シミステツさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

坂道のアポロン(2017年製作の映画)

3.2

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漫画原作ゆえのベタさ。屋上で急に雨降ってきて喧嘩とか普通ないよね。

アポロンは音楽の神様。
三角関係、近場で恋しすぎやろ。
薫は親に決められた医者への道があって、千太郎は捨て子だったという背景。
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.2

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28歳のOLアズミハルコが突然姿を消す。
ほどなくして彼女の街には捜索願をモチーフにしたグラフィティアートが蔓延。そして男だけを無差別に暴行する連続事件。

「卵子は腐る」
「35過ぎたら女は終わり」
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洋菓子店コアンドル(2010年製作の映画)

3.7

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江口洋介と蒼井優が好きだからという理由だけで観た。

恋人を追って上京し、洋菓子店で働くことになったなつめ。

「俺にはケーキを作る意味がない」
伝説のパティシエと言われながらも引退した十村。
十村に
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Every Day(2016年製作の映画)

3.4

交通事故で昏睡状態のはずの恋人が突然現れるストーリー。失ってから気付く、あたりまえの日常の大切さ。

私でよければお弁当作りましょうか?みたいなのはリアリティないよなあ。屋上で弁当とかも。こういうファ
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

3.7

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ヘドウィグは奴隷と自由の間、男と女の間に立ちはだかるベルリンの壁のようだと。

「セックスは2人が元に戻ろうとする行為なの?」

「私の股間に残った1インチ」

「6インチから5インチ消えて残った怒り
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カツベン!(2019年製作の映画)

3.1

この時代の人々にとって活動写真は夢であって最高の娯楽だったんだな。
あんまり入ってこなかった。

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.2

代理店への悪態、荒んだ心。気持ちも分かる。
ある日、清浦と病気の良くなった祖母の元へ。

「声ちっちゃいんだよ」って言うの地味にダメージくるね。

清浦のキャラクターがとても好き。

「一生懸命生きて
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.2

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ペトログリフを見に旅に出るラウラ。
恋人と行く予定だったが突然断られひとり旅に。
寝台列車で同室になったのはスキンヘッドでウォッカを飲み散らかし煙草の火花を散らしても気にかけない粗野な男。フィンランド
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.3

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映画に夢見る少年のエモ夢物語系だと思ったら全然違くて逆によかった。

幼少期のサムが親に映画に連れて行かれた時の衝撃。頭からこびりついて離れない映画の中の衝突シーン。彼の関心は機関車なのか。光の祭でプ
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.4

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貴賤も年齢も性別も関係ない。心を向き合わせて会話する。それでいて踏み入れすぎない。来るもの拒まず、去るもの追わず。そこにただ在ること。共助。なるようになるし執着しない。漂う。自然に身を置く。

ジタバ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

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強い信念。自らを信じ、強く夢に向かって突き進む心。現在地が道半ばであっても、揺るぎない想いで今現在の全力を出す。見据えた先を掴みにいくこと。

上部のスキルだけではない、内面から湧き出る魂を響かせる。
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君に届け(2010年製作の映画)

4.3

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クラスで馴染めない暗いキャラと人気者でイケメンの恋愛。
風早くん。もとい、風早きゅんですね。
ああ、三浦春馬さん。

担任さりげなく井浦新なのアツい。
友だちできてちょっとウキウキしてる爽子かわいい。
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.9

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両親の決める道を進む令嬢アリー。地元の製材場で働く青年ノア。

「自分を抑えてる」

道の真ん中に寝そべってみる。もっと自由に、縛られなくて、自分らしさを出していい。好きにしていい。ダンスが二人を近づ
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天才スピヴェット(2013年製作の映画)

3.7

12歳の天才スピヴェットがスミソニアン学術協会のベアード賞を受賞。ワシントンDCへと向かう旅の準備をするところの演出がおもしろい。大人を嘲笑うがごとく論理的に博識をもって話すスピヴェットは気持ちよい。>>続きを読む

ピンクとグレー(2016年製作の映画)

3.6

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ごっちとりばちゃん。サリーの引っ越し。ギター。弾き語るごっちの輝き。

スターへの階段を登っていく蓮吾に、くすぶる大貴。ごっちにとってはりばちゃんの方が芸能界に向いてると思ってた。有名になれると思って
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.2

強そうな相手を見つけては喧嘩をふっかけてボコボコにやられる泰良。その姿に興味を持った北原が一緒になって無差別に通行人を殴るなど楽しむ。
自らの中のくすぶったものを吐き出す。存在意義を暴力で見出す。那奈
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

3.1

「18と19を繰り返すべきなのよ」

いちごのショートケーキの話。
性と生と死。

「僕は本質的に楽天的な人間なんだよ」

解夏(2003年製作の映画)

