髙橋佑弥さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

髙橋佑弥

髙橋佑弥

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ザ・ギャンブラー/熱い賭け(2014年製作の映画)

3.5

ワイアット流行ってるみたいなので再見。
由緒正しい古典SFシリーズの大作リブート=難物企画を成功に導いて一躍脚光を浴び…誰もが待ち望んだ次回作がコレって時点で狂ってる。しかも演出の手つきも変な野心ゼロ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.0

手数と速さで誤魔化してはいるけれど、出来は相当微妙。基本『スーパーバッド』下位互換。演出冴えず、既成曲大量投入は単純に下手。某作の空港感傷別離を揶揄する終幕は、作家の力量が別格過ぎて墓穴でしかない。で>>続きを読む

間違えられた男(1956年製作の映画)

4.0

特出して異様なヒッチコック。前半の複数ショットの規則的反復、顔/主観の執拗な往復つなぎ…後半急に精神崩壊妻がすべて持っていくあたりも込みで歪すぎる。まったく快方に向かいそうにないラストの妻→「2年後、>>続きを読む

五毒拳(1978年製作の映画)

3.5

実力的には最強と思われるMr.ガマ拳の急転直下な志半ば無念死展開がシビア過ぎて呆気にとられた…

2020/08/27

真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

1.5

劇場でかかっているので見たが…正直"名作"評価は疑問符。明らかに仕込み風の"画になる"特定の被写体複数名がやたら何度もインサートされるのもシラけるし、どう見ても別の曲を口ずさんでいるように見える観客を>>続きを読む

囚われた国家(2019年製作の映画)

2.0

カット割りすぎ/ショット過剰な上に、画面は忙しない割に話運びの腰は重い。計画=行動原理の提示不足で緊張/興味の持続を維持できない。前半1時間弱の"弟"パートは舞台設定説明に終始…で苦痛。後半やっと着火>>続きを読む

呪われた者たち(1963年製作の映画)

4.5

ロージーにSFの印象は全くないが…いやはやだからこそ可能だったであろうド傑作。絶えず二要素が拮抗しつつ進む…

・『別冊映画秘宝 絶対必見!SF映画200』 (洋泉社) で長めのレビューを書きました。
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ジュ・テーム、ジュ・テーム(1968年製作の映画)

4.0

アラン・レネの時間SF。取り返しのつかない過去、終わってしまった愛の残像、尽きぬ悔恨…追体験するだけで何も変えられないという地獄の時間旅行。

・『別冊映画秘宝 絶対必見!SF映画200 』(洋泉社)
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ミラクル・マイル(1988年製作の映画)

5.0

会話なき男女の共鳴が横移動で示されるオープニングクレジットから既に凄すぎる。からの「あの…こんにちは」運命の恋!ダイナー前のキス!『重力の虹』要約本!公衆電話!現実離れした終末危機とリアルな切実さの完>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

再見。『セインツ』『A Ghost...』ほどの並外れた冴えはないが、代わりにテクニカルな職人的"語り"がある。強盗/聴取/ダイナー/脱獄/バックファイアetc、男女の間で机の上を滑り交わされるメモは>>続きを読む

赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道(2010年製作の映画)

4.0

傑作。全50話のアニメ版の1〜6話を再編集した劇場版。孤児院から手違いでやってきた子供を、大人ふたりが「このまま置いておくか/否か」決めるまで…というだけの約二日間。尺の三分の一は馬車での移動のみで占>>続きを読む

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

3.5

‪再見。これも中黒ナシ/半角アケ題。話は誘拐映画だが、本質は疑似父子の旅モノ。車と銃と父子関係と赤…思わず『理由なき反抗』を想起したりも。致命傷でも声量抜群コスナー…背中をあずける木の幹が良い。とはい>>続きを読む

スペース カウボーイ(2000年製作の映画)

3.5

再見。
中盤までが最高すぎて、"スペース"パートが蛇足に感じるという変な宇宙映画だけれど、この脇の甘さ…というか"いい加減さ"みたいなものは意識的な"ハズし"選択な気がする。楽しすぎる前半部から、すで
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アウトロー(1976年製作の映画)

4.5

再見。"復讐"で駆動し始めるが本質は旅モノ。旅の道行ではぐれ者たちが絶えず合流し、最終的には擬似家族的コミュニティになる。吐き出された黒色唾でさえ百発百中の銃使いイーストウッド…『荒野のストレンジャー>>続きを読む

荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)

3.0

監督二作目とは思えぬ異様さ。西部劇の姿を借りた恐怖映画という方が実態に近い。男は銃弾で、女は性欲で屈服させる主人公の人物造形に唖然。後年の『ペイルライダー』と大筋こそ共鳴しているが、核は大きく異なる。>>続きを読む

ダーティハリー4(1983年製作の映画)

4.5

再見。シリーズ唯一の監督兼任作にして異色篇。多用される空撮、クロスフェード、そして視認を妨げるほどの暗闇画面…夜の映画。男三人に追跡され半殺し級に殴られ続けるソンドラ・ロック…この容赦なさ。最も恐ろし>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ71(2017年製作の映画)

3.5

すごく良い。前後編二部構成の力作「瑕疵」における筋立ての面白さ/要素の贅沢さも印象に残るが、特定の個人の視覚認知にだけ影響がある…という最早SFな「かくれんぼ」にこそ一番やられる。人間がしゃがむことで>>続きを読む

フリーウェイ/連鎖犯罪 逃げられない女(1996年製作の映画)

