takさんの映画レビュー・感想・評価 - 35ページ目

奴らを高く吊るせ!(1968年製作の映画)

3.5

マカロニウエスタンで有名になったイーストウッドが、アメリカに戻って撮ったウエスタン。ハリウッド西部劇というと勧善懲悪が基本の娯楽作のイメージが強い。そんな中で注目すべきは、「奴らを高く吊るせ!」が正義>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.2

 日本最古の物語とされる「竹取物語」は、これまで数々の映像化がなされてきた。僕らは幼い頃からそれを幾度も目にしてきた。小学校高学年の頃には、竹取物語は平安時代に異星人との接近遭遇があったことの伝承だと>>続きを読む

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

3.8

「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作は、生きることを真っ正面から描いたファンタジー。確かに評判通りによくできている。温かみのあるシンプルな絵柄のキャラクターたち、緻密な自然描写、自然と人間を対比した>>続きを読む

老人Z(1991年製作の映画)

4.0

高齢化が進む現代ニッポン。そんな状況を鋭くえぐった大友克洋原作のアニメーション。政府が寝たきり老人介護の為に開発したロボットが、ある日突然暴走を始めた。おじいちゃんを一人乗せたロボットの行方を追って、>>続きを読む

華麗なる激情(1964年製作の映画)

3.1

ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂に天井画を描いたエピソードを、教皇ユリウス2世、恋人だったメディチ家の令嬢を交えて重厚な人間ドラマに仕上げた力作。スケールの大きな歴史劇。自分に理解者などいないと思っ>>続きを読む

ヤコブへの手紙(2009年製作の映画)

3.3

75分という短い上映時間、実質的な登場人物は盲目のヤコブ牧師と元女囚レイラ、それに郵便配達人のほぼ3人だけ。予算もあってのことかもしれないが、このシンプルさが余計なエピソードを挟まないだけテーマを貫く>>続きを読む

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.5

朝鮮戦争中、巨済島に設けられた捕虜収容所。自由主義国の文化に触れて南に残ろうとする捕虜と、共産主義を貫いて北に戻ろうとする捕虜がおり、戦場と同じく収容所内で激しく対立する状況にあった。新たに赴任してき>>続きを読む

カウボーイ&エイリアン(2011年製作の映画)

3.0

異星人侵略と西部劇。考えてみりゃ、新旧娯楽映画ジャンルの取り合わせだから安直と言えばかなり安直。タイトルもあまりに直球。発想自体はB級だと言われても不思議ではなかったかも。ところがそんなお気楽とも思え>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.1

 仕事で起きた死亡事故が原因で日々を空しく過ごしている主人公達夫。彼はパチンコ店で拓児という若者と知り合う。拓児の家に連れて行かれた達夫は、拓児の姉千夏と出会う。父親は脳梗塞で寝たきり、拓児は前科があ>>続きを読む

西鶴一代女(1952年製作の映画)

4.2

溝口健二監督作は、「雨月物語」しか観たことがなかった。そこで国際的にも評価されている本作に挑んでみた。井原西鶴の原作は1686年作。ついていけるか不安だったのだが、波乱万丈の物語に引き込まれずにはいら>>続きを読む

Sweet Rain 死神の精度(2007年製作の映画)

3.0

 伊坂幸太郎の小説を映画化したファンタジー。金城武扮する死神”千葉”は、人の最期の7日間につきそい、そのまま死を「実行」にうつすか、「見送る」かのジャッジを行うのが仕事。何故か彼が現実世界で仕事をする>>続きを読む

ベルサイユの子(2008年製作の映画)

2.5

 カンヌ映画祭にも出品された映画だし、ベルサイユ宮殿の森にホームレスが住んでいるという格差厳しいフランス社会の現実を織り込んでいること、ギョーム・ドパルデューの遺作であること・・・何かと話題があるこの>>続きを読む

山の郵便配達(1999年製作の映画)

4.0

素朴な味わいの家族愛ドラマに心洗われる秀作。80年代という設定だが、山間部の郵便配達には車も自転車さえもない。険しい道や道なき道を幾日もかけて歩くだけ。中国の山間部の棚田や山の緑が目に焼き付いて、どこ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.0

おっさんの戯言だと思って読んでくだされ。世間は高評価だけれど敢えて言わせていただければ、どんなにファンタジックな描写をしても戦争はあくまでも戦争なんだ。過酷な現実をほんわかしたもので包んで受け入れやす>>続きを読む

チルソクの夏(2003年製作の映画)

3.5

釜山と姉妹都市である下関は、陸上競技会を共同で毎年開催していた。1977年夏の大会で、長府高校陸上部の郁子は韓国の高校生アンと出会う。韓国は戒厳令下なので交流が禁じられていたにもかかわらず、宿舎まで会>>続きを読む

無分別(1958年製作の映画)

3.7


TSUTAYAの発掘良品でDVDがリリースされたことに感謝。大好きな「雨に唄えば」「シャレード」「パリの恋人」のスタンリー・ドーネン監督作。さらにヒッチコックの「汚名」で共演したケイリー・グラントと
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ドラえもん のび太のワンニャン時空伝(2004年製作の映画)

3.3

2005年4月、25年間続いた「ドラえもん」の声優がメンバーチェンジすることになった。「ドラえもん」の劇場版は25年間数々の名作を送り出してきた。「のび太の恐竜」は傑作だったし、「のび太の結婚前夜」や>>続きを読む

四月怪談(1988年製作の映画)

3.2

ある人の薦めで観て、えらく感動した映画に、是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」がある。天国に召される前の死者たちを見送る人々を描く秀作であった。

一方、この「四月怪談」に出てくる柳葉敏郎扮する幽霊は、
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ドリヴン(2001年製作の映画)

