mrhsさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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マルメロの陽光(1992年製作の映画)

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https://vimeo.com/279591099
↑で日本語字幕付きのものが鑑賞可能。途中までしか観てないが、アップロード主には「ありがとう」と言いたい。

中古で2万円を遥かに超えるこの作品が
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海底二万哩(1954年製作の映画)

3.0

クリスティアン・ ペッツォルトが『水を抱く女』(当方未見)の水中の撮影時に参考にしたのが、この作品らしいが、フライシャー作品としては"下の上"で限りなく不可に近い可。

ハワード・ホークスの『ピラミッ
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ナイルの娘(1987年製作の映画)

4.5

これなら『風櫃の少年』と『台北ストーリー』で良いのではないか…?と言いたくなる部分がないでもないが、『風が踊る』と比べると固定ショットの説得力が段違い。終始一貫性のある色彩設計が勝因?

しかし驚くの
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アナタハン(1953年製作の映画)

3.0

ヒロインがインリン・オブ・ジョイトイに似てる

恋文(1953年製作の映画)

4.5

ゴールデンウィークなので、珍しく有益なことを書くと、この作品、たまにしかない上映機会を逃すと15年ほど前にリリースされたDVDをバカ高い中古で探すしかないと思われているが、港区の図書館がそのDVDを持>>続きを読む

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)

4.5

弛緩し切ったようで適当に回してるだけでは、こうはならない(と思われる)長回しが圧巻。

『ドレミファ娘〜』の元ネタだが、ファスビンダーの『ニクラスハウゼンの旅』(というファスビンダー にしては珍しくワ
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風が踊る デジタルリマスター版(1981年製作の映画)

4.0

素朴なズームとか全部状況を流れる歌謡曲(の歌詞)で説明してしまう(から例えば『恋恋風塵』のような味わいはない)とか比較的短いカットの持続とか本当にホウ・シャオシェンの作品?と思いつつ、かくれんぼのシー>>続きを読む

異教徒の旗印(1954年製作の映画)

3.0

"古代史スペクタクル映画というハリウッドで最悪のジャンル"(とジャック・リヴェットは言ったそうだ)はさすがのサークをもってしても救えなかった?

物語の経済性とはこういうことを指すのだと言いたくなるよ
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涙の塩(2020年製作の映画)

3.5

シネスコでモノクロ。その審美的な画面を寸断するような説明的なナレーションと音楽。全体の尺は短く、いかにもフランス的な(自由)恋愛について語られる。そしてフィルム撮影。

ガレルは一体いつまでこのスタイ
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マンディンゴ デジタルリマスター版(1975年製作の映画)

4.5

今は、このシネマの重みを、僕はしっかりと感じていたい。

そう、この重みは、彼らだけが背負っている重みではない。

われわれひとりひとりがしっかりと受け取るべき重みなのだ。

こんなにも"克服すべき受
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炎628(1985年製作の映画)

4.5

ゲオでDVDがレンタル可能。

この映画の教訓は戦争こそ最大にして最悪のシュールレアリズムであるということである。

リスボン物語(1995年製作の映画)

3.0

90年代以降のヴェンダースの中ではマシな方なのだろうなと思いつつ、かつてやり尽くしたことの再生産のように思えてしまって……。

例えばこれは映画を撮ることに関する映画でもあるが、そんなこと『ニックス・
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影なき淫獣(1973年製作の映画)

2.5

ティナ・オーモン目当てでgeoの宅配レンタルにて鑑賞。しかしティナ・オーモン、主役じゃない。

マリオ・バーヴァが60年代の初頭にやってたことと大枠が変わってなくて、しかもバーヴァ的な上手さはなし…。
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

4.0

パンドラの箱が開いた。あなたは、見てはいけないものを見てしまった。

そう、我々は見てしまった。洞口依子のヌードという世界の本当の姿を見てしまったのだ。しかも35mmで。

後は、ワインと睡眠薬を一緒
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台風クラブ(1985年製作の映画)

4.8

そう、相米慎二の絶望的に可笑しいダンスが浮かんでくる。レッツ・スウィング!

僕ら、ここで一緒にぐるぐる回ろう。台風は無情なまでに轟き、今日も僕はまた大声で泣きじゃくったまま、力一杯死を抱きしめた。力
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トラス・オス・モンテス(1976年製作の映画)

4.5

今はこのシネマの重みを、僕はしっかりと感じていたい。

そう、この重みは彼らだけが背負っている重みではない。

われわれひとりひとりがしっかりと受け取るべき重みなのだ。

こんなにも"克服すべき受難に
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モデル連続殺人!(1963年製作の映画)

4.5

新宿のTSUTAYAにてレンタル(何故か渋谷にはない)。

タイトルからしてバカ映画決定かと思っていたが面白い。クロード・シャブロルよりサスペンスを撮るのが上手かったのでは?とさえ思わせる出来。

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シチリアーノ 裏切りの美学(2019年製作の映画)

