髙橋佑弥さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

髙橋佑弥

髙橋佑弥

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ユー・アー・ノット・アイ(1980年製作の映画)

3.5

J=M・ストローブ絶賛作。精神病院脱走妹の帰還。変テコ映画。延々歩き通し場面が続いたと思ったら、大して遠くに行ってなかったりする…謎の位置関係/距離演出。フェンス婆さん二人のショット、そんなにいる!?>>続きを読む

静かなる男(1952年製作の映画)

5.0

格安DVD&配信の劣悪画質に怯んで手が出ず、恥ずかしながら今更の初見だが、本当に待ってよかった。全編バキバキな画面。ロングショットは特に完璧。映画史上最も美しい散歩から自転車の疾走へ。見てるだけで楽し>>続きを読む

荒野の女たち(1965年製作の映画)

3.5

"荒野の"などと謳っているが、本質的には室内劇。コレラ映画でもあり…コロナ時代のいま見るのは期せずしてタイムリー…「手は洗った?」。門/扉、開閉の映画。狂信者マーガレット・レイトンの清々しいほどの役立>>続きを読む

ボー・ジェスト(1939年製作の映画)

3.0

変な映画。話は少々粗いが、演出ガンギマリ。病的なまでに執拗に繰り返される扉開閉/階段昇降がすごい。後半の砦パートは、カメラが一度も外へ出ず、同じ展開が部隊壊滅まで反復される閉塞徒労感。転げ落ちる次男&>>続きを読む

バブル・ボーイ(2001年製作の映画)

3.5

最高に楽しい。文字通り"殻を破る"ことがゴール…度を超した喜劇版戯画化『卒業』。社会不適合フリークス、異文化探訪…要素爆盛り。理屈皆無腕力展開の連続…から一転、律儀過剰伏線回収が暴力的な脚本…アナーキ>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

3.0

48分とタイトな尺ながら、演出が概ね"反復"で成り立ってい"過ぎ"るだけに途中弛みも感じずにはおれぬものの、同棲する若い男女の蜜月から不和までの変遷を言葉なく、環境音の実験を主として描く…という手法の>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.0

すごく教育的な映画だと思った。マジ。帰りたい時はすぐ帰りましょう。行きたくない"お付き合い"には行かぬよう。"反復"は時/場所/人が違えど、大して変わらぬ飲み会の不毛に見える。不条理箱庭化された"参加>>続きを読む

Imperative(英題)(1982年製作の映画)

4.0

82年作『imperative』。ザヌーシの講演(動画)内で参考上映された抜粋映像だけ見たけど、超面白そう。雪降る朝、窓際に腰掛け「窓から飛び降り、裸で雪の中に繰り出したい」とこぼす若き数学教授の男と>>続きを読む

刺青一代(1965年製作の映画)

4.0

後続ショットの予測不能性が突き詰められた繋ぎ、虚をつくインサート…超絶卓越した"編集の映画"だが、やはり白眉は終盤の討入展開。豪雨、照明、傘入手、刀入手…"横スクロールアクション"!ブチ上がる。頻出す>>続きを読む

救命士(1999年製作の映画)

4.0

命を救えず病んだ救世主の地獄の三夜(...と三人の相棒=バディ映画3本連結)が度を越した喜劇として描かれる。躁と鬱の唐突過剰なスイッチ。職業は救命士だが、本質は"スーパーヒーロー"映画。"スーパーマン>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

2.0

笑えはするが、明らかに失敗作。執拗な繰り返し云々…も"面白味"として汲み取ってもらえるのはジャームッシュだからこそ。ある意味、これ以上なく"作家の映画"。誰が作っているのか知った上で見に来た人─の一部>>続きを読む

決闘高田の馬場(1952年製作の映画)

4.0

泥酔へべれけ状態のなか、窮地に陥る叔父のため、水をがぶ飲み、走り走ってひた走り、大立ち回りを披露して…という怒涛見せ場もさることながら、その後のラストにこそ泣く。湧き立つ群衆に囲まれ、画面の真ん中でひ>>続きを読む

