クリストフォルーさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

クリストフォルー

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ダイ・ハード2(1990年製作の映画)

4.0

《緊急事態宣言》発動下で映画館が休館しまくる中、深夜の吹替え放映は有難い。もちろん、多少カットされてはいるが、野沢那智っちゃんのマクレーンは最高。ストーリー展開も、シリーズ中で一番好きだな。
テレビド
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ラ・ブーム(1980年製作の映画)

3.5

個人的には《美少女登場モノ》とでも名づけるべき映画ジャンルがある気がする。70年代の「小さな恋のメロディ」や「フレンズ/ポールとミシェル」「おませなツインキー」。80年代は、この「ラ・ブーム」や「なま>>続きを読む

東京原発(2002年製作の映画)

4.1

情けないことに、本作が制作(公開は2年後)されてからの20年、あの福島第一原発・1~4号機の同時事故(メルトダウン)を経ても尚、日本(政府)は”核燃料サイクル政策”を捨てられず、事故後も、結局流出を止>>続きを読む

追想(1956年製作の映画)

4.1

《追想=過去を思い起こす》という言葉自体、いまや通じない感じだが、1957年には、この邦題とバーグマンの名前で充分だったのだろう。元は舞台劇のようだが、「ガス燈」を思わせるニューロティックなバーグマン>>続きを読む

渇き。(2013年製作の映画)

4.5

少し前の緒形拳や仲代達矢がそうだったように、いま、日本映画・ドラマ界の頂点に立つ俳優といえば、やはり役所広司だろう。もちろん、渡辺謙、佐藤浩市、中井貴一らもいるが、役所は『彼がいなかったら、日本のエン>>続きを読む

おじいさんと草原の小学校(2010年製作の映画)

4.5

10年前の劇場鑑賞時は、遠いケニアの裏面史も含めた人間賛歌に感動した。
いま観なおして思うのは、《(公)教育は人々を自由にするためにある》ということだ。
中共がいまウィグルで行なっている《教育による民
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丹下左膳 百万両の壺(2004年製作の映画)

3.8

なぜか、いろんなドラマ資料からオミットされている感じの時代劇ドラマ『赤頭巾快刀乱麻(1991/NHK)』観ていたせいで、本作の公開時には狂喜乱舞してしまった。
私のベスト左膳は、映画なら大友柳太朗、ド
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大統領の料理人(2012年製作の映画)

4.3

日米首脳会談の昼食がハンバーガーなのが、トランプの遺産か、非常事態のせいかは知らないが、なんとも侘しい話題だった。
以前に『エリゼ宮の食卓』という本を読んだが、食卓外交の本家だけに、エリゼ宮の厨房のヒ
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縛り首の木(1959年製作の映画)

4.1

現代劇の名作も多数あるのだが、やはり“クープ”は「西部の男」が似合う。最後の西部劇作品をようやく観られた。
アカデミー歌曲賞にも選ばれた《縛り首の木の歌》の明るい曲調がまるで似つかわしくないストーリー
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オルカ(1977年製作の映画)

3.9

本作を「JAWS/ジョーズ」のエピゴーネン扱いしている映画サイトが幾つか見受けられるが、公開当初の評価を鵜呑みにするのは早計だろう。少なくとも、海洋生物を怪物に見立て、退治してスカッとさせる部類の映画>>続きを読む

V.I.P. 修羅の獣たち(2017年製作の映画)

4.0

「ベルリンファイル」でも思ったが、韓国人って、国外で派手に銃撃戦をしても許されるのだろうか?
それはさておき、本作は映画3~4作分の設定が詰め込まれていて、うまくまとまるのかと案じたが、さすがはパク・
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ヘンゼルとグレーテル(2007年製作の映画)

4.2

ホラーやダーク・ファンタジーというより、《本当は哀しいグリム童話》という感じの映画で、「パンズ・ラビリンス」や「赤んぼ少女/蛇娘と白髪鬼」を思い出した。あと「世にも怪奇な物語」も。
シム・ウンギョンに
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.3

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 」のミリー・ボビー・ブラウンに見覚えがある気がしたんだが、本作のオフェリア(イバナ・バケロ)に似てたんだ。役柄もどこか似ているね。
劇場鑑賞時は、「ハリー」や「ロ
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マーシュランド(2014年製作の映画)

4.0

「瞳の奥の秘密」なんて秀作サスペンスもあったし、スペインはミステリー映画も侮れない。舞台が、民主化されて間もない1980年というのが肝。
”刑事のバディもの”の中でも、「ミシシッピー・バーニング」や「
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笑の大学(2004年製作の映画)

2.5

生の舞台は観ていないが、テレビ放映された舞台録画(1996年、 西村雅彦・ 近藤芳正)は観ている。
舞台には、登場する役者以外にも重要なキャストがいる。言うまでもなく、観客のことだ。舞台上のリズムは、
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容疑者X 天才数学者のアリバイ(2012年製作の映画)

3.5

日本のサスペンス映画(ドラマ)の韓国リメイクは、思い切り韓国流に振り切った方が面白くなる。たとえば「白夜行-白い闇の中を歩く-」や「火車 HELPLESS」、「凍える牙」や「さまよう刃」もそうだった。>>続きを読む

地獄への逆襲(1940年製作の映画)

3.8

「地獄への道」で生き残ったフランク・ジェームス役のヘンリー・フォンダが主演を引き継ぎ、弟ジェシーの仇を討つため、再びアウトローな生き様に身を投じる物語。前作のジョン・キャラダイン(老新聞社主)やアーネ>>続きを読む

生き残るための3つの取引(2010年製作の映画)

