KKMXさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

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しゃぼん玉(2016年製作の映画)

4.2

市原悦子さんが亡くなりました。とても好きなおばあちゃん女優でした。
私は常々(実は1回くらい)、「これからはお年寄りアイドルの時代が来るッッ!」と主張していますが、市原悦子さんはまさにそのさきがけだっ
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.8

栄光なき天才・川島雄三のもうひとつの代表作。
幕末太陽傳よりも、ドライでニヒルな雰囲気があり、より川島雄三のセンスが前面に出ている作品だと感じました。

物語は元娼婦で絵に描いたようなビッチ・ツタエと
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幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

日本映画史に残る喜劇の傑作とのことですが、実際とても爽快な名作でした。
正直、ギャグセンスは小津とかの方が現代的だと感じますが、本作に通底しているカラっとした疾走感は、娯楽映画の気持ち良さを存分に感じ
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.2

 小津ちゃんの遺作である本作を鑑賞した後、もしかしたら彼は自身の母との関係をずっと描いてきた人なのでは、という感想を抱きました。

 生涯独身だった小津は、終生母親と暮らしていたそうです。そして本作は
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

4.7

 フェリーニ初体験。初体験がこんな熟女ムービーで良いのか、と思いましたが、それもまた運命ということで。

 本作はじつにこってりした味付けの、脂ギトギト、旨味100%の映画でした。
 本作にはストーリ
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斬、(2018年製作の映画)

3.7

いやー、なかなかパンチのある映画でした。

ハンディカメラで画面が揺れたり、音がギラギラしていてなかなか観心地は良くないですが、それが迫力につながっているようにも感じました。

時代劇ですが、割と『怒
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.2

クイーンというロックバンドのフロントマン・フレディと、彼の恋人であり妻であり友人であるメアリー・オースティンとの関係を描いた本作『Love of My Life』は、短い尺の小品ながらも切ない余韻を残>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

4.5

丁寧かつ誠実に造られた物語であり、評判通りなかなかの名作だと感じました。

本作は、尊厳を抑圧されてきた人々の悲しみや静かな怒り、偏見や差別の醜さ、それでも制限された運命の中でどのような態度を取って生
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SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD(2018年製作の映画)

4.7

 私のタイムラインは『ボヘミアン・ラプソディー』祭りとなっておりますが、90年代後半の日本のロック地殻変動を体験した身としては、ハイスタを先に観ないとならぬ、と勝手に義務化して鑑賞。

 素晴らしく誠
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

3.2

さほど面白くなかったですが、強烈な駄作とまでは言えない、よくあるパッとしない邦画、という印象です。

本作は演出に雑さが目立ちました。ヤスコとツナキにもっと焦点を当てることができたと思いますが、アンド
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.3

語り継がれる大傑作ではないですが、とても面白い映画でした。

上流階級出身の妻と庶民出身の夫とのすれ違いをユーモラスに描いた作品です。倦怠期や価値観の相違など切り口はたくさんありそうですが、個人的には
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

4.0

結構ケラケラ笑える楽しい作品。同時に、主人公・モリじいさんの豊かな世界の見え方を体験できる、贅沢な逸品でした。

本作は山崎努アイドル映画ですね。主人公のモリおじいちゃんがとにかくキュート!ジッと虫と
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.1

とんでもなく濃密な映画だと感じました。凄い観応えだった!

静謐な映画だからこそ、目を離すことができない。いや、この映画を隅々まで味わいたい!と思わせるモノがありました。
目の前の音を感じ、観て感じ、
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見栄を張る(2016年製作の映画)

4.6

 鑑賞前から良い映画だと想像していましたが、想像以上の秀作。はっきり言って、たいへん好みの映画でした。目利き揃いのフォロイー様方が誰もレビューを挙げていないのが不思議なくらいの良作です。


 主人公
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灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.1

背景を知らないとなかなか難しい作品ですが、観応えのある映画でした。

ポーランドは18世紀のころから列強に分割統治をされていたり、かなり長い間周囲に翻弄されていた印象を抱いていました。本作を観たときも
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.2

静かで繊細、繰り返し鑑賞することで作品の真髄に近づけるような、そんな映画でした。

難しいことをあれこれ考察できそうな作品ですが、深く考えなくても楽しめると思います。
何より主人公・アナちゃんの可愛ら
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マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

4.6

悲しくもありますが、幸福な映画でした。

結核の母、歳の近い兄と3人+ワンちゃん1匹と暮らしているイングマル。家族の機能が弱まっているせいか、年齢にそぐわずおねしょするなど情緒に影響が出ています。辛く
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そして父になる(2013年製作の映画)

3.7

『万引き家族』『誰も知らない』路線の、重厚な是枝社会派ムービー。流石に引き込まれましたが、鑑賞後は思ったほど残りませんでした。

福山演じる、エリートで情緒が薄い父親が、子どもの取り違え事件をきっかけ
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奇跡(2011年製作の映画)

