Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 37ページ目

Inagaquilala

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ホワイト・バレット(2016年製作の映画)

3.9

この作品、ほとんど病院の中だけで物語は進む。頭に銃弾を受けて病院に担ぎ込まれた強盗犯。美しい女医が銃弾摘出のオペを実行しようとするが、強盗犯はそれを拒否する。

強盗犯は銃弾が急所をそれていたせいで、
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男たちの挽歌(1986年製作の映画)

3.8

このところ、まったくの偶然なのだが、香港映画ばかり観ているせいか、急にこの「香港ノワール」の記念碑的作品が気になりだした。ということで、Amazonビデオに入っていたので、ひさしぶりにジョン・ウー監督>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.8

たぶん、この作品は賛否両論だろうな。いや「 否」のほうが圧倒的に多いかな。そういう自分はというと、やはり「賛」だろうな、こういうヘンタイ映画は。

物語はあるようなないような、とにかくストーリーはあま
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香港、華麗なるオフィス・ライフ(2015年製作の映画)

4.0

ミュージカル映画はあまり得意ではないのだが、この作品にはすっかり観入ってしまった。

第一にセットが素晴らしい。題名の通り、ある商社のオフィスを舞台にして繰り広げられるドラマなのだが、壁をつくらない、
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西遊記 はじまりのはじまり(2013年製作の映画)

3.7

こんなに面白い「西遊記」を観たのは、「エノケンの孫悟空」以来かもしれない。とにかくこれだけ徹底的に楽しい映画をつくれる人物は、残念ながらいまの日本にはいないと思う(そう思うとエノケンこと不世出の喜劇役>>続きを読む

ブラック・ファイル 野心の代償(2016年製作の映画)

3.2

アル・パチーノ、アンソニー・ホプキンス、イ・ビョンホン、ジョシュ・デュアメルと有名俳優が名を連ねるこの作品、でも注目したのは、監督としてクレジットされたシンタロウ・シモサワという人物。

どうやらアメ
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人魚姫(2016年製作の映画)

4.1

「少林サッカー」のチャウ・シンチー(周星馳)監督の作品。いつものようにテンポの良さと独特のセリフ回しとくどいくらいのギャグで楽しみながら観賞。

ただし今回は冒頭に環境問題に関するニュース映像などが配
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パーフェクト・タイム 100億分の1の奇跡(2014年製作の映画)

3.2

冷たい雨が降り続いて陽の光が恋しくなっていたので、たまたま目についた「サーファー」という言葉に引かれて観賞。そういう気分でもなければ、たぶん観なかっただろう。

ニュージーランドに住む24歳のサーファ
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クリミナル・アフェア 魔警(2014年製作の映画)

3.8

先日観た「疾風スプリンター」のダンテ・ラム監督の犯罪映画。爽やかなスポーツものを撮った人物がどんなクライム・サスペンスを撮っていたのか気になって観賞。

主人公は病院の警護に当たる警察官。人との関係が
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ケープタウン(2013年製作の映画)

3.9

題名通りケープタウンが舞台の作品なので、てっきり南アフリカの映画かと思っていたのだが、フランスで製作されたもの。原作がフランスで話題になった「Zulu」という小説なので、それもうなづけるか。

監督の
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疾風スプリンター(2015年製作の映画)

4.0

ブームの波に乗って、このところ自転車レースを題材とした映画がいくつか出てきたが、自らロードレーサーを駆る人間としては、この作品も初日から出かけた。

映像にそれほど期待していたわけではないのだが、とに
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NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(2016年製作の映画)

3.9

「NERVE」とはネットを通じて争う多数参加型のゲーム。「視聴者」か「挑戦者」を選ぶのだが、「挑戦者」はネットから指示された度胸試しのゲームを完遂することで、「視聴者」のヒット数を稼ぎ、それとともに賞>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

最初、女性のナレーションで物語が語り始められる。しかし、主人公は男性。語り手と主人公の齟齬、この違和が気になり、ずっと注目しながら作品を観ていた。

近未来の世界、パートナーのいない独身者は、郊外のホ
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

3.8

昨年末に観てそのサスペンスの持続感に感心した『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』に触発されて、見逃していたこのアカデミー作品賞と監督賞に輝いた作品を観賞。

イラクで爆発物処理にあたるアメリカ
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バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

3.3

年末年始のロードショー館は、観たい映画が極端に少ない。お子様映画と定番の大作が巾を利かしていて、自分のスケジュールにうまく合う作品があまりない。

ということで、この日、いちばん都合の良い時間にやって
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ワイルド わたしの中の獣(2016年製作の映画)

3.6

もし映画に、嗅覚に訴える仕組みがあれば、この映画はもっと鮮烈な衝撃を与えたかもしれない。

マンションの一室でオオカミと同居。この作品の女性主人公は、その企みを実現する。彼女の異変に部屋を訪れた上司が
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MERU/メルー(2014年製作の映画)

4.1

元旦の8時50分からの上映、今年の「初詣」は新宿ピカデリーだ。去年、4月からFilmarksを始めて250本。今年は1月1日から年間観賞365本をめざす。そのスタートにはふさわしい作品となった。

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聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

