グラビティボルトさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

グラビティボルト

グラビティボルト

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劇場版 Gのレコンギスタ II ベルリ撃進(2020年製作の映画)

3.5

ひたすら明るいのにちゃんと強い兵器が現れる度に強い反戦意識も表出するアニメ映画。
思い切った5章立て構成で、駆け足感を覚える事なく濃密な見せ場がガツガツ進む。
シビアな戦争の合間に主役の母を撃ちかける
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

2.4

「コリン・トレボロウは、こんなものでは無いハズなんだが」
もうこれに尽きる。
1作目のロケーションとキャラの紹介を一気に済ませてしまう迅速さは鳴りを潜め、新旧キャラのこれまでを説明しなきゃいけないから
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インナースペース(1987年製作の映画)

3.9

流石「グレムリン」を魅せきったダンテの映画なだけある。
小型化したパイロットが冴えない主人公の体内に入る「ミクロの決死圏」が下敷きのSFなんだけど、
注射に入ったパイロットを博士が悪役から逃がそうとす
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劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア(2022年製作の映画)

2.7

平均的な坂本浩一映画。
変身してる時よりステゴロで殴り合っている方が面白いやつね。
成人化したラブコフが暴走する展開とか、面白そうなエピソードは何となく散らされているのだが、やたらスペックの高い善人な
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暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー(2022年製作の映画)

3.7

もう俺はドンブラメンバーをこよなく愛してしまっているので、何があろうとそこそこ楽しめるんだが、にしても笑わされた。
カメ止めやら花男の陳腐なパロディを、愛着を付与されたキャラがやるだけでこんなに愉快に
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ストライク・バック(2007年製作の映画)

3.7

えださんが褒めていたので。
ボートで湖をバカンス中に迷ったカップルが、近隣の小屋に助けを求めた所、そこの住人がイカれていて・・・というやつ。
穏当な説得や脱出が無理だと悟ると、弁護士の彼氏そっちのけで
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サムサッカー(2005年製作の映画)

3.7

随所に入るスローとか、MV的な演出が120%好みかと問われると微妙だ。
ただ、思春期の青年の揺れ、
対話を粘り強く続ける事によって人物に刻まれる披露、対話の相手が別の場所へ飛び立つ一抹の寂しさと、未来
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劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる(2022年製作の映画)

4.0

前編観た流れで観る位の気分だったが、やっぱり好きだ。そして見事に「最新作」になってると思う。
観客だって心で呟いた事のある在り来りな、ベタな、あの一言が大事な人に伝わるまでの受難と闘争の物語。元気出た
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.1

ルッソって、マイケル・マンとかでは全然なくて、寧ろP・グリーングラス、ベイ辺りの影響が強いんだな。
前者のような、カットが早くても位置関係が頭に入るロケーション、何を撮すのかという選択や後者のような自
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

青いフレアが端々にチラ付く画面、
傲岸不遜で乱暴な輩に追い詰められる走る主人公とくれば「パンチドランクラブ」だし、主要二人の出逢いを延々と追う長回しは「ブギーナイツ」冒頭の変奏だし、やたらと同じフレー
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X エックス(2022年製作の映画)

3.1

「キャビンフィーバー2」の太った友達みたいな、痛い目に遭いつつ情感を与える「儲け役」的な人物がいないのが残念。
自分らの小屋で若者に好き勝手されて、
彼彼女らの若い肉体を視る事で歳不相応な性欲が殺意に
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炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

3.7

か、佳作ぅぅ!
このテの室内劇らしく、チンタラする部分はあるものの、ヒロイン以外の登場人物がひたすら野蛮な為、修羅場が起動するとどんどん盛り上がる。
空元気な「Aチーム」なんぞより遥かに好感度が高い。
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エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

3.8

面白かった。
序盤、スネークがLAに侵入してから始まるチェイスシーンは、彼がバイクを奪ってからどんどん西部劇的になっていく快感がある前後一直線の攻防が楽しい。
ここから、やれバスケだの、サーフィンだの
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.1

ホラー映画でありながら、同時に
徹頭徹尾、「戦う事」「動く事」についての映画だった。
少年が監禁される手前の、
不良に絡まれる場面から最後までこの作劇が徹底している。
そもそも、彼が野球ボールを真っ直
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フリーウェイ/連鎖犯罪 逃げられない女(1996年製作の映画)

3.9

何処までも野蛮な傑作。
ロクでなし両親が逮捕され、家出した尻軽っぽいリース・ウィザースプーンが、「ヒッチャー」的な変態のキーファー・サザーランドに捕まって〜というスリラーかと思いきや、即反撃、罵倒、発
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.4

万引きが出来なくなってから演出のアイデアが枯渇した「万引き家族」辺りよりは、常にダラッと動き続ける本作の方が好き。

お話とロケーションが見事に噛み合っていたのは、あのオンボロ観覧車での会話シーンかも
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.3

「空白」よりは全然面白かったんだが、この毒々しさが本当に面白いのか?と心配になってしまった。
ただ、みるみる攻撃的になっていく劇中人物の「揺らぎ」を捉えて逃さない編集、ラストの空をきっちりキメる志田貴
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.1

世評ほど良いと思えず。
ネオンやら雨やらで画をキメようとする志向が強すぎて、逆に笑ってしまうというか。
語り口も、混乱を誘うのは確かにノワールっぽいんだけど、飛び飛びの編集が「巧い省略」にはなっていな
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バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(2022年製作の映画)

