クリストフォルーさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

クリストフォルー

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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

4.1

あの「真昼の決闘/ハイ・ヌーン」のアンチテーゼとして作られたらしいが、小難しい事は抜きにして、何度見ても面白い、いわゆる”明朗西部劇”だ。
「ハイ・ヌーン」や「拳銃王」、「決断の3時10分」も嫌いじゃ
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街の灯(1931年製作の映画)

4.6

「モダンタイムス」から始まった、東宝東和による《ビバ!チャップリン》と銘打たれたリバイバル上映で“チャップリン映画”を初めて観た。無声映画(無台詞映画)は初めてだったが、モノクロなのに鮮やかに映し出さ>>続きを読む

スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.5

はるか昔に観た時は、単に有名スターの映画だった。いま観ると、パチーノとハックマンが煙草の火を分け合うシーンの、あまりの懐かしさに泣けてくる。映画の中の煙草は、単なる嗜好品じゃなかった。電子タバコでは生>>続きを読む

バファロー大隊(1960年製作の映画)

4.3

主題歌『♪バファロー大隊マーチ』が勇ましいが、内容は強姦・殺人の疑いを掛けられた黒人軍曹をめぐる軍事法廷モノ。でも、ユーモアもあるのがフォード節。あの「アラバマ物語(1962)」以前に、こんな映画があ>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

4.5

『♪ダスティン・ホフマンになれなかったよ』と、苦い夢想を抱える男どもを大量に生みだした教会のシーンが嘘のように、この映画の本質は“恋愛映画なんてくそ喰らえ!”のアンチ・ラブストーリーだと思う。
スノッ
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

4.1

重松清原作の映画やドラマは結構観ていたのだが、小説をほぼ読んでいなかったので、その作家性は理解していなかった。彼の作品に真に魅了されたのはドラマ版の『流星ワゴン』で、あわてて原作小説を読みきった。その>>続きを読む

遥か群衆を離れて(1967年製作の映画)

3.5

19世紀のイギリス、ヴィクトリア朝時代の繁栄という“世俗から離れて”、土着的で自然と不可分な世界で生きている、ジュリー・クリスティの演じる女農場主・バスシバ。美しさと気位の高さ、賢明さと女の弱さを併せ>>続きを読む

奥様は魔女(1942年製作の映画)

3.3

テレビドラマ『奥様は魔女(BEWITCHED)』の元ネタといわれても、あちらの“ウエルメイドなシットコム感”とは、だいぶ隔たりがある。
優柔不断な男が、出合ったばかりの美女に振り回されて、結局は結ばれ
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.0

劇場公開直後に観ているが、日本兵が、ゾンビかテラフォーマーズの如くに湧いて出てくる描写には、当時賛否があった。しかし、沖縄戦史によると、ハクソー・リッジ(前田高地)の争奪戦は一進一退の熾烈なもので、映>>続きを読む

ノーザン・リミット・ライン 南北海戦(2015年製作の映画)

4.0

2002年、日本・韓国共催のFIFAワールドカップの最中、北朝鮮との境界(北方限界線)付近で、こんな“海上戦争(軍事衝突)”が起きていたなんて知らなかった。韓国国内でも大きな注目を集めなかったそうだか>>続きを読む

ゴールデンスランバー(2017年製作の映画)

4.3

日本でも、ネットでは“陰謀論”がまことしやかに流布されたり、踊らされる人々もいるようだが、現実には“特殊詐欺”や”詐欺商法”の被害が繰り返されるくらいで、大多数の人は身に迫る危機を感じることはないだろ>>続きを読む

深夜の告白(1944年製作の映画)

4.4

かなり前に、名画座の状態の良くないフィルムで観たのが最初だったが、それでもゾクゾクさせられた。まさかのワイルダー作品と知って驚いた。
廉価版のソフトで観られるようになって、マクマレイがピアース・プロス
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ゴールデンスランバー(2009年製作の映画)

3.9

原作小説から見てしまうと、必ずしもイメージに合致した映画化とは言いづらいが、当時としてはベストなキャスティングと映像化だったと思う。怒られそうだが、ある意味「翔んで埼玉」的な映画化だったかも。
なにせ
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ねことじいちゃん(2019年製作の映画)

4.0

劇場公開時に、猫ではなく、柴咲コウ目当てで観に行ったが、年配者でほぼ満席だった憶えがある。
スクリーンに猫大映しは好き嫌いがあるだろうが、自然体の猫たちの姿にリラックスできたのは確かだ。
猫たちだけで
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メトロポリス(2001年製作の映画)

3.5

手塚治虫の初期(1949年)のSF漫画を、虫プロの元アニメーター、りんたろうがアニメ映画化した作品。
手塚漫画のタッチを忠実にトレースし、手塚治虫ランドのスターシステムを崩さず、CGアニメとの融合も図
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LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版(2015年製作の映画)

4.0

昨夜、東北地方を襲った震度6強の地震は“東日本大震災”の余震だったということだが、あの日の恐怖が甦った人も多かっただろう。被害が拡がらないことを願う。我々を脅かすのはミクロレベルの脅威ばかりではないこ>>続きを読む

ガールズ・ステップ(2015年製作の映画)

3.5

部活ガールズ・ムービーというと、まず思い出すのは「櫻の園」。ついで「がんばっていきまっしょい」。それから「スウィングガールズ」、「リンダ リンダ リンダ」に「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」など>>続きを読む

シャレード(1963年製作の映画)

4.1

外国映画を使った英語(学習)教材は今もあるようだが、私も「ある愛の詩」や「小さな恋のメロディ」など、未だビデオやDVDのない時代から、幾つも利用してきた。なかでも、一番親しんだのが「シャレード」だ。>>続きを読む

