xoさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.5

TITANEと通ずる、というより同じものを描いているんだと思う。
テーマは理性と肉体の乖離性。自らの知覚を超えたところで、身体は変化していたり、思いがけない行動をとっていたりすることへの恐怖というか、
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.3

コメディ調なのはともかく、禍特対の会話パートにちっとも緊張感がないため、話自体がどんどんどうでもよく思えてくる。。
山本耕史含め彼らのキャラを立てたいのはわかるけど、やればやるほど映画というより、テレ
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BUNGO 日本文学シネマ(2010年製作の映画)

1.4

「檸檬」を吉田恵輔監督だったから見たけど、特に見る価値はなかった。。
彼の存在感はまったくもって希薄。

まず明治〜大正期のはずが、話し方や使われる言葉が完全に現代調なのからして引っかかる。。

"狂
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

4.0

彼女の人となりを全く知らずに見たんだけど、とても良い作品だった。思いもよらず何度も落涙してしまった。。

何に感動したって、単にオードリーが魅力的だってことにとどまらない、市井の人たちにとっても教訓的
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.0

白石監督の中ではわりとモヤモヤが残る方だったかな。。

映画の多くは"ヒアリング"の時間。
岡田健史と周辺人物の境遇、阿部サダヲの人物像、最後の殺人の真相、その3つを軸に進行。いろんな人の話によって情
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監督・ばんざい!(2007年製作の映画)

1.6

序盤のメタ視点全開な感じはけっこう好きだったんだけど、中盤、ラーメン屋でプロレスが始まってから嫌な空気が…。
その後はひたすら見ているのが辛かった。。

劇場でこれにお金払ってみた人も、この作品に出演
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TAKESHIS’(2005年製作の映画)

3.0

たけしってほんと良い俳優だよな。。孤独感を表情に伝えさせたら、右に出る者はいないと思う。

遊び心に満ちた作品。中盤以降は、夢の中の世界というか、心象風景が全面展開される。
各シーンの意味がどうとかメ
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野いちご(1957年製作の映画)

2.8

冒頭のナレーションには心を掴まれたものの、全体を通しては、ダイナミズムに欠ける、やや退屈さを抱えながらの映画体験だった。。

これと言って何か起こるわけではなければ、心の機微みたいなものも大してない。
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脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)

1.6

虚構と現実の狭間が曖昧ながら、「アダプテーション」や「マルコヴィッチの穴」のような、気持ちのいい混乱というよりは、「あれ?」「あぁ、そういうことね」のような感慨を抱かされる。

事前に予想していたより
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アキレスと亀(2008年製作の映画)

3.3

序盤はどうかと思ったけど、最終的には、見る価値が大いにある作品だと感じた。

伝記調の作劇の序盤は、各所のぎこちなさが目立つ。子役の演技の下手さが痛いところ。後の展開に大いに絡んでくる、周囲の評価での
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.0

デヴィッド・リンチは、頭に浮かんだごく私的なビジョンを表現するにあたって、そこに合理性や客観性をもたせる気もなければ、わかりやすくしたり既存の型に当てはめて伝える気もないんだろうと思う。

表面的には
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ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

3.0

あちこちで微妙な表情を浮かべ続けるビル・マーレイを楽しむ作品。

女性と会うなり、必ず相手からの「ドン…」を待つ様子が可愛い。

ジム・ジャームッシュの他作同様、明確なカタルシスがあるわけではないけど
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.8

今更ながらすごく面白い。
日本という国の統治機構の無能ぶりが戯画的に描かれつつ、それをよそに勝手気ままに振る舞い続けるゴジラとの対比が楽しい。

中盤、ゴジラが火を吹き始めたところの絶望感たるや。笑っ
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.5

思いのほか単純明快なメロドラマだった。戦争がどうとかってのは、あくまでもふたりの仲を引き裂く背景要素。 
作劇の中心に置かれているのは、その悲惨さとか過酷さとかってよりは、もっと普遍的な、恋愛における
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.5

それぞれに葛藤や不全感を抱えているキャラクターたちが歌を通して収斂されていく過程が良い。
お仕着せじゃなくあるがままの自分を愛することだったり、他者に従属することや迎合することの否定だったり、普遍的に
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.8

13世紀の宗教戦争を通して子どもたちに寛容性を教えたい、って台詞が印象的。

本作の主要人物4名はみんなが不完全で矛盾を抱えている。善か悪かで語れるキャラクターじゃない。でも見終えると、そっと背中を押
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

3.0

アニメーションとしての気持ちよさは言うまでもないし、見ている時間はずっと楽しい。でも、脚本の本筋にあたるところからして、飲み込みづらい展開がすごく多かった。

序盤から中盤にしても、"平凡が嫌い"なの
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ZAPPA(2020年製作の映画)

2.8

あくまでもザッパのファン向けな感じ。。
彼が生まれ、物心がついてから死ぬまで、時系列に沿って進んでいくものの、連続性や物語性、テーマのようなものはあまり意識させない作り。本人や関係者のインタビューが断
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