2.8

う、西谷弘、まさかの不発。
クライマックスの地震のヤケクソさには驚いたが、基本的に前の場面の会話を不自然に中断して種明かしで提示する説明的な編集で手一杯な印象。
ド頭、取り調べ室の編集は別室を同室のよ
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キャビン・フィーバー2/キャビン・フィーバー スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

3.8

水から伝染病になってしまう大筋は踏襲しつつ、冒頭のアニメーションや学生がプロム会場に監禁されてしまう展開、あっと驚くプールの惨劇やそれに伴う青〜赤の色彩の変化等、細かいチューニングが効いている。
あと
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

傑作。逆に話す事ないみたいなヤツ。
やたらきらびやかな結婚式から始まり、ラストは葬式で締める。
人生を捉える視線を拡張しようとしているような見応えがあるし、隣室で発生したある惨劇は、「恐怖分子」のフラ
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はい、泳げません(2022年製作の映画)

4.5

思わぬ掘り出し物。
渡辺謙作監督作品、見逃し注意だったわ。
すっげぇ好き!
まず、水が死ぬほど嫌いな長谷川博己がどうして綾瀬はるかの水泳教室に通うのか?という「行動の理由」を、凡百の映画、ドラマならネ
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コルドラへの道(1959年製作の映画)

4.0

苛烈な傑作。
過去に戦いから逃げた負い目を抱えるゲイリー・クーパーが勲章候補の4人と共に女の罪人を連行しつつ基地を目指す。
シネスコに広がる乾いた大地を疲弊した人が歩くだけで超面白い。
終盤、周囲に裏
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.4

ぶっちゃけ、冒頭が一番好き。
日中と夜間の合間の刹那、マジックアワーで人類最速を目指して飛翔するトム・クルーズと、それを憎々しげに見守るエド・ハリスのショットの連なりが見事。
特に仁王立ちしたエド・ハ
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犬王(2021年製作の映画)

3.9

世間的には水の作家な湯浅政明だけど、俺は上下の作家に感じる。
地べたに這いつくばるようなまさかの夜景が広がる冒頭から、二人の出逢いが反復される上昇を捉えたラストまで胸掴まれた秀作。
二人の歌から生まれ
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沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇(1995年製作の映画)

4.1

ジャケットの時点でこの二人がライフルを持っているし、まぁ金持ちを殺すんだろうなと大筋は正直先読みしてしまった。
ただ、このショットに至るまでの流れが全く反心理的で、ベッドにココアをぶち撒けるのと同じ情
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天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

4.0

傑作。すっげぇ濃厚なメロドラマ。
ラストショットをあのトナカイに託せるセンスが秀逸だし、二人が互いの想いを確認するシーンは画面左は
真っ白な吹雪、右側は暖炉によるオレンジ色という色彩設計にしていて、そ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.0

玩具ばかり弄って、まともに役者を正面から撮れない「おとなこども」が撮ったような映画。
正直、すっっっげぇ恥ずかしかった。
毎週プリキュア~レンジャーを観てる時には一切感じないこっ恥ずかしさがある。
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キャビン・フィーバー(2002年製作の映画)

3.8

犬の悲鳴からはしゃぐ女学生の声に繋ぐ編集からしてノレる。
イーライ・ロスの中で一番好き。
血塗れの男がパーティに乱入してからのパンデミック展開で、「明確な解決方法のない恐怖」が撮れてるのも見事だし、
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.6

主人公のお婆ちゃんの葬式から、
阿部サダヲの殺人鬼に視点が移ると、抜けの良い草原に和やかなパン屋描写・・・と思わせてゴリゴリの「悪魔のいけにえ」的な殺人&拷問小屋まで展開する落差に驚く。
ここ、白石和
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甘い罠(2000年製作の映画)

3.7

人生初シャブロル。
イザベル・ユペール演じる奥さんの不審な行動を「偶然」鏡越しに
アナ・ムグラリスが目撃することでサスペンスが立ち上がっていく。
あのココアに薬物を入れる明確なショットがない作りが興味
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

2.5

確かにサム・ライミは、豊潤な細部でこれが自分の映画だと強く主張している。
だから視覚的な刺激は強いし、悪役のホラーヒロインぶりには目を見張った。
でも、なんか作家を人質に取られたような気分で観たのも事
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デッド・サイレンス(2007年製作の映画)

3.0

恐怖演出、特徴的な所を挙げるとしたら
「音が徐々に消滅していく」所だろうか。
ひとりでに話し出す所が腹話術人形を使ったホラーの特徴であるハズなのに、寧ろ人形の周囲から音が消滅する逆転の発想が恐ろしかっ
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劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編] 君の列車は生存戦略(2022年製作の映画)

4.3

タイトルが長いこと以外は不満なんて何もない。
ほとんどの画は2011年放送当時のものなのに、あの空撮だけで2022年の紛うこと無き新作に化ける豪胆さ、総合的に「この座組みじゃないとあり得ないアニメだ」
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オールド・ボーイ(2013年製作の映画)

3.7

韓国版より遥かに好き。
あちらよりヒロインの年齢を上にしたことで独特の幼女趣味が無くなっている。
また、チェ・ミンシクの「熱演」に依存した韓国版に対して、シンプルな情報の出し方とアクションに振り切れて
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