xoさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

xo

xo

映画(925)
ドラマ(5)
アニメ(0)

愛、アムール(2012年製作の映画)

2.8

ひたすら見たくないものを見せつけられるという意味では「ファニー・ゲーム」と同じ。
同作は作りからしてフィクションであることを強調していたけど、本作は真逆。現実世界にありふれているであろう見たくないもの
>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.0

相変わらずテンポは良いし、冒頭からさり気ない描写で多くの情報を伝えるところはうまい。

とはいえイマイチ盛り上がりに欠ける感じはあるし、早くもクリシェと化しちゃってる感じもする。このへんが引き際として
>>続きを読む

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.3

前作の"やられたらやり返す"をさらに先鋭化。
ドラマを作るというより、果たして誰が勝つのか⁈っていう下世話な興味を掻き立てることに特化して作られている印象。

後半の加瀬亮の態度変容とか、三浦友和の秘
>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.3

ヤクザの様式美の戯画化。やられたらやり返す。取ったり取られたり、裏切ったり裏切られたり。

テンポが良いため、退屈する間もなく見させられる。
前半を中心にこ楽しいシーンはいくつも。歯医者のところとか、
>>続きを読む

ミッドナイト・トラベラー(2019年製作の映画)

3.3

難民、密入国、詐欺、暴力、、はたから見ると過酷で悲惨な状況。
どんどん数字が増えていく「○日目」のインパクト。

でも同時に、幸せそのものな光景も収められている。
他の女性を褒める夫に嫉妬する妻、マイ
>>続きを読む

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

3.3

古いとか、飽きるとか、ストーリーがどうとかってのとは全く別な次元にある作品。どこか寓話のような。現代においても通用する普遍性がある。

人を変えては繰り返される会話劇。
118分のあいだ、愛をめぐって
>>続きを読む

彼らはフェリーに間に合った(1948年製作の映画)

3.5

11分の短篇。「怒りの日」の特典映像として何の予備知識もなく見たんだけど、なんとも鮮烈な余韻。。

他作とも通ずる美意識はこの作品からも感じられる。
冒頭、フェリーからバイクが出ていくところの構図の美
>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.5

ふつう、映画でもなんでも物語は終わりに近づくに従って収束に向かうもんだけど、それをどこかで期待しながら見ていたら、予想外の展開に度肝を抜かれた。。
どんどん深まっていく絶望。底だと思ったらさらに落ちる
>>続きを読む

チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

3.8

すごいドキュメンタリーだった。大きなショックを受けた。。。
現代にだって、ホロコーストに比類するくらい残忍だったり非人道的だったり不条理だったりすることが国家や地域ぐるみで行われているという現実。。
>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.5

"バツが悪い"という状況を最高に表現した作品。
"妻が失踪し苦しんでいる人"のイメージを上手く演じられないベン・アフレック。たしかに、あの受動的な雰囲気なら、叩かれるのも納得はできちゃうという。。
>>続きを読む

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

3.8

人間はどこまでも暴力的になれる。想像力をなくすことができる。無慈悲になれる。
人を殺すことにだって適応できる。いまを生きる人間としては、その恐ろしさを自覚するところからはじめないといけないと思う。
>>続きを読む

ダイ・ハード(1988年製作の映画)

3.8

定期的に見たいと思わせる最高の娯楽映画。
良くできた脚本、スリルの持続、敵との攻防のアイディア溢れる見せ方。
最後の黒人警官の活かし方に至るまでサービス満点。

主人公の人物造形も好感が持てるもの。
>>続きを読む

スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

3.5

最高に愉快な戦争映画。
戦争そのものや、好戦的になっている男たちの愚かな様子をメタ視点から楽しむ作品。
こんな虫ども大したことない!、からのバタバタ死んでいく様子はとても愉快。。

「ショーガール」も
>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.5

アフガニスタン人であることとゲイであること。ふたつのアイデンティティを抱えた男が、自らにとっての故郷(自由)を求める様子を描いた作品。

アニメ、ドキュメンタリー、外国語長編というまったく性質の違うア
>>続きを読む

徘徊 ママリン87歳の夏(2015年製作の映画)

3.5

認知症者を初めてしっかり見た気がするけど、こりゃすごい。頭を抱えちゃうと同時にめちゃ笑えるし、チャーミングさにどこか癒やされちゃう。

わかっているようでわかっていない、わかっていないようでわかってい
>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.0

相変わらず吉田恵輔監督はすごい。105分の密度の濃さたるや。今までもだけど今作は特に、喚起させられる感情が重層的。楽しいのか悲しいのかもわからない、言語化しがたい気持ちを抱かされっぱなし。

お話とし
>>続きを読む

夜を走る(2021年製作の映画)

1.6

中国人の「〜アルヨ」な描写、ズラネタ、女装しての珍奇な行動等、随所で作り手の感性を疑ってしまう。
ポリコレとか以前に、本気でこれが面白いと思っているの?って。

序盤の「マスクなんてしててワクチン打っ
>>続きを読む

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013年製作の映画)

3.5

最高に愉快な映画。
終始アッパー。落ち込んだり感傷的になったりして勢いが止まることなく2時間を完走。

マッチョ男3人が金持ちになるべく犯罪に手を染める話。これといった目的があるわけでもなく、単にデカ
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

