セッセエリボーさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

セッセエリボー

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エピセントロ ヴォイス・フロム・ハバナ(2019年製作の映画)

3.7

「観光客は人間がとりうる最悪の形態だ」

現在時点のクーバ。自分もちょうど1年ほど前にハバナに行ったので、忘れていたディテールを思い出せてよかった。建物の屋上で素人が何かを溶接してて火花が下にバラバラ
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下女(1960年製作の映画)

4.4

人に薦めたくなる映画。もっと芸術映画かと思ってたし確かに回り込むようなカメラの導線はキレキレだったけど単純に話も面白い。ぜひ多くの人に見てほしい。
のっけからヤバい言動連発で悪役感を滲ませまくってた下
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ストーカー(1979年製作の映画)

3.6

わかった。タルコフスキー、肌に合わない。単にわかってないだけなんだろうけど、見てて何かいらいらしちゃう。
難しそうな話だけど噛み砕けば最近見た『ハリーポッターと賢者の石』なんじゃないかと思った。ほっと
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少女ムシェット(1967年製作の映画)

4.0

きれいな下降線を描く『バルタザール』の悲愴感に比べると幾分あっけない、少女の闘争=逃走の二日間。垣間見えるムシェットの類いまれな食器さばきは見事。どうやってんのこれ。

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(2019年製作の映画)

3.8

リヴォンヘルム死んだ後にこんな映画作るって、ロビーお前そういうとこやぞ!

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

4.6

近すぎない・暗すぎない・画面が変わらなすぎない の嬉しい特典により、3本目にして初めてペドロコスタを寝ずに見れた!そしてやっと楽しみ方というか凄さがわかってきた…!自分がもし映像作るひとだったらこうい>>続きを読む

ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

5.0

EMO。原体験すぎて面白いとか上手いとかもうわからない。究極の素材映画。
この頃のハリーポッターは予算けっこうありそうな割に低予算なトリックも連発してて、「映画そのものが魔法!」っていうメリエス的な驚
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J ビヨンド・フラメンコ(2016年製作の映画)

5.0

いやっ今一番観たかったものが観れたな…!一秒残らず画面を支配する凛とした緊張感と迸る熱量、大胆きわまる演出。全パフォーマンスが一級品すぎて目が離せない。あと絶世の美男美女を永久に眺めてられる至福の映画>>続きを読む

フラメンコ・フラメンコ(2010年製作の映画)

4.1

フラメンコかっこいい…!しかしフラメンコニワカすぎてフラメンコかっこいい以上のことがよくわからない…!上手い下手がわかるようになってからもう一度見たい…!
いわれてみると地獄の黙示録っぽいとこちょいち
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.1

この世は地獄だけど、よく見ると七色の光が滲んでいる。男らしくも女らしくもなくあることってできないもんかね、、自分のマチズモにげんなり。
数回あるダンスシーンが息を呑むすばらしさ、バレエってかっこいいの
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カラスの飼育(1975年製作の映画)

4.0

"Todo es mentira."

幼くして性と死のいちばんえぐいところを垣間見てしまったアナのつらみが刺さる。
子育てってむずかしい

ブニュエル 〜ソロモン王の秘宝〜(2001年製作の映画)

4.0

ギルデロイ・ロックハート×3がゼイリブのメガネを手に入れてロングデイズジャーニーイントゥナイトする話。思いっきりアドベンチャーと思いっきり芸術映画を正面から両立させててすごいと思いました。ハムナプトラ>>続きを読む

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

5.0

集大成的傑作。すごすぎるよ、、だいぶ気持ちが入ってるんで2割増ぐらいの評価になってる気もするけどでもやっぱり最高だったな…
自粛期間をいいことに学生時代読めなかったドゥルーズをたくさん読んでみようの会
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小麦の買占め(1909年製作の映画)

3.7

ストローブ=ユイレ『四部の提案』の第一部として。グリフィスの問題意識すごく真っ直ぐでかわいげがあるけど内容的には今のネオリベとやってることそんな変わらなくてすごい。あと値上げのお知らせの置き方が詐欺レ>>続きを読む

階級関係 -カフカ「アメリカ」より-(1984年製作の映画)

3.9

頭がかたすぎて新天地で苦労する青年。むずい!よくわからない!テンポ感はペドロコスタっぽいけどこれに比べるとペドロコスタってめちゃくちゃ濃いな。
青年の表情はウソでしょってぐらい変わらない。言うことは結
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アン・ラシャシャン(1982年製作の映画)

3.7

ミュージカルかと思ったが違った。「教育は義務なのだ」と言われて「にしては期間が長すぎやしませんか」と即答できる7歳児はアホには育たないよ。地球儀を「これは何?」と言われて「お芋でありボールであり地球で>>続きを読む

歴史の授業(1972年製作の映画)

3.7

歳の離れすぎた先輩の長話にひたすら付き合う若手。自分の経験上こういう話は大体随所に自慢が入るんだが、このおじさんはそういう自己顕示欲をぐっと抑えて非常に明晰に話してくれるので好感。若手も適当な相槌で流>>続きを読む

