シミステツさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

3.6

納豆もちもいいし、郵便屋さんとのコミュニケーションも都会にはないよな。季節ごとの生きる知恵、食べ方があっておもしろい。干し大根、干し柿。時間も手間もかかる。
キャベツの外側の硬い葉っぱはざく切りにして
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マイ・フレンド・フォーエバー(1995年製作の映画)

4.4

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HIVに感染しているデクスターとエリック、隣同士の友情を描く冒険物語。
川を下ったり、カートにデクスターを乗せて戦車ごっこしたり。ホモと揶揄ってきた奴らに立ち向かい、カートで坂を下るシーン、中指の立て
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.4

死者に自らの「人生で一番大切な思い出」を選んでもらい映像とともに送り出す。

群像のインタビューから各人の人生を振り返る。
選びたくないという若者、女性との想い出ばかり話す老人などさまざまな生きざま。
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リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

4.3

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1980年代、炭鉱ストライキの最中、父親の影響でボクシングを習ってた少年ビリー・エリオットが、ボクシングジムの隅で開かれていたバレエ教室に魅せられ、才能を見出されバレエダンサーを目指していくストーリー>>続きを読む

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

3.6

知的障害を持つサムが愛する娘を取り戻すためのヒューマンドラマ。

ショーン・ペンの演技が素晴らしいし、彼の娘に対する素朴な愛が伝わってくる。養育に知能は関係ない。愛を持って接することの大切さ。知的障害
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

3.5

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現代だとサイバーハックになるし、テクノロジーを駆使しつつ侵入して現金を物理で強奪系の映画はもうなくなってくるのか…と寂しい気持ちで観ていた。

イカサマ・ディーラー、詐欺、曲芸、電気通信、爆発物など犯
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ぼくたちと駐在さんの700日戦争(2008年製作の映画)

3.6

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平和でのどかな田舎町。高校生と駐在さんのしょうもないイタチごっこ。にっくき駐在さんの奥さんが恋する美人の加奈子さんという。

ミカちゃんのために花火を盗むというのが無鉄砲な若者らしく粋だし、花火師の親
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.2

カウンターカルチャーの影響も色濃い60年代のハリウッド。
旬の過ぎた俳優リックはムービースターへの道を目指す。マカロニ・ウエスタン映画への出演に意気込むも焦燥感から台詞忘れで取り乱したりメンタルの弱い
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.1

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汚職の黒幕、大目付・菊井を退治する勧善懲悪時代劇。金をせびるしぶっきらぼうでありながら、如何なる時も動じず、敵の動き方、状況の把握が的確で頼り甲斐のある三十郎が癖になる。三十郎に恩を感じ、疑い、また結>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

3.5

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手がかりのない殺人事件。被害者の身元も不明。
唯一の手がかりは「カメダ」という言葉。
事件解明に奔走する今西と吉村。
東北地方と出雲地方は同じ音韻。
ずーずー弁で亀嵩はカメダに聞こえる?

宿命。生ま
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.1

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資産の制限、ユダヤ人お断りの店々、公園に入ることさえ禁じられる始末。ゲットーへの移住、ユダヤ人虐殺。奇跡的に生き延びたシュピルマンは匿ってもらいながらひっそりと暮らす。

建物が戦車に撃たれた時のキー
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.3

人が生まれてはじめて感じるのは音。
世界のはじまり。

普段何気なく映画を見てたけど音響の大切さや有り難みを知ったし、目から鱗の驚きな情報も多くて普通に勉強になった。音響はまさに「才能の輪」、スタッフ
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いのちの停車場(2021年製作の映画)

3.2

東京の救命救急センターから金沢の在宅医師へ。
医療のあり方を考えさせてくれる。
さまざまな事情で病院医療ではなく在宅へ。
「命を救う」から「命を見届ける」へ。

全体的にちょっと退屈で個人的にはあまり
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.2

アルファベットのAから順番に出てくる文字が印象的な冒頭クレジット。

殺し、窃盗、昔の愛人との、小説を書きながら、朗読しながら、退屈な現実からの逃避行。

「映画には愛と憎しみとアクションと暴力がある
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.6

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貧困、移民、マイノリティ。クィア。夢への憧れ。
取り柄がない。可能性の海にどこにでもいる。失敗もどこかの成功へ枝分かれしていく。ひとはみな、何者かになれる(なれる時がくる)。ありそうだった世界。あり得
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.1

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首の使い方が上手だなと最初のシーンですぐ感じた。変に脚色しようというのではなく、あくまで自然に所作を磨く感じ。

服は纏うもの、みずからを守ってくれるもの。
どこかで自分を騙し騙し、虚勢を張らなきゃい
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.0

残された余命わずかの窓拭き清掃員のジョン、33歳。4歳の息子マイケルを男手ひとつで育てるも、養子縁組の手続きをはじめ、新しい親を探す。

息子のしあわせを思って、実の親のことなんて忘れてもらっていい。
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

喪失感。思い出に留まること。温めること。
母、娘、祖母をつなぐファンタジー。

一つひとつのシーンが美しい。
取り調べごっことかひげ剃りのシーン好き。
サンス姉妹がかわいい。

バビロン(2021年製作の映画)

