グラビティボルトさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

グラビティボルト

グラビティボルト

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トロール・ハンター(2010年製作の映画)

3.0

う、確かに怪獣映画好きが盛り上がるのはわかるんだけど、流石に「送られてきた素材を制作会社が編集した」という冒頭の一文を便利に利用し過ぎなのでは・・・。
商品として適正に編集され過ぎていて、POV特有の
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犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

3.8

前作より短い106分という尺が見事。
んで、この短い尺の中に
「悪党の顔面等フロントガラスに叩きつけてしまえ!」と言わんばかりの鉄拳制裁、背負投げの迫力が詰め込まれたプログラムピクチャーの秀作。

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アマチュア(1979年製作の映画)

3.7

緊張するとしゃっくりが止まらなくなる工場勤務の男が、妻との間に授かった娘の成長を記録しようと購入したカメラで会社の式典を撮影した事をきっかけに、映画監督への道をズルズルと進み始める。
彼が撮った映像よ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

3.5

ワンカットでの時空の移動や、投稿者の背景に語りの仕込みがあったり等シリーズ中でずば抜けた洗練をした「花子さん」に対し今回は人物同士のやり取りの妙で面白がらせるパターン。
除霊シーンの力強さは流石。
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

2.4

A24、やっぱりロウリー以外苦手。
小津安二郎風ってより、単に画が広いようにしか感じられず。
コリン・ファレルが茶を煎れる仕草は確かに美しかった。

(1928年製作の映画)

4.0

只事ではない怪作。
リリアン・ギッシュが目指した新天地は、風の延々吹き荒れる農村。
彼女は風に揺れる家と詰め寄って来る男達によって徐々に内面を壊していく。
サイレント映画なのに風の音が目から聞こえるよ
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ラ・パロマ(1974年製作の映画)

3.6

人生初シュミット。
冒頭、女が歌うカジノをフラフラと回游するカメラからして只事ではなく、ラストまでその漂う感覚を維持したような夢幻の映画。
遺骨を掲げるショットの「悪魔のいけにえ」とのシンクロ、全く意
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クルージング(1980年製作の映画)

3.6

ハードゲイを狙う殺人鬼を捕まえる為、パチーノ演じる刑事がゲイとしてクラブに潜入捜査する。
明確な手掛かりを掴む映画ではなく男同士がひたすら絡み合う空間に通い続ける事で刑事の内面が揺らぐ様を捉える。ラス
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

4.3

すこぶる面白い。
女子二人が廃校探検でトイレの花子さんに遭遇した映像を切欠に、工藤&市川らがまたしても怪異に立ち向かう訳だが、ここにきてアンゲロプロス的な時間の飛躍から大林宣彦的な異空間にまで到達する
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ザ・コントラクター(2022年製作の映画)

3.8

下手したら「アンストッパブル」以来のクリス・パインのベストかもしれない秀作。
広めの画面でまず人物の位置を描写してから唐突な銃撃の恐ろしさで引き込むアクションも中々見ものだったけど、何より家族、生活の
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スーパーマン(1978年製作の映画)

3.6

今更観たけど面白い。
特にカル・エルが田舎で過ごす「青年期」を切り取るロングショットから漂う郷愁が真にアメリカ映画的でシビれる。
スーパーマンとして活躍し始めてからも、ルーサーのデタラメな陰謀による地
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.5

やたら怪しい池で釣りをしたャラいカップルが、河童に遭遇した映像を撮った事でおなじみの工藤&市川が巻き込まれる。
正直、調査シーンは延々と森林で軽く飽きてきそうになるが、終盤の畳み掛けとラストの悍ましさ
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アタック・ザ・ブロック(2011年製作の映画)

3.5

えださん越しに「ザラーが褒めてた」と見たので、鑑賞。
アクションは、ボイエガ演じる主人公が刀でエイリアンを斬る瞬間が撮れてなかったり、不満はある。
ただ、路面が艷やかに光り、スモークが映える夜の裏路地
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斬る(1962年製作の映画)

3.8

71分で描かれる独りの剣士の陰惨な生き様。傑作。  
冒頭、女が斬首を待ち、介錯人が刀を清めて女を見詰めるんだけど、両者の切り返しで互いの情を納得させてしまう語りの最短距離が凄い。
介錯人が女の首を落
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渇きと偽り(2020年製作の映画)

3.7

げ、激渋の良作ハードボイルドミステリ。
若干淡白過ぎる気もするが、長期の干ばつによって不毛地帯となった豪州の田舎と、そこに住む者の若干危うい佇まいが丁寧に切り取られていた。
あと、幼馴染の無理心中事件
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勇者の赤いバッヂ(1950年製作の映画)

3.9

ストイックで滅茶苦茶格好良い。
縦、横の構図どれも豊かだし、ナレーションが多めな分言語化されない役者のニュアンスを拾いたくなる。
あと、森林のショットが素敵。木漏れ日の豊かさね。

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

1.5

か、欠片も面白くなくて流石に驚いてしまう。
この、台詞回し、美術周りの異様なダサさと音声(多分録音&編集の問題)の曖昧さ、それによる無駄に複雑な語り口ののめり込み辛さが本当に辛い。
坂口健太郎との相棒
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.7

おぉぉぉっと!西谷弘、「バスカヴィル家の犬」に続いて二度目の不発か・・・。
やはりコロナ禍以降の製作状況が苦しいのかと勘ぐらせる息苦しさ。
まぁミステリとして割り切って観れば興味は薄れないが、前2作の
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インフェルノ 蹂躙(1997年製作の映画)

