巨匠アンジェイ・ワイダ、芸術家が芸術家であるべき姿を克明に描き出した魂の遺作。シャガールやマレーヴィチらと同じ時代を生きた伝説の画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの生き様を、歴史の割れ目から掘り起>>続きを読む
今年の映画はじめとなります!
明けましておめでとうございます、今年もぽろぽろ映画の感想を落としていきますのでよろしくお願いいたします^_^
新年1発目はビックリマーク多めで行きます!
ジャッキーとイ>>続きを読む
ワンオートリックスポイントネバーの音楽に侵食され、堕落するかのようにひた走る。負のスパイラルは終わることなく、追憶の夜はいつの間にか迷路と化した。カンヌでも受賞したOPNのBGMはハンスジマーをミニマ>>続きを読む
インド映画の概念を覆す戦国無双的一大大河スペクタクル!そのアクションの迫力はハリウッド大作にも比肩する怒涛の大スケールだ!デジャブ感満載のストーリーは以後の展開を簡単に予想可能なのに、その突き抜けた王>>続きを読む
今年になって『オクジャ』『ヒットマンズボディガード』といった大作を次々と繰り出してきたNetflixが、今度はウィルスミスを主演に据えたバディアクションを送り込んできた!映画館でもCMが流れるほどなの>>続きを読む
本日はクリスマスイヴということでサンタ映画を。え?サンタ違い?
(すみません、この冒頭はCMだと思ってください)
鮮血に染まるトラウマ、悲劇のフラッシュバックが脳裏に張り付いた少年時代と、母と一体化>>続きを読む
話はいたってシンプル。なんだけどウェス・アンダーソンのアクの強さはそのシンプルさに、ドタバタとしたアート性と暖色の色彩とポロポロと零れ落ちる素敵な音楽を、小さな弁当箱の中にギュッギュッと敷き詰めたよう>>続きを読む
ポルトガル生誕の地、ギマランイス歴史地区。2012年、この地が欧州文化首都に指定されたことを機に制作されたオムニバス映画がこちら。個性豊かな4人の監督がポルトガルの歴史に即した4編を提供。結果としてポ>>続きを読む
さぁ、スターウォーズ新作です!熱狂的ではないかもしれませんが、過去作はしっかり追ってきているので愛着のあるシリーズ。エピソード8はネタバレせずに感想を言うのが非常に難しいですが、監督の交替がアクション>>続きを読む
不気味な水面は不穏に揺れ、負のスパイラルは濁流となって渦巻く。ドゥニ・ヴィルヌーヴの初期作品だが、すでに彼のストーリーテラーとしての才能はここに爆発!先の見えない未来とそれに翻弄されるちっぽけな人間達>>続きを読む
今年『最後の追跡』をアカデミー賞へと送り込んだNetflixが、来年のアカデミー賞への刺客として放つ骨太なヒューマンドラマ。ゴールデングローブ賞の作品賞こそヒットしなかったが、メアリー・J・ブライジが>>続きを読む
オルタナティヴロックにポエトリーリーディング。皮肉めいた会話と対比させた愛の寓話とも言えそうだ。ソニックユースをバックに踊るシーンはかなり強烈で、変則チューニングでお送りする(多分)ゴダールオマージュ>>続きを読む
これが実話ベースと知って激しく打ちのめされた。だが、人間の醜さの本性を容赦なく暴く描写は確かに現実的過ぎたので、妙に納得した向きもあった。その醜さとはエレファントマンの容姿のことではない。彼は醜さを映>>続きを読む
ステキすぎるラストシーンにラストカットにラストトーク。やっぱりカウリスマキの作品は優しい。
今作でフィンランドからフランスのル・アーブルへと舞台を移したカウリスマキ。敗者3部作を完結した彼が新たに放つ>>続きを読む
設定は超王道のミステリ。だが、この映画は謎解きよりも、事件を取り巻く人間模様に焦点が当てられた所謂変化球だと思う。名匠ロバートアルトマンのもとに集結した、名優達がズラリと並ぶ壮観なラインナップ!そして>>続きを読む
映画自体がパンクを体現する異次元で異星人のラブストーリー。スタート地点と作品ポスターとエルファニングで、完璧青春パンク音楽映画だ!という路線を期待すると大ダメージを食らう。そこから何光年も逸脱し、SF>>続きを読む
曇天と暗闇ばかりの空と陰鬱な日々を、ビクビクと生きる主人公による一方通行の恋愛(ストーカー)映画。ハードコアなストーカー行為に生理的な気色悪さはあれど、絵画的なカットとハンスジマーを先取りしたかのよう>>続きを読む
女々しい男の報われない話だからこそ最後の2秒間は素敵なシーンだった。
カウリスマキ的な無表情、不条理、そしてロマンチックがシクシクと啜り泣くように繰り返される。主人公の表情は能面のようなのに、いつも泣>>続きを読む
