eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

eulogist2001

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映画(1605)
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シチリアの恋(2016年製作の映画)

3.8

チョウ・ドンユイが出てるので傑作。笑。
しかし、どんな役でもこなすなぁ。しかもピタリとハマるを少し越える。その加減が素晴らしい。

こうしたピュアな役やらせたらほんとうに右に出るものいないのではないか
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血筋(2019年製作の映画)

3.8

民族や国家などをさておいても面白い。タイトルは「血筋」だが、(日本人的には血のつながり)のほうがしっくりとくる。

まだ二十歳の監督は中国の朝鮮族として生まれたが、両親が4歳の時に離婚して、母親と一緒
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

Blu-ray
RAWって人間の生肉なんだね。人間の肉の味に目覚めてしまい、その欲望をどうにも抑えきれない。

美しき姉妹の嗜好は実は母親から譲り受けたものだった。

ホラーというよりサスペンス感たっ
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

3.2

なかなかの長尺。4時間半。インターバルが途中10分入るがオジサンには眼精疲労は否めない。

ドキュメンタリーとしてこの内容を描くにはこの時間でも足りないくらいかもしれない。もちろんテーマが一貫してるの
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.6

笑福亭鶴瓶と小松菜奈が素晴らしい。二人とも難しい演技を体当たりで演じている。繋ぎ役ともいえる綾野剛が霞んでみえるほど。

精神病院の閉鎖病棟という設定だけでもかなり特殊な状況。さらには死刑での死に損な
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彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)

3.8

原題は”Brain on fire”「燃えてる脳」とでも訳すべきか。邦題は「彼女が目覚めるその日まで」。物語の内容からすれば悪くはない。わたしなら「世界が彼女をみつけ直した日」としたい。

抗NDMA
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グリード ファストファッション帝国の真実(2019年製作の映画)

3.0

アパレルの闇(途上国の安価労働での搾取)や富裕層と貧困層の格差。難民問題や移民の差別。脱税や傲慢なワンマン経営。焦点がいろいろあり過ぎて少し印象が薄くなってる。

マクリデイのお金に倒する執着はよく出
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イントレランス(1916年製作の映画)

3.0

憎悪と不寛容。古代キリストの時代、バビロンの時代、パリの中世、現代の四つで描かれる。

映画の父と言われるグリフィス監督の作品。105年まえとは思えない。しかしいかんせん当たり前だが画質が悪く、無声映
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君の結婚式(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「卒業」みたいにさらわずに、お互いに感謝を述べ合う結婚式なのね。

「卒業」世代でそれに感化されてしまった世代からすれば、なんともきれいごとでもあり打算にしか思えない。裏返すと知らず知らずにのうちに創
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.0

モノクロ作品。記憶とイメージに静かに寄り添う。過激な思い込みが、銃が身近にあることで簡単に無差別殺人に繋がってしまう。やられた側は命は落としたものは言うに及ばず助かった被害者もフラッシュバックなどのP>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんとも美しい映像。カット割、空と風と大地、俯瞰とアップ、朝、昼、夕暮れ、夜。光と影。そして少女の美形さたるや!

映像詩とでもいうのだろうか。会話も一切ない。瞬間瞬間に削ぎ落とされた美が感じられる。
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ナディアの誓い - On Her Shoulders(2018年製作の映画)

3.6

静かだが、強さを感じる内容。ナディアの素直でナイーブな感性が印象に残った。虐殺などの暴力がいったいいつ世界から消え去るのか?

残虐な人間の行為を人間が押し留めることが出来ないままずっと世界は動いてき
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また蝶が舞う日まで/宮鎖沈香(2013年製作の映画)

3.8

周冬雨。いやあ、見惚れた。いじらしい役柄がなんともハマる。ん、ストーリー?そんなものはどぉでもいーんです笑笑

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

3.8

チョウ・ドンユイ。サイコー過ぎる。どんな役でも自分農民モノにしてる。

少し、いやおおいに切ない話だけれど、よい話でした。気持ちは伝えられる時にきっちりと伝える。ほんとうにそうだ。ごめんなさい。愛して
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1978年、冬。(2007年製作の映画)

4.1

これは紛れもない傑作。淡々としたシンプルな描写だが、骨太。エピソードの挿入やプロットもお見事。構図やカット割もシビれた。一瞬の淀みもなく、ラストシーンまで引き込まれた。

内面描写も台詞の少ない中で滲
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恋するシェフの最強レシピ(2017年製作の映画)

4.0

チョウ・ドンユイがかわゆ過ぎる。年齢に関係なく胸キュンする。いや、ほんとうに演技がすばらしい。いろんな役に入り切ってしまえるし、そう思わせる大胆で細やかな芝居。

ストーリーも完全にツボでした。最後に
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.6

リドリー・スコットらしく重厚感たっぷり。中世ヨーロッパの雰囲気も見応え充分。

ただストーリーとしてはわたしには面白味に欠けた。

※マグリットのように本当のところは分からずに「授かった」子どもに愛情
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

