何度見ても『居残りさん』の人物造形と演じるフランキー堺の芝居が最高過ぎる。映画も居残りさんも最高に軽妙で愉快。
地獄も極楽も知るか、走れ、逃げろ!
「響 HIBIKI」と「センセイ君主」という2本の傑作を昨年放った月川翔監督の作品なのでもしや実はミラクルが?と思ったけど、ここまで酷い原作を渡されてしまってはやっぱり駄目だった。それでもまだ『善戦し>>続きを読む
抑制された語り口で簡潔にサクサクと突き進みつつも、主人公の感じている苦痛(派遣と正式採用の格差に30代女性の辛み、妬ましい若手女性教師の存在に周りの男が全員漏れなくクズetc.)はしっかりと体感させて>>続きを読む
『毎回誰かが誰かを乗せて車を運転してると俺が負ける』(byスパイク・リー)という事でまたそういう映画に作品賞では負けてしまいましたが、祝「ブラック・クランズマン」脚色賞受賞という事で。
『正しい事を>>続きを読む
猫や犬のちょっとした動きや生態がとてもリアルで、あぁ猫や犬の事をよく知っている人達が作っているんだなと感嘆した。猫好きなのでこういうのに弱いです。暖かいピクサー手書きアニメ。
お久しぶりのイ・チャンドン監督作品という事で、気合を入れて劇場へ滑り込み。
一見曖昧な輪郭をしているようで、よくよく見れば明確にテーマや物語や『ビニールハウスを燃やす』事の意味が浮かび上がってくる、語>>続きを読む
メインキャストは全員アジア系アメリカ人又はアジア人、監督もアジア系アメリカ人。そんなハリウッド映画が作られて、更にそれが全米で大ヒットする。こんな未来を誰が想像できただろう。また新しい扉が開かれた。>>続きを読む
画に関しては「今時の学生映画はカメラも良いやつ使えて良いなー」と思うのだけど、技術面のそれなりの安定故に演出・脚本・編集・演技のクオリティの猛烈な低さというかセンスの無さがより目立つ。
学生の卒業制作>>続きを読む
ストイックで超ハイレベルな群像劇映画。人々の熱気に次第に呑まれて、こちらも熱くなる。この規模でこういう勇気ある映画を作れる韓国映画界はやっぱり凄いし、羨ましくも思う。
群像劇として完璧で、次々と現れ>>続きを読む
これは本当に大傑作で驚いた・・エンターテイメントとしての手に汗握る圧倒的な面白さ、現代の格差社会に一石を投じるメッセージ性、そして苦さを恐れない勇気。
並外れた脚本に、王道の技も目新しい技も目一杯詰>>続きを読む
分かる人には分かる書き方をすると、『LDHが作った「ハンナ」』という感じの映画。中学生が書いたような脚本に過剰演出・演技が加わって結構しんどい(ちょっとラノベ原作アニメみたいな感じもある)。どんでん返>>続きを読む
凄まじく醜悪だが観終わったらすぐ忘れるような薄さで、刺激だけは終始あるのに凄まじく退屈。ひたすら無意味で酷薄な時間だった。こうなる事は分かっていたのに観ちゃった俺が悪いですね。
序盤の結構大変な長回>>続きを読む
ミニシアターレベルの環境で観れる機会を得て、遂にようやく鑑賞。
最高だった。こういう映画には言葉はあまり必要ない。
映画を観たというより映画の中で登場人物達と共に生きた、「フェリーニのアマルコルド」>>続きを読む
全編トータル10カットの長回し構成というのが売りだけど、実際はもっと細かく割ってる擬似長回しの連続。それでも明らかに低予算なのにここまで長回しでやり切った努力は称賛に値する。
ただこの映画はその長回し>>続きを読む
国民的英雄の偉業を、胸踊る愛国英雄譚ではなく徹底的にパーソナルな物語として再構築して描き切った監督と脚本家の英断に感嘆した。
月に行く事への主人公の飽くなき衝動はディミアン監督のこれまでの作品「セッシ>>続きを読む
90年代に同性愛『矯正』施設に入れられた少女の物語で、今春公開「ある少年の告白」の女の子サイド版とも言える。
人の恋愛という抑えようのない自然な感情を『罪』として抑圧しようとする非人道的な環境での、若>>続きを読む
「マグニフィセント・セブン」を経たからかアントン・フークワ監督の演出力が前作よりも更に上がっていて、前作を超える傑作になったと思う。
マッコールさんがご近所やUBER運転手の仕事の合間に出会った人々>>続きを読む
「実写のりありてぃ?何それ食えるの?」とでも言わんばかりの英勉イズムがフルスピードで大暴走、原作漫画よりもこの実写映画の方が漫画的という逆転現象が発生。普通は酷い事になりそうなのに、何だろう、何だかこ>>続きを読む
