クールを装うがそのじつ情けなく頼りなく、そのズレがえも言われぬ「おかしみ」を産み出す・・。
そんな(一時期の)ハル・ハートリーの魅力が端的に詰め込まれているといっても過言ではない短編。
young,middle class,college educated,unskilled,broke.
ブルックリンの一角で繰り広げられる他愛ない群像劇。筋らしい筋はないが全18分のどこを切っても>>続きを読む
結局誰とも結ばれず、やがてそれぞれの道を往く・・という話。
5人の主要人物が交わり、すれ違い、気付き、離れてゆくのだが、まどろっこしかったりドロドロした展開にはならず、さらに5人の移り行く立場の描写>>続きを読む
それほど数は観ていないが、吉田喜重にはあまりいい印象がなかった。
が、代表作であろうこれをようやく観て「やればできるじゃないか吉田喜重」と(上から目線ながら)素直に思ってしまった。
カメラワーク、バ>>続きを読む
「ああ、ブラジル行きてぇ」
全編に漂う虚無感にクールで洒落乙な音楽。四角い顔の中山仁がチャーミングに映るオープニングからもうスタイリッシュにキマっている。本編もそのままスタイリッシュ一辺倒で行くかと>>続きを読む
《女房の浮気に悩まされる小柄なタクシー運転手が、女房が自殺したことにしてその情夫たちから金を強請ろうと霊柩車に乗り浮気相手を脅しに回るが・・・》
シュールかつコメディチックな絵面が浮かび、期待して観>>続きを読む
章立てやタイ人の存在、“らしい”会話や間など全体的には悪くなくリラックスして眺めることができた。「へ?」な終わり方もいいと思う。
しかしところどころ、まったく繋がらなかったり理解(不理解という理解を含>>続きを読む
北林谷栄がステレオタイプばあさんの役(それはそれで堪らなくいいのだが)ではない珍しい作品。
そして加賀まりこが可愛いだけの映画・・ではなく、加賀の可愛さはもとより、主人公ユカが抱える「ズレ」が、この>>続きを読む
今井正ぽくないといえばぽくない作品。やや古風かもしれないが重心低めにしっかりと描かれたジャパニーズ・フィルム・ノワール。
冒頭の水上スキーの腕前に驚かされる木村功。気弱な役はお手の物だが、ここでは気>>続きを読む
序盤〜途中まではほのぼのでまっとうな構成だったのにね。
彫刻のくだりまでは良かったのだけど、問題は馬おじさんこと伊藤雄之助が子供を残して東上してからの流れ。
親が子を見つける過程の偶然頼み、勝手に動>>続きを読む
ペーソス溢れるサラリーマン群像劇。
南原演じる武骨な九州男児がまっすぐを曲げられずうまく生きられずに大暴れ大立ち回り・・を勝手に想像していたがそんな直裁な展開にはならず、いろいろあるが全体的に淡々と>>続きを読む
『ぼくのエリ~』(『モールス』でも)と同じように、「こちら」と「あちら」の物語。映画を“判断”するための条件は序盤からそこかしこに配置されているので、観やすい作品といえば観やすい作品。
ミュージカル映画に深い意味や展開を求めるのは野暮とはいえ、それにしても中身がない作品。唐突に始まるオープニングのシークエンスは~唐突さも相まって~なかなかよかったが。
とにかくアンナ・カリーナを観る>>続きを読む
なるほど頑張った。昨今溢れる駄目な邦画群とは一線を画す仕上がり。おそらく予算もそれほどない中、できる限りの奮闘とその結果を出している。
なにかと叩かれがちな吉岡里帆も頑張った。全編にわたり暗くシリア>>続きを読む
あれ?俺は大事な要素を観落としたか?投げてきた球の目測を誤ってまったく受け取れなかったか?そもそもこれを観るに足る人間ではなかったか?