3.2

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原作を昔読んだことがあり印象的だったので鑑賞。

ベーチェット病。
失明して困ったこと。
歯ブラシに練り歯磨きを乗せること。

真っ暗闇になることではなく、乳白色の霧の中。

「失明して初めて知ったね
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.8

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同じ殺人でも怨恨か金目的かで罪の重さが変わるとか、加害者を庇わなきゃいけない弁護士と被害者の裏側を描き、善悪をズブズブ刺してくる。

信じているか、勝つためか。

証言が二転三転する三隅。
本当は殺し
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.3

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ブラックホールの特異点定理を発表したスティーヴン・ホーキング博士の実話を元にした映画。

宇宙を解明する方程式を解きたい。

寝坊して急いで時刻表の裏に計算式を書いても課題を解ける博識で将来有望のステ
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.8

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レヴェナントはフランス語のrevenirに由来。幽霊とか死の状態から戻ってきた者の意味。

入植者VSアメリカ先住民族。原住民インディアンの食糧であるバイソンの大量虐殺。毛皮を資金にする入植者。実質的
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.7

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背負った宿命と吃音というコンプレック、病。
国民のための演説。国王としてのプライドもありながら、癇癪持ちなジョージ6世は周りの力を借りながら吃音を治すためのトレーニングを積む。
歌って踊りながら、ファ
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ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)

3.7

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佐藤直紀さんのサウンドトラックがいい。
夢を追いかけて希望を持って生きていた豊かな時代。

自動車修理工場での六子と則文のいざこざとか、ヒロミに唆されて淳之介の面倒を見ることになった文学、そんな彼に影
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おくりびと(2008年製作の映画)

4.3

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元チェロ奏者の小林が実家の山形に戻り、仕事を求め求人広告を見て訪れたNKエージェント。そこは納棺の仕事だった。

妻に仕事内容を隠し、納棺師の見習いとして働き出す。

全体的にポップなユーモアもあり、
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アス(2019年製作の映画)

3.6

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「鎖からの解放」
自分たちと瓜二つの人間たちの反逆。
クローンへの警鐘も一部のテーマなのかな。クローンを作っても魂まではコピーできない。ドッペルゲンガー的な二元性、一見同じようでも富めるものと貧しい人
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.4

大人には見えない、得体の知れない“それ”に立ち向かう子どもたち。

27年おきに起こる事件。下水道。
ベバリーにおでぶちゃんがキスしたら生き返ったのロマンス。

おでぶちゃん陥没乳首なのがいいね。さり
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スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

3.2

超人類(メタヒューマン)の問題は人間の部分。
悪には悪を。はみ出し者たちの絆。

デッドショットがハーレイ・クインへの狙撃を指示されてわざとミスするところ好き。

Queenの『Bohemian Rh
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コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

3.3

言葉が足りなかったり、勘違いや強がりですれ違っていたり。本音を確かめたかったり。過去は変えられなくても未来は変えられる。
松重さんのシーンはうるっとしたなあ。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.4

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虚構においてリアルを追求した結果、虚構にリアルが喰われるというゾンビ映画。ワンカットの臨場感はありつつも設定や役者、細かい演出の安さは否めない感じ。という出来上がりの背景を伏線的になぞっていく。曲者揃>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.7

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ポンポさんがジーンに目を付けた理由。ジーンはダントツで目に光がなかったから。満たされた人間というのはモノの考えが浅くなる。幸福は創造の敵だという。

「現実から逃げた人間は心の中に自分だけの世界を作る
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.8

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画面の反転、不協和的音楽、不穏な演出が凄すぎる。ヘルシングランドの幻想的牧歌的風景。90年に一度の大祝祭の日。ずっと映像が綺麗。催眠的な音楽。生命のサイクルを終わらせるために飛び降り死ぬ司祭。声をこも>>続きを読む

二重生活(2016年製作の映画)

3.5

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「理由のない尾行」
なぜ人は存在するのか。何のために生きるのか。論文のためにはじめる哲学的尾行。

倫理・犯罪とアカデミックの狭間みたいな着眼点がおもしろいなと思った。

その後石坂にバレて論文を書け
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酔いどれ天使(1948年製作の映画)

3.8

お互いに無骨で強がりな真田と松永。銃弾の傷から松永の結核が判明するも度々衝突するふたり。素直になれない男たち。ギターの調べが印象的。人間に必要な薬とは。

生きる(1952年製作の映画)

4.0

原作はトルストイ、『イワン・イリッチの死』

時間を潰しているだけなのは、
生きている時間ではない。

土木課、下水課、防疫課…市役所のたらい回しおもしろい。市民課。

死を意識した瞬間から生きはじめ
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.0

勘兵衛が侍たちの実力を見極めるところとか、キャラクターや実力を分かりやすくインプットする上でめちゃくちゃ効果的だし、百姓侍の菊千代がいることで身分の差を分かりやすくしていていいね。侍を集めるところはな>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

3.7

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イチャつきすぎてイヤリング飲んじゃうアントニオキモかったな。

強く生存を信じるジョバンナ。

ひまわりの下にはイタリア兵やロシア農民などが埋まってるんだね。悲しみの陰に咲く美しさ。

マーシャはアン
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