前作と同じ時間軸を違う主人公でダラダラと描いていく序盤は我慢が必要だが、宇宙船内パートになった辺りから徐々に映画の理性のタガが外れてくる。
インドネシアに墜落して通りすがりの反政府シラット使いイコ・ウ>>続きを読む
「ナイト・クローラー」の監督・主演・助演トリオが再結集したアート・ホラー。ルカ版「サスペリア」のような『アート系ホラー』ではなく、現代アート作品がアートを利用するアート界隈の傲慢な人々を物理的に殺して>>続きを読む
ジェームズ・ワン監督の才気大爆発!超濃厚全方位マシマシ二郎系冒険大活劇、これはヤバい、ヤバ過ぎる。
怒涛の擬似長回しアクション、新感覚水中チャンバラ、ビジュアルセンス大炸裂の海底大戦争等々等々、場所>>続きを読む
まずこの文章全体の構成など無視して今すぐに書いておきたいのが、とにかくエミリー・ブラントが最高だという事だ。詳しくはまた後ほど。
前作ではメリー・ポピンズと子供達が指をパチンと鳴らせば勝手に部屋の>>続きを読む
震災後の数年間に色々作られた震災を扱った日本映画はどれも震災を扱う必然性の無いものばかりで(今作と同じ廣木監督作「RIVER」もそうだった)、作り手の気概はあったがその気概とは裏腹に震災を利用している>>続きを読む
予習です。
観る者全てを童心に還らせんとするディズニー・パワー。ジュリー・アンドリュースの柔らかい可憐さ、ディック・ヴァン・ダイクのズバ抜けた器用さとスター性(今回観てやっと二役やってた事に気付いた)>>続きを読む
これは素晴らしい!なんて優しい人間愛の映画だろう。絶妙な人間関係の展開の妙。
『内縁の夫』と妻、それぞれの哀しみと愛が切実に描かれる。酷い行動をしてしまったりもするが、どちらも『魔性で自堕落なゲイ』>>続きを読む
愛犬を殺されたトルコ嬢の情念と無念の死を遂げたお市の方の情念が結び付き、スペースシャトルが打ち上がって2人の情念は遥か宇宙で浄化される。マジでそういうお話です。
唐突に始まりやたら長い時代劇パート、>>続きを読む
前作からの監督交代が不安だったが、ドラコ親子の日常を捉えた燻んだ冒頭シーンとその後のヴィアンカ〜アドニス〜ロッキー登場の長回しを観て不安は消し飛んだ。スティーブン・ケイプル・Jr.監督の演出には、前作>>続きを読む
どぎつい極彩色の照明と美術、ゴブリンのイカした音楽、そして狂ったアルジェント演出が合わさって謎の魔的なグルーヴ感が錬成されている。手間と金のかかった映像表現の濃密さはもはやゴージャス。これは確かに病み>>続きを読む
職業柄だけでなくその性格故に、自分の意志を表に出す事を控えてきた男の長い間秘めた想い。最後まで言葉に出される事も無く、明確に意志表示される事すらない想いがそれでも観客の心に静かに沁みていくのは、アンソ>>続きを読む
隠れた鬼才・城定秀夫監督作品。台詞も音楽も削ぎ落とし、環境音も削ぐ事で妙な不穏さが全編に漂う。久しぶりの黒い城定映画の気配が仄かにあって、淡々とドライに映画は進んでいく。
『シュレーディンガーの猫』>>続きを読む
革命が成功しなかった世界の裏側で、古からの負の連鎖を断ち切って女の革命が密かに成功する。これはとても優しい革命の映画だった、と勝手に解釈した。根が優しい映画。悲しみの歴史を抱きしめる、「君の名前で僕を>>続きを読む
ハリウッド大作でマーク・ウォールバーグと堂々並び立つイコ・ウワイスの姿を見れただけである程度満足はできると思っていたが、それにしてもこれはやっぱり消化不良感が残る。
冒頭のマークの登場ショットは冴え>>続きを読む
とにかく露悪的な作品で、特に悪役のハニトラ要員の女性の描写は「2019年にもなってまだこんな事やるのか」と怒りを覚えた(演じるルビー・O・フィーのエロ可愛さは魅惑的)。ゆうばり的な露悪趣味という感じ。>>続きを読む
名著「映画術 ヒッチコック・トリュフォー」を分かりやすくまとめた入門編。ヒッチコックを知らない今の観客の為に錚々たる監督陣も登場して補足してくれたり、また別のアングルをもたらしてくれる。これで興味を持>>続きを読む
子供の頃に映画館で観て無性に好きだった作品で、別に傑作だとは思わないのだけど今でもたまに観たくなる時がある。
この映画の小雪が演じる女性の事がとても好き。
今観るとやっぱり映画全体(小雪以外)の御伽>>続きを読む