4.0

海外の"男女逃避行"記事で紹介されていたから投げ売りされていたDVDを買っておいたのだけれど…全然違えじゃんか馬鹿野郎!でも面白すぎるので良しとする。とにかく清々しく景気良く、前へ突き進み続ける展開の>>続きを読む

ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

2.0

"ディック・ロング"とかいうから最初は『ブギー・ナイツ』的な巨根物語かと思ったが…全然違った。正直なところ、映画としてはとりたてて見るべきところがない。物語の変テコさすら前作から大きく劣る。

警察描
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ベルリン特急(1948年製作の映画)

4.0

列車×暗殺…題材から、ついこないだ見た アンソニー・マン『高い標的』を想起してしまうが、身分隠匿が重要な筋書や、車窓の反射が活きるクライマックスなど、似通う点は多い。前半の爆破暗殺…クール。地下アジト>>続きを読む

センセイ君主(2018年製作の映画)

3.0

公開時散々言及しておいて…やっと二年越しに。予告のフリ切れた"前衛"でなく、実は真っ当な正統的"スター映画"。さほど興味の持続を促す内容がないはずの104分間を、主演の浜辺美波(顔面力!)が魅せ続ける>>続きを読む

ブロンコ・ビリー(1980年製作の映画)

5.0

再見。午後ローにイーストウッド教育を施された身としては、確実に一度ならず見ているはずだが…1ミリも覚えておらず実質初見。随所で強調されるワイルド・ウェスト・ショー="西部劇"劇であるという虚構性の切な>>続きを読む

殺人蝶を追う女(1978年製作の映画)

2.5

初ギヨン…微妙…。『下女』や『高麗葬』等の"代表作"を見ないことには何とも言い切れないし、きっとそれらは面白いのだろう(と思いたい)が…本作のみから受けた印象…全然"巧い監督"ではない…?奇天烈展開と>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.0

周囲の流れに乗って、見始め…確かに面白い。
工藤>>>口裂け女…ホームレスのくだりが一番いい。最初の現場検証中に現れる、キキキキキ…と音が煩いチャリが良い感じに存在感を放ってて最高。この尺なら通勤の往
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ペイルライダー(1985年製作の映画)

5.0

再見。超常西部劇。無敵幽霊牧師や殺戮保安官七人衆などの劇画的人物造形に目が行きがちだが…そのじつ"傍観者"たちの映画でもある。二つの町、どちらも暴挙が進行するなか被虐当事者以外は全編一貫して見ているだ>>続きを読む

ヒッチ・ハイカー(1953年製作の映画)

4.5

「蓮實重彦が女性監督映画ベストで一位にするのはいくらなんでも流石に…」みたいな声も知人から聞いたが、いざ見てみたら…マジでやばい傑作。
開幕4分、台詞が全くないなか、カットを連ね、二回のヒッチハイク殺
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望まれざる者(1949年製作の映画)

3.0

当初監督予定クリフトン名義ママ、急病代理によるクレジット辞退無署名…なアイダ・ルピノ初監督作。恋人に求婚されたが、前恋人時の妊娠発覚…"未婚の母"題材。車/バス/電車(模型)/メリーゴーランド…物語を>>続きを読む

ハニーボーイ(2019年製作の映画)

2.0

別に面白くないけれど、ラブーフ父親のキャラが自分の父親とそっくりすぎる…キツかったけど影響は大いに受けました、父上。

2020/08/08

ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

4.5

デ・パルマのキャリアの中でも、冗談抜きでベストワーク級だと思う。これぞ形式主義という感じ…極まれり。今年ベスト。

2020/02/14

エージェント・マロリー(2011年製作の映画)

4.0

ソダーバーグだと思ってナメてかかると…マジで面白くてビビること請け合いの傑作。既視感しかない展開を過度に複数連結させる作劇、見せ場のアクションを超絶体技女優起用×異様撮影で即物提示…批評的洞察映画。女>>続きを読む

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

3.5

面白い。観客に"計画"を把握させない強盗映画。最近のソダーバーグ(特に『エージェント・マロリー』以降?)はマジで侮れない。

2020/02/16

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

2.0

クリント「ただ撮ってるだけ」イーストウッド、省エネ演出極まれり。凡百の"良作"よりは楽しめるとしても近年の監督作では最低部類。主人公の状態を反映させているにしたって流石に…長い、暗い、遅い。冗長/鈍重>>続きを読む

バーガンディー公爵(2014年製作の映画)

4.0

知人から相当辛辣な感想も聞いてはいたので期待していなかったが、めちゃ良かった。おそらく参照項はジェス・フランコ。 フェティッシュなテクスチャーの映画であり、愛し合う"赤の他人"同士が共生することについ>>続きを読む

THE COCKPIT(2014年製作の映画)

4.0

MPCで音を組み合わせてメロディにしていく過程/レコーディング音源をPCで曲にしていく過程…映画"編集"作業と共鳴。何度も繰り返される、「あぁ間違えた」→やり直し...は演技と同じ。"テイクを重ねる">>続きを読む

ハースメル(2018年製作の映画)

3.5

破滅的女性パンクロッカーの崩壊と再生。楽屋で主人公が狂気──ありとあらゆる人間への暴力暴言、あるいは独りでの虚言や奇行──を炸裂させる混沌場面が尺の大半を占め、見る者に絶えずフラストレーション>>続きを読む

クイーン・オブ・アース(原題)(2015年製作の映画)

4.5

ロス・ペリーの長編第四作目。
湖畔で過ごす女ふたりの友情は、暴走する自意識/自己愛、染み出すパラノイアによって腐食する… ファスビンダー影響下(※1)"崩壊した女の映画的世界"系譜において、血統書付の
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