説明するまでもなく、この映画が作られた頃はヒトラーはまだ普通にナチス・ドイツを率いて、ヨーロッパにその魔手を伸ばしていた時である。
世界の喜劇王が本気(マジ)で作った社会批判映画。
まだアメリカも>>続きを読む
「犯罪王リコ」「民衆の敵」と並ぶギャング映画の古典中の古典。
スタイリッシュさでいえば、前二作の比べものにならないほど素晴らしく、観賞後、しばらくはマシンガンの音が耳から離れない。
1930年代、>>続きを読む
やはりなんといっても屠殺業者チャンピオンでしょう。衝撃的でした。
それにしてもこういうクレージーなキャラクターをいくつも造形し、かつそれで群像劇を平気で成功させてしまう川島雄三って、やはり本当の鬼才>>続きを読む
ジャン=ポール・ベルモンドとフィリップ・ド・ブロカによるスタントなしの冒険活劇。よくもまあこんな危険なシーンを撮れたなぁ。
時代のせいかもしれないがどっかユルさもあるが、それを補完するような美しい撮>>続きを読む
綿密な強盗計画を企てた悪党五人組。計画は順調に進み、まんまと大金をせしめることに大成功するが、彼らはひとつ大きな誤算をしていた。
それは、あのババァ…もとい、あのマダムがいることを…。
洒落たウェ>>続きを読む
我が家では毎年8月14日の晩になると、この映画を流して、翌15日をむかえることにしてます。
鈴木首相(笠智衆)の「阿南くんはいとまごいに来たんだね」
この台詞が聞きたいが為に、何度も観ていると言っ>>続きを読む
黒澤明で一本選ぶとすれば、「天国と地獄」という人に何人かあったことがある。確かに今見ても桁違いに面白い。
ちなみに個人的に本作のベストアクトは藤原釜足。あそこにいたのは役者ではなく、もう焼却炉のおじ>>続きを読む
随分昔に発売された松田春翠による活弁バージョンが素晴らしい。
サイレントの場合、活弁がない方が想像を掻き立てるから良いとお考えの方もいると思うが、ちゃんと映画の肝を理解した人が喋ると映画がさらに何倍>>続きを読む
谷崎潤一郎がインタビューで(聞き手は淀チョーさん)、「イヴの総て」より「サンセット大通り」の方が好きだと答えている文章を読んだことがある。これは好みの問題だが、自分も本作のほうが断然好きだ。
急に話>>続きを読む
若きマーロン・ブランドの代表作であり、「ゴッドファーザー」でしかこの人を知らなかった私にとっては、まさか同じ俳優さんだとは夢にも思わなかった笑。
ヤクザたちが利権を貪る波止場を舞台に、ボクサーくずれ>>続きを読む
チャールズ・ロートンといえばすぐ「情婦」が出てくるが、本作品のロートンは凄い。何しろ動きにキレがあるのだ。
「情婦」のわすが三年前の作品とは思えぬほど、酩酊状態で階段をかけあがったり、壁にぶつかった>>続きを読む
あまりにも自国の軍隊を批判したストーリーであるゆえ、アメリカ軍から戦車や武器の借用ができなかったという曰く因縁つきの映画である。
今まで観た戦争映画の中では、本作ほど強烈な映画はお目にかかったことが>>続きを読む
クリスマスの夜に起こった奇跡の物語。
ご承知の方も多いが、この映画は公開当初は全く当たらなかったが、後年になってジワジワと人気が広まった作品である。
この映画を観て、どんなに辛かろうが自殺だけはし>>続きを読む
最初、この映画を観たときは本当に衝撃的でした。
1930年代、ギャング映画の帝王として君臨したジェームズ・キャグニーが、戦後再び、非情なギャングを演じた暗黒映画の大・大・大傑作。
と言っても昔演じ>>続きを読む
キャプラの最高傑作。
実は戦前の作品ではこれだけ脚本がいつものロバート・リスキンではなくシドニー・バックマン。のちにキャプラはバックマンこそ真の天才であったと回想するほどの才人でありました。
巨悪>>続きを読む
エミリー・ブロンテの大河小説(これが唯一の執筆だそうな)を1時間40分にまとめようというのが土台無理があったのではないか?ダイジェスト版とまでは言わないが、やはり駆け足で物語が進んでいく感じは否めない>>続きを読む
ハリウッドの大プロデューサーであるダリル・F・ザナックが若い愛人にフラれた腹いせに作った映画がこれだという話を聞いたことがある。
それだけの理由でこんな超大作を作ってしまうオッサンって一体…
ラスト>>続きを読む
ウディ・アレン監督作品でもっとも興行的に成功をおさめた作品だという。
狂騒の時代と言われた1920年代。第一次大戦で世の中に幻滅した若い世代が目指した場所がパリである。
そこには、ヘミングウェイ、>>続きを読む
この時期からハリウッドも回顧主義とまで言わないが、かつての黄金時代にスポットをあてた作品が多くなったような気がする(正確には本作はフランス映画なんだけど)。
