KKMXさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

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灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

決して観やすい映画ではないです。
3話構成で、1話は比較的セリフも多くわかりやすいですが、2話〜3話と進むにつれ、集中力や想像力を全開にして観ないと置いていかれてしまう。油断できません。
特に第3話は
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.2

喜びや怒り、愛の尊さ、内戦の虚しさや大国の介入のクソさ加減、悲しみに嘆き、人間の愚かさやくだらなさ、ユーモアやバカにするようなギャグ、人知を超えた大いなる力などのいろんな具が、濃厚で猥雑なバルカン音楽>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

極上の音楽映画との評判を受け、音楽映画好きとしてスルーできず鑑賞。音楽とカーアクションがシンクロすることでこれほどにもスリリングになるのかと感動しました。
アクションには元々興味がない自分も、本作品は
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ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

まるで絵本のようなアニメで、キャラクターの表情がとても豊かで魅力的。切り絵のような背景も素晴らしかった。
音楽も極上で、シアーシャの歌もエンディングテーマも胸に染み入る旋律でグッときました。

そんな
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ハートビート(2016年製作の映画)

4.1

音楽好き&ダンス好きにはたまらない、多幸感全開の最高ムービーでした!
クラッシックとストリートカルチャーの融合が、どちらか一方だけでは感じられない新しいゾクゾク感を創り出し、混血音楽の偉大な力を見せつ
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裸足の季節(2015年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一見、トルコの田舎という遠い世界の話のようですが、我々の世界とも地続きな物語だと感じました。
個人を尊重しない価値観によって自宅が牢獄化し、親の意志で結婚を決められてしまう。この映画だと本当に強制され
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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出(2015年製作の映画)

4.0

観終わった後に、「あ〜楽しかった」という言葉を思わずもらしてしまうような、賑やかで軽快、洒脱で小粋な一作。

極上のビッグバンドジャズに乗っかってドタバタコメディが気持ちいいテンポで進んでいき、クライ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

心の最深部が揺り動かされる作品で、鑑賞中よりも鑑賞後にジワジワと感動の波がやってきました。

この作品は、かけがえのない日常やそれを侵食して破壊していく戦争の無慈悲さ、傷つきながらも愛すべき人々ととも
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ポルト(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

繊細で空虚な哀しい話だな、だからこそ美しい映画だな、という感想を抱きました。

この恋がうまくいかない、すぐ終わるのもそりゃそうだよな、と思います。
マティは教授という社会的にいい感じの相手もいるし、
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ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

4.5

ジムジャーのストゥージズ愛がビンビンに伝わってくる傑作ドキュメンタリーでした。
イギーポップ大先生だけではなく、なかなか日本では知られていないストゥージズの歴史を知れたのは良かった。
特に魅力を感じた
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

Prankster という言葉がありまして、意味は『悪ふざけ屋』だそうです。どれくらいメジャーな言葉かは不明ですが、偽エチオピア皇帝事件の偉大なるホーレス・コール大先生は英語版wikiにおいて、ecc>>続きを読む

ブルックリン(2015年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

地味な田舎の女の子エイリシュが都会に行って頑張って成長していく姿はとってもグッときました。
ホームシックとか、初めての職場でのぎこちなさとかはあるものの、エイリシュは結構ハイスペで、新生活は順調そのも
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胸騒ぎのシチリア(2015年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

何なんだこの映画⁈

探り合うような関係性ばかりが終始描かれるため、登場人物のパーソナリティーがハリー以外イマイチよくわからない。まだマリアンはポールへの愛を貫くなど、芯の強さが伝わってきますが、その
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国道20号線(2007年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

虚無の世界を這いずり廻る、地獄映画だった。
パチンコと消費者金融の看板が繰り返し映されるだけで、強烈な終末感が漂う。ここは意味のない人生を過ごさざるを得ない地獄であることを訴えてくる。
国道20号はサ
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.6

語り継がれている映画だけあって、すごい作品だった。凄まじいの一言に尽きる。
有名なワルキューレの騎行の爆撃シーンをはじめ、とにかく映像のインパクトが凄まじい。死体が転がりまくりのカーツ大佐の王国のヤバ
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葛城事件(2016年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

すごく悲しい映画でした。

清には明らかに家族愛があるんだよね。しかし、それは空回ってばかり。理想を掲げて支配し抑圧するしかやり方を知らない。不器用というより愛するスキルが欠如している。そんな夫を嫌っ
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キャロル(2015年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

映像・音楽・演出ともにたいへん美しい、洗練の極みのような映画でした。
物語も説得力があって引き込まれました。

テレーズを演じるルーニー・マーラの目の演技が凄い。デパートでキャロルと出会ったときの目の
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カノン(2016年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

人間の情緒の深い部分を描いた、非常に誠実で素敵な作品でした。

三人姉妹はアルコール依存の母親に対して愛憎入り混じった感情を抱いていますが、当初は憎しみが優勢です。その憎しみに囚われているので、ありの
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.5

女の子にモテたいとかも含め、音楽活動の素晴らしさと、それによって彼らを取り巻く世界が変わっていく状況を誠実に描いていて、グレートな青春映画だな、と感じました。
初めての音合わせとか、曲作りとか、初めて
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グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

 暗喩に満ちた記号が随所に散りばめられた群像劇で、一見難解な作品に見える。しかし、この映画にははっきりしたテーマがあり、実はシンプルな映画だと感じた。

 ひとつ目のテーマは生きる意味だ。この映画は諦
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

 母親+魅力的な2人の女性との関係の中でジェイミー少年が成長していく物語かと思いきや、突っ張って生きざるを得ない3人の女性がジェイミーを通じて変化していく話だった。

 タイトル通り主人公はドロシア。
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

とてもリアルで誠実な物語だな、という印象です。
途中に明らかになったリーの重すぎる過失。自分のミスで2人の実子を殺したのだ。しかも若干ラリっていた状態で。
「そんな超ヘヴィな十字架を、しかも事故が起き
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

難しいテーマをいろいろと投げかけてくるだけでなく、スッキリと終わらないため、観終わった後はモヤモヤしながらあれこれ考えさせられる、実にやっかいで最高な映画だったな、との感想です。観応えがありすぎて、な>>続きを読む

ハローグッバイ(2016年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 甘酸っぱい小品かな、と思って観に行きましたが、いい意味で裏切られました。しなやかで強い、観応えある素晴らしい作品。

 一番印象に残っているのは、おばあちゃんの手紙の真実が明かされるクライマックスの
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前作から20年後、T2の登場人物ちはその間何者にもなれずにただ年を取っただけだった。何も積み重ねることなかった中年の姿はあまりに悲惨。レントンやシックボーイはまだまだ外見的な格好良さはあるものの、内面>>続きを読む

バンコクナイツ(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

前作「サウダーヂ」が大変良かったため、今回も期待していましたが、期待通りの混沌とした大作でした。
サウダーヂとは地続きの兄弟のような作品だと感じたので、以下の感想は主に前作との比較で物語ります。

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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

実にジメっとして暗い上に考察しやすい、大変面白い映画でした。
何しろ人物描写が丁寧で、リアリティがあります。それだけで観応えありました。

ツチダは重い女ですね。せいちゃんを愛してる、って言いながら、
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