mさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

ダンテズ・ピーク(1997年製作の映画)

2.9

映画自体は可もなく不可もなくなんだけど、まだCGが主流になる前のCGと特撮を組み合わせたスペクタクル映像には最近の映像にはない生っぽい迫力があって、今見ると新鮮。

リンダ・ハミルトンは次のターミネー
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

文中に少し私事が入ってきます。そういうのが嫌いな方は読み飛ばして下さい。
それから役者名と役名が混在して書かれている所があるので、そこは少し分かりにくいと思います。御了承下さい。


いつもの映画愛と
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火口のふたり(2019年製作の映画)

4.9

(たぶん平日の)昼間っからビールと魚肉ソーセージ片手に釣りをしている柄本佑のシーンで映画は幕を開ける。この世間から外れたプー太郎感、こいつが堂々とダラダラと主役をやる感じ、タイトルバックに流れる昭和っ>>続きを読む

愛讃讃(2018年製作の映画)

-

8分間のシネマ・エッセイ。子供の頃に人生の僅かな期間を共に過ごした中国人の『お姉ちゃん』の想い出を振り返る形式と8mmフィルムの質感がよく合っている。

もう少しあなたの中の彼女への感情を観たかったな
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

Sistersという可笑しな姓を持つ殺し屋兄弟という設定が象徴するように、主要登場人物である4人の男達には西部劇の野郎らしからぬ繊細な人間性があって、それが素晴らしく良かった。
堅気に憧れるジョン・C
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亡霊学級(1996年製作の映画)

-

Jホラーの先駆者・鶴田法男監督の初期作。
学園ホラーとしての怖さよりも、両親の不和で家庭に居場所が無いという共通項で結ばれた女の子達のドラマとしての情感の方が強い。それ故にダークなラストも単なるバッド
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透明人間(2018年製作の映画)

-

アニメーション技術の高さは観ているだけで惚れ惚れするような愉しさがあるし、他のポノック短編のような価値観の薄ら寒さは無いのでその分観やすい。

オダギリジョーなのにほとんど台詞らしい台詞は無いし、中田
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チェイサー(2008年製作の映画)

4.8

ナ・ホンジン驚異のデビュー作にして、暗黒サスペンス・スリラーの大傑作。

ミソジニーを煮詰めたような胸糞悪いシリアルキラーはハ・ジョンウの名怪演により完璧の域に達しているが、何よりこの映画を独自のもの
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

4.9

改めて観てやっぱりポン・ジュノって怪物だなと思う。「殺人の追憶」や「母なる証明」のような誰が観ても完璧と分かる大傑作だけじゃなく、こんな一筋縄ではいかない異形の大怪作を作り上げてしまうんだから(しかし>>続きを読む

しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.8

シニカルでモダン、超クールな『ワルの法則』。最高の密室会話劇。
夕焼けのダンス、「あの頃に戻りたいのか!」という台詞でやって来る静寂の鮮烈さ、階段のメタファー、音楽の強烈さ、悪辣一家よりも悪い若尾文子
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

5.0

あまりの面白さと圧倒的な完成度の高さに、食い入るように観た。

ちなみにちょっと邪道だけど吹替版で観た。往年の吹替のクオリティと味わいはお見事。

おろち(2008年製作の映画)

4.7

久々に観ながら、なんで昔劇場で観た時あんなに気に入ったのかなと思ってたらそうそうそうそう、劇中の谷村美月の台詞を借りると『本当に恐ろしい結末』、この最悪の邪悪な(そして人間臭くて哀しい)ラストがあった>>続きを読む

京城学校 消えた少女たち(2015年製作の映画)

4.7

「ドラッグ・ウォー 毒戦」を韓国リメイクした今秋公開「毒戦 BELIEVER」の監督の過去作。

画、美術、音楽、衣装、全てにこの映画に必要とされる美しさというか艶がしっかりとあって、素晴らしいクオリ
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麻雀放浪記2020(2019年製作の映画)

3.9

「麻雀放浪記」を観ていないのに「麻雀放浪記2020」を観るという、不敬な事をしてしまいました。

思いの外真面目に作られていて面白く観られるのだけど、無い物ねだりでもっと無茶苦茶な奔放さや熱情を欲して
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

4.8

優れた脳筋映画を作る為には、脳筋とは真逆の優れた頭脳と才覚が必要である。「ワイルドスピード」シリーズがここまでタガの外れた狂気の脳筋シリーズになったのは、ジャスティン・リンにジェームズ・ワン、F・ゲイ>>続きを読む

ワイルドライフ(2018年製作の映画)

4.8

かつてはアメフトの選手だったらしいが夢破れ(この辺りの台詞での微かな説明が実に巧いし観客を信じている)、今も『男らしさ』のロマンに囚われたまま山火事を消しに旅立つ夫。夫に街に置き去りにされた事で、『妻>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

