カツマさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

4.3

日々増殖していくNetflix作品。数が増えれば質を保つのは難しくなってくるが、その中にキラリと光る原石を見つけた。
台湾出身監督レネ・リウが製作したこの灰色と彩色の青春ラブストーリーは、ここ最近のN
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プッシャー3(2005年製作の映画)

3.6

痩せた狼のような獰猛な瞳はどこへいったのか。それは裏社会に君臨してきた男の栄枯盛衰の末路。プッシャーシリーズのラストを飾る3作目は、麻薬組織の首領として静かなる殺意を放ってきたカリスマ、ミロが主人公だ>>続きを読む

プッシャー2(2004年製作の映画)

3.9

クズ野郎たちがゴミ箱の中を這いずり廻るかのような狂気のドラッグワールド。そんな世界を必死に生きる野郎どもの果てしなき乱舞、プッシャーシリーズの2作目。
1作目ではアホの極みの末に途中退場となった最高で
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オンリー・ザ・ブレイブ(2017年製作の映画)

4.0

予告編の日本の某人気グループの歌、ジョシュ・ブローリン含め屈強かつ磐石のキャスト、観る前は山火事をダイナミックに描いたハリウッド大作の趣、大味な映画だと思っていた。
しかし、観終わった後に重くのしかか
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.1

人生は毎秒のように選択を迫られる無数のパラレルワールドの中の一つ。だが、もしロールプレイングゲームのように人生にセーブポイントがあったなら、あの時の選択が間違っていたのかどうかもう一度確かめたくなるは>>続きを読む

麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

3.7

バイオレンスをアートにまで昇華するニコラス・ウィンディング・レフン監督のデビュー作がこの『プッシャー』シリーズの一作目!
もがけばもがくほどズブズブと絡みついてくる底なし沼のように、金を欲すれば欲する
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特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

4.1

深海のように果てなく沈む闇。その奥底に溜まりきった膿をほじくり返すかのように、猟奇的な殺人が悲しみの連鎖を巻き起こす、特捜部Qシリーズの3作目。
2作目の強烈すぎる幕切れで身も心もズタズタになったカー
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.4

まるで心が濾過されていくかのような優しい涙が何度も何度も流れていった。この物語の中の涙はどんな雫も優しくて、流れるたびに心の芯の部分に温もりのライトが灯っていった。

誰もがきっと見えないヘルメットを
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特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

3.9

金田一少年の事件簿っていう漫画知ってますでしょうか?あの漫画、実はラストがエゲツないほど救いが無かったり、ある事件では主人公の幼馴染が殺人鬼だったり、その血も涙もなさに毎回えぐられながらも読み続けてい>>続きを読む

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

3.8

デンマークの大ヒットミステリシリーズ『特捜部Q』を映画化した作品の一作目!原作は2007年から2016年にわたり7作品発表され、そのうちの3作目までが映画化されており、まだまだ4作目以降の映画化も楽し>>続きを読む

デッドプール2(2018年製作の映画)

3.6

MCUもローガンもシリアス過ぎるのでそろそろガス抜きが必要!ということで、俺ちゃんことデッドプールが帰ってきました。乱射されるブラックコメディと容赦ないバイオレンス!もはやこれは天空の城ラピュタの悪役>>続きを読む

ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

3.9

悲しいことにこんなにも非人道的な話はフィクションのみで想像できるとは思えない。いまだ世界のどこかには極限まで抑圧され、弾圧される人々が、もがき苦しみながら日々生き抜くことを糧に戦い続けているのだから。>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.3

愛は呪いか、それとも救済か。美しいものと醜いものは表裏一体なのか。網の目のように強情に縫い込まれた呪縛の正体が一つのシミからワラワラとほつれ出し、醜いと思っていたドレスに見出した新しい美。醜さもまた愛>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

一部の層に間違いなくクリティカルヒットしてくる破壊的なこじらせ映画が爆誕してしまった!辛い、キツい、痛い、の三重苦をマシンガンの銃槍につめてドゥルルルと乱射、一部の層を殺しにかかってくる!
実際この映
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

是枝監督の凄さとは、作為的にセリフや演技が挿入される映画という媒体において『日常風景』を完璧に描き切る上手さにあると思う。そのため俳優陣には超ハイレベルな演技力が求められるため、自ずと日本屈指の俳優た>>続きを読む

ジーサンズ はじめての強盗(2016年製作の映画)

3.9

名優おじいちゃん俳優3人揃い踏みによる銀行強盗という名の年金奪還コメディ!テンポよく画面がエスカレーター上に昇り降りしていき、お年寄り3人の歩く速度とは裏腹に、展開は抜群に痛快でアグレッシブだ。最年長>>続きを読む

デッドプール(2016年製作の映画)

3.5

王道の設定で豪快に邪道を突っ走る、マーベルの異端ヒーローデッドプール!続編の公開に合わせての予習で鑑賞です。
まるで仮面ライダーのように改造されてしまう悲劇的な過去を持ちながら、ブラックジョークの連射
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.0

ウェス・アンダーソン監督の作品は、実写映画であろうと登場人物がまるでアニメやテレビゲームのような直角的な動きをするため、アニメ映画との親和性も抜群だ。キツネ映画に続いてウェスのアニメ映画第2弾はイヌ映>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.9

