Junさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.6

細田守監督作品に対する印象としては、フィルモグラフィーが更新される度に監督自身の脚本への関わりが殆どひとりで完結されるものになっていき、並行してシークエンスの繋ぎが些か出し抜けに感じられる嫌いがあった>>続きを読む

名探偵コナン 11人目のストライカー(2012年製作の映画)

3.6

謎解きの下りやアクションシーンに見応えがあり楽しい。現実のコラボで実在のサッカー選手が出てくるのも面白いんだけれど、如何せんセリフが棒すぎた。毎度のアフレコ体験者による子どもたちの演技は温かい目で見守>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

「秒速~」までの監督作品に触れ、自分には致命的に合わないと感じていた者だが、評判の良さに惹かれ映画館へ。しかし残念ながら観終えて覚えた印象は、それまでとあまり変わりないものだった。

画は素晴らしいし
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名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)(2011年製作の映画)

3.6

描かれる事件の規模と広がり具合が少し不一致な気もするけれど、スペクタクルな仕掛けが冒頭とクライマックスに配された構成は、映画の醍醐味が味わえて楽しい。

コナンが子供たちに諭す「言葉は刃物なんだ…」の
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名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)(2009年製作の映画)

4.0

黒ずくめの組織を巡るシリーズの本筋とオリジナルの事件のブレンド具合が程良く、緊張感のある物語が楽しめる。アクション過多になっても事件の筋がしっかりしているのはお見事。どこを切っても一定の水準を超えた面>>続きを読む

リバイアサン(1989年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

どう贔屓目に見ても舞台を海底に置き換えた"エイリアン”の亜流であり、緊迫感も”遊星からの物体X"と比べるべくもない。にもかかわらず定期的にふと観返したくなる。このど定番なシチュエーションがやはり好きだ>>続きを読む

名探偵コナン 紺碧の棺(2007年製作の映画)

3.3

犯人探しはすぐに当たりが付いてしまうのでそれほど盛り上がらないが、程よい冒険活劇とキャラクターの魅力で安定した楽しさを提供してくれる。劇中で語られるメアリーとアンのお宝を巡る話はロマンチックで素敵。事>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.9

物語の筋は大味で勢いしか感じられないけれど、それでも劇場の大画面で迫力を体感すると十分に満足してしまう。

レジェンダリーが放つ「モンスターバース」は、1作目の『GODZILLA ゴジラ』こそ怪獣のキ
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東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.9

ほとんど作品に対する前知識のない状態で臨んだけど楽しかった。

過去と現代を行き来するタイムリープものの醍醐味は双方の時代の情報を知る有意性が如何に発揮されるかだと考えるが、特別な能力や偶発的な展開で
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

観る前に"大どんでん返し"の謳い文句が目に入ったけれど、重要視すべき要素は他にあると思う。詐欺師であるロイが生き別れた娘と出会ったことで​父親としての自覚を持ち始め、最終的には自身の人生を見つめ直す。>>続きを読む

特捜部Q カルテ番号64(2018年製作の映画)

4.6

選民思想による悲劇が克明に描き出されるシリーズ4作目。

事件を覆う負の感情が鮮烈な印象を与えるが、シリーズの中では比較的救いも感じ取れる一本ではないだろうか。謎解きの過程の面白さもさることながら、社
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特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

全編が宗教観と信仰の問題に覆われたシリーズ3作目。事件を追う展開はスリリングであり、アクションの見せ場も力が入っている。犯人が明かされるスタイルでも最後まで強く惹き込まれる。

北欧特有の景色の美しさ
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ブル・ドッグ 人質救出作戦(2000年製作の映画)

2.8

イスラエル人とポーランド人コンビは中々面白く表現されていたが、バディ・ムービーとしては真新しさもなく凡庸の粋を出ない。常にアングルを変えるカメラに拘りを感じるが、アクションシーンの勢いも所々殺してしま>>続きを読む

アナザヘヴン(2000年製作の映画)

3.8

凄惨な事件を通して表出する「悪意」というモチーフが面白い。役者たちの怪演にも支えられて魅力的なキャラクターにさえ映る。隠し切れない程の悪意が満ちているとでも言いたげなラストシーンの雨は印象的。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.8

まず大前提として、自分の原作漫画に対する評価は満点だ。こんなにもクリエイティブで映画愛に満ちた作品があるのかと感動に打ち震えたものだ。

映画を観て目に付くのが結構な割合を占めるオリジナルの要素。これ
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ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-(2020年製作の映画)

3.3

中山七里の小説全般に対してはどんでん返しの果てに瓦解するイメージを持っていたので、今作も身構えて臨んだ結果、するっと幕引きが成されたことに拍子抜けした。実在する医師をモデルとしたサスペンス映画ではある>>続きを読む

海底47m 古代マヤの死の迷宮(2019年製作の映画)

3.7

画面構成は良くも悪くも閉塞感に満ちており、劇場で観たほうが緊張感も増して楽しめたことだろう。TV画面だとコントラストの差異が捉え難く、ただただ暗く映りがちで少し残念に思う。

パニックスリラーの要素は
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ツーリスト(2010年製作の映画)

3.4

この類の練られた脚本って派手な音楽やアクションで盛り上げるよりも、ドライに徹して見せた方が良い結果に繋がるんじゃないかな。大仰な大作感が却って足を引っ張っているような印象を覚えた。深く考えずともオチが>>続きを読む