4.1

是枝映画の中でもマイナーな作品だと思いますが、結構な逸品ではないでしょうか。

本作は『海街Diary』寄りのチルアウト映画でした。仕事帰りに飛び込んで鑑賞したため、のんびりしたムードが心地よく、前半
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輝ける人生(2017年製作の映画)

3.9

ベタ極まりないプロットでしたが、なかなかにグッとくる作品でした。

今まで自分を偽って(本作では「自分自身を裏切って」と表現されていた)生きてきたサンドラ婆さんが、姉ビフと暮らすようになって好きだった
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劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(2018年製作の映画)

4.0

原作・TVアニメも未体験、タイトル以外は完全先行知識ゼロで挑みましたが、めちゃくちゃ良かったです。胸が震えました。サラっとしてますが、結構深い話だと思います。

物語の根幹には、孤独とつながりがテーマ
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.1

 イカれた映画ばっかり撮っているキチGUY監督リンチの作品とは思えない、スタンダードな造りの映画でした。普通に胸に沁みる感動作。

 とはいえ、異形の者の悲しさを描いた本作はとてもリンチっぽいとも思え
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.8

 キてるキてる。頭が狂ってますねぇ!

 徹頭徹尾イカれた映画だと思いました。精神病を発病せずにギリギリ踏みとどまっているサイコジーニアスのエッセンスが濃度200%詰まった、リンチそのものといった雰囲
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.3

 初デヴィッド・リンチでしたが、噂通りキてました。狂っている、とポップな言葉で表現するよりも、精神病的な作家である、と表現したい。

 本作はめちゃくちゃ面白かったです!

 切ない妄想映画でした。人
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プラトーン(1986年製作の映画)

4.0

小学生の時に鑑賞し、内容はよくわからないながらもたいへんな衝撃を受けた映画です。

午前十時の映画祭で上映されていたため、よい機会なので再鑑賞。成人してから観ても、十分に衝撃受けますね。

オリバー・
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.3

 切ない映画でした。いや〜、なんとも切ない。

 主人公トラヴィス。未熟な男です。しかしこれは非難の意味合いではない。彼はどうしても成長できない、成熟できない悲しさを抱えているように感じられます。愛を
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

石橋静河つながりで、1年以上前に観た映画の感想文を掲載します。本感想文は鑑賞直後に記しました。


とても綺麗で清々しい、原作者の名前とは正反対に生を高らかに謳った映画だなぁという印象です。意外なくら
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.5

 ストーリー自体にはあまり引っかかりませんでしたが、雰囲気が自分にフィットし、とても気持ちよく観れました。すごく好きな映画です。観ていて飽きる瞬間がありませんでした。
 映画としての造りは、ダラダラし
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

 本作は、まるで民話のような手触りの作品でした。物の怪と出会った娘の話、物の怪の呪いを受けた娘と若い男の悲しい話、って感じです。

 麦の造形が現実的ではないため(どう見ても物の怪)、リアリティライン
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

3.9

王道のジュブナイル映画でしたが、キャラクターや設定に個性があって、飽きずに楽しく鑑賞できました。

アオヤマくんのキャラがいい感じですね。こまっしゃくれてるけど、なんか可愛らしい。彼は知的な子どもで知
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台風クラブ(1985年製作の映画)

4.2

 逸脱した表現が多いように思えますが、めちゃくちゃ本質的なことが描かれている映画だと感じました。

 心身の急速な変化により情緒が不安定になる思春期と台風を重ねる演出はベタながらもとてもわかりやすいで
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魚影の群れ(1983年製作の映画)

3.3

夏目雅子様目的と、相米慎二を観たことがなかったので、いい機会かもと思い鑑賞しました。

いやー、さすがに夏目雅子様はお美しかったです。役柄にはさほど魅力を感じませんでしたが、存在するだけで有難いという
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

2.5

 長い、長すぎる!

 5時間11分は、とてもじゃないが集中力が持たなかった。本当に苦痛だった。そのため、本作が面白いのかつまらないのか、出来が良いのか悪いのかよく分からず。
 ただ、好きか嫌いかと問
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

上映館数が爆発的に増えた話題作だけあり、心の底から笑って泣いて感動できる、素晴らしい映画でした。

ちなみに、本感想文は完全ネタバレ仕様となりますのであしからず。



最初のノンストップゾンビ映画は
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第七の封印(1956年製作の映画)

4.0

 ベルイマンがずっと対峙し続けている虚無の問題が非常に色濃く描かれた作品でした。なにせ、実際に「虚無」という言葉が連呼されましたし。

 宗教色が強いですが、個人的にはキリスト教の知識がなくてもそれな
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.2

 本作は苦手な一本です。生理的に無理でした。

 赤がキツい!すべてが赤、赤、赤…目が痛いです。ホントご勘弁。あんな家に住んだら即死です!

 一方、内容は重厚でした。同じ屋根の下に住んでいるが、心が
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