少年ジャンプっぽいエモさがある。
勇気や愛があればどんな困難だって乗り越えられる。今はなき者たちの想いを背負って。自らを顧みず仲間を救うべし。利他的であれ。
誰もが乗っかれるそれらの要素が、てんこ盛り
>>続きを読む

メアリー&マックス(2009年製作の映画)

3.8

予想がにすごい内容だった。
終始、皮肉混じりのナレーションと描写。コメディ調。すべての台詞が"突っ込み待ち"みたいな。
情報量が半端ない。無駄なシーンがなく、3秒でも目を逸らしたらなにかがこぼれ落ちち
>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

2.5

ちょっと期待しすぎたかな、、ピクサーだしね。。
生まれながらに背負った宿命、中国系のルーツ、感情が昂ることでレッサーパンダ発動って設定が十分に活かされているかというと。。
わりと結論はありきたりなもの
>>続きを読む

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)

3.3

子どもに見せたい映画。
人体の不思議。ワクワクさせられるとともに、ちっぽけな存在でありながら実は宇宙のような壮大さを抱えた人間という生き物に希望のようなものを抱かせてくれる。

1966年作なのは驚き
>>続きを読む

ピアノ ウクライナの尊厳を守る闘い(2015年製作の映画)

2.3

人はパンのみにて生きるにあらず、という言葉を思い出した。
武器や兵器が直接的に他人を傷つけたり己を守ったりするものであれば、音楽をはじめとする芸術は間接的なもので。
それゆえみんなが癒されたり勇気付け
>>続きを読む

サムライ(1967年製作の映画)

4.5

面白いというより好きな映画。なんというか全編に詩情があんだよな。。美しくてものすごく品がありながらもシブくて、それゆえ艶かしい。。

車のナンバープレート交換のところとか、やたら長々と映す自らの傷の手
>>続きを読む

悦楽交差点(2015年製作の映画)

2.8

うーんこれはちょっと話が生煮えな感。。AVのストーリー部分を膨らませたってくらいの印象。
セックスシーンがやたら多いしやたら長い。

「女性の自立」とはいうけど、ここで描かれるそれは、男性が考える、男
>>続きを読む

あの日の声を探して(2014年製作の映画)

2.5

人間は、暴力を振るうことや他者を支配することに快楽を抱いちゃう生き物だってことを認めないといけない。そのうえで、社会としてはそれが起き得ない状況を作ることが大事なんだと思う。

抑圧と搾取、理不尽な支
>>続きを読む

欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい(2021年製作の映画)

3.0

あらすじだけ読んでどう展開させていくのかすごく期待したんだけど、微妙だった。。
70分の尺のうち、半分くらいはあらすじをなぞるだけ。半分過ぎてからようやく意外な展開に。。

アイディア自体は寓話みたい
>>続きを読む

犯す女〜愚者の群れ〜(2019年製作の映画)

4.0

エロVシネというだけで色眼鏡で見られちゃうのがすごく勿体無い。。序盤からグイグイ引き込まれるし、退屈もしないし、何より無駄なシーンがひとつもない。70分強の密度がすごい。

クズな人間の性というか、人
>>続きを読む

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.8

めちゃ面白い。突飛な設定だったり漫画っぽい飛躍だったりキャッチーさがありながら、 同時にとても良くできた脚本でもあって。レベルの高いエンタメ。

かなり視聴者に優しい作り。しっかり言葉で説明してくれる
>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

2.3

王道の娯楽作品。きれいに三幕構成に則られた作り。
この作品特有のなにかがあるわけでもなく、普通。。「ブルー・サンダー」と重なるところが多いけど、そっちの方が明らかに出来は良い。

だけど、トム・クルー
>>続きを読む

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.0

チャーリー・カウフマンらしい作品。
マルコヴィッチの穴やアダプテーション、脳内ニューヨークにも通ずる「もしもシリーズ」。もしも誰かと過ごした記憶を消したなら。。

誰かに何かをするじゃなく、自分の記憶
>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.5

あくまでも物語の骨格は普遍的な青春映画。
アイデンティティの模索、コミュニティの内側からも外側からも抑圧され居場所のない感覚、互いを理解し孤独を癒やしあえる存在との出会い、恋のような気持ち、そして現実
>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

3.5

理解できそうでできないラインがなんともスリリング。
性的な快楽と自動車事故による快楽を同質的なものとして提示。
自意識から開放された極限状態という意味では同じだけど、同じなのかはよくわからない。。
>>続きを読む

ショーガール(1995年製作の映画)

4.4

ふつうに面白い。どのシーンも画面に刺激(性的な意味でじゃなく)があるし、テンポが早く退屈しない。
「カルト映画」って紹介を見たけど、そもそもそういう質感のものじゃない。物語は理解が容易だし、アート映画
>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.8

コメディ調で、ポップ音楽が絶え間なく鳴っていることもあるけど、全編にわたって軽快。かつ話運びの手際が良い。ポップかつクール。第4の壁を超える観客への語りかけもチャーミング。

下世話な楽しみ方もできる
>>続きを読む

死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.8

"怖い"って感情のなかに"気持ち悪い"があるってのも発見だし、この作品のホラー演出は、ちょっと笑い成分があるんだよな。。

ケラケラ笑う化け物とか、窓の扉がバタバタするのとか、主人公が血をモロに被ると
>>続きを読む