ある日どこかで(1980年製作の映画)

4.7

日本での最初の劇場公開時(1981年)、アルバイト明けの重たい体を休めるつもりで映画館に入った記憶がある。観るとはなしにスクリーンを観ていたのだが、聴き憶えのある旋律に目が覚め、物語が見えてくると、胸>>続きを読む

ロープ(1948年製作の映画)

4.2

元は舞台劇らしいが、アパートメントの室内という、限定された舞台で繰り広げられるサスペンスは、“古畑任三郎”や“コロンボ”好きには堪らないシチュエーション。しかも、探偵役が一般人という制約も加えられてい>>続きを読む

アタック・ザ・ブロック(2011年製作の映画)

3.9

以前なら「団地ウォーズ」なんて邦題が付きそうだが、「スター・ウォーズ/エピソード7~9」のジョン・ボイエガの出世作。
「ニューヨーク東8番街の奇跡(1987)」や「ブロブ/宇宙からの不明物体 (198
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.2

“夢“映画というと、かなり前に(故クリストファー・プラマーも出演していた)「ドリームスケープ」なんてのを観た覚えがあり、もちろん「うる星やつら2」やターセム・シンの「ザ・セル」など、夢落ちじゃない傑作>>続きを読む

ブリムストーン(2016年製作の映画)

3.6

劇場公開時に観逃していたのだが、配信で吹替え版を鑑賞。
最近は妹の活躍に押されてるように見えるダコタ・ファニングだが、「17歳のエンディングノート 」や「500ページの夢の束」を観て、キャリアを堅実に
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殺人の告白(2012年製作の映画)

3.9

お気に入りのチョン・ジェヨンの主演作なので公開早々に観たが、当時思い比べたのは、森田芳光版の「模倣犯」と観たばかりの「藁の楯」だった。身体を張ったアクションと善と悪との知恵比べの兼ね合いは、やはり韓国>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

4.5

”何度目だナウシカ”ならぬ、私のヘビロテ映画のひとつだが、最初はもちろん、地上波テレビ放映の吹替え版だった。ジミーの声は浦野光氏だと思ったのだが、確かな資料はない。それでも、訪問看護婦(セルマ・リッタ>>続きを読む

ホドロフスキーの虹泥棒(1990年製作の映画)

3.2

バブルの頃だったか、カルト映画という誘い文句に乗って観た「エル・トポ」で懲りていたのだが、軍事政権化のチリを描いた「リアリティのダンス」は観ないわけにはいかなかった。それでも、かなりシュールで困ったの>>続きを読む

密偵(2016年製作の映画)

4.1

“義烈団”を扱った映画としては、前年に公開された「暗殺」が、娯楽性重視のフィクショナルな展開で愉しませてくれたのだが、こちらは、ガンホにコン・ユ、イ・ビョンホンまで揃えただけあって、歴史的な評価は別と>>続きを読む

銀河鉄道999(1979年製作の映画)

3.9

松本零士を有名にしたのが「宇宙戦艦ヤマト」なのは確かだが、作家としての本流はこっちのはず。テレビシリーズの短編小説的なテイストと違い、劇場版は、鉄郎をよりアクティブにキャラ変し、活劇に徹した造りになっ>>続きを読む

その怪物(2014年製作の映画)

3.8

復讐譚とシリアルキラーは韓流映画の十八番だが、こういう語り口で来るかという作品。ダーク・ファンタジーかホラーに転ぶかと思ったが、キム・ゴウン(ポクスン)とアン・ソヒョン(ケ・ナリ)の愛らしさで、少女マ>>続きを読む

THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

4.2

世界的に高い評価を受けながら、自らが犯した幾多の性暴力への被害者の告発を受けて、最後はコロナ禍で客死してしまったキム・ギドク。それほど多くは観ていないのだが、心にこびりつくような作品はある。本作もその>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

4.1

潜入捜査を題材にした映画は、ひとつのジャンルを成していると言えるほど多く、「フェイク(1998)」や「インファナル・アフェア」などの傑作も生まれている。ネタバレしてイイならもっと上げたいくらい。
これ
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

3.8

デジタルリマスターされた“平成ガメラ”の第一作「大怪獣空中決戦」が、4K HDRのドルビーシネマで観られる。アンコール上映でようやく鑑賞した。
1995年の初公開当時、テレビでは、ガメラやギャオスの着
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ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

4.2

日本での公開当時(1984年夏)ラジオなどで絶賛する声はあったのだが、それほど期待はしていなかった。本作以前に公開された「アウトサイダー」や「ランブルフィッシュ」が期待はずれだったが、とりあえず、ダイ>>続きを読む

男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

4.2

1作目の公開後、ユンファの過去作がビデオ屋に出回り、レスリー・チャンとジョイ・ウォンの共演作「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」がヒットしたことも重なって、本作の公開時は、待ってました!の盛り上がり>>続きを読む

サスペクト 哀しき容疑者(2013年製作の映画)

4.1

最初に「トガニ 幼き瞳の告発 」でコン・ユを見た時は、優しい面差しが故レスリー・チャンに似てると思ったが、こんなに激しいアクションがこなせるとは、やはり兵役の賜物かしら。
韓国映画の強みは、悪役の設定
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個人教授(1968年製作の映画)

4.0

12月にロベール・オッセンの訃報を目にしたばかりなのに、今度はナタリー・ドロン。ナタリー・ドロンといえばこの映画。フランシス・レイのあまりに有名なテーマ曲は、今でもすぐに思い出せる。スキー場のシーンが>>続きを読む