mさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

向こうの家(2018年製作の映画)

4.6

あえて登場人物達の感情の激しい部分や暗い部分を突っ込んで描かないという事が個人的に少し歯がゆく感じた。
特に瞳子さんが人間的な暗い部分や彼女の苦しみや怒りがあまり描かれず完全に『概念』としての『大人の
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クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

4.7

冒頭でプール前に立つ主人公を捉えた数ショットを観て、ああ心情に寄り添える丁寧な映画だと安心した。

良かったのが主役の父娘の設定が『ちょっとスランプ気味?の水泳選手と最近距離のできた元コーチ』である事
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なみぎわ(2018年製作の映画)

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自分でOsmo持って走り回った監督の奮闘。街が印象に残る。

中村屋酒店の兄弟(2019年製作の映画)

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硬派な演出力!若者の初監督作品とは思えない程、既に映画話術が成熟している。2人の芝居、特に兄の芝居に痺れた。明確に結論付けないラストも良い。
この監督は要注目。

門出(2019年製作の映画)

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「密かな吐息」「デゾレ」の村田唯監督最新作。

(2018年製作の映画)

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『制作:AOI Pro.』の『自主映画』・・!?(AOI Pro.は大手CM制作会社です)それは自主映画ではないのでは・・自主映画の定義とは・・

映画祭パンフに書いてあった大森歩監督の次回作構想(日
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

4.8

映画監督としての蜷川実花の事は正直ナメていたのだけど(「ダイナー」の『俺はここの王だ』メイキングとか観ると本当に酷い)、今回は随分しっかりとした『映画』になっていて、正直言って凄く面白かった。
『男性
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.8

傑作「愚行録」もそうだったが、石川慶監督の作品はやはりどこまでもストイックで、厳かに『映画』であろうとする。台詞ではなく表情や描写、何より登場人物達が奏でる音楽自体で物語る静かな意欲作。

松岡茉優、
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.8

お恥ずかしながら勉強不足でインド・パキスタン間の歴史や宗教についての知識があまり無いので、その辺りをもっと知っていたらより深く感動できたのにと歯痒くなった。
しかしその知識が無くても、『異文化交流×ロ
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

4.7

ジェームズ・キャメロンの助力のお陰か、ロバート・ロドリゲスが久々に面白い映画を作った!尺の限界まで詰め込まれて怒涛の勢いで畳み掛けてくるエピソードの連打(それでもダイジェスト感があまり無いのが良い)、>>続きを読む

脂肪の塊(2017年製作の映画)

1.0

大仰で深刻ぶって何か重い事を描いているフリをして、その実呆れる程に酷薄で醜悪で稚拙極まる代物を目の当たりにした。初めは笑って観てもいたが、流石に怒りやら何やらで疲労困憊しきった。事細かに書こうかと思っ>>続きを読む

イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-(2019年製作の映画)

4.6

お久しぶりのヴィンチェンゾ・ナタリ映画作品!最近はドラマ界で活躍していたらしい。スティーヴン・キング原作を得てNetflix映画に進出です。

ただ画面一杯の背の高い雑草が揺れる、それだけで強烈な不穏
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ジョーカー(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

正直に言うと世評程の大傑作だとは思えなかった。観終わった後もずっと曖昧なもやもやとした感情が残るのはこの映画があえてそうしているという勇気ある良い面でもあるが、一方で自分にとってはそれが作り手の狙いで>>続きを読む

HiGH&LOW THE WORST(2019年製作の映画)

4.9

あまりの興奮に脳の血管が焼き切れるかと思った、一大活劇映画。今回は贔屓目無しで傑作だと思う。
どう撮ったのか分からない驚異のアクション・シーンは相変わらず世界トップレベルで、未だかつてこんな画を見た事
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

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1作目ではコンビだった相方のデヴィッド・リーチ監督が抜けた結果、洗練されていたストーリーテリングがグダグダになるという弱点を2作目で露呈したチャド監督(アクション・シーンも正直メリハリ無くてグダグダだ>>続きを読む

