H・G・ウェルズの創造した“透明人間”は、自らの全能感に狂い、他人を傷つけ、社会を脅かす怪物として描かれた。本作以降、“透明人間”はホラー映画のヴィラン、あるいは特殊能力を持つヒーローになっている。昔>>続きを読む
内容の一部分だけが過大に喧伝されているので、“ゴシック・ホラー”のような印象を持たれているかもしれないが、ヒッチコック唯一のアカデミー作品賞ならではの、一筋縄ではゆかない展開が待っているサスペンス映画>>続きを読む
韓国映画で、日本が舞台になっている作品が結構あるが、本作は、1991年に千葉県で開催された、世界卓球選手権大会での出来事が元になっている。とはいえ、日本人の話はあまり出てこないが…。
韓国側のヒロイン>>続きを読む
松田優作がセントラルアーツのアクション作品から退き、ジャッキー映画にも新鮮味が失われてきた頃に、ラジオやクチコミでの評判が届いてきたのがこの映画だった。そんなに期待はしていなかったが、仕事終わりで入っ>>続きを読む
26年目の“阪神・淡路大震災の日”に、神戸を舞台にした本作を観なおした。
ファストファッションに抵抗感がなくなった今でも、“一生モノ”として作ったオーダーメイドのスーツは手放していない。手直しも必要だ>>続きを読む
実写版1作目は、万事屋三人組とヤスケン(安田顕)を堪能する映画だったが、2作目は、三人組が真選組(と将軍・茂茂)の引き立て役に廻った感じで、それはそれで愉しめた。
地上波初放映時、関西では、裏(KBS>>続きを読む
秘めた野性味を滲ませる男と、物怖じしない目の不自由な女性との出会いから、関係が徐々に進展してゆく流れは、ありえないんだけれど、韓流ならではという感じで納得させられてしまう。これに乗れれば、後は身を任せ>>続きを読む
リアルタイムで“テレビ西部劇『ローハイド』”を観ていたわけではないが、
それでも、カウボーイ(牧童)たちが牛を追う旅(ロングドライブ)は、西部劇の王道だと思える。ガンマン(ガン・ファイター)は、むしろ>>続きを読む
韓国スパイ映画の当たり年(2013年)に作られた。若手スターをメインに、貧困地区(タルドンネと呼ばれるらしい)を舞台とした人情味のある前半と、アクション満載の後半を一挙に愉しめる逸品だが、韓国の人々の>>続きを読む
日本語吹替え版の入ったBDの声優陣が豪華なのが気になって、BSの字幕版放映を覗いてみた。
主役のミス・マープルは、ランズベリーに備わったアザミのような棘が好いアクセントで、のちに『ジェシカおばさん~』>>続きを読む
いくらなんでも、もうちょっと良い邦題はなかったのかと思いもするが、昔のテレビ放映(もちろん、吹替えは城達也)時代には、十分にインパクトがあった気もする。海外ドラマで“shrink”と揶揄される以前の精>>続きを読む
映画館で観た時には、時代設定に反するように、登場人物のキャラクターが総じて古風なのが可笑しかったが、主人公たちが社会に反抗するのではなく、どうにか折り合っていこうとするところが、イマドキの青春映画とい>>続きを読む
アーサー・コナン・ドイルの創出した“名探偵シャーロック・ホームズ”が登場する派生作品は、小説はもとより、ドラマ、映画、演劇、アニメに至るまで、枚挙に暇が無さすぎるくらいだが、やはり、イギリスを舞台にし>>続きを読む
まだナチス残党の逃亡追及が本格化する以前に、フィクションとはいえ、こんな映画が作られていたことに驚くが、メインの舞台がブラジルのリオ・デ・ジャネイロというのもリアリティがある。
とはいえ、映画はサスペ>>続きを読む
この間の「パッドマン 5億人の女性を救った男 」を観た時は、“やっぱ遅れてるなインド”と思ったが、本作には“こんな映画も作られてたんだ”と驚いた。やはりインドは奥深い。日本映画も、もっと踏み込まねば。>>続きを読む
一見「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」を思い出すが、実は、軍事政権下のアルゼンチン(1976~1983)でおこなわれた、“汚い戦争”と呼ばれる圧政時代が背景にある映画。声高に悲劇を叫ばない分、かえ>>続きを読む
エンターテイメント(芸能)賛歌であり、アステア賛歌の面もある映画だが、フレッド・アステアならば素直に受け容れられる。
「雨に唄えば」では、台詞なしでも存在感十分だったシド・チャリシーも、本作ではメイン>>続きを読む
20年前に観た時は、何故こんなオッサンがスーパースターなのかと思ったが、開始5分で主演のラジニカーントはインドの植木等なんだと理解した。
