Junさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

トマホーク ガンマンvs食人族(2015年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

B級映画の並びにありそうなタイトルだけれど、全然違う。これは重厚なウエスタン・ホラーとでも呼ぶべき映画だ。
簡単なあらすじとしては、穴居人に攫われた住民を救出すべく保安官のハントと3人の仲間が谷へと向
>>続きを読む

コレクター(1997年製作の映画)

3.8

事件と犯人の異常性がしっかりと感じられ、且つ筋立てが丁寧に描かれていて良い。犯罪心理学に長けた主人公が、犯人の手から逃れることができたヒロイン・ケイトと共に力を合わせ捜査を進めていくが、この二人のキャ>>続きを読む

8mm(1999年製作の映画)

3.1

『セブン』(1995年)で一世を風靡したアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーの手による脚本作品…であるが、称賛を得た『セブン』と比較するとどうにも後味の悪さと暗さ以外にはあまり印象に残らない。中盤以降の>>続きを読む

15ミニッツ(2001年製作の映画)

3.7

個人的には『2 days トゥー・デイズ』(1996年)も印象に残っているジョン・ハーツフェルド監督作品。メディアの暗部を皮肉って描いた作品は他にも挙げられるが、本作は大胆なギミックを取り入れた構成が>>続きを読む

シン・ジョーズ 最強生物の誕生(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

2016年のアメリカ映画『シン・ジョーズ(原題:Atomic Shark)』とは全く関係のない中国製サメ映画。こちらの原題は「Land Shark」であるが、一部サメ映画フリークスたちから愛されている>>続きを読む

バタリアン(1985年製作の映画)

3.2

『エイリアン』や『ゾンゲリア』の脚本家としても知られるダン・オバノン渾身の…かどうかは知らないが、ゾンビ映画群の中にあって異彩を放つ監督作品。医療会社で働くアホなふたりがしょーもない話の流れでゾンビを>>続きを読む

悪魔の植物人間(1973年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

生物の進化を追い求めるあまり暴走するマッドサイエンティストの姿を描いたイギリス産ホラー映画。植物と人間を掛け合わせる狂気に取り憑かれた科学者・ノルター教授を演じるは『007は二度死ぬ』でブロフェルドに>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.1

ぽつぽつと繰り出される会話、それも繋がっているんだかすれ違っているんだかよく分からない会話のテンポが可笑しくて妙な心地良さを覚える。ユーモアに満ちた脚本が素晴らしく、淡々と物語が進行していく中で人間模>>続きを読む

バーニング・クロス(2012年製作の映画)

3.7

前2作ではモーガン・フリーマンが演じていたアレックス・クロスをタイラー・ペリーが引き継いだ、シリーズ3度目の映画化。犯罪心理学を軸とした主人公のキャラクター像ではあるが、作風は監督を務めるロブ・コーエ>>続きを読む

科捜研の女 -劇場版-(2021年製作の映画)

3.8

大人気TVシリーズ初の映画化というだけあって、事件の規模もロケも気合が感じられる一作。
予告編にて「世界同時多発"科学者"不審死事件」の見出しを目にしたときは壮大なスケールに思わず笑ってしまったが、実
>>続きを読む

シン・感染恐竜(2021年製作の映画)

1.0

稀代の虚無作『サメデター』を世に放ったダスティン・ファーガソンが送る最新作。もちろん観る価値はない。それらしいストーリーの骨子はあるにはあるが、ほとんど意味を持たないシーンが大半を占め、無駄な尺稼ぎが>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

4.0

宗教観に基づく行動原理がとても興味深い。嘘に対する感覚がまるで違ってくる。誰も悪くないといえば悪くないし、みんな悪いと言えばそうとも取れる。不条理な現実を静かに捉えた眼差しが、観る者の心をガンガン揺さ>>続きを読む

地獄のデビル・トラック(1986年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

かのスティーブン・キングが原作・脚本・監督を務めた意欲作。頭の悪い内容(褒め言葉)が終始展開されるヒジョーにご機嫌な映画である。思い出そうとしても数多く繰り出される爆発シーンしか印象に残っていないが、>>続きを読む

アンフレンデッド(2015年製作の映画)

2.9

全編に渡ってネットの画面上で物語が展開される演出は風変わりで面白い。が、登場人物の全てを画面の前に引き止めておく理由付けが乏しく、ホラー映画だとしても何の捻りもないオチで幕を閉じてしまうのはいかがなも>>続きを読む

陽炎座(1981年製作の映画)

4.1

夢と現の狭間を具現化したような映画だ。難解ながらも、独特の雰囲気と美しい映像に魅了される。たとえ起承転結を有した物語で同じような映像が撮られたとしても、これ程までに味わい深いものにはなり得ないだろう。>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

サスペンス映画として数えられる最高峰の一つ。全編を通して監督の手による演出が冴え渡っている。何故この映画のシャワー室のシーンが未だに語り継がれているのか、観た者には容易に理解されると思う。緊張感を存分>>続きを読む

クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち(2004年製作の映画)

3.6

ジャン・レノ演じるニーマンス警視が続投している以外にほとんど共通項を持たないシリーズ2作目。原作小説を思えば続編の制作など到底不可能なので、逆によく作ったなとも言える。深紅なる川も意味を成さないし。副>>続きを読む

クリムゾン・リバー(2000年製作の映画)

