遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.7

なんかもうパクチャヌクくらい完全に面白い グロくないし誰も死なないし伏線回収もどんでん返しもないのにね ただただ行き当たりばったりで先が読めなくて全然うまくいかなくて笑いが絶えなくて、2時間半ずっと幸>>続きを読む

アデュー・フィリピーヌ 2Kレストア(1962年製作の映画)

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ジャックロジエとギヨームブラックの関係は、加山雄三とネバヤンのそれに似ている みんなのヴァカンスを観てめちゃくちゃ楽しませてもらった記憶が、アデューフィリピーヌを観て蘇る

パパラッツィ 2Kレストア(1963年製作の映画)

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ゴキブリみたいに追い払われても遠巻きから必死にBBを撮ろうとするパパラッチたちが"BBの専属カメラマンは良いよなあ..."とこぼす映像、この世に存在するのはわかってるけど見て見ぬふりをしてる残酷な格差>>続きを読む

毒薬/我慢ならない女(1951年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

こういう映画を待っていた、観てみたかった 憎くて憎くてたまらない妻を用意周到に殺して、反省なんてまったくせずに裁判では司法を煽りに煽りまくって、結果無罪を勝ち取って村のみんなに華々しく迎えられて大ハッ>>続きを読む

役者(1948年製作の映画)

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バードマン・宮松と山下・家路(オリヴェイラ)・真実(是枝裕和)といった "仕事で虚構を演じる《役者》が徐々に舞台上と現実の境目を見失っていく話" のオタクとしては、この映画の「役のまま舞台上で本物の手>>続きを読む

恋愛小説家(1997年製作の映画)

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人間国宝ジャックニコルソン
それまでどんなにヤな奴でもドライブ開始後すぐに「今日のドライブ用の音楽選んできたんだ♪」ってたくさん CD出してきたら全部許しちゃうなあ

ここぞという時のセリフがキマッて
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ミッシング(1982年製作の映画)

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執拗に画角に入ってくるニクソン大統領の写真のおかげで、チリのクーデターはニクソン大統領の時に起きたのだと一生忘れないでおける

許せない出来事が目の前で起きたら反射でそちらに向かって動き出してしまう性
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怒りの葡萄(1940年製作の映画)

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世界史のアメリカ文学史で習う小説がその刊行の1年後に映画化されててリアルタイムな映像として観れるのなんかすごい

風と共に去りぬも1936年に刊行されて数年後に映画になってるけど、あれは1860年代の
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軽蔑(1963年製作の映画)

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不条理な作品って観る人を選ぶけど、恋愛における不条理はみんな身に覚えがあるというか「そういうものだよね」っていうある種の諦めがあるから、同じ不条理ゴダールでも話を恋愛に振ってる作品はすんなりと受け入れ>>続きを読む

夢を見ましょう(1936年製作の映画)

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初サッシャギトリ
観てるこっちが本気で息切れするかと思う1時間超えひとりマシンガントーク 面白いとかの前に言葉の洪水に圧倒される、というか脳の言葉を受け取る部分が麻痺してきて正常な判断がつかなくなる
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童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

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年がら年じゅう日本の夏より湿度の高そうな台湾の田舎の日常をぼーっと眺めながら、今日の晩ご飯とか明日のバイトのこととか、今映画館の中クーラー効いてて涼しいけどなんか心臓ちょい激しめに脈打ってんなとか、自>>続きを読む

シテール島への船出(1983年製作の映画)

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アンゲロプロス、この作品から下界に降りてきてくれてる感じがする 長さは常識的だし、カメラ寄って役者の顔映してくれるし、ギリシャ現代史の知識が無くても話についていけはするし...
異なる時間軸を同一カッ
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リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

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実写を先に観た、確かにアニメに慣れ親しんでた人は実写のセバスチャンがガチ蟹なの違和感しかないわな!!

アンダー・ザ・シーのメロディってKinKi Kidsのフラワーのサビに似てる なんかに似てんだよ
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

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おおかみのこどもという設定によって、人種差別、男女の規範、カミングアウト、親からの愛と干渉、あらゆるテーマがひとつの物語の中に混ざり合って(ひとつの人生のいろいろな側面として)提示される凄さ 寓意に満>>続きを読む

浜辺の女(2006年製作の映画)

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ホンサンスの描く反復と差異って映画だからできる空想だと思ってたけど、昔好きだった人と似た人を好きになって、昔好きだった人と行った場所にその人を連れていって、そこで同じようなことして でもやっぱちょっと>>続きを読む

ジョイ・ラック・クラブ(1993年製作の映画)

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会話が成立しない母を憎む娘、自分と同じ欠陥を娘に見出す母、つねにひとの顔色を窺って安らかになれないこと、誰かの機嫌を損ねたら贈り物をして埋め合わせるのが癖になっていること、気を遣いすぎて逆に興味を持た>>続きを読む

ストーカー(1979年製作の映画)

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生きる意味とか幸せになる方法みたいな答えのない問いをどこまでもどこまでも真剣に考え続ける人、ひとことでいえば哲学者、がこの映画の《ストーカー》という言葉が指すものだろうと解釈(当たり前?)
ストーカー
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ヴェクサシオン(2021年製作の映画)

