それなりに良くできてはいるのだけど、暴力や破壊への衝動を礼賛するチンピラ根性ベースなのが、退屈。古臭い。
冒頭のグラグラ揺れるスマホ動画は不快。バストアップに固執したかと思えば跪いたり、俳優にカメラ>>続きを読む
スリランカの内戦を描いた映画なのかと思いきや、舞台はフランスへ。その生活も「負けず劣らず危ない」という展開になるに連れ、口あんぐり。難民に危険な仕事を斡旋するのが現実だとしたら、フランスやば過ぎだけど>>続きを読む
『嵐が丘』の舞台ともなった僻地を背景としているため、現代劇でありながらも、どこか「ひと昔前」の雰囲気が漂う(いまどきローションなしだなんて…w)。
「ほぼノンケ生活」で垢抜けないジョニーと、いかにも>>続きを読む
基本的に、脚本の内容やキャラクターたちの性格に共鳴はするものの「またこーゆーのなんだ」と、鼻白んでしまうのも事実。
どうしても台詞メインとなってしまう作風だが、照明や舞台美術、そして美粧も軽く標準を>>続きを読む
異様な設定の物語として、今観ても充分に刺激的。
集団心理を皮肉っているのは明らかなのだが、ブルジョワジーの豪邸内の舞台美術は豪華で、男女とも美しく魅力的な俳優たちの、一挙手一投足に目を奪われっぱなし。>>続きを読む
カンヌで高評価を受けた作品らしく、虚飾を排した演出。俳優たちの演技もナチュラルで、制作陣の取りまとめ能力は極めて高い。
伝統的な養蜂業をリスペクトしているようでありながら、内部の不調和で先細りになって>>続きを読む
数ある娼婦映画の中でも非常にユニークで、ブルック・シールズの存在と周囲の英断がなければ撮れなかったことは確か。
成人後は大した作品に出ていない彼女の代表作と言えそうだ。
まだ発育していない胸や尻を惜し>>続きを読む
一風変わったバディ映画で、舞台では絶対に再現できないロケ撮影の迫力が横溢。危険な船(筏)上シーンへ果敢に挑んだ、ふたりの俳優のタフネスがすごい。
アメリカ人は個を優先、どちらかというといきあたりばっ>>続きを読む
クローネンバーグの初長編作で、当時のカナダでは珍しかった独立系映画。
アイディア面で後年の『エイリアン』に与えた影響も大きいそうだが、個人的にはジョン・ウォーターズの映画を観ているような感覚に襲われた>>続きを読む
「救いがない」というのは本作の前評判だが、同じ予定調和でも「感動的」、「泣ける」といった前評判よりは、なんぼかマシ。
禍々しいショウビズ・バビロンエピソード満載のドキュメンタリーで、『ボヘミアン・ラプ>>続きを読む
ロックを含む世界中のポップミュージックを掘るために、かなりのお金と時間をかけてきた私がクイーンを素通りしてきたのは、ひとえに彼らが「70年代ロックを代表する存在」であり、しかも「バンド」だったから。>>続きを読む
「ダメオヤジを再評価する」が本作のテーマ。虐げられた人にスポットを当てているという意味で、最早マイノリティ擁護の映画と呼んで差し支えないかも。
現実的なエピソードを多数取り入れてはいるが、展開は総じて>>続きを読む
企画ありきの脚本で、動機づけは特に甘い。
シリアス部分は「家族愛」に「コンプレックスの克服」という、誰でも共感できる要素で賄っている。
致命的なのは、ダンス文化へのリスペクトのなさ。ステージ本番まで>>続きを読む
監督唯一のミュージカル(ブロードウェイヒット作の映画化)だと思うが、オールセットで書き割り感満載。NYのワルたちを脚本に取り込んでいるものの、リアルさも深みもない所詮娯楽作品。
ロマンティックな印象>>続きを読む
「アンジェイ・ワイダのナチスもの」と聞くとつい構えてしまうが、80年代の作品で製作にフランスが絡んでいるからなのか、ヌーヴェルヴァーグ調の淡々とした展開。焦点は「戦中の女たち」に当てられており、濡れ場>>続きを読む
基本的には脚本が要となっている作品だが、現実、過去、そして妄想の場面を駆使しながら、登場人物の心理を巧みに伝えていく。
セクシュアリティだけでなく、人種、そして世代間の断絶というテーマが含まれており、>>続きを読む
富裕層の艶笑ものを描かせたら、他国の追従を許さない60年代イタリアの佳作。
後半に連れ展開はハードになり、皮肉なラストを迎える脚本も面白い。
