から離れた霊体のような姿で、あまりに美しい。一人が閉じ>>続きを読む

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

2.8

んー。実のところ見渡す限りほぼ雲で非常に退屈に感じて。密林で家で観ていたのでつい睡魔に襲われそうになりストレッチしながら観ていると、フェリシティ・ジョーンズがゾンビに見えてきたという。ジェームズおまえ>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.8

メル・ギブソン監督なので映画に盛り込む盛り込む。第二次世界大戦の沖縄戦の衛生兵デズモンド・ドスを描いた映画。前半と後半でパッキリ分かれる構成。後半の近接戦は悲惨と言うより他なく、その肉体が破壊される無>>続きを読む

クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)

3.1

ジャンヌ・モロー。老いてなお思うままに他人に辛辣で、孤独であっても自分を変えるような事はせず、毎日美しく着飾り、焼き立てのクロワッサンじゃないと口もつけない。「死を待っているのね」という言葉がズシリと>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.2

フランシスのダンスが超絶下手w いやそんな事はどうでもいいのですよ!彼女が街を飛び跳ねながら走っていく様があれば。ヌーヴェル・バーグの作品みたいな軽快でコミカルで自由でやるせなく不器用で孤独な女の子の>>続きを読む

奇跡の2000マイル(2013年製作の映画)

2.8

一匹の黒い犬と4頭のラクダとオーストラリアの砂漠地帯を横断したロビン・デヴィッドソンの自伝の映画化。この時代秘境とか冒険家が確かに多かったなぁ。言葉が通じない動物やアボリジニたちとの方が彼女の中には居>>続きを読む

ロスト・イン・ラ・マンチャ(2001年製作の映画)

3.3

「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」を観た後ちょっと落ち着いてからもう一度観ました。とても久しぶりに。わたしはジャン・ロシュフォールが大好きなので、やっぱり彼のドンキホーテ、観たかったなぁ。このために>>続きを読む

亜人(2017年製作の映画)

3.5

アニメの方を観ていたのだけれど、これアクションはかなりいい出来なのでは?特に佐藤役の綾野剛くんのいろんな銃器の扱いが無双カッコいい。佐藤役はもっと年寄りなイメージだったのだけれども、声はうんあの「衝撃>>続きを読む

女は女である(1961年製作の映画)

4.3

ゴダールのアンナ・カリーナもう超絶かわいい映画。「だってわたしがキレイだから」ですよもう!ノンでウィな最上位天邪鬼。はれんちなんだから!ジャジャーン!だから女の子はカーディガンは赤!と決まっているので>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.9

ドゥニ・ヴィルヌーヴ。カナダに住むレバノン生まれの姉弟。母の遺言から彼らの父と兄を探して母の足跡を追ってレバノン中を旅をする。何も語って来なかった母の生涯とは。キリスト教徒とイスラム教徒との内戦を描い>>続きを読む

アンチクライスト(2009年製作の映画)

4.3

ラース・フォン・トリアーの描く母である女。アダムとイブの原罪。エデンという森に累々と横たわる死体。生命の樹というより死を絡め取る根。キツネと鹿とカラス。

ヘンデルのオペラ「リナルド」のアリア「わたし
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.0

地上波放送を楽しみにしてたんですけど、途中から若干飽きピヨピヨウトウトしてしまった。二階堂さんが罵倒したりウットリしたりキスを求めたりしてるのを観るのが至福。とりあえず千葉のエンペラーがジャガーさんだ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.6

ジョジョのイマジナリーなお友達はヒトラー。流れる曲がビートルズやトム・ウェイツやデヴィッド・ボウイという時空を超えたものである事にちょっともぞもぞっとしちゃう感じ。それはダンスもで。ダンスそれ?とつい>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.8

是枝裕和監督の撮影が素晴らしく。単調なシーンであってもそれがあるんだなぁと、いつも凄いなぁと思ってしまう。

役所広司のつかみどころの無い容疑者との接見の場でもガラス越しの顔が薄く重なりを見せたりして
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FRIED DRAGON FISH(1996年製作の映画)

3.3

これたまたま当時深夜のテレビ放送で観た気がする。この浅野忠信が鮮烈に美しくてねぇ。どこにもいない感じだった。ちょっとぽわぁとなった。久しぶりに観た。

テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

4.6

ドン・キホーテ。これはギリアム自身の創造と闘争の物語。我が名はドン・キホーテ・デ・ラマンチャ!風車に向かって戦いを挑む頭のおかしい唐変木に、はいはいついていきますともよ!もう我らはサンチョ・パンサ!困>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.3

レオス・カラックス監督。ドニ・ラヴァンのその生。役者という映画という幾つもの生。そして死。パリの街を様々に分刻みで生きる。映画について。役者について。パリについて。

エドワード・マイブリッジによる写
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

田舎町で忽然と失踪してしまった二人の少女。父親の容疑者への追求の暴力。緊迫感のある展開が面白い。ヒュー・ジャックマンの拷問が、怖いよう。。。ジェイク・ギレンホールも一匹狼捜査官。ポール・ダノがもういつ>>続きを読む