2.8

ハンス・ジマーの音楽がめちゃ耳ざわり。今回特に彼の特徴でもある重低音が映像とリンクしてないように感じた。劇場の設定にもよるとは思うが大音響過ぎてほとんど耳を塞いでの鑑賞。映像も美しく素晴らしいのだが、>>続きを読む

草の響き(2021年製作の映画)

3.0

良い意味でも悪い意味でも「文学的な作品」。読み手側の体験や知識、モノの見方によって自由に解釈することが可能である。反面、余白が大きすぎてどこにどう色付けをするのか分からなくなる。

やはり映画的な具象
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にあんちゃん(1959年製作の映画)

3.4

九州の炭鉱町で暮らす4人兄妹。貧乏のどん底でも逞しく生きる子どもたち。

在日コリアンの小学生の頃の日記が原作。

戦後の田舎町の生活の実態がよく分かる。
今村昌平監督なのでおとなの役者は豪華。

海洋天堂(2010年製作の映画)

3.2

グイ・ルンメイ推しで観た。やはり美しい。しかしいろんな役をうまくこなすなぁ。

作品そのものは自分にはあまり響かなかった。経験や境遇によってはどハマりするのかもしれない。

真珠のボタン(2015年製作の映画)

3.8

映像の美しさの中に人類の血の歴史が漂う。南米チリの海に暮らす先住民族の虐殺からピノチェト政権の虐殺まで水の記憶、それは宇宙に拡がる星の記憶でもある。

他者への暴力は一部の人間の悪行ではなく、自らの人
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ユンボギの日記(1965年製作の映画)

2.8

韓国の朝鮮戦争下。母が家を出て、病弱な父親の元に3人の子どもが残される。10歳の長男はガム売りや靴磨きをしながら生計を立てる。

写真集の写真に詩の朗読や独り言を被せる。今となっては1965年の韓国大
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監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

3.8

これはスマホを使うひとはみんな見るべきだろう。世論操作や依存症、時間の浪費。

とりあえず、通知は切ろう。

バハールの涙(2018年製作の映画)

3.8

戦火のリアルをひしひしと感じた。常に命の危険の中にいることの恐怖。ドキュメンタリータッチとカメラの低さが非常に効果的。肌感覚で身にしみてくる。

・ISの残忍さは言葉に出来ない。ただ戦時下における男ど
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ジェームズ・ボンドとして(2021年製作の映画)

3.6

ダニエル・クレイグのボンドがこんなにも不評な中、立ち上がってきたとは知らなかった。

彼に変わってから、007シリーズが人間的な深みを増し、おとなの鑑賞にも耐えうるアクション映画となったのは明らかだ。
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サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

4.2

プラトニックな純愛もの。こういう王道作品は難しい。設定や演技によってはリアリティーに欠け嘘くさくなってしまい、白けてしまうからだ。しかし本作はその中でも傑作。

ふたりの演技が実に自然で初々しい。そし
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戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.7

ショスタコヴィッチ5番の音楽が非常に効果的。100年近くも前に作られたとは思えない。脚本も映像もすばらしい。

学生時代に映画史を取っていたがやったの事でエイゼンシュタインを今頃観るってのは我ながら反
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.8

いつもの爽快感とともに、深い喪失感も味わった。アクションの素晴らしさと同じくらいダニエル・クレイグのボンドが本当にカッコよかった。内面の哀しみと繊細さを深く繊細な演技で表現できる俳優はそうはいない。>>続きを読む

アルゴ(2012年製作の映画)

3.2

映画としては面白い。しかも実話に基づいている。しかしそこに至るまでのアメリカの画策や過程を考えると手放しで喜べない。

イラン国民からみたら、ヒドイ茶番にしか見えないだろう。単に盗人の残党にうまく逃げ
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キンキーブーツ(2005年製作の映画)

3.6

王道のエンタメ。代々続く靴工場を父の死によりやむなく引き継ぐことになった息子が知ったのは瀕死の状態にある経営だった。

そこから昔ながらのブローグシューズやブーツはやめて、キンキーブーツ製作への乗り出
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空白(2021年製作の映画)

3.6

正しさや正義。それぞれがそれぞれの価値観の中、そこにコミュニケーション(対話や理解)はない。自らの絶対性を信じて止まないことの滑稽さ(裏返しの悲劇)。

スーパーの店長青柳は万引きの女子学生を追い掛け
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MIRRORLIAR FILMS Season1(2021年製作の映画)

2.6

オムニバスで9本。ショートムービー。全4回のうち第一弾。テーマは「変化」らしいが、さすがに詰め込み過ぎか。玉石混淆でなんとも乱雑な感じが否めない。

眠気を堪えながら観た中で、「B級文化遺産」は良かっ
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.9

「娯楽作品」においては原則的に結論を求められる。白黒付けたり、結末が必要だ。映画作品においては特にそうだろう。

本作には結論はない。それぞれがそれぞれの状況や勢いや流れの中で結果的に過ちを犯し、自分
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