オトン(1969年製作の映画)

3.6

花婿、女優、時々オトンの二本立てで鑑賞。冒頭、街を見下ろす二人を捉える映像の淡い質感とウィニウスのクソやる気ない演技に心奪われるも、いやあ、長い、長い…。セリフ長すぎて映像を楽しむ暇もないしそもそも景>>続きを読む

花婿、女優、そしてヒモ(1968年製作の映画)

4.0

初ストローブ=ユイレ。冒頭の夜の街観光を楽しんだあと、前半の演劇パートは意味不明だったがその後のパートは短いながらすばらしかった。もっと眠いかと思ってた。

冬の旅(1985年製作の映画)

4.6

「最近彼女に会った人々は、みな彼女のことを覚えていた」

一回では味わいきれなかったけど、素晴らしい映画だった。周りが言うほどには自由にも孤独にも見えないモナは、麻薬や男や反近代な生き方など我々にも馴
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死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

3.9

「何これ!」

「俺は『死霊のはらわたⅡ』で行く!」の『死霊のはらわたⅡ』。ちょうどいい。この過剰さが非常にちょうどいい。渇いた心に沁み渡る、すがすがしいアホさですね。血、出すぎ出すぎ。咄嗟に掴んだ武
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サルサとチャンプルー(2007年製作の映画)

4.4

同行者にはイマイチ不評ながら、非常にレアなものを観れた満足感でほくほくになりながら生涯学習センターをあとにしました。とりあえず島津三一郎さんのキャラクターが面白すぎて、めちゃくちゃ話長そうだけど多分い>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.3

うんやっぱモノクロの方がいい。色彩勝負だとダレる。ベルイマン、こういう感じなんですね。顔へのこだわり方がサイコホラーレベル。
かなーり尖った前衛的なことを色々試してるけどそこは今見るとややダサい。それ
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.7

おお〜〜きっつ…全然わからんかったな、、すごいことしてる感じは何となく伝わったけど自分にはカタルシスに繋げられなかった…。全体の8割ぐらいは顔のアップだけど全員マジでしんどそうな顔してるから息詰まりそ>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.5

恐い間取りだったな〜〜。これから親になるすべてのひとに見てほしい。髪型変えた途端態度を変える男はクズだよ!っていう気づきも得られる。

ポゼッション(1981年製作の映画)

4.9

めっっちゃくちゃおもしろかった。真理が女だとしたらこんな感じじゃないだろうか。騒がしすぎる古井由吉。
急ぎ過ぎな気がするカメラの動きと人がぜんぜんいない町の眺めは『アングスト』によく似ている。ドイツで
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甘い生活(1959年製作の映画)

4.0

フェリーニの登場人物見てるとあぁ何か人生こんぐらいでいいんだなって虚脱する。床びちゃびちゃのラブホとか肝試しポゼッションとかグッとくるポイントは多かったけど8 1/2ほどのバキバキのクドさはまだないの>>続きを読む

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

3.6

見たかったものと全く違うものが見れた。それは決して面白かったという意味ではないはずなのに変な満足感がある。しかし中井の肺活量に頼りすぎではないか。

確認(2018年製作の映画)

3.3

対岸の火事だと思っていたことに、実は自分も巻き込まれている。これはでももう運じゃないですか・・・。

おじさん「12ドル!?」
僕「12ドル!?!?」

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

3.8

スクリーンが白いということを終わるまで忘れてしまうくらい、ほぼ一貫して闇が強い映画。どことも知れない光源からの間接照明がわずかにその合間を縫う漆黒の闇の中で、人物は吸い込まれて匿名の人影となり、信仰は>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.2

思いのほかモダンな仕上がり。渾身のショットがかなり後半に集中している。夜明けとともに終わる映画はやっぱり間違いないわ。

見下ろすとそこに(2018年製作の映画)

3.7

会話のテンションが絶妙に低くてデュラスみたいだった。ワンアイデアものの短編映画。どこを見てればいいかわからない。
唯一ずっと電気のつかない部屋に一度だけ人影が現れるの、べつに普通なんだけどちょっと怖か
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マイルス・デイビス: クールの誕生(2019年製作の映画)

4.5

「お前達の仕事はステージ上で練習すること、俺はそれに対してカネを払う」
「でも観客は満足しますかね?」
「観客は俺に任せろ」

「マズい音を出しても、次の音で正当化できる」

サンタナ「マイルスを聞く
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ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(2019年製作の映画)

3.8

「ここに来てうわっうるさいと思うのは逃げようとするから。逃げずに滝の中に飛び込んでいくと、滝の向こう側には不思議な静寂がある」(大意)

他にも傍線を引きたい名フレーズ続出だったが終わったあと全然覚え
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.3

エンタメとしてシンプルにおもしろかった!ミステリーぽさのあるスリリングな前半とドラマチックな後半、どっちも楽しめた。我々には見慣れた風景だけど、どちらかというと海外の人に見てほしい、スーパーローカル・>>続きを読む