ninjiroさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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ドア・イン・ザ・フロア(2004年製作の映画)

3.8

その小屋の床には

一つの扉がありました。

ママは床下に何か

恐ろしいものを見ました。


私たちは知っています。
そのドアの向こうにあるものを。
だから、それを決して開けてはいけない、
覗いては
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ブルックリン最終出口(1989年製作の映画)

3.3

この暮らしに出口はあるの?


レクイエム・フォー・ドリームの作者、ヒューバート・セルビー・ジュニア原作。
クリスチーネ・F.のウーリー・エデル監督。
これだけである意味説明は充分なのかもしれない。
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.0

愛してる。


愛と口にすれば、胸に懐けば、それは愛だ。
しかしそれは決まった形を持たず、
百人百様、答えは個々の胸中の複雑怪奇な模様に紛れ、人にそれを真に知らせる事は出来ない。

しかも、愛は日々変
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ザ・ロード(2009年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

もし俺が神だったなら…


抜け殻となった世界に文明の火は喪われ、
そこには神も希望もない。
全ては産み出す事を止め、日々荒廃は進む。
人々は心を喪い、いずれ全てを食い尽くすことを目的にするかの様にた
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龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

3.6

なあ、俺たち古いのかな?

あぁ?古くたっていいじゃねぇか。


北野武ではない。
我々が本作を通して感じるのは実のところ、
ビートたけしだ。

現代社会に於いてリアルな社会悪や、自分や自分の周囲何十
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欲望のバージニア(2012年製作の映画)

4.1

まさに LAWLESS

現代で言うところの"悪"がひしめく、
おとぎ話のような昔話。

かつて西部開拓史のフロンティアから始まり、
今日においても終わりのないニューフロンティアが始まるまで。
人々は
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さまよう刃(2009年製作の映画)

3.0

一度生じた悪は決して消えることはない。

劇中、寺尾聰は言う。

彼は見も知らぬ少年たちに、
娘を犯され、覚醒剤を打たれ、殺された。

彼は既に妻を亡くし、
残された一人娘を慈しみ、愛し、
彼女の未来
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男達の別れ98.12.28@赤坂BLITZ(2005年製作の映画)

-

誰のせいでもなくて イカれちまった夜に

すいません、これはレビューではありません。

メジャーデビューアルバムの「Chappie,don't cry」で初めて彼らを知った際、そのメンバー布陣は佐藤伸
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Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

4.2

かつて、よく聞かれた「ガラガラポン」という言葉が大嫌いだった。

言葉の間抜けさも相俟って、また、
そこにあたかも革命の息吹がある様に、
都合良く政権交代の意義を示す言葉の様に使われていたからだ。
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ダイヤモンドの月(1991年製作の映画)

-

1991年

バブルの残滓。

私もその時代を生きてはいたが、
その時代の大人達を冷めた目で見ていたが故に、
まさに「その時代が産んだ」、という作品は、
愛憎渦巻き痛痒くてとても平常心では観ていられな
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モナリザ(1986年製作の映画)

3.7

Dark Streets of London
世知辛い世に咲く一輪の人情男花

ナット・キング・コール「MONA LISA」の美しい旋律と温かい歌声で幕を明ける、ロンドンの下町、底辺を生きる人々
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

4.4

私がこれまで、貴方がたに何かお願い事をしたことがありましたか?

私自身には、これまで神様なり教義なりといったものを信じたという記憶はない。
サンタクロースがこの世に存在すると本気で信じていたような頃
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クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.5

let's get ready to rumble!!!

満たされない男達


世の中に、今の人生に満足しているひとはどれ程いるのだろうか。

幸福度・満足度という言葉が使われるようになり、よく様々
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ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

4.6

誰もが皮肉な笑いを浮かべた。

誰もが悪い冗談だと思った。

でも、今はもう笑い物じゃない

もう笑っている奴は、一人もいない。

「ようこそロッキー劇場へ」



「最後のドラマ」と銘打たれた「ロッ
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ロッキー2(1979年製作の映画)

3.5

俺にはこれしかない。
頼む。
俺を男でいさせてくれないか。

前作ロッキーから地続きのエピソード2。

アポロとの死闘で名を上げ、まさに自分の力で自分の存在を証明してみせたロッキー。
彼が得たのは幾許
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ロッキー(1976年製作の映画)

4.0

もしも、
最後のゴングが鳴るまで立っていられたなら…

今は昔、フィラデルフィアの下町。
真っ当に暮らす人も居れば、霞を食って生きるチンピラやゴロツキも居る。

街には取り立てて希望も無く、かといって
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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

4.2

Just what is it that you want to do?

世界の涯の友情


オープニングタイトル前にPrimal ScreamのLoadedのイントロ(厳密にはピーター・
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少年と自転車(2011年製作の映画)

3.8

責任の所在


子どもなんてものは、非生産的で、ワガママで、何の役にも立たない、ただの厄介者である。

その厄介者は通常、自分が厄介者であるという事実を知らない。

彼らは、別の特性として、よく言われ
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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身(1966年製作の映画)

4.0

あなたの人生は誰のもの?