-

当たり前のように他人に救いの手を差し伸べる事の尊さと、融通の効かない役所のシステムの冷酷さへの批判と。


前半だけを随分前に観て中断してしまい、後半をやっと今日観るという良くない見方をしてしまったの
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

-

キレッキレのデ・パルマ節が炸裂。思った以上にまんま「戦艦ポチョムキン」な階段のシーンも、決してただコピーするだけではない応用をしてきてそれがまた痺れる。

殺し屋の故ビリー・ドラゴが妖しくカッコいい。
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天気の子(2019年製作の映画)

1.0

新海監督の前作「君の名は。」は正直生理的嫌悪感を抱いている部分があるのだけど、あれが面白い映画だった事は同意する。特に入れ替わりを巧みに示唆していく序盤の脚本の構成、RADWIMPS(以下RAD)の曲>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.9

いきなり私事で申し訳ないのだけど、うちの甥っ子が自分が子供の頃遊んでいたゴジラやガメラのソフビ人形で遊んでいるのを見て、「トイストーリー3」のあのラストを思い出して大変エモい気持ちになった。
恐らく全
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未成年(2018年製作の映画)

4.7

「チェイサー」「哀しき獣」や「1987、ある闘いの真実」等で強面の印象が強い俳優キム・ユンソクの初監督作品。この映画の原作となった舞台にキムさんが惚れ込んで自ら映画化まで漕ぎ着けたとの事で、あんなに強>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

4.8

大筋は変えずに細部を現代的にアップデートする「美女と野獣」に続くディズニーの実写化の試みが、いつもより抑えめのガイ・リッチー・テイストと上手く調和して見事に大成功。冒頭の『アラビアン・ナイト』(今回は>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.7

嫌なヤツがタイムループから脱出しようとする中で成長していく、という訳で作り手は完全に「恋はデジャ・ブ」をバッチリ意識していて、もちろん分かっていますよという目配せも台詞でしてくる。
ループ物の必須条件
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ある日本の絵描き少年(2018年製作の映画)

4.8

これはヤラれました。生きていく事と描いていく事・・

I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)

4.8

アリシア・ヴィキャンデルがひとりの女性の赤ん坊の頃から晩年までを演じる、マイク・ミルズ監督による短編。詩的な映像にドラマチックな歌曲、字幕とアリシアの演技で紡ぐひとりの女性の人生。短い時間で人生を追体>>続きを読む

チョンティチャ(2017年製作の映画)

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複雑なアイデンティティの問題を揺れ動く女の子の等身大の視点で貫く事で、普遍性を持たせていた。主演女優の野生的な目力も印象的。

明らかに脚本段階とシーンの順番を変えている所があったり(そのお陰で上手く
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ファイ 悪魔に育てられた少年(2013年製作の映画)

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祝キム・ユンソク来日決定という事で。ダーク版「オー!ファーザー」的な物語を韓国映画界が流石の安定したクオリティで映画化。

前半でファイ君と父親達との関係性があまり深く描かれない為、何故ソクテがファイ
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運命は踊る(2017年製作の映画)

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演出・撮影の才気迸りっぷりに惚れ惚れして痺れるばかり。特に第2部の描写力が強い。犬にラクダと動物の使い方も巧い。
ただ俺はとても底意地が悪いので、ここには描かれていない第2部と3部の間でこの夫婦の間に
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ANIMA(2019年製作の映画)

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ポール・トーマス・アンダーソン監督×トム・ヨークによるダンス・アート・フィルム。
奇妙で前衛的なダンスにこめられた現実社会の人々の人生と、35mmフィルムのかけがえのない美しさ!

尺に合わせてわざわ
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

青春映画としてもスーパーヒーロー映画としても限りなく完璧に近い驚異の出来!前作も素晴らしかったけどそれを上回った・・
アベンジャーズ無き後のヒーローとしての責任の重みと、青春を謳歌したいという切実だけ
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ファイティン!(2018年製作の映画)

3.8

みんな大好きマ・ドンソクさん!今回も『不器用でイカついけど気は優しくて超力持ち』というドンピシャな役どころでそれだけでもう楽しい。

疑似家族の映画としてはドンソクさんのチャーミングさのお陰でまあ良い
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アンフレンデッド:ダークウェブ(2018年製作の映画)

3.9

PC画面映画も「アンフレンデッド」以外も含めればもう4本目なので流石にネタ切れするかなと思っていたが、しっかりアイデアや技術を盛り込んで飽きさせない。

skypeで友人達とテレビ通話しつつその裏で友
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カメラを止めるな!スピンオフ「ハリウッド大作戦!」(2019年製作の映画)

1.0

クオリティがあまりに低く、『二番煎じ』という感じが否めない。あれだけの大ヒット作、何より作り手達の人生を決定的に変えてくれた作品の続編を、いくら配信用の中編とはいえ何故この程度の出来で世に出せてしまう>>続きを読む