となれば、あとはノリに任せて、歌と踊り、コメディにロマンス、大>>続きを読む
10年前にレンタルで観たときは、時代背景(昭和30年ごろ)と舞台(山口県防府市)が好ましく、ノスタルジックなファンタジーの「となりのトトロ」とは一味違う、歴史に裏打ちされた原風景と、忘れかけていた子供>>続きを読む
題名負けしてる感じだが、60年代は怪獣バトルだけで十分集客できたし、翌年には「ウルトラマン」に始まる(第一次)怪獣ブームが起きる。それでも、本作は“空想科学(SF)”のロマンを忘れず、ストーリー構成も>>続きを読む
最初は一人の男に起きるタイムループが描かれるが、実は同じ時間を繰り返しているもう一人の人物が現れて、さらに…
という展開。繰り返されるのは一日の内の2時間ほどだが、英題は「A DAY」。その意味合いは>>続きを読む
有名作家をモチーフに、伝記でなく、イメージを膨らませたフィクショナルな映画は結構あるので、私は驚かないが、本作は当時のデンマーク政府を怒らせたらしい。でも、歌い、恋に惑うアンデルセンも悪くないと思うけ>>続きを読む
チャップリンの「独裁者」と同じ年に公開された。ヒッチコックはあくまで娯楽映画として作ったんだそうだが、アメリカが中立から参戦へと舵を切る時代のムードが伝わってくる。
もちろん、サスペンス映画として一級>>続きを読む
ケヴィン・レイノルズ監督作の「復活」を観たときには、本作のことがすぐには思い出せなかった。洋画のテレビ(地上波)放映が華やかだった頃(昭和かな)には、「ベン・ハー」や「十戒」と並んで、本作や「サムソン>>続きを読む
ソル・ギョングを初めて観たのは2001年公開の「ユリョン」だったと思うが、その後も「オアシス」や「ペパーミント・キャンディー」「シルミド」「力道山」と変幻自在な彼の演技に魅せられ続けた。ジャンルを問わ>>続きを読む
スクリーンでの初見は80年代のリバイバル上映時だが、最近の観かえしで結構気づかされることが増えてきた。
“宍戸 錠”面のゴジラは怖くはないが、ゴジラの尻尾からの登場やローアングルの歩行は「シンゴジラ」>>続きを読む
日本で「ザッツ・エンタテインメント」および「ザッツ・エンタテインメントPART2」が公開された頃から、アーサー・フリード製作のMGM作品を中心に、ミュージカルの名作を観漁るようになってしまった。ソフト>>続きを読む
キャストが演技巧者揃いなので、落ち着いて観ていられた。日常のありふれたサスペンスを、盛りすぎず、しかし、最後まで緊張感を緩めずに見せきった監督の力量は確かだ。ヒロインに映画的な着地点を与えたラストも好>>続きを読む
公開当時は“オカルト映画”という括りで、“イタリアン・ホラー”なんて言われてもピンとこないが、あの旋律は聴き憶えている。たしかオルゴールも在ったハズ。ラジオではデート映画推ししてたと思うが、少女マンガ>>続きを読む
ミニシアターで観た折はフィルムの状態も悪くて上手く入り込めなかったが、それでも、以前に見た「レディ・バニッシュ/暗号を歌う女」の元ネタだということくらいは分かった。
ひさびさに良い状態の画質で観直すと>>続きを読む
2021年10月公開(予定)って、塩漬けどころか発酵しちゃうぞ!
1年後に、ようやくスクリーン鑑賞。
『どうする家康』も観終えた今、自宅で字幕付きで見直して思うのは、三谷幸喜に負けず、岡田准一も敗>>続きを読む
ボーリング・フォー・コロンバイン」が暴いたように、アメリカの銃社会を支える闇は深い。だからこそ、サッカーパンチというか、一発逆転の展開にスカッとさせられる。『肉を切らせて骨を断つ』や『小の虫を殺して大>>続きを読む
「ミツバチのささやき」や「ヤング・フランケンシュタイン」を先に観ていたが、のちにミニシアターで本作を観て、意外にも単なるこけおどしの怪奇映画ではないことに驚いた。
マッドサイエンティストとモンスターが>>続きを読む
映画の背景にある朝鮮戦争による離散家族の問題は、戦後に帰国事業を推し進めた日本人にとっても他所事ではないし、北朝鮮による拉致問題は日韓共通だ。
韓国映画の「プンサンケ」や「国際市場で逢いましょう」だけ>>続きを読む
単館のルビッチ特集で観た時には、お気楽さだけの娯楽作だと思ったのだが、5年ぶりに観てみると、自分の年齢とも重なって身につまされるところが大だった。何より、語り口の見事さに“ルビッチ・タッチ”の真骨頂を>>続きを読む
中学生の頃、自分が嫌いになった。劣等感ばかりがオリの様に心に溜まり、自分を変えようと試みるも、努力する根性がなくて挫折するだけだった。あのとき、そんな自分を包み隠さず誰かに見せられていたら、もっとマシ>>続きを読む