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ひとの心は非慣性系なので、慣性系の世界を生きている反復人間のふるまいが「狂気」で「異常」なものに見える けれど、同じ方向に同じ速度で進み続けた人間だけが到達する領域がある その到達の成果が非慣性系イ>>続きを読む

ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

語彙が幼児レベルでコミュニケーションに難のある、訳の分からない発明に没頭している兄が、常識を振りかざして妹を追い詰める街の人々に対し「法律?」と聞き返して銃をぶっ放して現実を超えるラストを創り出す >>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.7

ちょっと凄すぎ 処理しきれてない 上映期間中に絶対絶対もう一回観てちゃんと受け止めて必ずちゃんとレビュー書く

これどうせ消して再ポストするから全然関係ないこと書くけどさっきStrangerが発表した
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修羅(1971年製作の映画)

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恋愛における「修羅場」の語源が実はこの映画で...と言われたらめちゃくちゃ納得してしまいそうな地獄シチュエーションと展開 監督の松本俊夫がこれまでたくさんの実験をして積み重ねてきたであろう特異な映像演>>続きを読む

薔薇の葬列(1969年製作の映画)

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ゴダールは高確率で寝るほうなので実験実験してるこの映画もかなり負け越したが、ラストの凄絶さとそこに挟まるびっくりするようなギャグにはさすがに目を見張った レビュー見るとオイディプス王の引用うんぬんと言>>続きを読む

ネットワーク(1976年製作の映画)

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封切られて半世紀近く経った今こそ、この映画の最後のセリフがこれ以上なく痛烈に("痛快"さはまったくなく)響くのではないか......「メディアによって死に追いやられる人間」、もはやひとつの死因のジャン>>続きを読む

I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)

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マイク・ミルズの短編

ひとりの女性の人生を20数分に凝縮して音楽とともに語っていく
しっかり感傷的な気分にさせてもらったけど、こういう類の人生走馬灯短編は今までいくつか観てきて、どれも親から子、子か
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人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

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All my favorite songs are slow and sad
All my favorite people make me mad
Everything that feels so g
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

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「こうだったかもしれない」を描く映画はかなり狂おしく好きなので、その系統の映画としてめちゃくちゃ楽しみにしていたけどそこまでハマらなかった

人生の中で生じるあらゆる選択が「自分の自由意志」か「外部要
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

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搾取と貧困のありさまを鮮やかに浮かび上がらせる作品を評価し賞を与え続けるカンヌ国際映画祭が毎年世間に提供する話題はレッドカーペットを闊歩する役者陣の豪奢なドレスや仕立ての良いタキシードの見目麗しさであ>>続きを読む

豚が井戸に落ちた日(1996年製作の映画)

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ホン・サンスのデビュー作
当時、社会派全盛の韓国映画界ではこの日常性溢るる作風が珍奇で斬新で衝撃的に受け止められたらしいが、少し離れた台湾で2年前に封切られてるエドワード・ヤンの恋愛時代とかにかなり似
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

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ラスト、船を漕いでる娘と王子が振り返るとハビエル・バルデム扮するお父さんが海面から半身出して(思いの外近い距離感で)見てるの面白すぎる ノーカントリーだったらここで即殺だなとか思っちゃった

ひとり
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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年製作の映画)

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久しぶりに観ると、映画版ってマジで原作を削りに削って骨子の部分だけでギリギリ成立させて、それでも2時間半、みたいな感じだったんだな...脚本家の苦労が伝わる この章から原作は上下2巻になったんだもん>>続きを読む

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年製作の映画)

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スタジオツアーをめいっぱい楽しむために観返す

ハーマイオニーのせいで、頭が良くて勉強が好きで口数の多い女の人のことを無条件でちょっと好きになるように育った そういう人が物凄い勢いで喋り始めたらうるせ
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奇跡の海(1996年製作の映画)

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先にダンサー・イン・ザ・ダークを観てて「あ、同じパターンね」と思ってしまったからか、昨夜から今朝9時まで予定外に友達とおしゃべりしてしまったからか、断続的に睡眠してしまった 興味を持ててないから寝るの>>続きを読む

テクノブラザーズ(2022年製作の映画)

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「イカれた花が咲くと良いわね」

渡辺紘文の作品は常軌を逸し過ぎていて大好きだけど、自信を持って人にオススメする気にはまったくなれないから...売れるビジョンは見えない...
日本にこんなホドロフスキ
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イン・ザ・ベッドルーム(2001年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

恨み骨髄の相手を銃殺して、森で夜通し穴掘って埋めたあと、車で街に戻ってきたときのシンとした夜明けの空気 そんな経験あるわけないのに、妙に心当たりのある「もう取り返しはつかない」感覚 AM4:30頃の>>続きを読む

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

物語を牽引する謎が本当に魅力的で目が離せないのに、それが最終的に解き明かされないこと自体が映画の肝というかテーマとして浮かび上がってくるの作品として巧すぎ 本当はなにがあったのか、本当はどう思っている>>続きを読む