4.2

まず世界観の作り込みがすごい。本当に20年代の豪奢の世界、夢に溢れた世界に迷い込んだみたい。独特の気怠さと艶、退廃的で乱痴気、アナーキーでエキゾチック。赤みのあるカラーグレーディングも世界観を刺激する>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

3.9

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中絶が違法だった1960年代のフランス。予期せぬ妊娠が発覚したアンヌは学位のために出産するのを拒んでいく。
女性に選択肢がなかった時代。子どもを産みたくないという選択も尊重されるべきだし、一方で中絶に
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ぼくは明日、昨日のきみとデートする(2016年製作の映画)

3.8

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「ひとめぼれをした」

ひとめぼれでいきなり声かける高寿強い。福寿さんかわいすぎる。初めてのデート。

「本当のこと言っていい?わたし、ずっとあなたのこと見てたんだよ。気づかなかったでしょ?」

初め
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Summer of 85(2020年製作の映画)

4.3

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「僕が惹かれるのは”死”そのものだ」

「これは僕の物語じゃない」
からのタイトルバックかっこええな。
急に夏が来た。

ヨットで1人沖に出た16歳のアレックスが急な嵐に見舞われ転覆したところを助けて
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映画 太陽の子(2021年製作の映画)

3.5

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原子核爆弾のための濃縮ウランの研究開発を進める修。超高速分離、1分間に10万回転。

原子核爆弾の破壊力、恐ろしさへの葛藤。物理学者が新しい時代を作るという気概。科学の正義。善悪などない。ただ真理があ
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真実(2019年製作の映画)

3.4

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カトリーヌ・ドヌーヴいまこんな感じなんだ!という。
ファビエンヌの自伝本『真実』。彼女が綴った真実とは。母と娘の確執も露わに。

わがままな大女優ファビエンヌ。監督と寝て仕事をサラから奪ったとか、リュ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.9

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航空機事故で奇跡的な着水によって乗客を救った機長。国民的英雄として称賛される一方で機長の判断は正しかったのか厳しい追及が行われる。シミュレーションの結果ではラガーディアに引き返せたと。
回想シーンがめ
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

3.6

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学校の教室の机を歩く、逆さの画からはじまるの斬新。
祖父が倒れ、病院に向かう道中事故、そして家の火災…。彼氏の浮気現場にも遭遇し、ことごとく災難。
そんな人生どん底の中で出会ったのが開業医の大悟。逢瀬
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その日、カレーライスができるまで(2021年製作の映画)

3.0

どしゃぶりの雨の中、停電になったアパートでひとり。ラジオで流れてきたクウセンジャーがうるさくて隣人に壁ドンされたり、ふと亡くなった息子のビデオを見て物思いにふけたり、ちょっとウイスキーを一杯。孤独を突>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.2

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「プロセスより結果がすべて」
「常に攻めの姿勢で」

業界の負け犬だったナイキ。上場し損益と株主に縛られる。ソニーのアイデアは3人と契約するのではなくジョーダン1人に絞って彼のアイデンティティを最大限
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.7

夫の稼ぎでのんびり暮らしたいとか言われたり、実家で夫が家事すると妻は体裁悪かったりするよね。

結婚したら何人産んでほしいとか言われたり、キャリアは結婚や育児を懸念され能力があっても男ばかり選ばれたり
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今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

3.6

お茶飲んでるシーン、哲夫(佐藤二朗)のアドリブに絶対理子(清野菜名)がめちゃくちゃ笑い堪えてる。

ALWAYS 三丁目の夕日’64(2012年製作の映画)

3.9

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六子と孝太郎のロマンスよいな…。女たらしなのか、愛なのか。
緑沼アキラは淳之介だったのか…。燃やさなくても…。大切な才能が。

縁を切ってる竜之介の父親は実は息子の小説を読んでいた。小説家のような厳し
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ALWAYS続・三丁目の夕日(2007年製作の映画)

3.6

冒頭ゴジラが出てきて、どんな世界線?って思ったけど案の定茶川さんだった。冒頭に時代性も取り入れながらいい引きを作れてる。

則文がキレると髪の毛逆立つみたいな演出コミカルで昭和的でよい。

一平がお嬢
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.9

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口うるさく仏頂面だけど、ゴミの分別を正したり、曲がったことが嫌い、ルールを守る、やっていることは真っ当。
孤独を抱えたオットーにお節介な隣人マリソル。

持病で陸軍の兵役を免れ、駅で本を落とした女性と
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ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

3.1

建て替えか補修現存か。
近衛寮の存続をめぐる大学と学生の闘い。
抗議側の三船の姉が学生課にやって来る展開。
老朽化による安全性みたいなものは建前で本音は国から予算を取りやすい学部創設とかそういう思惑も
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(ハル)(1996年製作の映画)

4.0

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インターネット黎明期の恋の話。
この頃のチャットや電子メールなつかしい。
アメフトで肩を壊し居場所をなくしていたハルと恋人を亡くしてから恋愛を拒んできたほし。

ほしはチャットでは男を装っていた。
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アジアの天使(2021年製作の映画)

3.7

「あなたはいつも私が泣いている時に現れる」

妻を亡くしたことをきっかけに疎遠になった兄のいる韓国へ渡ってきた剛。韓国で泣かず飛ばす、歌手としての夢を追うソル。韓国と日本、それぞれの貧困、それぞれの道
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