takさんの映画レビュー・感想・評価 - 45ページ目

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.3


「チャーリーとチョコレート工場」の原作、最初の映画化がこちら。おもちゃ箱をひっくり返したようなティム・バートン版と比べると、どことなくダークな雰囲気が漂う本作。ウィリー・ウォンカ氏はマッド・サイエン
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舟を編む(2013年製作の映画)

3.8

僕は子供の頃から、何か人に物事を伝える職業にどうも憧れていた気がする。そこには必ず言葉がつきまとう。それを武器にして仕事をするならば、きちんと伝えるために最も大切にすべきもの。だから言葉を大切にしてい>>続きを読む

殺しのドレス(1980年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ごめんよ、ネタバレ覚悟で書く。ブライアン・デ・パルマ監督作品にたまに出てくる夢オチ場面。「キャリー」とか、「ファム・ファタール」とか、本作「殺しのドレス」にもショッキングで意味深な夢オチ場面が出てくる>>続きを読む

大脱出(2013年製作の映画)

3.0

ちょっと旧作から。シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー二枚看板での初共演は刑務所もの。刑務所ものは、脱獄アクション、人間ドラマ、女囚ものなど、様々な映画が製作されてきたが、本作は>>続きを読む

ウェルカム・トゥ・サラエボ(1997年製作の映画)

3.5

ボスニア・ヘルチェゴビナの紛争については日本にいると知らないことが多い。この映画は予備知識がないとチと辛いと思うので、少しばかり解説しよう。いくつもの宗教と人種が入り乱れる旧ユーゴスラビア連邦が分裂を>>続きを読む

記憶探偵と鍵のかかった少女(2013年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます


 人の記憶に入り込める能力を持った探偵ジョンに、自分の殻に閉じこもった少女アナを救って欲しいと依頼があった。簡単な事件だという上司の言葉とは裏腹に、少女の記憶で知る出来事と周囲の人々の証言は異なるこ
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プレステージ(2006年製作の映画)

3.7

 マジックには3つの段階がある。「種も仕掛けもありません」と確認させること、物を消してみせたりする展開部が第2段階。そして消えた物が最後に戻ってくる、その最後の驚きを「偉業」(プレステージ)と呼ぶ・・>>続きを読む

嗤う分身(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドストエフスキーの原作を映画化した英国製スリラー。舞台となる時代も場所も特定できない風変わりな世界が展開する不思議な映画だ。主人公サイモンは、ガチガチに管理された会社で黙々と仕事をこなす地味な男。楽し>>続きを読む

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.5

クリスチャン・ベイル扮するヤングエグゼクティブが、殺人の衝動から逃れられなくなる狂気を描く意欲作。生活的には満たされているのだが、次第にセックスと暴力にしか興味を抱けなくなっていく。「ビデオ返さなきゃ>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.0

 2014年アカデミー賞のノミネート作品は、アメリカの大手映画会社の作品が少なく、インディペンデント系の作品が多かった。大手が派手なアクション、CG、アメコミ原作にキャアキャア言っている中、独創的な試>>続きを読む

GO(2001年製作の映画)

4.0

 これは傑作。窪塚クン主演のコリアン・ジャパニーズの青春映画。予告編観た時は、ギターポップが流れる若いコ向けな映画という印象だった。ところがきっちり親世代にも受け入れられるテーマを持ち、さらに親世代を>>続きを読む

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)

3.6

実は2作目「ロストワールド」よりもかなり好きな第3作。

「男の子は二種類いる。宇宙飛行士になりたがるヤツと、天文学者になりたがるヤツだ。」
ってサム・ニールの台詞に参りました。最前線に行きたがるの
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氷の微笑2(2006年製作の映画)

3.0

 同僚A子姐に「これを観るのは時間の無駄」と評された続編。それを覚悟でBSの録画を観た。冒頭、車を運転しながら男の手を導くシャロン・ストーン。さすがに1作目よりは老けているが、相変わらずお美しい。ヌー>>続きを読む

地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)

4.0

 デビッド・ボウイなくしてこの映画はない。このニュートン役を演じられる他の人間が想像できない。ボウイは時代と共に変貌を遂げてきた人だが、この映画は、ボウイが異星人”ジギー・スターダスト”を現実社会で演>>続きを読む

パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

4.2

スクリーン越しでは伝わらないだろう、と思われる題材に敢えて挑んだ映画はこれまでにもたくさんあった。撮る側は様々な工夫を凝らしてそれを表現しようとしてきた。ヒッチコックが表現した「下宿人」の2階を歩く男>>続きを読む

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

3.5

スピルバーグ製作、コーエン兄弟が監督という強力布陣のウエスタン。同じチャールズ・ポーティスの原作は、1969年にジョン・ウェイン主演「勇気ある追跡」で映画化されている。「勇気ある追跡」は親父の隣で観た>>続きを読む

機動戦士ガンダムNT(2018年製作の映画)

3.7

「機動戦士ガンダムUC」の続編にして、久々の劇場用新作。かつてジオンが地球に対して行った卑劣なコロニー落としを予言して多くの人々を救った"奇跡の子供たち"。地上にいたニュータイプ少年少女3人が巻き込ま>>続きを読む

トンマッコルへようこそ(2005年製作の映画)