4.5

ゲルノンで起こった猟奇殺人事件と田舎町サルザックの墓荒らし。2つの事件が複雑に絡み合い、やがて浮かび上がる真相。

優生学、オカルト、ナチスといった要素を取り入れた事件のおぞましさは、田園的な風景の美
>>続きを読む

スラップ・ショット(1977年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

現実にはあり得ないラフプレーの嵐とクセがすごすぎる個性的なキャラクター。スポーツを題材にはしているけれど、仕事と恋愛に行き詰まった男たちの悲哀に満ちたドラマと捉えられないこともない。コメディ色よりも風>>続きを読む

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年製作の映画)

4.2

「ゴジラミレニアムシリーズ」の第3作目ではあるが、設定は『ゴジラ』(1954年)のみを踏襲している。監督は平成ガメラ3部作でも知られる金子修介が務めており、その他主要スタッフにもガメラシリーズに参加し>>続きを読む

殺人鼠 KILLER RATS(2003年製作の映画)

2.8

新聞記者である主人公が名前を偽り精神病院へ潜入、次々と姿を消す患者たちの謎を探ると……。意外と丁寧にサスペンス映画しているけれど、観客には犯人がネズミと始めから丸分かりの為、今一つ盛り上がりには欠ける>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

4.0

原点にして傑作。

「核」や「放射能」、「戦争」の記憶が色濃く投影された作品であり、ディザスター・ムービーさながらに暴れまわる水爆大怪獣の姿は間違いなく空襲による惨状とリンクしている。打ち倒す方法に話
>>続きを読む

クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

1作目と比べ予算も増えた分、豪華な見せ場が多く迫力も増している。特に前作では触れられなかった「1日目」が冒頭で描かれた点は大きく、問答無用で人々を蹂躙するモンスターから逃げ惑うシークエンスがとても良い>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

音を立てたら即死という秀逸なアイディアと、それに付随する絶望的なシチュエーションが素晴らしい。静寂が支配しているシーンが大半を占めているだけに、緊張感と音が発せられる瞬間の胸のすくような高揚感のコント>>続きを読む

HUNT/餌 ハント・エサ(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

人喰いライオンがアムステルダムを舞台に市民をHUNTし始めたからさぁ大変!

アニマル・パニックとしては堅実な構成だが、ディック・マース監督らしい調子外れでユーモラスな人間模様と悪趣味さを兼ね備えた怪
>>続きを読む

アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

2.6

ヒトラーと東條英機が生きていて、ガーナを拠点に空手と魔術の力で人々を洗脳して世界侵略を企てるという映画。自分でも何を言っているのかさっぱりだ。

字幕・吹替えどちらを選んでもガーナ人は全編関西弁仕様、
>>続きを読む

コン・ティキ(2012年製作の映画)

4.0

トール・ヘイエルダールが自らの学説を証明する為、仲間たちと共に行われた漂流実験。実話を基にしているが、仲間が集う序盤の下りは王道と言っていい冒険を前にする期待感に満ち溢れている。また、出航後は地に足の>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.1

散りばめられた謎と時系列の跳躍を前に様々な疑問が浮かび上がるが、最後にピタリと解に結び付く様相からはパズルを完成させたかのような感動が得られる。劇中において、それまで信じて観ていた景色が真逆に映るよう>>続きを読む

デビルシャーク/エクソシスト・シャーク(2015年製作の映画)

1.0

この映画は端的に言ってデビルシャークと無駄で構成されている。事象を捉えた一つ一つのシーンは意味もなく引き伸ばされ、物語(と呼ぶべきものが存在しているかどうかも怪しいが)も破綻している。しかしそれらを取>>続きを読む

スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

刺激的な題材とテンポの良さは評価できるが、いかんせん二転三転の帰結が「騙す・騙される」の二極に終始している為、想像を超えた驚きに達していない点が残念でならない。度を超えた視聴者の欲求に迫る根源的な恐怖>>続きを読む

JSA(2000年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

南北問題を主題に据えたポリティカル・サスペンスの佳作。

親交を結んだ四人が仲良く遊ぶ姿は微笑ましく、翻って悲劇としか言いようのない結末には胸が痛む。同じ民族同士が争わなくてはならない史実は、あまりに
>>続きを読む

姿三四郎(1943年製作の映画)

3.5

三四郎が試合をする場面を始めとして、作品の中で描かれている全ての対決シーンが独特の緊張感を纏っていてとても楽しめた。黒澤明監督デビュー作ではあるが、間の取り方が絶妙であり、観る者がスクリーンの向こう側>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.4

七人の侍が集うコミカルな前半から一転、後半の合戦シーンは緊張感に満ちたスペクタクルに目を見張る。黒澤明が敬愛するジョン・フォード作品との類似点に着目すると、たしかに人物造形やドラマ部の展開は『駅馬車』>>続きを読む

シャーコーン! 呪いのモロコシ鮫(2021年製作の映画)

2.1

モロコシ畑を泳ぐサメに今更驚きはしないが、SNS等でジャケットに次いで目に付く、劇中のヘリに喰らいつくサメのシルエット画には新たな可能性を感じずにはいられなかった。この瞬間に限り、まるでA級映画を観て>>続きを読む

サメデター(2021年製作の映画)

1.0

この映画には何もない。いや、それらしいストーリーの断片と資料映像のようなサメは拝めるが(ディスカバリーチャンネルかな?)、語るべき要素がまるで見当たらない。後に残るのは無為な時間を過ごした喪失感、ただ>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.8

異様な雰囲気に満ちた鮮やかな色彩と、異常を装いながらも正常であり続けた男の衝撃的な結末。引用されたランボーの詩が脳裏から離れない。捉えどころのないヒロインの心理を探るのも楽しいが、解にたどり着くことは>>続きを読む