4.0

テレンス・マリックの映画は、映画というよりも「映像詩」に近いかもしれない。前作の「トゥ・ザ・ワンダー」より、さらにモノローグが増え、登場人物たちが喋るセリフは極端に少なくなっている。

物語を繋ぎ合わ
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トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)

4.1

「聖杯たちの騎士」を観る前に、前作のこの作品でテレンス・マリックの映画を復習。撮影も同じ、3年連続でアカデミー撮影賞に輝いたエマニュエル・ルベツキだから、これはもう映像は美しいのひと言。

とくに前半
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スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

3.8

山内マリコさんの小説「アズミハルコは行方不明」(映画はイマイチだったが)のエピローグで、「武闘派」女子高生たちが観て欣喜雀躍する映画。

大学の春休み(スプリング・ブレイク)に、脱出願望の強い女子大生
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MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間(2015年製作の映画)

3.8

宣伝のコピーには「新しいサウンドを求め続けたジャズの帝王。いま初めて明かされる天才の狂気と真実」とあるが、この作品はけっしてマイルス・デイヴィスの伝記映画ではない。

物語の舞台は、1970年代後半の
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

4.2

パンが売れるのをこれほどのサスペンスを感じながら見つめたのは初めての経験だ。もちろん、少女が、ミサイルのターゲットの直近でパンを売るこのシーンだけでなく、全編を通じてサスペンスフルな緊張感は漂っている>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.4

ちょうど去年のいま頃「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が封切られたのはまだ耳に新しいが、スピンオフの作品とはいえ、はやくも「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が登場したのは、ディズニーがル>>続きを読む

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.3

原作の印象的なセリフや設定はそのまま使用して、春子、愛菜、女子高生たちの時間軸をずらし、交互に再構成して見せていくことにどんな意味があるのか、最後まで答えを見出せなかった。

それぞれのエピソードは、
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.9

この作品の見どころは、恐怖の対象が目の見えない老人だというところにある。大金を隠し持っていると言われている老人の家に3人の若者が強盗に入る。辺りは過疎地域で、周囲に人の住む家はない。老人は元軍人で、戦>>続きを読む

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.9

これは面白い。終始、笑いっぱなしだった。ある日、突然、電気が使えなくなる。テレビも冷蔵庫も、スマホもパソコンも。電気を必要とする全てのものが使えなくなる。電車も動かず、車も立ち往生、移動の手段は、歩く>>続きを読む

デッド・シティ2055(2015年製作の映画)

3.3

人間の悪徳を実現させるリゾート、その名も「VICE」。ブルース・ウィリス演じる起業家のジュリアンは、レプリカント(人造人間)を使い、殺人、レイプ、銀行強盗など、人間たちが持つ「悪」を実現させるためのテ>>続きを読む

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009年製作の映画)

3.8

馴染みあるマカオが舞台の作品だということでAmazonプライムで観賞。確かに前半はマカオで物語は進行するが、途中で香港に舞台は移り、最後にまたマカオに戻る。

そんな薄弱な動機で観た作品だったが、これ
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GSワンダーランド(2008年製作の映画)

4.0

思えばGS(グループサウンズ)のブームは、1967年の夏から始まり、69年の春には終息に向かいつつあった。わずか2年足らずのブームであったにもかかわらず、数々の影響を後世に残しているとも言える。

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ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.9

マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイター、ビーター・ボグダノビッチ、これだけの監督たちが、この作品のなかでアルフレッド・ヒッチコックについて語っ>>続きを読む

本能寺ホテル(2017年製作の映画)

3.6

人気コミックやベストセラー小説を原作にした日本映画が多いなか、近頃、めずらしいオリジナル脚本の作品。主演の綾瀬はるかのためにあて書きされたのではないかと思うほど、役どころと女優さんがリンクする。

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土竜の唄 香港狂騒曲(2016年製作の映画)

3.6

サブタイトルに「香港狂騒曲」と入っていたので、てっきり海外ロケ敢行の作品かと思っていたが、どうも香港の撮影は実景だけで、キャストはすべて国内で撮影したらしい。

とはいえ、この映画、香港で撮影しようが
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LOFT 完全なる嘘(トリック)(2010年製作の映画)

3.7

夏にシネマカリテの「カリコレ2016」で観た「パーフェクト・ルーム」の元になった2010年のオランダ映画。「元」と書いたが、この「元」にも「元」があり、これは未見だが、2008年のベルギーで大ヒットし>>続きを読む

ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

4.0

女性版「ゴーン・ガール」といってもいいかもしれない。原作はイギリスで出版されたベストセラー小説、未読なのでどのような内容かは詳しくはわからないが、タイトルに「ガール」と入っており、やはり「ゴーン・ガー>>続きを読む

シークレット・オブ・モンスター(2015年製作の映画)

3.3

ジャン=ポール・サルトル原作の映画を観るのは初めてかもしれない。昔、新潮文庫で読んだ、「水入らず」という短編集に入っていた「一指導者の幼年時代」という小説から着想を得たとされているが、原作ではなく、「>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

思えば、この作品の舞台となっている呉という町は、いつも戦争を間近にしていた場所なのだ。港にはいくつもの軍艦が浮かび、町は軍の関係者で溢れ、太平洋戦争末期には何度も空襲を受けている。

そんな呉の町を見
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