余談だが、アカデミー授賞式でアザナヴィシ>>続きを読む
ウッディーとアンディの物語の集大成のような作品。一度決断したこととはいえ、それでも未練が残るアンディの微妙な表情のクオリティの高さ。
このシリーズは15年かけて、内容としても技術的にしても、CGアニ>>続きを読む
最初に言うが、本作は滅茶苦茶な内容であり、荒唐無稽でなんだいこりゃと眉をひそめる人がいても仕方ないと思う。
だけど、わたしはこの映画が大好きなのだ。いや、この映画をガキのときに観たから、わたしの頭が>>続きを読む
1970年代のハリウッドでは数多くのパニック映画が作られたが、この映画ほど、多くの支持をうけた映画は他にないと思う。
淀川先生に「私はこの映画を見るために生まれてきた」と言わしめ、談志師匠に「こうい>>続きを読む
一度はおいでよ♪第十七捕虜収容所♪
…みたいな和気藹々とした雰囲気が何とも楽しそう。無論、実際はそんな収容所があるわけないだろうが。
それまで珍しかった戦争捕虜を主人公を扱った作品であり、コメディ>>続きを読む
アメリカ映画協会が選んだコメディ100選で第一位に輝いた、まさに頂点のような作品。
中2だった私はこの映画を見てジャック・レモンに惚れまくり、中3でこの人の訃報にふれたとき初めて他人の死に深い悲しみ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
偉大なる脚本家兼監督ビリー・ワイルダーの代表作中の代表作。
大都会に生活する男女の恋物語を、甘く、可笑しく、そしてホロ苦く描いた名作であります。
色々な方がレビューで既に書かれているが、伏線のすご>>続きを読む
倉本聰の「やすらぎの郷」では、芸能人専用の老人ホームが舞台で話題を呼んだドラマだが、ずっと以前、戦前のフランスで似たようなシチュエーションの映画作られている。
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督による本>>続きを読む
是非父の日に、父親はお子さんと見て欲しい作品。
スペンサー・トレイシーというとヘップバーンとの共演作やスタンリー・クレイマー作品の方が有名だろうけど、これが最高傑作と呼んでも過言ではないと思う。>>続きを読む
初代ゴジラは、何度観ても必ず涙腺が刺激されてしまう。
炎にまかれ、我が子を必死に抱き締める母親
死の直前までプロとしてゴジラ進撃の実況を続けるアナウンサー
悠然と海へと戻るゴジラに「畜生…」とつ>>続きを読む
この手のジャンルでは「となりのトトロ」という金字塔があるのだが、本作は宮崎駿の下で修行していた片渕須直監督だけあって、ディテールの描き方が緻密。
舞台は昭和30年代の山口県防府市。中国地方というと、>>続きを読む
原恵一監督では本作品が一番好き。
テーマをセリフで説明しているきらいがあるが、中学生とその家族、そして同級生たちが交錯する心の機微を丁寧に描かれている。
にしても、佐野さんの声が宮崎あおいだと知っ>>続きを読む
異なる境遇(立ち位置)の男女が同じ空間に居合わせる。
片方は相手の素性を知っているが、もう片方は知らない。そうとも知らず、背伸びしようとする男に、結局壁を作る女。
クライマックスの感情の爆発は、雨>>続きを読む
新海監督の作品のなかで、一番評価が微妙な作品らしいのだが、個人的には普通に楽しめた映画である。
何故、評価が良くないのかというと、ずばりこれ。
あれもジブリ、これもジブリ。
なんか昔、ナウシカや>>続きを読む
小学生の時に両想いだった二人が、時が経ち、それぞれ心が離れていく様を、短編3話の連作構成で描いたアニメ。
新海誠独壇場の世界観であり、美学に満ち溢れた作品であるため、好き嫌いがはっきりするように思う>>続きを読む
2017年時点では、これが細田監督の最新作にあたる。ここらでもう一本、当ててほしいところ。
母親を亡くし、家出した少年がバケモノたちがいる不思議な世界に迷い込む。
そこで荒くれ者のバケモノ”熊徹”>>続きを読む
あまりに観客が観ているそのものをナレーションであらためて説明していることに無駄な印象を受ける。それにしても最終的に菅原文太のお爺ちゃんはいくつになるんだ?終盤出てこないし。
ちなみに雨くんの運命が変>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「時をかける少女」でアニメ映画の第一線に躍り出た細田守監督が次に手掛けたのが本作。
配給がワーナー・ブラザーズという急に大手資本が関わってきたなぁ。
しかし、神木隆之介、声が若いなあ。「君の名は。」>>続きを読む