言い知れぬ恐怖の町(1964年製作の映画)

4.0

『ホット・ファズ』や『ツイン・ピークス』なども想起することができそうな、閉鎖的コミュニティ=村にやってくるヨソ者=都会刑事…のアウェイ捜査話。とにかく人物造形が総じて最高。"伝承"に怯える住民たちの描>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.0

めちゃ良かった。"金欠映画"の傑作。尺が135分もあるくせに借金取立と金策しかない。"夜の映画"として素晴らしかった『グッド・タイム』は些かライド感に頼りすぎな作劇だったが、今作はその点もクリア。退路>>続きを読む

ドヴラートフ レニングラードの作家たち(2018年製作の映画)

1.5

明確に駄目。
劇場売店で委託販売されていて、在庫稀少ドヴラートフ著作×2が手に入ったのが一番の収穫。

2020/06/21

ボブ・クレイン 快楽を知ったTVスター(2002年製作の映画)

4.0

主演TVの名声を得て、sex中毒になった俳優の下降キャリア&人生。下世話な『ワンハリ』…しかも実話。つるむ悪友はスタントマンでなく元SONY営業マン…一緒に見るのは出演作でなくハメ撮り自家製ビデオ…染>>続きを読む

君と別れて(1933年製作の映画)

4.5

イマジナリーラインなんて知らんとばかり積極的にカット割りまくる成瀬(28歳)。ドリーイン&アウト撮影ノリノリ多用に若さを感じるが、空間内でのカメラ位置推移は既に"らしい"。会話場面の最中に、窓外/橋外>>続きを読む

ガラスの動物園(1987年製作の映画)

4.5

"口承"の映画。エピソードを可視化するでなく、"語ること"を見せる。話を"聞かせる"と共に、語り手の性格/思考/解釈が振舞=アクションとして提示される。卓越した演技と人物配置/空間設計を同時に捉えるバ>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.0

巧みな映画では断じてない。噂のリプチンスキー"超絶撮影"はエキセントリック先行でしかない。実態は、全編行き当たりばったりで考えなしで、忙しなく、ひたすら闇雲に突き進む、"綿密計画"殺人衝動男の、絶えず>>続きを読む

殺しのベストセラー(1987年製作の映画)

4.5

抗い難い"場所"の魅力に溢れた映画。運命共同体"的に同じ乗り物で移動し、肩を並べて歩きつつ話す二人…基本は男二人が取材の為に"場所巡り"をする話だが、後半は様々な状況=場所での、空間設計を活かしたバリ>>続きを読む

危険な女(1946年製作の映画)

1.5

理想の伴侶と結ばれた幸運を信じきれず誘発される疑念×3、伝染するパラノイアの映画…もはやループもの。回想内回想内回想が見所。回想内主導権がどんどん移り変わっていく辺りはピンチョンみたい。室内とは思えぬ>>続きを読む

戦慄の調べ(1945年製作の映画)

1.5

『危険な女』よりは幾分かマシだが、結局のところ大半の展開はパターン化した繰り返しで陳腐。印象深いのは主演男優レアード・クリーガーの強烈顔面で、むしろそれで全編"保ってる"感。特段酷い映画ではないけれど>>続きを読む

定職/就職(1961年製作の映画)

4.5

傑作。人生ベスト。もはや恐怖映画…やるせなさすぎて泣く。就職後でありつつ"定位置"を得る前…という最後のモラトリアム=執行猶予。中盤に描かれる先輩社員たちの人生が示す、主人公の未来(の可能性)…。机を>>続きを読む

今晩おひま?(1959年製作の映画)

4.0

ユスターシュ初期二作を彷彿とさせるナンパ要素+男二人の深夜徘徊。"ナンパ"という主題を象徴するかのように、基本的に本作でのフレーム内は"定員二名"の演出が徹底されている。1・1→2、3は1・2、4→2>>続きを読む

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