Ryomaさんの映画レビュー・感想・評価

Ryoma

Ryoma

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.0

道徳心を蔑ろにし手段を選ばす視聴率や名声を求め続ける現代メディアや社会への風刺を込めたブラックコメディであるのと同時に、月面着陸を目指すNASAの管制官とプロモーションを担当する女性のお仕事ムービー。>>続きを読む

キングダム 大将軍の帰還(2024年製作の映画)

4.3

シリーズの漫画は読んでいたけれど、劇場版ははじめてでどうかなと思っていたけれど、原作の世界観を再現しつつ、豪華キャストのそれぞれの魅力や迫力満点のアクションシーン、壮大な音楽や煌びやかな衣装など、楽し>>続きを読む

大いなる不在(2023年製作の映画)

4.1

登場人物、特に、父と息子との関係性や背景については多くは語られないが、物語が進むにつれて、2人の独特な会話やお互いへ向ける視線などから、兎にも角にも何かしらの父との長きに渡る確執があったことだけはなん>>続きを読む

THE MOON(2023年製作の映画)

4.3

やはり宇宙ものは面白いし、韓国🇰🇷が仕上げるSF系やアクション系の迫力、映像の完成度の高さにびっくりだった。昨今、日本ではゴジラがアカデミー賞をとったけれど、韓国作品も侮るなかれだなと感じた。
ソル・
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朽ちないサクラ(2024年製作の映画)

4.3

日本において、警察とはまた異なるポジションに位置する公安。秩序を保つという目的は同じはずの警察と公安、それぞれがかざす正義が交わらず、その結果降りかかる悲劇がやるせなさすぎる。同時に、そう成り立ってい>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.8

同じ集英社のバクマンを彷彿とさせる2人の漫画への情熱やお互いをリスペクトする姿勢、冗談も言い合えるほどの仲睦まじい関係性へと距離が縮まっていく過程の描き方、魅せ方が最高だった。社会的地位や名声にとらわ>>続きを読む

ディア・ファミリー(2024年製作の映画)

4.9

君の膵臓をたべたいで美しくも儚い青春物語を描いた月川監督と、ラーゲリ…などで瀬々氏と度々タッグを組んで命の尊さを訴え続けてきた林民生氏が手掛ける脚本が素晴らしく、何があってもあきらめない父親の姿、それ>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.4

人は互いに分かり合えるとはよく言うけれど、ひとりひとり違う生き物であり、それぞれ異なる経験や生い立ち、芽生える心情や気持ちの起伏も違い、同じ経験を経ても別の感情を抱くこともある訳で、それを考慮すると、>>続きを読む

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

4.4

“好き“や“恋“という言葉では括れないほどの人を想う気持ちの強さが2人のキャラクターのひたむきさ、誠実さから伝わってきて、ほっこり&うるっとした。そして、からかえるほどに仲睦まじい2人の関係性や今泉監>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.4

愛する娘の喪失にかかる悲壮感は他者では想像し得ないほどに計り知れないだろう。本作は、娘の失踪を受けた両親の心情が描かれているけれども、その他にも、現代社会に潜むネット社会の闇や報道の信憑性など、様々な>>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.3

設定がまず面白い。相手に好意の想いを伝えるときにまず思い浮かぶのが“好き“という言葉。そのワードを相手に伝えると消えてしまうという斬新な設定を通して、“好き“になるとは一体何なのか、“好き“という気持>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.4

まさに純愛。国や言語、文化が異なっても、お互いを想う気持ちは絶対的なものなのだと思い知らされた。いくら時が経っても、社会情勢が変化したとしても、想い合う気持ちは普遍的であり、そんな色褪せず胸に残り続け>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.3

華やかで煌びやかなロンドン🇬🇧にありながらも、華美さは皆無でひっそりと佇むタワーマンション。観終わってそこに住む2人の男性の壮絶な生い立ちや計り知れない苦しみを理解した上で振り返ると、その対照的とも言>>続きを読む

名もなき生涯(2019年製作の映画)

4.8

凄惨な仕打ちを受けようとも、自らの信念に従い、ヒトラーに屈しなかった男性がいたなんて言葉で表しきれないほどに凄すぎる。ヒトラーへの忠誠心を表面上のみ取り繕い、ごまかすことだって幾らでもできたはずだけれ>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.3

想い合っていても意図せず離れてしまった2人の気持ちは、推し測るのも億劫になるほどに辛く苦しかっただろうな。再会を果たした2人の姿を見て嬉しい気持ちはありながらも、数十年の月日は離ればなれの彼らにとって>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

SFを映画館で観るのはいつぶりだろうっていうくらい久しぶり。スターウォーズぶりかな。
前作より数年空いたためか、ストーリー的に少し理解するのに時間がかかったけれど、砂漠に住みつくサンドワームのリアルさ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

ノーランお得意の物理学・科学の知識が、原爆が完成するまでの過程の中に綿密に盛り込まれていて、専ら文系の私には到底理解できなかったけれど、原爆製造に賭ける彼らの熱量と、そこまで駆り立てられる義務感にも似>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.6

幼少期に過ごした大切な人との思い出や時間が、その人を失ったり、大人になったりしてはじめて、いかにかけがえのない日々だったのか、相手の自分への愛情が尊いものだったのかがわかるものなのかもしれない。
主演
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.3