モノクロの映像にカラーを付けたかのようなカウリスマキ的ミニチュア感覚が楽しめる2002年作品。平面的な風景と単純化された動作が妙に愛おしく、登場人物達はまるでロボットが話しているかのように無機質で淡々>>続きを読む
ある芸術家の情熱が血しぶきのごとく爆発し、画面には血糊のような異形な光景が繰り返される。真のアーティストは自らのイメージを具現化することに躊躇などない。表現したいこと、まずはそれが前提にあり、エンター>>続きを読む
カウリスマキはこの作品で静かながら難民問題にザックリと切り込みを入れにいった。その切り口は決して生々しくはなく、むしろユーモアの衣を纏ってはいるが、そこから流れ出るのは今現在も起こっている国際的に深刻>>続きを読む
よくある話だからきっと泣かないと思ってた。でもこんなにも胸がいっぱいになってしまってエンドロールでも頬を伝う涙を拭っている自分がいた。ささやかなメロディと柔らかな映像が温もりに溢れた言葉の数々をこんな>>続きを読む
自分だったらこの中の誰に当てはまるだろう?そんなことを思ってしまうほど10代の象徴的なキャラクターが反映された学園ドラマ。スポーツ馬鹿、ガリ勉、不思議ちゃん、お姫さま、そして不良。この5つのキャラにほ>>続きを読む
スペイン映画のサスペンスはあっさりしている。あっさりと人を殺すし、淡々と血が飛び散る。そして、そのドライな狂気がとても魅力的だとも思う。
この映画はそんなスペイン色が色濃く出た『復讐』その一点に焦点を>>続きを読む
17世紀の画家ジョルジュ・ド・ラトゥール。この映画は夜の画家と言われた彼の絵画に酷似した映像世界を持つ。木目調と暗闇が支配する画面の中で、当時すでに100歳を越えていたマノエル・ド・オリヴェイラ監督が>>続きを読む
この物語は『本当の強さ』とは何かということを教えてくれる。どんなに悲劇的な人生でも、この映画の登場人物たちは前を向いて生きていくのだから。母の強さの源をこんなにも感じることができる物語は珍しく、その身>>続きを読む
デヴィッドリンチ最大の失敗作というレッテルを貼られた『デューン砂の惑星』のアナザーストーリーともいうべきもう一つのホドロフスキーのDUNE。それは蜃気楼のように夢物語と消え、ホドロフスキーの創造力の産>>続きを読む
ダークファンタジーと聞くと実は大してダークじゃないことが多いけれど、これはもう徹底的にダークなファンタジー。というか捉え方によってはファンタジーですらない。肌の上をザワザワと虫が這うような気持ち悪さは>>続きを読む
タルコフスキーの映画には常に精神世界と社会への問題提起が内蔵されているが、これは監督自らを写す『鏡』として作られた自伝的作品。物語の中の人物同士の中で鏡合わせになる者もおらず、時間軸も分解されて破綻状>>続きを読む
子供たちは大冒険の旅に出る!あのベルとセバスチャンの物語がまさかのアドベンチャーな続編になって帰ってきた!第二次世界大戦も終わりナチスドイツの影も遠く彼方に消えた雄大な大自然の中を、野生児セバスチャン>>続きを読む
これは生へのカタルシスの映像化か、はたまた1人の男の人生の総括なのか。そもそも頭にネジなど刺さっていないとばかりに脳漿の底に溜まる芸術家としての情熱(または膿)を、ドバドバと吐き出したような一大人生賛>>続きを読む
エンドロールで『しまった、こういう映画か』と思わず舌打ちしそうになった。確実にヒントを拾いきれていなかったから。
正にデヴィッドリンチのイメージそのもの。現実と虚構の境界線を巧みな構成力でボカしたトラ>>続きを読む
エブリバディウォンツサムの後にこちらを鑑賞すると、リチャードリンクレイターって20年経ってもその精神性は変わらずにずっとあの70年代のサウンドトラックのまま。バリバリのハードロックのリフに酒と葉っぱと>>続きを読む
フランス版フランダースの犬?ではもちろん無くて、フランスにも古典的な少年と犬の物語があった。それを元冒険家の監督が、銀幕の大自然をバックにナチスドイツ占領下のフランスを舞台にした人間ドラマへと姿を変え>>続きを読む
凄腕のロビイストスローンが勝利を求めて銃規制に立ち向かう社会派バトルムービーか。いや、アメリカの膿を多角的な視点で抉り出しながら、ハイスピードな心理戦でスパイアクション並みに表裏がクルクルと入れ替わる>>続きを読む
これは本当に同じ地球上を舞台にしたフィクションなのか?はっきり言ってホドロフスキーは宇宙人なのだと言われた方がしっくりくる。監督自身の少年時代を投影した非常にパーソナルな内容で、なかでも家庭内暴君の父>>続きを読む