2.8

オフビートで心地良い時間が流れている。会話を楽しむ作品。

物語は本質じゃない。問題が発生したらそれが回収されるより前に、どんどん次の問題であったりエピソードであったり、刺激が継ぎ足されていくような感
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座頭市(2003年製作の映画)

2.0

たけしの興味の対象が何にあって、何にないのかがよくわかる。
序盤、刀を用いたアクションの見せ方はかなりチープな印象。B級映画的ルックの作品じゃないのに、CG感満載だったり、出血がブラッドオレンジジュー
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イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

1.4

これが評価されているのに驚いている。。なんでもかんでも感情を言葉で言っているし、プロットにも、伝えたいメッセージにも意外性はなくすごく退屈だった。。

開始早々、物語がどういったところに着地しそうなの
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サイレント・ランニング(1972年製作の映画)

2.0

自然や生物の保護を訴えたり、機械に人格を見出したりする主人公。1972年当時、これがどう受け止められていたかはわからないけど、気候危機の渦中にある現代においては、彼の主張は青臭いどころか、真を突いてい>>続きを読む

(ハル)(1996年製作の映画)

3.5

DVD映像特典の監督インタビューを見ると、ストーカー男について、「今後は芸能人というより身の回りの人がスターになる時代になっていくと思うし、付きまとう人も出てくるだろうと思って作った」って言っていて、>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.5

"幸福な家庭"に住む少女が、孤独や不安を埋めるように卵を飼い出したら孵化して手に負えなくなって、、って序盤にはワクワク。
ただ、その後の展開はあまり意外性がない。つまるところ、家族にバレるかバレないか
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怒りの日(1943年製作の映画)

3.3

1943年作品ながら、近年に作られている作品のようでもあった。

理屈に合わないことはぜんぶ「主のみが救ってくれる」「神の栄光のため」「罪を償うため」で終了、な世界。。
魔女狩りの不合理性や、盲信的な
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バーニング・ダウン 爆発都市(2020年製作の映画)

3.7

公開3日目にしてガラガラだったけど、いくらなんでももったいない。誰もが楽しめる娯楽作でありながら、普遍的に価値あるメッセージもある良い作品。

正しい行いとはどういうことか、が映像をもって伝えられる。
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質屋(1964年製作の映画)

3.0

ホロコーストの経験によって極度のトラウマを抱えてしまった主人公の話。

とにかく虚無感に満ちている。
誰に対しても人間的な情を見せなかったり、「金が全てだ!」なんて自暴自棄になったり。

ホロコースト
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.5

撮影技法上のスタイリッシュさは今に通ずるものがある。ケレン味みたいなものがない。無駄なカットとかダサい演出とかもない。

主人公に感情移入させるというのではなく、ある程度の距離を保った上で、一代記とし
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Dolls ドールズ(2002年製作の映画)

1.8

あらゆるところがぎこちない。他作と比べ、アート映画っぽい質感になっているとともにかなり説明的な印象。
天使の置物や蝶を何度もアップで映したり、それ必要?っていうフラッシュバックだったり。

作品全体が
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.0

ビートたけしのどうしようもない傍若無人ぶりが楽しすぎる。「この野郎」「馬鹿野郎」が全てのセリフにくっついてくる感じ。関西人の言う「アホ」と同じようなノリ。

他作とは人物像が正反対と言っていいくらいに
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純喫茶磯辺(2008年製作の映画)

3.3

正直に生きられない人たちの可愛らしさが描かれている作品。
登場人物みんな本音をつかれると、"アレだから"とか言って誤魔化したり、誤魔化すための突飛な行動に出たり。

吉田恵輔監督の他の作品でもそうだけ
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アネット(2021年製作の映画)

2.3

怒涛の展開に正体不明のエネルギーをもらった気分。

メタ構造を思いっきり前景化させるオープニング。
開始早々、ナレーションに続いて登場人物たちが映画の内容をエモーショナルに歌い上げる。なんか知らんけど
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.2

圧倒的な作品。戦争描写がすごすぎる。スケールの巨大さ、派手さのみならず、ディテールも丁寧。嘘っぽさがまったくない。

終わってみると、約3時間あるのも必然だと思える。"浴びる"ことに意味がある。まるで
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春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

3.5

美しい映画。すごく淡々としている作劇。言葉は最小限。後半はほとんど数えるくらいしかセリフがなかったりする。
「あの夏、いちばん静かな海」なんかを想起したり。

お話といい舞台設定といい、寓話のよう。
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野火(2014年製作の映画)

3.8

すごい。戦争を取り上げたフィクションができる限界まで攻めた表現。
小綺麗に漂白された種々の映画とは違う。地べたを這いつくばるような壮絶さが、妥協なしに描写されている。容赦がない。ポエティックなところが
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机のなかみ(2006年製作の映画)

3.5

序盤は退屈だったものの、終わってみれば他作同様、吉田恵輔監督すごい!って気分になってしまった。
中盤に作劇上の大きな仕掛けがあり、「カメラを止めるな」くらい奏功しているとは思わないものの、"フリ"が効
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