3.5


 朝鮮戦争のまっただ中。北の兵士3名、南の兵士2名、そして青い目のパイロット1名が山間部の村で偶然にも出会ってしまった。トンマッコルという村の平和な人々の姿に彼らは少しずつ打ち解けていく。そして敵味
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.7


 レイモンド・チャンドラーの小説に登場する私立探偵フィリップ・マーロウ。その魅力にドキッとしたのは中学生の頃(なんておマセな!)。テレビの映画番組で観た映画「さらば愛しき女よ」がきっかけだった。ロバ
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マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

4.5

TSUTAYAの発掘良品で復刻された愛すべき良作。これを復刻してくれて感謝。

あわや第三次世界大戦の危機と言われた1962年のキューバ危機。そんな一触即発の状況下で落ち着かないフロリダ州キー・ウェス
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.2

 今や世界に認められる存在となった押井守監督。それは「パトレイバー」の2作品と本作の成功によってだ。この作品がなかったら「マトリックス」はなかった、ビルボードのレンタルチャートで1位を独走した・・・そ>>続きを読む

イノセンス(2004年製作の映画)

3.7

「Ghost In The Shell」の続編にあたる本作。お話自体は、正直前作よりも好き。映像の技術的進歩もその理由のひとつだけど、やはり複雑なストーリーの面白さだな。脳に外部記憶装置やらインターフ>>続きを読む

ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.5

劇場で見逃していた「攻殻機動隊」のハリウッドリメイク、DVDで鑑賞。コアな「攻殻」ファンにはいろいろ受け入れられない部分はあるだろうけど、オリジナルを損なっている印象はそれ程ない。スカーレット・ヨハン>>続きを読む

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生篇(2018年製作の映画)

4.0

悲壮感に満ちた第5章から、ヤマトが復活を遂げる第6章回生編。5章ではガミラスの秘められた歴史が語られたが、今回はガトランティスが、いかに愛を捨ててクローニングによって子孫を残す道を選んだかが語られる。>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

2.9

「エイリアン」第1作を初めて観たのは中学1年。夏休みに従兄弟と観た。震え上がった。トラウマになった。

金を払って怖い思いをするのは嫌なはずなのに・・・大作映画監督による第2作は、「ザ・フライ」との2
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プロメテウス(2012年製作の映画)

3.1

(以下劇場公開時の感想)

リドリー・スコット監督が人類の起源に挑むSF大作・・・ということで予告を観た時から、興味をそそられていたのだが、こういうオチが待ってるとはね・・・。言うならば「エイリアン・
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舞妓はレディ(2014年製作の映画)

3.5

 ここのところ重たいテーマの作品が続いた周防監督。僕はそれらを全く観ていない。自分にとって周防監督のカラーはやっぱり「シコふんじゃった」であり、「shall we ダンス?」だ。これまでの殻を破る監督>>続きを読む

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

2.5

 フィッツジェラルドの原作だぞ、あのロバート・レッドフォード版のリメイクだぞ、「ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマンだぞ。そんな期待を胸に映画館へ。だがしかし。だんだんと気持ちが萎えてくる自分が銀幕の>>続きを読む

華氏 119(2018年製作の映画)

4.0

中間選挙が終わり、上院は共和党が多数、下院は民主党が多数のねじれ状態に。正直言う。ホッとした。議会で意見が通りにくくなることで、カルタだかハナフダだか知らないが(トランプだって)大統領氏の暴走も少しは>>続きを読む

チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜(2011年製作の映画)

3.5

フランスのコミック作家マルジャン・サトラピが自らの手で自作を映画化した意欲作。舞台はむかしむかしのイラン。と言っても前世紀とかそんなんじゃなく、宗教的戒律が厳しく政治に反映されるイラン革命よりも前のお>>続きを読む

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

4.2

フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の本作は、ヨーロッパで深刻な問題でもある不法移民をテーマにしている。フランス北部、イギリスとの海峡に面した港町ルアーブル。ある夜、港に置かれたコンテナから子供の声が>>続きを読む

007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.0

「007」シリーズ50周年となる第23作「スカイフォール」は、シリーズ最大のヒット作となった。ボンド役に起用されたときは、賛否両論だったダニエル・クレイグも3作目。今でも一部の人々からは"悪役みたい">>続きを読む

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

4.0

 ダニエル・クレイグがボンドを演じる第2作目。 前作「カジノロワイヤル」の1時間後から始まるという、シリーズ初の正当な続編となる趣向も面白いが、逆に「カジノロワイヤル」を観ていない人には説明不足な点も>>続きを読む

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.0

 6代目ジェームズ・ボンドにダニエル・クレイグを迎えたシリーズ最新作。お正月に007映画が上映されるのって嬉しいよなぁ。「ゴールデンアイ」以来かな?。そして何よりも「リビング・デイライツ」以来となる">>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.2

クィーンは大好きなロックバンド。80年代の活躍はリアルタイムで見てきたし、この映画のクライマックスである、1985年のライブエイド衛星中継放送はテレビにかじりついた。そしてフレディ・マーキュリーが亡く>>続きを読む

イルマーレ(2001年製作の映画)

4.0

 何て美しい絵になる映画だろう。画面を見つめているだけで幸せな気分になれる。冒頭の緑がかった水面を走るカメラ、パステル画のような空と海、その真ん中に海に突き出たモダンな建物。この上なく洗練された映像美>>続きを読む