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

4.6

観終えてしまえばそれほど複雑な事件でもないのだけれど、真相解明への過程がとても面白く見応えがある。結末の救いの無さも派手な大衆ミステリー映画とは一線を画す余韻があって良い。シリーズ全編に渡って漂う何と>>続きを読む

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

4.5

点と点が結びつきやがて真相へと誘われる手触りは、まるで極上のミステリー小説を読んでいるような感動が満ち満ちている。派手さはないけれど、筋立ての良さに見入ってしまう。

惨事の先を捉えた静謐なカットは、
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劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班(2021年製作の映画)

3.6

TVシリーズにあった過去と現在の双方で事件の謎を解く要素が薄れてしまった為、随分と印象の異なる続編映画となってしまった。映画のスクリーンに映えるアクションを前面に押し出したかったのは理解できるが、描き>>続きを読む

ディフェンダー(2004年製作の映画)

3.0

ドルフ・ラングレン初監督作品。

編集が些か雑に思える格闘シーンは難有りだが、爆破・銃撃シーンの見せ方は好感が持てる。単純なようでいて脚本も捻りを利かせているし、汎用なC級アクション映画と切って捨てる
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ザ・ロック(1996年製作の映画)

4.5

エンターテインメントに徹したアクション映画として1つの到達点だと初見で思ったものだが、その考えは今でも揺るがない。流れるように展開する物語と間断なく盛り込まれた迫力あるアクション、スピーディ且つスタイ>>続きを読む

ガールズ&パンツァー 最終章 第3話(2021年製作の映画)

4.3

クオリティの高い戦車戦の映像・音響に、そりゃ制作期間も長くなるな…と納得のいく充実した内容。今作では、短い時間ながら役割交代を見せるチームワークぶりが新鮮で楽しく映る。またダイジェストとは言え、ライバ>>続きを読む

新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X(2019年製作の映画)

4.1

力押し感のある闘いの決着はやや呆気なく思えたものの、小ネタ満載な楽しいお祭り映画だった。TVシリーズと変わらないメッセージ性もあり、幅広い年齢層に通じるエンタメに徹した作りが素晴らしい。

「好きなも
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.5

物語の本質を思うに、明らかに情報過多であり、その説明すら放棄しているスタンスの印象は拭えない。どんなに大風呂敷を広げても最後には個々のエピソードに帰結していく様は、物語の構造上の限界を感じずにはいられ>>続きを読む

捜査官X(2011年製作の映画)

3.4

登場人物の行動原理が見えてこず(説明はあるのだけれど)、ドラマに今ひとつ入り込めないのが難点だが、尺の折返し辺りでギアを上げてからはスピード感があり、アクションの切れが感じられて良い。独特なカット割り>>続きを読む

Tokyo 7th シスターズ 僕らは青空になる(2021年製作の映画)

4.5

アイドルを題材にした作品は数多く挙げられるけれど、ナナシスのアイドル観は他のどれとも異質だ。付与されがちな永遠性を否定しながら受け入れている。それはこの作品でも、クライマックスに配された、水瀬いのり演>>続きを読む

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大怪獣空中決戦に続き4K HDR DOLBY CINEMA にて鑑賞。

本筋と呼べる内容にも触れつつ、単体で捉えて最も完成度が高いのがこの2作目だろう。続編を迎えて今度は戦争だ!なんてまさに異星人を
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.0

評価するのが難しい新シリーズ3作目。

最終作への布石と見れば色々な要素が後に活きてくるのかもしれないし、これはもう最後まで観てみないことには何とも言い難い。(記している現在2/2、公開日程は未定)
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

既存のTVシリーズとは話が大きく逸れていく新シリーズ2作目。

日常描写やキャラクター間のコミュニケーションが丁寧に綴られており、難解と評されがちなシリーズに於いて最も素直に楽しめる一篇に違いない。迫
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.6

リビルドを謳っていたように再編集の向きが強い新シリーズ1作目。

本筋を追うことに特化したストーリーはテンポ感が良く、クライマックスのヤシマ作戦まで一気に観れる。ラミエルをブラッシュアップしたと思しき
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.7

4K HDR DOLBY CINEMA 観てきました。

無駄なくテンポよく進む物語の面白さと、重量感のある怪獣描写でこのジャンルにおいて抜きん出た存在感を放つ好シリーズ。語り口の軽妙さは次作G2も引
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首領への道(1998年製作の映画)

3.8

極道に身を置く男たちの熱いドラマ!!

物語の重要な局面で挟まれる長回しが効果的に用いられており、それ故、主要人物のアップを捉えた切り返しショットの迫力も増して感じられる。

皆、忠誠心が強い越智の姿
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

3.5

これは"ジョゼと虎と魚たち"なのか?

原作小説、実写作品にも触れたが、そのどれとも異質だ。犬童一心監督作品は役者の演技と共に印象に残るものがあったが、障がいを持ったヒロインの姿が生々しく、私は好まし
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ザ・ゲスト(2014年製作の映画)

3.8

同じアダム・ウィンガード監督作『サプライズ』でも感じたことだけれど、決まった型に敢えて嵌まらない、ジャンルをクロスオーバーした作風が印象的だ。謎解きを期待した向きには不評なんだろうと容易に想像はできる>>続きを読む