3.9

メインのファン・ジョンミン、対抗のリュ・スンボム、ジョーカーのユ・ヘジンに大外からマブリー未然のマ・ドンソクという、それぞれが実力に不足のない俳優陣の、本作はエポックメイキングになった映画という気がす>>続きを読む

優しい嘘(2014年製作の映画)

4.0

韓国の家庭劇映画に惹かれるようになったのは、「息もできない」やイ・ハン監督の「ワンドゥギ」あたりからだ。しかし、多くの作品に、簡単には呑み込ませてくれない苦味がある。それが癖にもなるのだが…。
本作は
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ホームランが聞こえた夏(2011年製作の映画)

4.5

名コーチが弱小チームを立て直すという、いわゆる“黄金パターン”は、へたに作れば陳腐になってしまいかねない。まして、日本にも「遥かなる甲子園」なんて力作があったし、10年前の初見時は、正直、期待していな>>続きを読む

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

4.7

10年前、本作を劇場鑑賞した時は、精神障害者そのものではなく、障害者自立支援法(のちの総合支援法)以前の授産所時代の、社会や人々の偏見や狭量と充分に闘えなかった自分を重ねて観て、涙が止まらなかった。努>>続きを読む

翼よ!あれが巴里の灯だ(1957年製作の映画)

4.0

SFドラマ『スタートレック:エンタープライズ』のテーマソング映像には、人類の空(宇宙)への挑戦のシンボルとして “ The Spirit of St. Louis”号の映像が組み込まれていた。1927>>続きを読む

THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~(2018年製作の映画)

4.2

ちょい前に、パレスチナ(ヨルダン川西岸地区)とイスラエル(テルアビブ)を行き来する青年たちの物語(「もうひとりの息子」)を観たばかりだが、本作は、中国大陸(深セン市)と香港を行き来(越境通学)する少女>>続きを読む

地獄への道(1939年製作の映画)

3.9

西部劇の始まりは、サイレント映画の「大列車強盗」ということだし、その意味でも、本作は、文字通り正統なる西部劇映画だろう。くわえて、横暴な権力や時代への反逆は、アメリカン・シネマのメインストリームだし、>>続きを読む

ザ・メイヤー 特別市民(2016年製作の映画)

4.2

「Fukushima 50」や「新聞記者」は、本来なら日本を代表する“政治映画”になる題材なのだが、キャストの好演にもかかわらず、事実からフィクションへの橋渡しが稚拙すぎて、見るも無残な出来上がりだっ>>続きを読む

足ながおじさん(1955年製作の映画)

3.7

アステアを観る映画と割り切ってしまえば、それなりに愉しめるが、レスリー・キャロンに、ダンス・パートナー以上の存在感が与えられていないのがつらいところ。オードリーの妖精感やガーランドのコメディエンヌ振り>>続きを読む

Fukushima 50(2019年製作の映画)

2.0

たとえば、新型コロナの発生源とみなされている中国が、いま、『私たちは拡散を防ぐためにこんなにがんばりました』と主張する映画を作ったら、世界から大バッシングされるのではないだろうか。《小惑星探査機はやぶ>>続きを読む

襲われた幌馬車(1956年製作の映画)

3.9

これまで、途中からや途中まで視聴が続いていて、早起きしたおかげで、漸く全編を観られた。記憶は薄いが、フィックスの大塚周夫氏の吹替えが様になるのは、ウィドマークが40代になったこの辺りからかも。
ウィド
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.1

阪神・淡路大震災の年。春を迎えても、周りがまだ落ち着かないときだったが、中山美穂の主演映画ということで、デートを兼ねて観に行った。
冒頭が、一面の雪景色の神戸(もちろん震災の影はなし)ということに驚い
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禁断の惑星(1956年製作の映画)

3.9

最初に観たのは、もちろん、テレビの洋画劇場の吹替え放映で、『宇宙大作戦(スター・トレック)』の進化版かと思った。まさか、『スタトレ(TOS)』の10年前の映画とは思わなかった。登場するロボット・ロビー>>続きを読む

隠された時間(2016年製作の映画)

4.2

”時間の不可逆性”を無視することで成立している、多くのタイムトラベル(タイムリープ/タイムスリップ/タイムループ etc. )映画からすると、本作は異質な存在だ。むしろ、“ウラシマ効果”を非科学的にド>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.0

チャップリン映画の初体験が、1972年にリバイバル公開された本作だった。
チャップリンといえば”小さな放浪者(A Tramp)”が定番だが、本作の彼は、最初はどこにでもいる一工員で、不景気で仕事にあぶ
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もうひとりの息子(2012年製作の映画)

4.2

日本で普通に生きていて、“自分のアイデンティティーが揺らぐ経験”をすることは、ほぼない。いや、多くの日本人は、自分のアイデンティティー自体を意識することなどないのかも。もちろん、恋愛や進路・就活などで>>続きを読む

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

4.2

暗殺者映画の内でも、女性が主役(アサシン)の場合、彼女の生い立ちや訓練過程から描かれるパターンが多い。同時期の「レッド・スパロー」もそうだったし、「アベンジャーズ」でも、ブラック・ウィドウの過去が描か>>続きを読む

ウエストワールド(1973年製作の映画)

3.0

続編(?)の「未来世界」は劇場で観たが、本作はテレビの吹替え放映が最初だった。未だロボットが自我を持つような設定ではなく、システムの暴走による危機を描いたテクノスリラーだ。
テーマパークの3つのエリア
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王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987年製作の映画)

4.0

初見は97年のドルビーサウンド版からだが、先の「エヴァ劇場版」より感動できた。
“宇宙進出に夢を描けた世代”と“軍拡競争の産物だった現実に失望させられた世代”では、受け止め方に違いがあっても当然だろう
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