舞台美術の洒脱さはもちろん、見事な画角にも時折ハッとさせら>>続きを読む
過去にしがみつきながらも旧世代に失望し、なおかつ国外への逃避にも懐疑的な、当時の台北気質を描写している。それゆえ、どんよりと閉塞した雰囲気が終始付きまとう。
葛藤する「世代の良心」ともいうべき主人公>>続きを読む
主題は「インド社会に根付く性差別と、女性の社会的孤立」と重いだけに、アジア映画特有の、ベタベタとした予定調和演出が却って救いに。
また場面場面を力強く独立させるテクニックに長けており、エンタメ映画大国>>続きを読む
ホームドラマとは言っても、まだ若い夫婦の間に生じた抜き差しならぬ不信感を扱っており、ピリピリとした緊張が漂う。
また「サラリーマン無常」というサブテーマをしつこいほど並走させているため、全体のトーンは>>続きを読む
脚本重視でオーソドックスに進むが、見せ場は多いので退屈はしない。
本作の公開前にも、このテのギャング映画はあるはずなのだが、ここまで名作扱いされているのは役者が魅力的で、ヒューマニスティックなイタリア>>続きを読む
女への階段を登り始めた少女の儚い美しさを前面に押し出しており、処女喪失の危機やセックスの誘惑が全編に伏線として張り巡らされている。
しかし対比として老醜や悪魔を配置せずにおれない欧州的な感性、SM的残>>続きを読む
劇中で起こる事件に関し、最低限の時間は割いているものの、あくまで愛情バランスが崩れた夫婦の心理を追っている。
とは言えベタベタとしたセンチメントに流れるわけではなく、自身の衝動的な行動に呆然としながら>>続きを読む
とても面白い題材を扱った、見応えあるドキュメンタリー。
本人が望んだことなのか、それとも任された仕事を真面目にこなしていたただけなのかはわからないが、いつの間にか一流のエクソシストとなってしまったシチ>>続きを読む
監督の初長編作のようで「娯楽作品に徹しよう」という意図だけは伝わってくる。魅力的な俳優をキャスティングして、凝った撮影技術を用い、多くの時間とお金かけているだろうに、「言いたいことは、特にない」という>>続きを読む
日本なら学生運動、中国なら天安門事件、そしてイタリアならレジスタンス運動とまとめてしまいたくなる「されど我らが日々」な物語。
とは言え陽気でユーモラスな演出が冴えており、軽快に、そしてやや感傷的に楽し>>続きを読む
親世代はプロの役者で、子世代はプロのダンサーというキャスティング。脚本的には大して重要でないミハイル・バルシリコフの踊りに充分すぎるほどの時間を割いている。監督は後年もダンスものを多く撮っているため、>>続きを読む
トランプ政権が孕む根源的な悪を、監督ならではの行動力で暴こうとしている。しかし監督の地元・フリントで起きている悲劇のレポートと、スナイダー知事やオバマ前大統領への糾弾に長尺を割いているため、攻撃の的が>>続きを読む
独特の照明/色彩感覚、静の強調、そして強い演出力で統率された作風などは相変わらずなのだが、今回はとにかく「中東の山田孝之」とでも呼びたいシェルワン・ハジのチャーミングさに、目を奪われっぱなし。内心に怒>>続きを読む
ここ5年間で量産されたファッション系ドキュメンタリーのひとつだが、販売の場であるデパートが舞台なので、全体的な印象はやや品下るといった感じ。自信満々な関係者も何人か登場するが、その根拠はとどのつまり、>>続きを読む
娼婦映画で群像ものだが、根底には男目線があり、女性映画ではない。このため全体的なトーンは陰鬱で、中には血塗られた残酷描写も。時代と逆行する作風を推し進めるためか、幻想的な演出も取り入れられている。
娼>>続きを読む
中盤まで「ゆれる尼僧物語」程度と見せかけておいて、クライマックスはほとんどホラー…、こんなに変な映画なら、もっと早く観ておくべきだった!さすが『血を吸うカメラ』のマイケル・パウエル作品。
キャスリー>>続きを読む
木暮実千代×木下惠介はこれ1本だけだと思うのだが、脇を固める俳優陣も豪華で佐田啓二、笠智衆、杉村春子、三國連太郎と枚挙に暇なし。
加えて木下組の桂木洋子や小林トシ子らにも、しっかり出番がある。
このた>>続きを読む