4.7

冒頭のダンス、そしてやたらめったら打ち上がる花火。この段階で「あぁこれこそベロッキオだ!傑作に違いない!」と確信する。そしてその確信は間違いではなかった。

ベロッキオのマッドな着想はコメディより、こ
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.0

Blurの「To the End」のミュージック・ビデオはこの映画のパロディ。やはりBlur=デーモン・アルバーンはOasisとは文化資本の蓄積が違う。しかしこの作品が面白いかというと……う〜ん。>>続きを読む

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者(1976年製作の映画)

4.0

田中登2本目。

神代辰巳のようなムチャクチャな手持ちでの移動撮影とか暴力性はない分、狂気のようなものは感じられないのだが、端正な映像が良いし、茶室にピアノが置いてあるかのようなキワモノっぽい和洋折衷
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

4.0

全編3時間弱を見終えた時、確かな重々しい手応えが残るのは事実だが、一方で語り口がかなり重鈍だから尺が3時間近くに及んでしまったというのもまた事実か。

この映画はあと何分短く出来たみたいな話をする映画
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スラム砦の伝説(1984年製作の映画)

5.0

本当に凄すぎて何も感想が出てこない。ありがとうパラジャーノフ、俺たちはやるよ。

ざくろの色(1971年製作の映画)

4.8

天才とか素晴らしいとか凄いとか凄まじいという言葉以外思いつかない。陳腐ながら言葉では捉えきれない"イメージの力"というものは、やはり存在するのではないか。

『アシク・ケリブ』も『火の馬』も観ているが
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憐 Ren(2008年製作の映画)

4.5

CGに頼らない低予算(失礼ながら、とんでもない低予算であることが推測できる)のSF映画の中ではベストなのでは?と言いたくなる出来。つまり傑作。

玲人(あきひと)がはじめて画面に登場する場面のカットが
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.0

怖いか怖くないかで言えば、怖くないし、大好きという訳でもないが、それなりに楽しくはある(というと語弊のある中身なのだが…)。原題はドイツ語でAngst=不安、仏題はSchizophrenia=分裂症。>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

2.5

この映画のキツさはたけし軍団(的なノリ)のキツさなのではないか…。『ソナチネ』はワンカットも見逃せないような緊張感があったが、これは全編割とどうでも良いというか…。

恋のエチュード(1971年製作の映画)

4.8

上映終了後、しばらく席を立てなかった。

こんなにも「克服すべき受難に満ちた祝福」をありがとう、クロード、アン、ミュリエルそしてトリュフォー。俺たちはやるよ(しかし何を?)。

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.5

え?こんな映画だったの…?というのが率直な感想。というかなんなんだこの暗い映画は…。

男女関係の流動性が許容された地域でしかあり得ない映画であることは間違いないが、しかしシネマスコープサイズの画面に
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アモーレ(1948年製作の映画)

4.7

アンナ・マニャーニが今、別れようとしている男に向かって電話越しに延々と語りかける第1話とこれまた序盤は延々とアンナ・マニャーニが脚本も手掛けた羊飼い役フェデリコ・フェリーニに延々と語りかける第2話(こ>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.5

発想自体が微妙(ということは北野武自身の手掛けた脚本に問題があるのだろう)と感じる場面が正直かなりあるのだが、映像としては実に見事だという辺りにこの映画の、というか北野武の凄さがある。

物語上の必然
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三つ数えろ(1946年製作の映画)

3.5

誰もが指摘する通り一度観ただけではどういう話なのかまるでわからないのだが、よくもわるくもカオスに陥らないのは主人公に特権的な地位が与えられているからだろう。

ここにあるのはカオスではなくノモス(混沌
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夜のタイ語教室 いくまで、我慢して(2009年製作の映画)

3.5

初黒川幸則。合コンで深海魚の話をする男に爆笑。隣のおじさん(おじいさん)を除いて男が全員バカなのがよい。映画を撮るならこのくらいのユーモアセンスがあって欲しい。

中国女(1967年製作の映画)

3.5

ムチャクチャよく出来ているという訳でもないが、退屈なようで不思議に最後まで観られてしまう。

既視感があるのはベルトルッチを観ているからか。講義を横から撮ったレール撮影、テラスの場面、電車での長回し、
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リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

2.0

好意的に見れば、黒沢清的なモチーフ、演出をもってしても原作を救えなかったということになるのだろうか…(原作を読んでないけど )。公開直後に日本で商業映画を撮ることの難しさを高橋洋との対談(YouTub>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

2.5

宇宙からの侵略者が愛という概念を理解できないみたいなマンガが昔コロコロコミックに載っていたと記憶しているが、それと同じことがこの映画で起きていて驚いた(俺の記憶違いかもしれない)。

小説や文学をほと
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.5

照明(これほど画面が明るく、照明が存在感を示す黒沢清は観たことがない)も音楽も全てが"エモさ"に向かっていて、メロドラマを撮るという目標は達成されているが、こういうエモさに向かわないことこそ黒沢清の美>>続きを読む