3.8

これ、今まで観た邦画で一番「悪魔のいけにえ」に手触りが近いかもしれない。
冒頭、変態殺人鬼カップルが都心で標的の女を品定めするんだけど道行く人を見詰める主観ショットが縦に傾いてる辺りから既に不穏。
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ビッグ・リーガー Big Leaguer(1953年製作の映画)

4.5

監督一本目にして、傑作をモノにするアルドリッチ、格好良い!
最後の観客席で喚くオヤジ共の熱狂とか、既に「ロンゲストヤード」の片鱗が見え始めてるし、バスで去ろうとした男が女の元に走り戻るショットの的確さ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

3.7

す、すげぇ。
1作目で確立した工藤D&市川のコンビが、2組の男女が撮影した廃墟の幽霊の真相に迫る・・・かと思いきや、怪奇現象の被害者女性の設定に謎があり、次第に都心を舞台にした規模の大きい怪異の一端を
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.1

会話の間や人物の初登場ショットを大事にするが故に尺が伸びがちな沖田修一映画だが、コレは良い方向に資質が出た映画では?
磯村勇斗らのヤンキーチームが遠くからスクーターでやってくるショットや、柳楽優弥と対
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.4

諸々惜しい部分はあるが、
某の夜明けとか、ワイスピジェットブレイク辺りよりは企画に熱が籠もっていると感じられ、何か嫉妬してしまった。 お話が始まった時点でヒロインの顛末が示唆されてる語りの構成と、
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ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)

4.0

若干(というかかなり)ウトウトしてしまったのが悔やまれるが、そこまで予算があるように感じられないだけに、全編不穏に突っ切れている画面が凄い。
窓越しに怪しい洋館を見詰める河野知美のショットが、室内から
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キャンディマン(1992年製作の映画)

4.0

街の幹線道路を真上から俯瞰で捉えたOPのショットが「都市伝説」の
「都市」の部分を強調するが、蓋を開けてみると低所得者層の住むヤバい住宅地が舞台というギャップ。
ヴァージニア・マドセン演じる主人公が向
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ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル(2019年製作の映画)

3.7

お久しぶりのアルフレッドソン。
若干ウトウトしたが、堅実に巧い画面捌きに引き込まれる。
屋根伝いに走る窃盗団の一員と、施設内部の様子を見に行く警備員をワンショットで収めたり、格好良い。
最初に失敗した
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

4.1

すっげぇ面白かった。
手持ちカメラのラフなアングルによって「リアルっぽさ」が強く出るんだけど、遠景の端に佇む長身の女とかは、画の計算がないと撮れないものだ。
工藤Dが「来た、来た、来た!」とか言う度に
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.3

その場にあるグラスやら何やらを投擲しながら戦う、車両の狭い空間を活かした殺陣は流石に格好良いし、何より真田広之に多く出番が振られてるのが嬉しい。
ただ、漫画みたいなキャラの説明をする為に都度都度列車に
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オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.9

主人公の撮った映画に似た体験をした女のインタビューをしにいったものの、どうやら彼女はカルトにかぶれてたようで・・・?
っていう筋書き、普通は女を信じるか?否か?で引っ張る所をもうワンカットのうちに怪異
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.3

冒頭、一切口を開かない男が夜の列車に乗り込み、暴漢に殴られ、記憶を失うまでの夜間ショットが滅茶苦茶格好良い。圧倒的な黒の質感。
紛れもなくカウリスマキの映画を観てると確信出来る。
引きの画で端々に映る
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

2.8

もっと「トレマーズ」を観てから撮らなきゃダメだし、絶対に長過ぎるし、
ジャンル映画より社会批評をしたいという欲望、寓意や喩え話を込めれば高尚になれるのではという欲望がシーンの端々に観えて、「まずモンス
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.5

そんなハズないのに、自然光や演出されていない風までもがフレーム内のドラマや人物の動きに合わせてくれているかのような幸福感に満ちた圧倒的な傑作。
一夏の思い出の輝きと関係性の推移にジタバタする男女の痛々
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スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.9

黒沢清に「活劇が撮れる」と言わしめたクローネンバーグ、実はあまり観れてない。これは観た気になってた映画。

超能力者の映画で、説明を諸々省き、睨み顔の応酬で負けた方の頭部が爆発、発火したりする描写で処
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劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えて(2022年製作の映画)

4.5

2022年ベストサブタイトル映画。
死線を超えた登場人物達の眼前に広がるのが、観客も共有し得る「今、踏みしめている地球」の美しさだとは思わなかった。
ラストショット、あの満点の星空(魚眼?新鮮なルック
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劇場版 Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛(2022年製作の映画)

4.0

ガンダムの作り手として、ひたすら真っ暗な宇宙空間のアクションを描き続けた作家が打ち出す映画だからこそのアクションシーンの更新がある。
何だかんだコロニーレーザーが定番だと思っていたので、カシーバ・ミコ
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劇場版 Gのレコンギスタ III 宇宙からの遺産(2021年製作の映画)

3.8

ぶっちゃけ「ヴィーナスグローブに行く前の重大情報の開示と小競り合い」ぐらいな内容に、ここまで混乱&白熱させられるのは凄いのか、踊らされてるのかわからん。
ベルリ&アイーダの出自を開示する室内で、始めて
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