コンフィデンシャル/共助(2017年製作の映画)

4.5

南北の話の割りに見てるこっちが心配になるくらいライトなノリなのだけど、主役2人の凸凹バディっぷりとアクションのガチ感に乗って王道バディ物として楽しめる。韓国娯楽活劇映画はやはり流石。

序盤からさらっ
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.8

笑いも引きつるイタさ。超冷静な狂気の表現、主人公のイタさをクールに見つめる視点。

クライマックスの漫談で一気に色々な事が明かされ、ゾッとする狂気と哀しみとが溢れる。あの普通に聴いていた声ですら・・観
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

5.0

丸の内ピカデリーの1番大きいスクリーンでの上映最終日に滑り込み。大スクリーンで観るべき叙事詩!オープニングだけでもう映画を観る愉楽が猛烈に迸る。

じっくり・みっちり細やかな演出とダイナミックでケレン
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ヘルボーイ(2019年製作の映画)

2.5

清々しい程に駄目な映画。もうほとんど覚えてない。ハウルの動く城っぽいのが出てきて「めちゃハウルの動く城やない!!?」と思った事は薄っすら覚えてる。ラストの長回しアクションには「そういうのもっと早くやれ>>続きを読む

お嬢ちゃん(2018年製作の映画)

3.9

絶賛する友人も多く、そろそろ観ないといけないんだろうなと思っていた二ノ宮隆太郎監督作品に初挑戦。訳あってちょっと抵抗があったので、本人が出ていない今作から。

ワンシーン手持ちワンカット、スタンダード
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.8

まずブラッド・ピットの瞳の映画である。
全編に被さる静かで落ち着いた声のモノローグよりも、頑なに心を閉ざした瞳が全てを語る。宇宙の果てに近付く程にその瞳は無防備に感情を露わにしていく。「ワンス・アポン
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ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)

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『自分が主役』なのではなく、憧れの人が主役の『人生』=『物語』を完成させようとする主人公テレンス・ヒルがファニーで健気。のほほんとしたテーマ曲も印象的な、異色のウエスタンだった。

惡の華(2019年製作の映画)

4.9

『人生で読んだ中で好きな漫画トップ3を挙げろ』と言われたら間違いなくこの原作漫画を入れるくらいには原作を愛しているので、井口昇監督という人選にはこれしかないと納得しつつも2時間尺で描き切れるのかとかキ>>続きを読む

ビトウィーン・トゥ・ファーンズ: ザ・ムービー(2019年製作の映画)

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大馬鹿司会者(ザック・ガリフィアナキス)がハリウッド・スター達にひたすら失礼でクソな質問をぶつける小さなトーク番組。ある日、ひょんな事からゲストのマシュー・マコノヒーを心肺停止状態に追い込んでしまった>>続きを読む

Battle at Big Rock(原題)(2019年製作の映画)

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「ジュラシック・ワールド 炎の王国」と「ジュラシック・ワールド3」(2021年公開)の間を結ぶ短編。本編と同じくらい気合いの入ったVFXで見応えがある。

「ジュラシック・ワールド」1作目でコリン・ト
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予定は未定(2018年製作の映画)

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主演の屋敷紘子さんはアクション映画や西村映造系のジャンル映画に出ている事が多いけど、この映画でのこれまでとは打って変わった普通の中年女性役は新鮮で良かった。痛みや孤独を抱えた女性の心の内が彼女の芝居か>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

‪前作「ゲット・アウト」は正直『コンセプト勝ち』だと思っていたけど、今回の「アス」でジョーダン・ピール監督はその演出力の手腕が本物である事を証明した。‬

テーマ性や物語性は前作より薄まったが、映画の
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At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

4.6

原作の舞台を『映画的』にアレンジするでもなく、これ絶対そのまんま下北でやってたでしょ!って感じのワンシチュエーション演劇っぽさで衒いなく堂々とやり切った潔さ!(役者の発声は映画仕様に若干チューニングし>>続きを読む