・・最後のは少し大袈裟だが、観終えたあとに少しだけ考え込んでしま>>続きを読む
『ジョーカー』の予習として。
興行的には成功しなかったらしい。しかしこの作品を偏愛する人も多いらしい。なるほどどちらもわかる。
主人公パプキンの行動をあぁ痛々しいと観るか怖いと観るかおもしろうてやが>>続きを読む
たとえ退屈な映画でもひとつでも素晴らしいシーン、素晴らしいカットがあればそれでOK、その映画を観た甲斐があると思うものだ。
ここではさしずめ「傘の花」のシーンがそれだろう。殺人を際立たせるという意味>>続きを読む
原作未読。新東宝版未見。
軽妙でテンポよく。とはいえ良作揃いの50年代の市川崑の諸作品に比べてややドライブ感のようなものが不足しているか。
ならばと個々の役者に目を向けると、軽妙な三橋達也と素敵なプ>>続きを読む
中平康、初のコメディ。
さすがにテンポはいい。情感など置いてきぼりにしてどんどん進んでいく。フランキーもブーちゃんも小沢昭一も活き活きと溌剌としている。
しかしギャグは古い。慎太郎や太陽族を採り上>>続きを読む
動くアン・ハサウェイはやはり可愛いなぁ。こういう等身大でコミカルだったりダメなキャラならなおさら。
テイストもBなら予算もハリウッドの大作とは比べるまでもない規模の作品。ニュースの画面やパソコンのデ>>続きを読む
赤線廃止から数か月後に公開。タイムリーなネタではあったが、それ以前に“女性の生きにくさ”のようなテーマは~特に当時においては~普遍的ともいえようか。
ことあるごとに「赤線出身だから」で偏見や暴力に見>>続きを読む
青春ドラマといえばそうなのだが、生々しかったり「家庭」が重い影を落としたりと、どこか典型的な日活映画らしからぬ手触り。
山内賢の恋心をわかっていながら振り回しお預けをする“小悪魔的お姉さん”という、>>続きを読む
いわゆる“ゾンビもの”にあらず。
劇中のセリフを借りると「悲しくも甘い話」。
ロメロ以後のゾンビ観に捉われてはいけない(もちろんあれも面白いし好きだが)、それらとは異なる世界が展開される。
柱はメロド>>続きを読む
いかにも中平康と言ってしまっていいのか、なテンポと台詞回し。
特に前半はハイテンポで、ドタバタ劇一歩手前な慌ただしさで舞台である大学並びに登場人物を取り巻く状況が描かれる。このまま長調寄りの群像劇とし>>続きを読む
“歌比率”高め。
ストーリーも変な寄り道や複雑な構造、思わせぶりな展開がなく、余計な登場人物もいないのでダレずに一気に観ることができる。再び観たくなるという人が一定数いるのもむべなるかな。
プラスの>>続きを読む
大昔、テレビで観賞。
展開がゆっくりなわりには最後に何かがあるわけでもなく。
前作『フォースの覚醒』に続くエピソード8がようやく公開。
のんびりしているとうっかりネタバレを喰らいそうなので、多忙の間を縫ってさっそく劇場へ。
(ここからネタバレもあり)
観終えたあとの>>続きを読む
やはり裕次郎は華がある。
棒読みでも歯並びが悪くても、あの体躯(足長ぇ)で画面の真ん中に立って朗らかな笑顔を浮かべていればそれだけで画面が、映画自体がサマになる。
前半はそんな裕次郎が千葉の“南国”>>続きを読む
メリエス作品で現存する唯一の「ポルノ」とのこと。
時間にしてわずか1分強。尻。
これを観た120年前の人の気持ちや如何に。
ほか特記事項なし。
CSで劇場公開時以来の再見。
当時感じた面白さは損なわれていなかったが、ここまでとっ散らかった作品だったかなぁというのがとにかくの印象。
星野源と長谷川博己の狂気。國村隼無双と堤真一のチャーミング。>>続きを読む
ネタバレを避けながら(結局食らってしまったけれど)今頃になってようやくの観賞。「Extraウーハー上映」なる方式で。自慢のウーハーシステムが唸るぜサンサン劇場。
さてレジェンダリー・ピクチャーズの「>>続きを読む
世事はすべからく「対」である。
光と闇、バランスとアンバランス。
「対」の構造を避けられ得ない事柄もあれば、ものの見方で「対」になるものもある。
戦前と戦後、本省人と外省人、存在と不在、男と女、愛情と>>続きを読む
撮影当時の時代の空気感が何より作品の「顔」になっている。
開放や高揚を携えた“華やかさ”の裏側、いやすぐ隣にあった閉塞や沈静が序盤から繰り返し描かれる。暗い80年代?いや80年代(に限らずどの時代でも>>続きを読む