bennoさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

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蝿の王(1963年製作の映画)

4.0

無人島に漂着した少年たちのサバイバルストーリー。
原作者はイギリスのノーベル賞作家ウィリアム・ゴールディング、あのスティーヴン・キングも絶賛したと言います。

『十五少年漂流記』とは似て非なるもので、
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.4

失語症になった女優エリーザベットと共に海辺の別荘で共同生活を送る看護師アルマ。
彼女たちの精神の融合を描いていきます。

自分自身の姿を自分で見る幻覚…いわゆるドッペルゲンガー現象を上手く使い、人間の
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.9

詩人でもあるビー・ガン監督の第2作目。

主人公は父親の死を機に故郷の凱里に戻ってきたルオ・ホンウ。
彼は自分を捨てた母親、マフィアに殺された幼馴染の"白猫"、femme fatale の緑のドレスの
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.8

中国の田舎町、凱里市の小さな診療所の医師チェン…彼は老女医の願いを叶えるため、また何処かへ預けられたという甥ウェイウェイを連れ戻すために旅へ出ます。
そして彼が辿り着いた"ダンマイ"という所は時空の歪
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晩春(1949年製作の映画)

4.5

結婚を巡る父と娘の物語。

大学教授の周吉は妻を早くに亡くし、鎌倉で娘、紀子と二人暮らしをしています。
父を置いての結婚をなかなか考えようとしない紀子に、周吉の考えた策とは…

テーブルに椅子、ゲーリ
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バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

3.6

主人公エヴァンが、過去に戻り、出来事を書き換えるというタイムリープもの(ループものではなく)。
まーそこまで拘らなくとも…タイムトラベルものです。人生のif-storyを簡潔に描いていきます。

タイ
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男と女(1966年製作の映画)

3.8

あまりにも有名過ぎて…曲も有名過ぎて…
…でも、これが初見!

お互いパートナーを亡くし、子供を持つアンヌ(アヌーク・エーメ)とジャン(ジャン・ルイ・トランティニャン)、王道のラヴストーリーです。
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プリシラ(1994年製作の映画)

3.7

ドラッグクィーン3人のロードムービー。

"ブリシラ号"というバスでシドニーからオーストラリア中部へ…砂漠の真ん中にあるリゾート地でショーをするため3000キロの旅へ…

素のフェリシアは美形だし、バ
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ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

4.9

A.タルコフスキーの処女作。

バイオリンを習っている少年サーシャはある日、いじめに遭っているところをセルゲイという青年に助けられます。
そして、階級、年齢の差を超えてふたりは心を通わせていくことに…
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彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

3.6

幼い頃から親友関係だったローラとクレール。
ローラは赤ちゃんと夫ダヴィッドを残して亡くなります。
心配して様子を見に立ち寄ったクレールが見たものは…ダヴィッドが女装して赤ちゃんをあやしている姿。

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コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

4.4

舞台は超高級フランス料理店"ル・オランデーズ"。
この店の一番の顧客は、泥棒アルバートとその一行。
前代未聞、傍若無人で極悪非道…ここまでの胸糞男は、そうそういません。
同行する妻ジョージーナはそんな
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気のいい女たち(1960年製作の映画)

3.7

パリの小さな電器店で働く4人のパリジェンヌの姿を描く群像劇(?!)

フィアンセがいながらも、束縛を嫌うジャンヌ
夜は内緒で姿を消すジネット
恋人の両親に失望するリタ
一番若く大人しいジャクリーヌ
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アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

3.8

J.デップ×V.ギャロ×E.クストリッツァ監督
…となれば…絶対観るでしょう!

主人公アクセルは叔父の結婚式のためにアリゾナへやって来ます。
そこで様々な夢を抱いた人物たちと出会います。

キャデラ
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東京物語(1953年製作の映画)

4.4

90年代生まれの私にとっては、小津安二郎監督を始め俳優陣も全て未知との遭遇。

人物の台詞回しや間の取り方は、カウリスマキ。
船の往来や列車の走行、はとバスの車窓からの景色は、ヴェンダース。
様々な海
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ローラ(1961年製作の映画)

3.6

フランスの港町ナントが舞台。
キャバレーの踊り子として生計を立てるシングルマザーのローラは、7年前に姿を消した恋人ミッシェルの帰りを未だに待ち続けています。
ある日、彼女は幼馴染の青年ローランと10年
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

18世紀初頭のイングランドを舞台にした宮廷ストーリー。

ただこの時代ですと、どうしてもキューブリックの『バリーリンドン』を想起してしまいますが…
とても美しい当時のロココ調の宮殿も忠実に、どこを切り
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ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

3.2

南インド、ケーララ州のジャングルの奥地にあるとある村。
冴えない肉屋の男アントニのところから1頭の水牛が脱走しました。
村人たちは慌てて追いますが…暴走機関車と化した水牛。商店や銀行を破壊し、タピオカ
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ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

3.6

クストリッツァ監督が描く世界は陽気でハチャメチャ。でも、その根底には、悲惨で哀しい戦争というものが常に内在しています。

舞台は、ボスニアの小さな村…いつもノー天気な鉄道技師ルカが主人公です。
彼は妻
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ハイヒール(1991年製作の映画)

