Kuutaさんの映画レビュー・感想・評価 - 25ページ目

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.7

序盤はイタリア旅行したいなー綺麗だなーくらいのテンションだったが、中盤以降、エリオ以外の視点が入って来てから徐々に引き込まれた。エリオの後ろにオリバーの表情が隠れているポスターがニクい。

単なるエリ
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.8

IMAX3Dで鑑賞。
CGや映画における映像表現の拡張に挑んで来たスピルバーグのキャリアに対する自己言及的な一作になっている。

現実世界のアクションがもう一つ。殺し屋の女の人のシーンが面白くない。紐
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.8

手堅い。演技も音楽も良い。ロバートレッドフォードで始まり、レッドフォードで〆る。サラッとした演出で的確にドラマを盛り上げるスピルバーグの手腕。

国民のために報道はあるが、情報を得るには権力に近づく必
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

3.9

私がこのシリーズ良いなと思ったのは、一作目の「上の句」がスポ根部活ものとして出色の出来であると同時に、話の軸を天才かるた少女ではなく、天才に引け目を感じる凡才に据えていたからでした。なので、クイーン戦>>続きを読む

ザ・クリミナル 合衆国の陰謀(2008年製作の映画)

3.0

陰謀を暴く話ではなく、特ダネ記事を書いた後の当事者の苦しさを主題にした異色作。「書かれた」側をきっちり描くのが新鮮で面白かった。

あまりにスピーディな政府の対応に驚く。どこまで事実なのやら。

急に
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スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)

3.1

一般論としてそりゃそうだろ、という話だが、身をもって実証してみることに意味がある。

体は意外にも拒否するどころか、むしろ適応してしまう。精神的にも広告での刷り込みが繰り返される。だから中毒的に食べた
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ラスト30分の泣かせ力。「記憶」というテーマ的にも、終盤の爆発力も、どこかトイストーリー3を連想してしまう。

起承転結の転に当たるデラクルスの正体がバレる場面までは、世界観とキャラ設定の描写がしつこ
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.4

トンデモ実験映画。
一瞬の事件に向けた演出は「ハドソン川の奇跡」の延長にある。ボンクラ旅行記は好き嫌い分かれるでしょうが、私は楽しかったです。日常が色濃く描かれるからこそ、非日常の恐ろしさが強烈に残る
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.4

デルトロありがとう案件。
半魚人とのやり取りの美しさに、何度も泣いてしまった。ポリコレは主題ではないと思うものの、今、この監督との組み合わせだからこそ半魚人は復活できたのだろう。万人向けではないが、長
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The Dirk Diggler Story(原題)(1988年製作の映画)

3.4

PTAの一作目。モキュメンタリー。今作のジャック役のロバートリッジリーは、ブギーナイツでは大佐役を演じている。

ダークディグラーがブギーナイツより歌が上手かった。バイセクシャル設定だったとは。オチも
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SCOOP!(2016年製作の映画)

2.7

序盤の夜の張り込みや街の魑魅魍魎な雰囲気は良かった。だらしない師匠と、メキメキと成長する新人というベタな新兵バディものではあるが、クズみたいな仕事と思いながらも感じる快感の描写や、清濁併呑むような仕事>>続きを読む

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(2006年製作の映画)

3.5

やりたい放題で実に気持ちが良い。サラッと毒を吐いたり、ちょこちょこ伏線挟んだり。ユダヤ人ネタのあまりの無茶苦茶っぷりに思わず吹き出す。〆はキレッキレのカザフスタン国歌。「アメリカの闇を炙り出す」ような>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.9

2時間弱ノンストップなBGM。エドガーライトのセンスをカッコよくまとめ上げて、ハリウッドに殴り込みをかけた傑作。編集、音楽、アクションの合わせ技。ベイビー1人で完結した小綺麗な世界から、他者が入ること>>続きを読む

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.3

「秘密の部署はないんだ」というシーンが印象に残った。ビンラディンを殺した所でどんな成果がもたらされるのかは分からない。それでも国の威信にかけて戦い、その重圧をごく限られた数人がモロに背負い続けるという>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.1

子供が突然殺されたり、本当の自分を抑圧したり。社会の理不尽に対し、人はつい拳を振り上げてしまう。その握り締めた拳を、どう解けば良いのか。

自分の正義が持つ脆さを自覚した時、垣間見える融和の可能性。悲
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.5

満員でした。
マッドマックス鑑賞後のような、画面の情報量でクラックラ。脳が疲れた。多少の強引さも、粗めのCGも、ここまで面白く、丁寧にリアリティラインを保っていれば問題ない。作り手側が見せたい映像、や
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卒業(1967年製作の映画)

3.9

前半は童貞のグズグズ話。後半は大人に反発して破滅に向かう青年の話。細かな演出も効いていて、テンポも良いので飽きない。やっぱり名作。

この映画が公開された1967年はサマーオブラブの年だが、劇中のバー
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.8

地味だけどジワジワくる。好きな映画。

定点長回しでの人物の動き。子供のシーンで親の顔が出て来ない。

日常にある静まり返った騒音。「家族ゲーム」の居心地の悪さをちょっと思い出した。スキー場の静けさ、
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.7

