80年代も後半にさしかかった87年。テレビCMに登場したある女の子の笑顔に、僕らはハッとした。クラスにやってきた新入生という役柄である彼女は、凛とした表情でこう言った。
「こんどリハウスしてきた白鳥>>続きを読む
「繰り返し観ている映画は何?」と尋ねられたら、僕は多分「スターウォーズ」「インディ・ジョーンズ」「007」を挙げるけれど、回数で言うならばおそらく「雨に唄えば」を挙げない訳にはいかない。初めて観たのは>>続きを読む
泥棒志願の主人公加奈子チャンは、ある泥棒稼業の男性に弟子入りを申し出るが、あっさり断られる。加奈子は何故か警察官になって復讐しようとする。ある事件で彼に再会、弟子入りを認められる。物語は対立す>>続きを読む
長いタイトルとサトエリ立ち姿のポスターに惹かれて、メディアで話題になる度に観たいなぁと思っていた。愛しの永作チャンの助演賞も手伝って、これはいよいよ観ねば!と劇場に足が。
サトエリが演ずる>>続きを読む
40才を目前に控えた時期に、この映画に出会えたことに感謝。”家族”について改めて考える映画であった。こんなスリリングに家族を描いた映画があっただろうか。家族ある人ならば、この映画の”痛さ”が理解でき>>続きを読む
「午後10時の映画祭」と勝手に題して、家で旧作をちょくちょく観ている。新作を必死に追いかけるのも楽しいけど、新旧問わず本当に良い映画にはきっとまだまだ出会えるはずだ。今回は、子供の頃に断片的に見ていて>>続きを読む
余命3ヶ月と診断されたゲイのカメラマンが、自分なりに人生を清算しようとする日々を綴る人間ドラマ。
恋人を無理に遠のけ、家族の埋まらない溝に悩む心境を、唯一心を開ける存在である祖母に語る。そして彼は小>>続きを読む
ダニー・ケイ主演のクラシック「虹を掴む男」(1947)に現代的な設定を盛り込んだリメイク作品。空想癖のある男性の大冒険と成長物語という基本線をそのままにして、2010年代の今だからこそ描けるビジュア>>続きを読む
新海誠監督の新作。正直な気持ちを言えば、僕は10代でこの作品に出会いたかった。「シング・ストリート 未来へのうた」のラストシーンでも同じことを思った。それは、僕が単に主人公二人との年齢ギャップで否定>>続きを読む
#「キル・ビル」のルーツを探せ
(その26)
この映画のラスト、主人公三人の決闘シーンは何度観ても緊張するし引き込まれる。クローズアップして、最後はシネマスコープの画面いっぱいに両目のアップ。アメ>>続きを読む
フランソワ・オゾンのフィルモグラフィを改めて見ると、男女の恋愛がテーマの作品ってない。ストーリー上の要素として恋愛はあるけど、主題とは言い難い。この「ふたりの5つの分かれ路」は、そんなオゾン作品の中で>>続きを読む
中学3年のとき。僕はテレビの中にいたフランス娘に恋をした。彼女の名はソフィー・マルソー。フランスで大ヒットした青春映画「ラ・ブーム」の主役だという。当時僕はまだ映画本編は観てもいなくって、そのCMの>>続きを読む
「スケバン刑事」は80年代にフジテレビ系で放送されていたアイドルアクションドラマ。つーかアクションと呼べる代物ではなかったが。和田慎二の原作は子供の頃に読んでいて、あのハードな雰囲気が何となく好きだ>>続きを読む
「きっと、うまくいく」のアーミル・カーン主演のアクション大作。経営危機になった大インドサーカス。頼みの綱だった銀行に融資を断られ、団長は自殺した。その十数年後、シカゴで銀行強盗事件が相次いで起こる。狙>>続きを読む
原作は未読。おまけに中国史は大の苦手。日本人キャストの中国時代劇は日本映画史上数々の作品があるが、敬遠していて「敦煌」くらいしかまともに観ていない。しかし「キングダム」アニメ版は最初の数話を見て、ちょ>>続きを読む
なんてお洒落な映画だろう。ベルギーで開かれるモーターショウにパリからキャンピング・カーを出品しようとする3人の珍道中を描いたロードムービー。ジャック・タチ作品は実は代表作の「ぼくの伯父さん」しか観たこ>>続きを読む
日本映画で政治を扱うことは難しい。実名の政治家が出てくるドラマを撮ろうとすればクレームや圧力が加わってくる。大手が手がけた生々しい実名の政治家映画って80年代の「小説吉田学校」くらいじゃないのかな。田>>続きを読む
8人のフランス女優が共演するというだけでも贅沢なのに、それがクリスティやヒッチコックばりのミステリー、そして8人がそれぞれの心情を既成の曲に託して歌うミュージカルシーンまであるなんて!。この映画は、>>続きを読む
#「キル・ビル」のルーツを探せ
(その25)