3.4

母と娘の確執に殺人事件というサスペンスが加わったストーリー仕立て。

先ず、タイトバックがメチャメチャお洒落✨で期待値が上がります⤴️

とにかくfashionable ?!
母に追いつこうと背伸びを
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

5.0

ロシアの"映像の詩人"と言われるA. タルコフスキー。ド・ストライクの作品を見つけてしまいました。冒頭から、もう釘付けです。

全体は、カラーで描かれる"精神"を失った現代イタリアと美しく幻想的なモノ
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ミュージックボックス(1989年製作の映画)

4.0

ユダヤ人虐殺犯としての疑いをかけられたハンガリー移民マイク・ラズロ。
彼の弁護を受け持ったのは、娘である女弁護士アン。
彼女の葛藤と、事件の裏側に潜む真実を描く法廷サスペンスです。

父親を信じて闘う
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トラベラー(1974年製作の映画)

4.0

サッカーの試合を観戦するために悪戦苦闘する少年カッサムのおかしくも切ない冒険物語。

…とは言ってもこのカッサム、一筋縄ではいかない相当の悪ガキ!ジャケ写のしてやったり顔もなかなかのものです。

サッ
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ポネット(1996年製作の映画)

4.0

愛する母親の死に直面した4歳の少女が、"死"と向かい合いながら乗り越えていくまでを温かい眼差しで描いていきます。

4歳の少女を演じるV. ティヴィソルが圧巻。
客寄せパンダ的な子役ではなく、彼女は4
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キカ(1993年製作の映画)

3.4

『変態』と受け取るか『人間讃歌』と受け取るか?

アルモンドバル監督の初期の作品で『トーク・トゥ・ハー』とは趣きが異なりますが、時間軸や極彩色の使い方は、らしさも存分味わえます。
個人的には、フラメン
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おとなのけんか(2011年製作の映画)

4.0

ロマン・ポランスキー監督作品…初期3部作や『ローズマリーの赤ちゃん』とは趣きが全く異なった、One situation comedy.

子供のけんかを解決するために集まった2組の夫婦。
双方は最初は
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.4

家族と過ごす感謝祭の日…平穏な田舎町で幼い少女ふたりが失踪します。

緊迫感のあるサスペンスではありますが、アメリカの歴史や思想、特に宗教観が大きく関わっている作品であるため、それらの知識を知れば、も
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.8

1985年のフランス、進路に悩む16歳の少年アレックスは自然体で飄々とした18歳のダヴィッドと出会い、惹かれ合います。
そして「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てま
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マドモアゼル(1966年製作の映画)

4.2

J. モローということでchoice
そしたら…ジュネ×デュラスのダブルパンチ!
これ程、屈折した淫靡臭は無いだろうと、ワクワクします。なんせジュネは男娼にして泥棒…しかしその文才はサルトルやコクトー
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セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター(2014年製作の映画)

4.7

写真家であり冒険家でもあるブラジル生まれのセバスチャン・サルガド。
『神の眼を持つ写真家』と言われています。

彼の"盲目の女性“という写真に魅せられた、映画監督であり写真家でもあるヴィム・ヴェンダー
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.6

満を持して…『ラドクリフ君のオナラジェットスキー』🏄‍♂️💨💨💨

改め…『スイス・アーミー・マン』です。

一家にひとつはあるであろう(?!)スイス・アーミー・ナイフ!因みに私は持ってますが、色んな
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.5

コンピューターで世界を支配する大企業の天才プログラマー、コーエンは謎の数式『ゼロの定理』の解読に日々悪戦苦闘しています。

初めは人間らしい欲望もなく、ロボットのようなコーエンでしたが、ボブやベインズ
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インクハート/魔法の声(2008年製作の映画)

3.4

本を朗読すると本の中のキャラクターを現実に呼び起こせるという特殊な能力を持つ主人公モー。
彼と娘のメギーは家族を救おうと『闇の心(インクハート)』という本をめぐり奮闘します。

子供の頃に誰もが夢に見
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.8

Un plus un… ça fait deux.
Un plus un, peut-être faire un?

Un plus un… ça , peut-être faire un.

  
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DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

4.0

"悪夢のような映画だが、目が離せない。すべてのシリーズを追いかけずにはいられない"という評判通り、とても後味の悪い作品ですが、今後のシリーズ化がどんな展開になっていくのか楽しみでなりません。

壮大な
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さすらい(1975年製作の映画)

4.3

ヴィム・ヴェンダースの『ロードムーヴィー3部作』の最終作。
今作が最もロードムーヴィーらしく、『都会のアリス』も良かったですが、3作中では一番好き!

「昔のことは聞きたくない」と言う映写機の修理をし
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まわり道(1974年製作の映画)

3.6

1作目を観てからだいぶ日にちが経ってしまったので…今日はヴィム・ヴェンダースの日!『ロードムーヴィー3部作』の2作目です。

多くの哲学者を産んだ、『哲学の国ドイツ』
ヴェンダース哲学発揮です!

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