イトウモさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

イトウモ

イトウモ

映画(1920)
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

2.0

予告編の後期フェリーニっぽいビジュアルに期待したがぜんぜん駄目

これじゃあ映画ではなくて野外演劇かパフォーマンスアートの記録映像では?

いいのは役者のルックスと舞台装置だけ。記録映像的な固定カメラ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

誰がこんなこと、思いつくだろうか
謎の腫瘍ができる特異体質の男とその男(モーテンセン)を出し物にして、演出家のごとく腫瘍摘出の「外科手術ショウ」を企む女外科医(セドゥ)

美貌のストリップショウのごと
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ドクトル・マブゼ(1922年製作の映画)

3.9

面白かったがサイレントで俳優の演技をこんな延々見たいとは思わなかったな。
冒頭の機密契約書の列車ー自動車リレー。ああいうのをずっと見ていたい。

「犯罪地獄編」は暴動と狙撃パートがよかった

コラテラル(2004年製作の映画)

5.0

『コラテラル』を見返してこれが「反職業」の映画であることに感動した。
ヴィンセントの犯罪に巻き込まれる運転手マックスのほうは最初は被害者であるものの、徐々に資本家の手先として命令された仕事に従事する二
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サイドウェイ(2004年製作の映画)

4.0

『サイドウェイ』が中年男二人の珍道中で、互いが互いの分身であり表に出せない欲望を互いに代弁する裏表の役なのはとてもわかりやすいが、受け身で動かしづらい主人公にアクションを強制させる手管に技巧があり、た>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.9

2023.7
ファスビンダーの中では「13回の新月」とならんで一番好き。
他のファスビンダー作品と比べても画面がとにかく凶暴。黒人兵ビリーの撲殺シーンばかり印象に残っていたが、やや頭でっかちな構成を今
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愛の記念に(1983年製作の映画)

5.0

2023.7
オールタイムベスト1

5回くらい見ているが今回は筋書きについて。
ミュッセの「戯れに恋はすまじ」という芝居をシュザンヌが冒頭で演じることになる。貴族の男女がお互いに好意を持ちながら、な
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

最初の火事映像、アオサギと眞人をめぐるファウスト/メフィストフェレス的対比、飛ぶこと這うことのコントラスト。現実パートは十分たのしいのに、ファンタジーパート薄味加減に拍子抜けした

どろぼうかささぎと
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.5

マンゴールドは大好きな監督だが、それでもフォードの老体でアクションはもったりし、スピルバーグアクションのゴージャスな強引さ執拗さを想起して比べてしまう。
最後の気絶・拉致はナイト&デイのマンゴールドら
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.8

これは面白かった!!
パク・チャヌクのベストではないか。

とにかくスマホ(ウォッチも)が大活躍する。
あいかわらずのテカテカ画面だが、「裏窓」「汚名」そしてなによりも「めまい」を彷彿とさせるヒッチコ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.7

中盤にあるテレビのくだり。あれを見れただけでも見てよかった、と思える。

娘のほうが、ビデオカメラを振り回して声が聞こえ、画面右側のテレビに撮影した映像が、左側の鏡に父娘2人のやりとりがそれぞれうつる
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

コロナ禍から着想を得たであろう「閉鎖空間」のテーマを描くのに西部劇的な荒野を選ぶのがいかにもシネフィル的で、その閉鎖をファーストコンタクトのテーマで開くのがいかにもアメリカ人的だ。

という感じで、ウ
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

2.9

ヒトデを鼠が倒すところは宇宙戦争オマージュだね

ガンの悪趣味を気取りつつ結局家族の話になる感じは園子温っぽい

怪物(2023年製作の映画)

2.7

まさかのファム・ファタールもので驚く

律儀な伏線・回収脚本は実際には演出で映画演出がつくことを阻む脚本からのリスクヘッジの連続では

汚い大人ときれいな子どもの対比は作れるのに、肝心の恋愛パートがひ
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今宵かぎりは…(1972年製作の映画)

4.0

ゾンビの宴会芸

年に1回たった一夜だけ、召使いが貴族と立場を交換するという触れ込みで、貴族の宴会芸を、貴族のコスプレをした召使いたちが楽しむというだけの映画。だけというか、「楽しい宴会」という振付だ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.6


すばらしいショットは数あれど、ブレッソンが編集さばきの手際で作った話を、スコリモスキがぎょっとする画面の奇抜さで彩ったげてものという感じで、傑作と呼ぶのは憚られる。面白いけど手法としては生煮えで、話
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無気力症シンドローム(1989年製作の映画)

3.8

単に150分の明確な筋のない映画ゆえのしんどさはあるが、
画面がずっと面白い。こんなにずっとうるさい映像を作れるのもすごいが、
ばらばらになりそうになる映画を「眠り」「病」「大衆文化の感染」といった動
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ピーター・パン&ウェンディ(2023年製作の映画)

3.6

ピーターが崖から落下して海賊船の帆を切り裂くシーンが一番泣ける。

これでもかと、ドローン長回しの浮遊感が見せびらかされているが、まったくこれがだしにされて浮遊よりも落下で見せ場をつくることにセオリー
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