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.3

エーテル。少年時代。チャットルーム。ハンドルネーム。フィリア。青猫。ドビュッシーの印象派。

市原隼人くんがもの凄い透明だ。そしてその透明さは枯渇してしまい、醜悪で残酷だ。そんな透明さと光を濁らせたい
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.5

アトランタ五輪の無差別テロ。第一発見者である警備員が犯人と疑われる。メディアの裏付けのない過激な煽動の報道。クリント・イーストウッド監督のこの映画の手触りはとても軽やかでそのドラマに自然に引き込まれて>>続きを読む

疾風ロンド(2016年製作の映画)

1.8

吉田照幸監督。阿部寛。東野圭吾作品なんですね。コメディタッチで生物兵器の炭素菌をアイテムにしてるのに全てにおいてゆるく緊迫感皆無。そのコメディも面白いかといえば面白くない。

ハイジ(2005年製作の映画)

3.0

子供の頃に観た「アルプスの少女ハイジ」の実写です。ん?あれ?おんじがブルーノ・ガンツの方ではなかったw エマ・ボルジャーのハイジはとてもかわいい。いかんせんかけ足でどんどんサクサク進んでいくので物語が>>続きを読む

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)

3.5

池田敏春監督。にっかつロマンポルノです。ああこたつ狂乱w タマゴがw とかまぁビックリなんではありますが。新宿の地下で逃げ惑い駆けて行くシーンの彼女の危うさや、ジャングルジムの雨のシーンのそのコンポジ>>続きを読む

シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.1

ダメなアン・ハサウェイって初めて観た気がするw ちょっと首を傾げて頭をポリポリ掻く。奇想天外なストーリー。抑圧からぽーんと解放されたい、じゃなくてぽーいしちゃう。そしてやっぱり飲むダメさw

アン・
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.4

不器用な恋。困っちゃうなあ恋は。とんでもなく恥ずかしいよ恋は。自分の名前すら覚えられていない存在だと気付く時。ああでもわたしも全然覚えられない。悪意はないけどそういうの傷つくというのは理解してるけど、>>続きを読む

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

3.0

この間「教場」を観て、おや、やっとキムタクが老けてくれるのか!とちょっと喜んでたらCMやらで普通に若くてイケメソでちょっとガッカリしてる訳ですw お客さんが入れ替わり立ち替わりグランドホテル形式のドラ>>続きを読む

TAJOMARU(2009年製作の映画)

2.0

中野裕之監督。芥川龍之介の「藪の中」を原作という事らしい。カメラワークも決まっておらず、舞台美術も衣装もなんだろうこれ?現代的な脚本と演技。振り切ってサムライ・フィクションみたいにオサレポップにやっち>>続きを読む

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

3.0

ジャック・ブラックアバターのギャルが何気にいい子でかわいい。しかし、ジュマンジって時代にあわせて変化する謎遺物なのねぇ。ステータスも出たりNPCがいたりしてちょっと異世界アニメ感。ドンドコドコドコドコ>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.0

まるで別の映画を観るように感じた。すずさんの恋心や嫉妬心、周作さんとの喧嘩が本当の夫婦になっていく。みんなの心の中に仕舞われた秘密の想いをそおっと紐解くように、でもその秘密も胸の中に一緒に生きつつ仕舞>>続きを読む

マッドバウンド 哀しき友情(2017年製作の映画)

3.4

ディー・リース監督。第二次世界大戦後のアメリカミシシッピの農場。誰もが自分が根を下ろす土地を欲しがっている。泥濘んだ乾くことのない泥の中で。白人と黒人の帰還兵が感じるお互いへの連帯とは。戦争の最中での>>続きを読む

時をかける少女(1983年製作の映画)

3.5

尾道の屋根瓦。時の記憶のモノクロームとカラーを行き来する。

映画全体としてはちょっと凸凹してるけど、モノクロやカラーの移り変わり、町を彷徨うコマ撮りとか大林宣彦監督の少年のように尾道を描く様が瑞々し
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白い沈黙(2014年製作の映画)

2.8

父親がちょっと目を話した隙に誘拐された娘。んー、なんか長く経過したその両親の傷つけられた時間も感じられないし、犯人の社会的な地位のある支配層が幼い女児を食い物にしながら生活するその異常性も描き方がとて>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

スターウォーズはうちはもうイベント的にとても楽しんでいる。だって当時エピソード1を勇んで初日に観てジャージャーにキレそうになった後なら、そりゃもうどんとこいだ。

あるシーンでJJこんにゃろー。となる
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アトランティックス(2019年製作の映画)

2.4

マディ・ディオブ監督。家族に決められた金持ちとの結婚を控えても想いを寄せるスレイマンとの恋に悩むセネガルの少女アダ。当然物語はそういう方向に行くものだと思いきや、あれー、どっち行くのー?という不思議な>>続きを読む