えちぜんさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.9

ずっと以前に鑑賞したけど、スゴイと思いつつメンタルしんどくてなかなかレビュー至らず。

ホアキンPは生理的に苦手ではあるが、本作でも5秒後に何をしでかすか分からない不穏さが不気味すぎて凄まじい。

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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.1

ほんと、現代の貧困てのはパッと見ではわかりにくい(昭和なら身だしなみで一目瞭然だった)だけに根深い問題ですわ。愛があるゆえに、努力するゆえに、しんどくなってゆく。映画の進行に伴ってズブズブと重苦しい気>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

2.8

近年、話題になるホラー映画とは、勝手に「低予算だけど才能ある新鋭監督が前衛的な表現で…」みたいに思ってるところがある。例えば「クワイエット・プレイス」とか「イット・フォローズ」なんか当たりだった。そこ>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

ヨルゴス・ランティモスは全作鑑賞。その中では万人向けの正統派かも?

彼の撮影スタイルは独特で、少し離れた位置から長回しで射抜くようなショットによって、冷笑するかのような客観的な見方をさせる。

それ
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茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)

3.5

空の深い青とオレンジ色の大地のコントラストが美しい。レースも迫力満点。自転車とかレースの設定に知識が乏しかったので、浅くしか楽しめない自分に残念( ̄∀ ̄)

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.7

変幻自在のクリスチャン・ベールだが、最後にケン・マイルズの写真が出たらクリソツで今回も抜かりなし。細かすぎて伝わらない選手権に出場してほしい(°▽°)

熱い男のバトルの裏で、奥さんがステキすぎる。し
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

5.0

前作を「生涯2000本のベスト級」と評したが、追加の本作はさらにたっぷり・濃厚な、名作となっている。

すずさんの裁縫や洗濯、ご飯の支度に勤しむ姿は現代には全く見られない光景で、私が幼い頃に母親のやる
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.8

一作目の「無力すぎる主人公→そこからの麻薬カルテルの容赦なさ」という描きかたで面白かったけど、本作は切り口は違えど恐ろしさは健在。テイラー・シェリダン脚本て、すべらんなぁ〜(≧∇≦)

それを体現する
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風が吹くまま(1999年製作の映画)

3.5

桜桃の味に続く、キアロスタミの人間讃歌。この世に生きる者全てを肯定するかのような優しさ。ここまで来るとブッダの領域ですね(笑)

だけど映像として、生物の営みとか、たくましい母親とか、流れゆく川とか、
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.9

『レッド・オクトーバーを追え』とか、「潜水艦ものに外れなし」の定説通り駆け引きもあって楽しめた。

知的ジェラルド・バトラーがなかなかステキ♡威厳ある美しさというか、007のダニエル・クレイグに似てま
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マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

2.9

フィクションだから仕方ないんだけど、序盤からとんでもなくワガママな客ばかり連発するもんだから、「宿泊業界で働くのマジ無理」ってなりそうじゃないですか( ̄▽ ̄)サービス業への風評被害じゃないですか( ̄▽>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

4.3

展開はだるいけど『レバノン』の異色撮影らしく個性的なカメラワークが鮮烈。

国境で闇の中に消えていくラクダの、非現実的な映像がステキだが、あえて特定の国を想像しないように、ファンタジー感を装いたかった
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.6

3部作完結として楽しめた(*´ω`*)アンブレイカブルから単なる継ぎ足しでなく綺麗にまとめてくれた。

だからこそのプチ不満なんだけど、ブルース・ウィリスとサミュエル・L・ジャクソンは「対」のキャラク
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バンブルビー(2018年製作の映画)

4.0

本シリーズよりアクションもスケールも小さめ。だけどチャーリーのドラマ作品として佳作な仕上がり(*´꒳`*)

というかヘイリー・スタインフェルドちゃんがすごくよくて、彼女ありきの作品🎵「そんなに可愛く
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.8

「夢と現実の融合」を題材に選ぶの、一流クリエイターあるある説(*´꒳`*)

にしてもすごい映像。日本人らしからぬ、ビビットな色彩感(褒め)。これが10年以上前でしょ?アニメのレベルって日進月歩だから
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ガンジスに還る(2016年製作の映画)

3.4

生まれてきて亡くなることが、まるで1日の仕事を終えて「お疲れ様でしたー」くらいの程度に感じる。悪い意味じゃなくてね(⌒▽⌒)人生への価値観を、すーんごくマクロに捉えたら、死ぬことは重苦しく悲しむ必要な>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

4.3

観賞して、「ステキな邦題だな」と♪( ´θ`)

マーリアは、今風に言えばコミュ障の一言なんだけど、会話をリピートして分析したり、自分なりに好意的な言葉を伝えても空回りしたりと、努力してる姿がわかりる
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.6

「ぼくのエリ」が良かったので期待。作者のテーマは社会のなかで「異物」扱いされた者同士が出会いユートピアを見つけていく様を描くこと。ただ「エリ」が美形に対し「ボーダー」は醜い姿の違いはある。

理性と野
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偽りなき者(2012年製作の映画)

