3104さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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アネット(2021年製作の映画)

3.6

久々のカラックスというだけでなにか意味や評価を持たせようとするのはいけないと自分自身に戒め。前作の素晴らしい「インターミッション」を思わせる冒頭とラストのパートに、そして全編に流れるスパークス作の音楽>>続きを読む

女ばかりの夜(1961年製作の映画)

3.8

ままある“赤線モノ”かと思いきや、途中から話の勢いと原知佐子から目が離せなくなる(という事は浪花千栄子の“怪演”の意味は?)。
人生とは、罪とは。
監督・田中絹代の筆致と力量は時代を超える。

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.4

それを言っちゃあおしめぇよ的な事ではあるが、そもそも30分×3クールの作品を通常の劇場用映画のフォーマットに落とし込むのには無理があった。
大いに積み残し、説明不足。説明的なセリフが多かったのに説明不
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親密さ(2012年製作の映画)

4.2

“作品に出会う(に適した)年齢”という命題を時折ぼんやり考えたり考えなかったりするが、自分はこの映画に公開時ではなく(時空的にあり得ないが十代の時でもなく)今出会えたのは正解だったのかなと。

のちの
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

3.8

過去から振り返っていく、いわばよくある形のドキュメンタリー。ファンにはもちろん嬉しく、そして入門編+αとしても有用な135分。各人のコメントは基本的に礼賛一色。時おり画面に出てくる監督と、何よりメイル>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.7

ようやく観賞。
原作未読なれど、村上春樹は嫌いではないが苦手というのを改めて認識した次第。それはさておき、監督の他の作品よりも今作はとりわけ「親切」な筆致だったのではないか。親切で真っ当(でも?堅牢)
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.7

三木監督でこれだけ予算が下りたのはなぜだろうと邪推(なるほどセットや特撮にはそれが活かされている)。あちこちからの意見や力のせいで、どこも目指せないような作品になってしまったのかなと推測。

一見なに
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ひき逃げ(1966年製作の映画)

3.9

成瀬作品をたくさん観たわけじゃないけれど、これは彼の作品としては踏み越えたというか行き過ぎた1本。変にドキドキした。故に面白い。

唐突だったり突飛だったりする箇所のいくつかと、中山仁のいつもの中山仁
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座頭市血笑旅(1964年製作の映画)

3.6

赤ん坊が絡むせいもあり、温かみありコメディありのロードムービー。随所に三隅!という感じのカットもあり。そして最後はやるせなくもあり。ウォームなやりとりとソリッドな殺陣とのコントラストもよし。
毛利郁子
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怪猫呪いの壁(1958年製作の映画)

3.1

今年初ヌーヴォ。本年もよろしくお願いします。

16mmの粗い絵と音が雰囲気を後押し。“化け猫”が飛んだり屋根をぶち破ったり、天井を逆さに疾走するなど特撮の奮闘が光る。

ストーリーは粗い。科白が時々
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ウディ・アレンの愛と死(1975年製作の映画)

3.5

初期作の中でなぜか未見だったので今さらながら。

コメディメインだった頃の最後の作品。この次が『アニー・ホール』という落差・・とも言い切れない、全編に漂う死と混沌(と性)。会話の切り返しは楽しいが、後
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.5

エピソード0なりの安定と、同時に“ゴール”が見える限界を感じるのは仕方がなし。観ながらこれ単体だとどういう層に刺さるのかしら・・思いを巡らす。

誰が裏切るか、この後の“キメ”や“オチ”はどういう風か
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.6

劇中わざわざimprovisationと注釈がある通り、台本なしで即興的演出により作り上げられた作品だとか。なるほどジャズムービーとは言い得て妙。
ひとところにとぐろを巻いたりグダグダ話す場面より、街
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喧嘩太郎(1960年製作の映画)

3.2

裕次郎のよくあるサラリーマンもので、本命いづみ対抗早苗で上司が東野英治郎・・などこれまたいつものパターンだが全体的に溌剌とせず。
序盤から裕次郎が社命で産業スパイもどきをさせられる(結局しないけれど)
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喜劇 とんかつ一代(1963年製作の映画)

3.8

傑作率の高い川島末期にしては毒や歪みは抑え目なれど、セットの奥行きの活用など相変わらず緻密で充実の造り。
ただ贅沢を言わせてもらえば“(ただの)いい喜劇”で終わった点と、多彩な登場人物の関係性の理解が
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

3.9

主役側のガイとアンよりもサイコパスのロバート・ウォーカーとアンの妹役のパトリシア・ヒッチコック(の眼鏡姿)が目立つ。気丈なアンはとにかく、ガイの頼りなさが終始心許ない。まぁ巻き込まれ型の主人公という面>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

タイトルは「偶然と想像」しかなく、順番は1話→2話→3話の並びしかない。2年/5年/20年という時間の波を勝手に感じたり。
タクシーだったり疾走だったりエスカレーターだったり、結局は“移動”(と逆説的
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悪魔が呼んでいる(1970年製作の映画)

4.0

公開当時は「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」と同時上映で監督も同じ山本迪夫。“血を吸う外伝”的なタッチだが不条理さ(とその後に待つ展開)の衝撃はこちらに軍配か。