「キル・ビル」、特に「vol.2」ではマカロニウエスタンの影響が色濃く感じられる。もちろん、復讐劇が多いのもその理由だろう。技法の面では、例えばブライ>>続きを読む
80年代育ちの僕ら世代は知らぬ者のない大ヒットコメディ「ブッシュマン」(1982年の興収1位)。主役を演じたニカウさんは、日本でも大人気となり、バラエティ番組にも幾度も登場していた。あの笑顔には癒され>>続きを読む
80年代組の僕らにとって「ブッシュマン」は忘れ得ぬ映画。僕も映画館で2回観た。何故か「燃えよドラゴン」のリバイバルと2本立てだったのをよーく覚えている。ブッシュマンは差別的呼称であるとのことから、こ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
社会派映画監督であるスタンリー・クレイマー作品には、これまで何度も心をを揺さぶられてきた。人種差別を扱った「招かれざる客」「手錠のままの脱獄」、人を裁くことの難しさを思い知った「ニュールンベルグ裁判」>>続きを読む
「アリス・イン・ワンダーランド」の続編。ティム・バートンはプロデュースに徹した今回は、帽子屋を救うお話を基軸に、女王二人そしてアリスを含めた家族再生の物語。バートン作品らしい毒気がほぼ感じられない、フ>>続きを読む
あまりにも有名な「不思議の国のアリス」。特にディズニーアニメ版は何度観たことか。19歳になったアリスを主人公に、物語の後日談をティム・バートンが撮ると聞いたときには期待と不安が交錯した。ティム・バート>>続きを読む
クリント・イーストウッドがブロードウェイミュージカルを映画化するなんて、誰が想像できただろう。骨太でハードな男のドラマを撮るイメージが強いイーストウッド監督だけに、ミュージカルは確かにカラーではない>>続きを読む
夫の死後、彼との夢だった書店を開くことをフローレンスは決意する。時は1959年。彼女は、イギリスの田舎町にあるオールドハウスと呼ばれる中古物件を購入し、準備を進めていた。ところが、地元の実力者ガマート>>続きを読む
#「キル・ビル」のルーツを探せ
(その24)
ビルの暗殺団The DiVAS。ビルの弟バドとビルの愛人4人で構成されるこの最強暗殺団の面々には、毒ヘビの名がつけられている。ブライド=ブラック・マン>>続きを読む
正直に言う。「涼宮ハルヒの憂鬱」に夢中だ。2009年に放送されたテレビシリーズを興味本位で見たのが運の尽きだった。原作のライトノベルだけでなくコミックにも手を出した。ハルヒだけでなく他のキャラクター>>続きを読む
オンライン試写会にて鑑賞。地元の映画館では上映予定にないので、貴重な機会に感謝。
売れっ子モデルだったジェイドは、デザイナーとしてのデビューに向けて準備していた矢先に、出資者でもある夫ニックから離婚>>続きを読む
言わずと知れたタランティーノのデビュー作にして代表作。オ-プニングの”マドンナ談義”からグイグイ観客を引き込んで離さない。「ジョークはディティールが大事なんだ」という劇中の台詞も出てくるが、この映画>>続きを読む
映画冒頭、やくざがつめた指が転がったり、重苦しい雰囲気の中で郵便局員の主人公が現金書留の封を切って金を使ったりと笑うに笑えない雰囲気で、これって何を狙っているの?と少しうざったく思っていたのだが、大>>続きを読む
#「キル・ビル」のルーツを探せ
(その23)
「vol.1」のオープニング。傷だらけのフィルムで高らかなファンファーレと共に出てくるのが、ショウ・ブラザースのロゴ。タランティーノはこの会社が製作し>>続きを読む
湯浅政明監督のアニメは、まだ「ピンポン THE ANIMATION」と「夜は短し歩けよ乙女」の2作しか見てないけど、未見作の評判や絵の感じを見る限り、どうも相性がいいように思える。タイミングよく新作「>>続きを読む
楽しい飲み会にお開きの時間が迫ると、「あーもう、この楽しい時間がずっーっと続けばいいのになぁ」と思ったことはないだろうか。この「夜は短し歩けよ乙女」は、お酒の嗜みと楽しさを知った大学生"黒髪の乙女"ち>>続きを読む
ご存じマーティ・マクフライ君がサイエンティストのドグと時空を超えて大活躍する80年代を代表するヒットシリーズ。デロリアン号が炎の轍を残して走り去る姿とマイケル・J・フォックスのスケボー姿は忘れられない>>続きを読む
伊丹十三が亡くなってから、新作が楽しみな映画監督が少なくなった。描かれるテーマには常に僕らの知らない世界があった。ものの見方をちょっと変えてくれて知的好奇心を満足させてくれたし、最後にはじんわりと感>>続きを読む