4.1

小さき物語、けれど当事者には真剣な闘い。隠れた傑作。疑わしきは罰せず、のルールって、いつも忘れ去られがちで、大衆は無責任に好き勝手なこと言うのよね。

マッツ・ミケルセンはダンディな中年俳優と思いきや
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

4.0

陰鬱な映像に、寒々しい風景。テオ・アンゲロプロスみたいだなぁと思って身構えるように見ていたら、なんと性善説まっしぐらの展開じゃないですか。年末の「今年一年を漢字一文で〜」風にまとめると、


粋‼︎(
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ミスエデュケーション(2018年製作の映画)

3.5

サンダンス映画祭作品は、基本的に好きが多い(´∀`)

信仰ものの怖いとこ。自分で考えない。疑おうとしない。目の前の人物を、ありのままに見ようとしない。そんな大人たちの抑圧。

クロエ・グレース・モレ
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.2

カンニングがまるでスパイ大作戦かのような一流エンターテインメント!

そもそもやってることは「悪」なんだけど、登場人物に共感するところもあって応援しちゃう。ハラハラドキドキ。けど一方で「罪と罰」的なビ
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テルマ(2017年製作の映画)

3.6

初ヨアヒム・トリアー鑑賞。ゆっくりと長回しでズームするカメラワークや、謎めいた伏線散らばりなど、ゾクゾク感がたまらない前半はMAX私好み🎵

けど解明されていく後半は期待値を超えるほどにはならなくて…
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ディーバ(1981年製作の映画)

3.7

もう40年も前の作品なのね(*゚▽゚*)主役の二十歳くらいの人も今は還暦なのか…ワルモノ=サングラスとか、録音はカセットテープなど時代を感じさせるところはあるけれど、今でも普通に楽しめる🎵アジア人の女>>続きを読む

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.0

重量級を想像してたら、スピードある展開、動的なカメラワーク、白熱する法廷劇で、圧倒的なエンタメ作品だった。

個人の裁判が民族同士の対立へと燃え広がる一方で、最終的には当人同士の融和に希望を感じる。対
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フリーソロ(2018年製作の映画)

4.3

凄すぎドキュメンタリー★命綱なし、ホントに手ブラで崖を昇っていくんだね(当たり前だけど)。人の命を軽視する訳ではないけれど、命綱なしだからこその感動と、極限のなかにある人の美しさが際立つのも事実だと思>>続きを読む

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.5

今は視聴率しか考えてない金ローで、こういう作品を放送してた時代があったのよね(о´∀`о)

しかも水野晴郎が「登場人物の名前は全て聖書から由来」ときちんと解説していたレアな回(笑)。

特撮レベルは
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.0

プランB(ブラッド・ピット制作)にはハズレなし、ってくらい佳作続きだったけど、本作はイマイチかなぁ・・

序盤の墜落や月面の銃撃など、映像的に革命的で是非とも劇場で見るべきシーンは凄かった。しかし中盤
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.5

本編の「響け〜」でもメインとは言い難かった2人を主役に据え、しかもこんなに静的な作品を制作するなんて「?」と思ったが、観たら素晴らしいクオリティ🎵まるで微かに音程があわないような不協和感を描くように、>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.4

高評価も納得。今年ベストかもしれない(°▽°)

「産んだ両親を訴える」という衝撃の冒頭から、それに至るまでのゼイン君の生活を「これで納得するだろ⁈」とでも言わんばかりにずーっしりと見せられる。

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夕凪の街 桜の国(2007年製作の映画)

3.4

何でもかんでも「原作の方が…」と言う気はないが、原作が神なので鑑賞してみた( ´∀`)

原爆の悲劇をテーマとする作品は多いが、原爆から10年後という後世を語る作品は珍しい。「この世界の片隅に」のよう
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.4

タランティーノ処女作ゆえに彼らしさがよく詰まってる。

別角度で個人的に最も感心したのはティム・ロス!口から生まれたような男から情けないヘタレキャから切れ者な表情まで、七変化が上手すぎてバンザイ🎵
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ステキな金縛り(2010年製作の映画)

3.2

深津絵里の表情がキラキラと変化して、しかもコミカル調もこなしてて、こんなに可愛い人やったと今更感心した♡

奇跡の海(1996年製作の映画)

3.4

トリアーの鬱映画もこのころはまだドラマとしては正統派の内容で普通に観られる(笑)

エミリー・ワトソンは「南京の基督」の富田靖子を思い出した。無垢すぎなキャラに全裸バンバンで、正直、男からしても生理的
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.4

意外と娯楽作で見やすいんだが、この手のモノクロ時代物はズーンと重くて荘厳で峻厳なくらいのほうが好みなもんで(どっと疲れるけど)、ワタスにはあわなかったな〜。ヨアンナ・クーリグは誰かに似てる?オヨヨ〜(>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.4

厨二病こじらせからオトナへ。グレタ・ガーウィクの自伝的回顧ということで、膨大な元ネタからポイントを摘まみとった話ということでやや散文的だがテーマは一貫してる。

ターニングポイントは、サクラメントの小
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