今作以降粗製乱造された「猟奇殺人もの」があまり好きじゃないため、今作もずっと避けてきたがようやく見た。素晴らしかった。

見る見られる関係の逆転。最後の暗視ゴーグルシーンは天才だと思った。サスペンスの
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.8

アバンティカと恋に落ちるシーンが色々とぶっ飛んでて笑った。

緩い部分もあるけれど、気にさせないテンポとアクションのアイデアが魅力。映像美の中のケレン味溢れる演出やギミックありきの見せ場は、どこか最近
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ピープルvsジョージ・ルーカス(2010年製作の映画)

3.0

旧作公開時の熱狂、グッズやファンアート・後世への影響、特別編問題、プリクエルへの落胆などなど、SW文化の基本的な歴史を多くのインタビューから描き出す。SWの歴史に詳しくない人の方が楽しめると思う。>>続きを読む

ミッキーの大演奏会(1935年製作の映画)

3.5

1935年2月の作品。
音楽とアニメのシンクロ具合が見事。楽器の形状を生かしたアイデア。アイスクリームが背中に入って踊るミッキーに笑った。最後は楽団のプロ根性に拍手。70点。

ミッキーの引越し大騒動(1936年製作の映画)

3.2

1936年6月の作品。
3馬鹿が引っ越ししようと家具と格闘する話。ミッキー出番少ない。グーフィーがスイカを食べるシーンは有名…な気がする。64点。

チップとデールの大作戦(2016年製作の映画)

3.9

・お屋敷でミステリー
くしゃみ→動物嫌い。ホームズの話ばかりだったチップが「レスキューレンジャーとして」と頑張るラスト。やっぱりよく出来てます。78点。

骸骨の踊り(1929年製作の映画)

3.2

シリーシンフォニー1作目。

音楽ありきのアニメーション。
ちょっと悪趣味な骸骨たちの踊りをいかに音楽に合わせて擬人化や擬物化?できるか、アイデアが絞ってある。オチがかわいい。

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.8

サンセット大通りとマルホランドドライブ。ハリウッドの明と暗。撮り方は難解でも、根っこにあるテーマはとても普遍的。だからこそリンチ作品は多くの人に愛されるんでしょう。

ナオミワッツなんでこんな優等生キ
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

2.9

ドリー絡みのメインストーリーの完成度は文句なし。ただ、それを取り巻く色んな要素がチューニング不足な印象。もったいない。

記憶障害は、自身のアイデンティティに直結するとても重いテーマ。自分が何者か分か
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

長尺ながら緊張感が持続してとても面白かった。サスペンスでこれだけストレートな良作も近年珍しいのでは。

信心深く、終末に備えるケラー。傍観するフランクリン。合理主義のロキ刑事。神への挑戦。酔ったふりし
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.5

よく言われるように、カウンターカルチャー側が徹底的に貶められ、黒人問題が矮小化されている、との側面はあるでしょう。
私も気になる表現は随所にありました。黒人女性に本を拾ってあげるシーンとか。

ただ、
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

4.1

自分の80年代音楽へのリテラシーの無さゆえに何となく敬遠してましたが、本年度暫定の個人的NO.1作品となりました。音楽ネタが分からなくても試して大正解でした。

やはり話運びの拙さが目立つのと、回想方
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Michael Moore in TrumpLand(原題)(2016年製作の映画)

3.0

マイケルムーアのヒラリー応援演説会を映像化しただけですが、必死に訴える監督と、色んな反応を見せる聴衆のドキュメントではあります。

いつも以上に数字などの根拠は少なく、客観的な他者のコメントも皆無なた
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ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年製作の映画)

3.6

当事者にきちんと直撃する取材精神と、結果取れているコメントのドキュメント感が素晴らしい。総括としてチャールトンヘストンに全ての疑問をぶつけ、引き出した「人種」発言。NRAの底の浅さを露呈したようだった>>続きを読む

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.0

アリソン・ローマンかわいいなと思っていたら、当時21歳と知ってそれが一番衝撃だった。

オチは読みやすい話ですが、丁寧かつテンポ良くサクサクと進むので退屈しなかったです。父娘の家族もの、コメディ、サス
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アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の手際の良いキャラ紹介からして、やっぱり上手い監督。

夢オチなのにラストがどうでも良くならない脚本。怪し過ぎるレイリオッタすらミスリードに使うのはやられたと思った。背中の傷はシックスセンスを連想
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.7

1周目は話の方向性に着いて行くのでやっとで消化不良気味だったが、筋が分かった2周目はめちゃくちゃ良かった。メタファーだらけの短編小説のような印象。

気付いた時には自分を想ってくれていた人はいない、そ
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ミルク(2008年製作の映画)

3.3

2つのショッキングな死のシーンではエレファントばりの長回しが使われるが、基本的には実際の資料映像を交え、ドキュメンタリー風に進む。

ミルクを美化し過ぎず描こうという印象。ショーンペンの演技はとても良
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