その人生がある程度の地点まで達した頃から、その熱量にこそ個人差はあるものの、誰しももれなく頭をよぎることがあるのではないか。

「こんなはずじゃなかった」

口には出さ
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ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年製作の映画)

4.1

ムトゥが歌えば皆歌い出す
ムトゥが踊れば皆踊り出す
言葉や理屈はここでは虚しい
全てをムトゥに委ねてただ感じろ

爆発する歓喜の表現!

アッパー系のやつを皿ごと喰らったような、
狂ったようにのべつ幕
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レスラー(2008年製作の映画)

4.2

愛された記憶


私にとってのヒーローは、
貴方にとってのヒーローではない。

大方にしてそうだ。

念のために言っておくが、ここでのヒーローとは広義のヒーローであり、男性・女性を問わない、偶像だ。
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きみはいい子(2014年製作の映画)

4.8

ことなかれと、ことのあり方を歪める大人。
無条件に親を愛し、大人の背中を見つめる子ども。


人を思いやることは尊いこと。
子どもの頃にみんな教わった。

誰かが困っていたら、一緒になって助けてあげよ
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

I knew these people.
ストリングスの震えは空っぽな心に虚しく響き続ける。

すれ違い続けるひとたち。

男は、ただひたすら何もない荒野を目指す。
悪ふざけのように名付けられたテキサ
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.6

「訳わかんねえ 女子」
「ホントに 私も女子だけど」

昨今のスクールヒエラルキーとはなかなか過酷なものだと聞いてはいた。

しかし、時代が違うのか、それとも私がただ単にボンヤリしていただけなのか、
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.9

キャラ物の、華麗なる勝利


「ドラゴンタトゥーの女」というイカついタイトルや、「移民の歌」に乗せたオープニングタイトルの勢いの良さから連想される、ドギツイクライムアクションを期待して鼻息を荒くする観
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ヴァリデーション(原題)(2007年製作の映画)

4.2

人を笑顔にする≒できるということ


人を笑顔にすることとは、容易いことではないにしても、例えば明日から心掛けて、そうしようと決めて、絶対に出来ないことではないはず。

その瞬間瞬間は、心からその人を
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.6

子どもの過ごす時間


子どもが生きる時間は、我々大人と同じ空間で流れていながら、パラレルワールドのようにその見え方、感じ方、捉え方、それぞれが全く異質な時間である。

誰しもその時間を生きて大人にな
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

3.2

女の敵は女、からの脱却。


本レビューは、昨日markした「塔の上のラプンツェル」からの続編となるものである。
出来得れば、そちらも参照されたい。


これまでの正統派ディズニープリンセスシリーズに
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塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)

3.5

こんなもん見せられたら……
乙女じゃなくたってウルウルするわ‼︎

ディズニープリンセスシリーズ初の3D!ということで、当時わざわざ重い腰を上げて劇場まで観に行ったわ!そんでまんまと拳を握って唇を噛み
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ホーボー・ウィズ・ショットガン(2011年製作の映画)

3.8

ショットガンを持った流れ者

こいつぁヒデェ!

「グラインドハウス」のフェイク予告編のコンテストで勝ち上がったことから本作・長編制作のチケットを得たという、まるでラジオ番組でのスターとリスナーとのや
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愛の唄(1975年製作の映画)

2.0

david bowieの唄う「the jean genie」はjean genetのもじり。

ボウイの詩の世界は、大抵いつもの事だが感覚的で、その内容を汲み取ろうとする者に対して優しくはない。
その
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.4

27歳の私は、15歳の頃の私より少しも賢くない
私ばかり、ずっと、同じ場所にいる。

6月
象徴的な雨と眩しい緑。

雨に打たれて枝葉はよろめく。
直截を避けてしなる心が発する言の葉のように。

冒頭
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.4

クソメン共の明日なき戯れ

うあーやっぱり愛らしい!


ペッグ=ショーンとフロスト=エドの、時に疎みながらも決して見放せない、根っから仲が良すぎる腐れ縁の親友二人の関係が、とにかく可愛らしくて仕方な
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かもめの城(1965年製作の映画)

5.0

パトリシア・ゴッジ再び。

原題「Rapture」とは、日本語では「携挙」と訳し、キリスト教の一派で信じられる、キリストの再臨の際に起こると言われる一連の事象を指す。

邦題「かもめの城」とは
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シベールの日曜日(1962年製作の映画)

4.7

二つの孤独な魂の彷徨。

数多ある映画の中には、その意味の取り方を観客に委ねるタイプの映画がある。

特に描写が不親切という訳ではない。
様々な伏線であったり表現であったり、複層的に捉えられる余地を幾
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富江(1999年製作の映画)

1.5

懐かしい。

伊藤潤二の描くヒロインに、当時確かに一番近かったのは菅野美穂だったかも知れない。
菅野美穂の演技も、やっぱりそれなりに上手いと思う。
個人的にも好きな女優さん。

でも演出が違いすぎる。
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