2.5

シルベスター・スタローン製作・脚本によるモーターカースポーツの世界。スタローンは若手レーサーを力づける元花形レーサーの役。今後は、こんな役柄が増えるんだろうな。しかしその分だけ、無鉄砲な若手レーサー、>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

若い頃なら疾走する車を純粋に楽しんだだろう。でも社会人経験を積み重ねた今だからか、エンドロールを見ながら浮かんだ感想はこうだ。会社の方針で右往左往するのは世の東西を問わず現場なのよねww

フォードが
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女優マルキーズ(1997年製作の映画)

3.8

踊り子と売春の日々から舞台へとステップアップし、世間に認められる女優になるヒロイン。前半の面白い展開に引き込まれるが、後半がやや物足りなく感じてしまった。実在の女優マルキーズの情熱的な生き様を、ソフィ>>続きを読む

姿三四郎(1943年製作の映画)

4.0

「姿三四郎」は今回初めて観た。レンタルしたDVDに収録されていたのは、戦時中に焼失した部分を字幕で繋いだ79分のヴァージョン(1952年再上映版)。こんなに面白い映画だったのか。柔術流派の争いは、僕ら>>続きを読む

機動戦士Zガンダム III -星の鼓動は愛-(2006年製作の映画)

3.5

 今回の新訳Z三部作。職場のガンダム好きたちとともに3作とも初日観賞達成っ!。それにしても劇場内はいかにも好きそうな方々(ほとんど男)ばかりです・・・。みんなで行けば怖くない。僕はTVシリーズの「Z」>>続きを読む

機動戦士Zガンダム II -恋人たち-(2005年製作の映画)

3.3

 またまた初日に行ってきました。今度は列もできていないし、女性客もいる。でも1作目のとき場内で感じた興奮は今回は感じられない。うーむ。てなことを考えながら席に着いたのだった。反省。甘くみてました。予備>>続きを読む

機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-(2005年製作の映画)

3.3

 初日に同僚のガンダム好きたちと劇場へ。TVシリーズは放送当時にそれほど見られなかったので、その分だけ真剣に見ることができた気がする。「ミリオンダラー・ベイビー」や「オペレッタ狸御殿」と同日公開だった>>続きを読む

おにいちゃんのハナビ(2010年製作の映画)

3.5

白血病の妹の為に、引きこもっていた兄貴が頑張るお話、と聞いて、難病ものかぁ、お涙ちょうだいな映画なんやろ、と正直期待せずに劇場へ。

多くの人がこの映画について言うように、まさに「ベタ」な映画だ。気丈
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ディアボロス 悪魔の扉(1997年製作の映画)

3.3

現代社会は法によって秩序を保たれている一方で、法によって支配されている。その法の世界に悪魔が巣食っていたら…という世にも恐ろしい発想の作品。

キアヌ・リーブス演ずる主人公は、「ザ・ファーム」のトム・
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レインメーカー(1997年製作の映画)

3.4

ジョン・グリシャムの映画化作品は、観ていて本当に力が入る。本作は低所得層の一家が、白血病に対する保険金支払いをめぐって保険会社を相手に起こした訴訟がメインの物語となっている。そして司法試験に合格したば>>続きを読む

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017年製作の映画)

3.7

僕はジャック・フェデラー似とよく言われる。でもテニスは詳しくなくて、マリア・シャラポワのミーハーなファンだった時期があるくらい(恥)。さて、テニス映画に挑んだので本題へ。

僕らは様々なスポーツ観戦で
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モーガン夫人の秘密(2019年製作の映画)

3.0

第二次大戦後のドイツ。ハンブルグに赴任するイギリス軍モーガン大佐のために、建築家ルバートの屋敷が接収され、大佐の妻レイチェルがイギリスからやってくる。戦後処理の仕事をする大佐は、破壊された街に暮らす人>>続きを読む

わたしが美しくなった100の秘密(1999年製作の映画)

3.3

 これは怪作!。ミスコン優勝にかける田舎町の騒動を、ブラックユーモアと毒気たっぷりに描く映画。タイトルはただの配給会社の都合であって、これに騙され た女のコたちはさぞかしひいただろうなぁ。確かに若手注>>続きを読む

プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角(1986年製作の映画)

3.8

 人生においては見るべき時期に見ておくべき映画がある。ジョン・ヒューズが監督・製作・脚本を担当した青春映画の数々は、そうした映画だと思う。80年代青春映画の中でも根強いファンが多い。

 モリー・リン
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フランケンシュタイン(1994年製作の映画)

4.5

メアリー・シェリーの原作を忠実に映画化した、ケネス・ブラナー入魂の秀作。

それまでクリーチャーばかりが取り上げられがちだった物語。本作では、博士の狂気だけでなく、怪物が知性に目覚める姿、コレラが流行
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フランケンシュタイン/禁断の時空(1990年製作の映画)

3.0

B級映画の巨匠、ロジャー・コーマン御大が自らメガホンをとったSFフランケンシュタイン。21世期の科学者がタイムスリップして、あのフランケンシュタイン博士と出会い、あの生命創造の物語の真実を目の当たりに>>続きを読む

フランケンシュタインの花嫁(1935年製作の映画)

3.7

前作のラストシーンから、作者メアリー・シェリーが語り始める。老マッドサイエンティストの登場で、フランケンシュタイン博士の禁断の欲望は再びかき乱される。そして新たな生命の創造へ。後に製作されるコメディ「>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

4.0

メアリー・シェリーの怪奇小説を映画化した古典的名作。後のフランケンシュタイン映画に多大な影響を与えた作風、ビジュアル、特殊メイクは見事。望まずして生み出された悲劇的なクリーチャーの姿は、単なるホラーと>>続きを読む