理不尽で恵まれない境遇に苦しむ人も、降りかかる苦難に打ちひしがれる者も、誰もが懸命に生きている社会において、互いに寄り添って生きていける人間の強さや優しさを感じた。シングルマザーならではの悩みや生き辛>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

4.2

愛する“とは…愛される“とは何なのか。本当の意味で相手を想うことの大切さや難しさを謳った本作は、“愛“の根源に迫った哲学的メッセージを感じ、原作がおよそ8年前に出版されたとは思えないほどに、結婚の在り>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.6

社会的マイノリティーの人や人知れず理不尽で壮絶な苦しみに耐えうる人にとって、世界はあまりにも残酷で生き辛すぎる。死にたいほどに苦しくても内に秘めた思いを曝け出したり声を上げたりすることがどんなに容易で>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.2

ロバの“EO“には、どんな光景が映っているのだろうか。動物と自然への愛から生まれたという本作は、ロバの視点から人間社会を映し出していて、人の動物に対する酷い行いや扱い方、逆に、愛を感じる人の姿や振る舞>>続きを読む

ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.7

人生の岐路に立ったときに選択した決断が果たして正しかったのかは誰にもわからない。自分が選んだ選択や進んだ道によって、自分は当然のこと、家族や周りの人にも影響を与えてしまうもの。それは、良い方にも悪い方>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.3

親の介護や仕事、それに育児など、生きていく上で、切っても切れない要素に囲まれながら、なんとか生きていこうとする女性のとても人間味溢れる作品。日本がどうかは定かではないけれど、フランスにおける介護制度や>>続きを読む

帰れない山(2022年製作の映画)

4.6

山々の雄大な景色がとにかく美しく、息を呑むほどとはまさにこのこと。その荘厳で美しい山が舞台の2人の友情が描かれた本作は、彼らの自分を見つめる様子や人生と向き合う姿がとても印象的で、みている自分まで人生>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

4.7

料理が繋ぐ人と人との絆。それに、国や言語を超えて紡がれる人の願い・希望。今なお世界各国で起こっている紛争や内戦による移民問題や貧困。何の罪もない人たちが、不自由なく生きていけるように、また、夢や希望が>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.7

優しさや想いやりに国境や宗教は関係なく、国は境遇は違えど、互いに想いあえるということに改めて気づかされた。
ジェイク・ギレンホールが好きなので、チョイスしたけれど、唯一無二のやはり好きな役者さんだなと
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.3

海に浮かぶ茜色の夕日や生い茂る常緑の木々など太平洋に浮かぶサモアの雄大な自然がとにかく美しい。そんな素敵な自然の景色をバックに綴られるヒューマンドラマは“愛“と“優しさ“で溢れていた。そこで暮らしてい>>続きを読む

長いお別れ(2019年製作の映画)

4.9

言葉で表し切れないほどに溢れんばかりのたくさんの“愛“を感じられる作品。“認知症“という形で、一番身近な存在であるはずの“家族“が次第に思い出せなくなっていったとしても、生まれてから一緒に過ごした時間>>続きを読む

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

4.4

津軽塗りが繋ぐ“父と娘“。そして、離ればなれになりかけた家族の再生。

青森県弘前市を中心に300年受け継がれ続けているという日本の伝統工芸品でもある津軽塗りは、箸🥢や食器で目にすることが多かったけれ
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

4.7

大切な人がひとりいてくれるだけで、人生が輝き世界の見え方は変わる。照らし出してくれたその人の存在がなくなったとしても、ともに過ごした時間は色褪せず、記憶の中で残り続ける。そんな“かけがえのない出逢い“>>続きを読む

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

4.5

年齢も境遇も超えた2人の深い絆に素直に感動。互いに傷を抱え悩み苦しみを背負いながらも、互いが互いの痛みを分かち合い欠点を補い合うかのような親子でも友人でもない絶妙な関係性が最高◎

“数学“や“数式“
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

“誰かを想いやる心“の大切さを強く感じた。誰もが少なからず悩みや苦しみを抱えながら生きている。たとえ死にたいほどに辛くても、誰もに等しく夜がきて朝がくる。それでも、誰かの些細な優しさや気遣いで救われる>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.6

純粋で無垢、誠実だからこそ一人で苦しみ声を上げて助けを求められず、周りからのプレッシャーや責任感に苛まれ自ら命を絶ってしまうのが、心からやるせなく苦しすぎる。

学歴社会と呼ばれる韓国社会の闇もまじま
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.1

“喪失“を通して浮き彫りになる、人間が抱える嫉妬・自分勝手さや誰かに対して感じる憎悪が痛く苦しくもあり、それでいて、同時に誰かを想い合える人の優しさや互いの弱さを補え合える人のあたたかさを僅かながら感>>続きを読む

静かなる男(1952年製作の映画)

4.0

バイオリン🎻やトランペット🎺を基調とした弦楽器・金管楽器の軽やかな音色とメロディーに載せて紡がれる少し不器用な男女2人の愛と絆が、アイルランド🇮🇪の雄大な自然をバックに映し出されていて、彼らが緑でいっ>>続きを読む