OPの誰もいない丸の内から静かにテンシ
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颱風とざくろ(1967年製作の映画)

3.6

東宝の青春映画なれど、67年という時期のせいか何なのか、攻めるところは攻めている印象(前半部のシャワーシーンや唐突な星由里子の胸はだけ等※特に後者に言及される事が多いが、“出す”必然性は正直感じられず>>続きを読む

宇宙大怪獣ドゴラ(1964年製作の映画)

3.2

軽やかでどこかとぼけさえ感じるタッチで気軽に観られる。しかしダイヤ強盗パートと怪獣パートの乖離や甚だし。

60年代半ばのこの時期に産炭地が描かれるのが切なくもあり。この作品に限らず、50年代後半から
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.4

クレイグボンド最終作。

「007シリーズ」然としていたのは前半、広く取っても映画の真ん中あたりまで。以降はシリーズからの、(クレイグの、そしてクレイグが)ボンドからの“脱出”が試みられる。

思えば
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.6

様々な道程の末の、デヴィッド・バーンの(過去の己に胡坐をかかない)「今」もひしひしと感じられる贅沢な、もったいない107分。
シアトリカルかつエモーショナルなステージの“受け手”はスパイク・リーなのだ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.9

観て何ヶ月も経つので今さらだが。


とにかくまずは、ホッとしている。
ようやく終わった、“無事”に。

ともあれありがとう。
というわけで卒業と相成りました。観る側もキャストも、そして各々のキャラク
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集金旅行(1957年製作の映画)

3.7

元々別目的で、仲違いしたり意気投合したりムーディーになったり、忙しくも微妙な距離感の佐田啓二と岡田茉莉子が織り成す中国/四国を股にかけた凸凹珍道中。アパート存続(と遺児を救う)のために貸していたお金を>>続きを読む

ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)

2.0

描写が古いのはとにかく、ミュージカルを導入した理由や、そのミュージカルとドラマパートとの乖離が甚だしく。
目につくのは若月佑美の(やや)早口くらいか。あとは総じて上滑り。

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)

2.4

ひさびさに観賞。
内容も客入りもシリーズの「底」。低予算ここに極まれり。制作陣は条件下でできる限りの努力をしているのだろうな。

とはいえ支離滅裂で、荒唐無稽ともやけっぱちとも言えぬ感じの雑な話の展開
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.9

初カネフスキー。事前情報をほぼ入れずに鑑賞。

勝手に抱いていたイメージ(←根拠はあれど不要なバイアス)で、長回しや長めのカットでゆったりと構成されるか?思っていたがその見立ては意外に裏切られる。
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フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)(1965年製作の映画)

3.5

話の成り立ちに第二次大戦あり。もとよりフランケンシュタインは“洋モノ”なので、ドイツよりやって来たという設定は納得。

タイトルに「〜対〜」とあるが、両者はなかなか出会わない。そもそも強い必然性があっ
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電送人間(1960年製作の映画)

3.3

変身人間シリーズ第2弾。
これといい『ガス人間第一号』といい、結局は『怪奇大作戦』に行き着くのだな。そして今作はその前に『蝿男の恐怖』が思い起こされるし、電送人間のラストはどこかウルトラセブンの「ひと
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モダン道中 その恋待ったなし(1958年製作の映画)

3.5

メタや楽屋落ちの連続。この時代でこういう挑戦を素知らぬ顔で(いや当時の制作陣はドヤ顔だったのかもしれないが)映画1本丸ごと押し通すその意気や良し。作品全体の構成やテンポ、そして冒頭部(これがまことによ>>続きを読む

張込み(1958年製作の映画)

3.8

実直な作品。真っ当な作り。

地味な映画と言ってしまえばそれまでだが、張込み自体がそもそも地味で汗をかくものだ、というのは冒頭にじっくりと描写される佐賀への汽車への移動を見ればわかるというもの。他にも
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妖星ゴラス(1962年製作の映画)

3.8

(特に古い)特撮映画は多かれ少なかれ荒唐無稽な部分はあるが、今作はその極致といってもいいのではなかろうか。突飛な設定をパワフルな特撮で支えて終始ワクワクしながら観られたものの、88分ではどうしても描き>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.9

黒沢作品に今も昔も漂う「作り物・贋作っぽさ」に、ストーリーとキャスト(特に高橋一生と東出昌大)の醸し出す空気がうまくマッチ。いやたまたまマッチした訳では決してないだろうけれど。

元がTVドラマ、弟子
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悪名(1961年製作の映画)

3.5

お人好しで色気ありの勝新と、河内弁が心地良い田宮二郎のバディシリーズ第一弾。両者にとって出世作といってもいいのではなかろうか。特に勝新がまだまだ初々しくて可愛らしく。

そんな勝新と絡む3人の女性。中
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男なら夢をみろ(1959年製作の映画)

3.4

幼き日に出会い、そしてあっけなく別れた二人。大きくなり再開したがかたや検事候補生、こなたヤクザと相対する立場になっていて・・。

前半は検事を目指す葉山良二、後半はヤクザの裕次郎メインで描かれ、両者に
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