どうしようもない心の痛みが演者の一人一人に乗り移り、為すすべもなく感情移入してしまう。気付いたら劇中のシーンと同じように涙が頰を伝っていて、自分でも何故泣いているのか分からないくらい、エンドロールにな>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.5

ストップモーションアニメの概念を覆すほどの美しい画に圧倒される!製作陣の熱意と執念が画面上に迸り、主人公KUBOの眼光さながらのドヤ感に仰け反りそうになる。
この映画は日本を舞台にした冒険活劇だが、も
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.5

いつも猫背でアスファルトばかり見つけて歩いてる。自分が生きている意味も見出せず、消えてしまいたいと思える過去があったなら、きっとこの映画を見てどうしようもなく泣けてしまうと思う。自分一人ではどうやって>>続きを読む

バーバー(2001年製作の映画)

3.7

平地だと思って歩いていた道が実は坂道で、ふと落としたリンゴはコロコロと坂を転がり落ちていく。そのリンゴはある平凡な人生のよう。ちょっとしたボタンのかけ違いで人間は奈落の底へ転落していくし、人生は何が起>>続きを読む

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.4

夢見た未来ってどんなだっけな
さよなら、昨日の僕よ。

この言葉はエンドロールで流れるハナレグミの曲の冒頭部分。そう、誰もがみんな何かを諦めながら生きている。目の前に浮かび上がるのは現実という名の今と
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.6

良く言えば王道、意地悪に言えば古臭い。でもそれは意図的にこの映画を『昔の映画っぽくする』ことによって、映画作りに励む人たちの情熱と苦労と喜びを表現しようという、作り手側の熱い想いが伝わってくる!
脚本
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.9

目が笑っていない人の顔って何でこんなに怖いのだろうか。しかも彼の口角は口裂け女のようにニヤリと鋭角に切れ、頭に乗るのはサラサラのマッシュルームカットだ。彼は歩けば死体が転がる死の配達人、殺戮の権化。息>>続きを読む

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.9

『ソーシャルネットワーク』や『スティーブ・ジョブズ』といった実話映画の脚本で名を馳せるアーロン・ソーキンがついに監督デビュー!しかも主演は昨年の『女神の見えざる手』でも難しい役どころを演じたジェシカ・>>続きを読む

カーゴ(2017年製作の映画)

3.6

泣けるゾンビ動画として話題になった同名短編作品をNetflixオリジナルムービーとして長編化!自分はこの元ネタの動画を見ていなかったので、見る前は昨年の韓国産ゾンビ映画『新感染』のB級劣化版だろうと舐>>続きを読む

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた(2017年製作の映画)

3.8

ジェイク・ギレンホールという異形の表現者はたった一人で映画そのものを支配できる。実話ベースのいわゆる『良い話』を感動的な成長ドラマへと覚醒させたのは、彼の圧倒的な演技があってこそだろう。ボストンマラソ>>続きを読む

あさがくるまえに(2016年製作の映画)

4.0

沈むような青色、押し寄せる波の連なり。それは生命の流転を思わせる象徴的なもの。ポロポロと手のひらの隙間から落ちていく水滴のようなピアノの音色が、抑え込むしかない悲しみを優しく包み込む。
この作品は臓器
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.1

子どもにはどうしても大人にならなければならない時が来る。まだ子供たちが夢の中にいたとしても、強制的に現実という名の夢魔が襲いかかって来て、あのカラフルな時代は懐かしい過去になって宝箱のなかに仕舞われる>>続きを読む

君がくれたグッドライフ(2014年製作の映画)

4.0

この映画を見ていると、若くして逝った小学生時代からの親友のことを思い出す。彼の墓の前であの頃の自分は『なに、こんなに早く死んでんだよ、、』と呟いた。果たして彼の人生はグッドライフだっただろうか。それは>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.8

京都を青春ファンタジーな妄想ワールドに変貌させる森見登美彦の人気小説をアニメ映画化!出版されてから実に10年以上が経過しているにも関わらず、偽電気ブランのインパクトやら詭弁踊りってどんな踊りやねん、み>>続きを読む

インポッシブル(2012年製作の映画)

4.0

恐怖と感動が波の強弱のように何度も押し寄せてくる。為すすべもなく津波に呑み込まれていく恐るべき自然描写に戦慄。これは2004年のスマトラ島沖地震の津波被害を扱った、奇跡の一握りのような実話を描いた作品>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.4

アベンジャーズ予習シリーズの集大成とも言うべきインフィニティー・ウォーをようやく見てきました!
しかし、この作品は内容的に確実にネタバレNGの作品なので、レビューはしません!予習で一気にMCUシリーズ
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.8

きっと誰もがレディバードだった。今思うと恥ずかしくて死にたくなるくらいなのに、あの頃は生きることに必死だった。あの日の自分は友達に大好きだと伝えられていたかな?両親にありがとうと面と向かって言えていた>>続きを読む

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.6

アベンジャーズ予習シリーズ第12弾!ついにこれで予習は終了です。もういつでもインフィニティウォーを見に行ける状態になりました。ラストはトニーに並ぶ新たなる傲慢キャラ、ドクターストレンジ!

時空は歪み
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