華麗なる加齢臭さんの映画レビュー・感想・評価

華麗なる加齢臭

華麗なる加齢臭

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山谷 やられたらやり返せ(1986年製作の映画)

4.8

【社会的弱者同士の争い】
幻のフィルム。札幌で開かれた上映会に参加。観客は、昔は社会運動家だったんだろうなぁと思える方々が10名程度だった。

熱いドキュメンタリーだ。ゲバ字、立て看板、ハンドマイクの
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

【2023年の東京物語】
年明け早々に見てきたが、2024年のベストムービーに決定!。残り11か月でこれを超える作品には出会えないだろう。
しかし私は平山について語ることは出来ない。彼への思いを綺麗に
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(2023年製作の映画)

4.0

【戦国時代のリアルとたけしの限界】
ちょうど、今「武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世」という新書を読んでいる。これを読むと、もともと武士なんて「忠義」や「礼節」等々とは対極に、私
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.4

【ベタすぎました】
サーチライトフィルムのノマドランドでも同じ感想をもったが、どうも結果としてのオスカー受賞ではなく、あらかじめ賞狙い制作された作品に思えてしまった。もちろん根拠なんてないが。

A2
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

5.0

【ハリウッドの回答】
61年度版はリアルタイムでは鑑賞していないが、物心ついたことから何度見たかはわからい。
又、リメイクはオリジナルを超えることが出来ないとの先入観もあり、酷評するんだろうなぁと思い
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アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

5.0

【私は間違いなくその場にいた】
私は間違いなく1972年1月13日14日のLAのバプティスト教会にいた。

マービンの「ホーリー・ホーリー」から始まるのだが、最初のワンフレーズで私は50年前の教会にワ
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リスペクト(2021年製作の映画)

5.0

【ジェニファ・ハドソンの歌声に泣いた】
昔、友人から五嶋みどりのバイオリンを聴いて、心が震え泣いた話を聞いた。
正直、どんな感情かは想像できなかった。

そんな私は、この作品でジェニファ・ハドソンの歌
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

【逆恨みになぜ気付かない】
とんでもない映画だ。高評価の皆さんは騙されている。
公開翌日に鑑賞したがあまりにも酷く書く気がしなかった。


なぜ、この映画を観た者は次の矛盾を感じないのだろうか?

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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.5

【作り物感】
実話のとおり、北海道を舞台にしている。にもかかわらず街中の風景からは札幌の空気感ゼロ。
降雪地の道路は道幅が広し、コンクリ板塀は見かけない。

ホンや芝居が平均点以上でも、美術だダメなら
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.3

【阿部サダヲの芝居】
阿部サダヲは初めて観たのは、国際線機内で選択した「舞妓Haaaan!!!」。
爾来、時に目にするようになったが正直言って嫌いな役者だった。

大泉洋や木村拓哉は、役作りが上手では
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.9

【テーマ100点、美術50点、邦画20点】
テーマも芝居も素晴らしいのに、チープな美術が気になってしょうがなかった。
同時に、水俣病をテーマにした最初の劇映画が洋画だったことが情けなかった。

「公害
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

5.0

【現実は甘くない】
私は今年還暦だ。そして物心ついたころから、ず~~っとBLACK MUSICを聴きづけてきた。また学生時代にはマルコムXの演説集やブラックパンサー党が書かれた本も読むなどし、音楽の背
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.9

【笠原 和夫は偉大なり】
最初に断っておくが、紛れもなくお気に入りの作品であり前作同様ロードショウ―公開中に数回は劇場に足を運ぶだろう。また、Filmarksでも高評価が多く「傑作」と称して間違いはな
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ひとよ(2019年製作の映画)

4.0

【地方都市の空気感】
テレビドラマはもとより、邦画のレベルは年々ひどくなる。芝居も脚本もクオリティが低すぎる。あれは「作品」ではなく「商品」だ。

もちろん鑑賞に堪える作品も作り続けている監督も少なか
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ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2020年製作の映画)

2.4

【映画じゃない金のかかったTVドラマ】
長野での「男原田の大ジャンプ」はリアルタイムで泣いたし、いまだに胸を熱くする。故にロードショー公開を楽しみにシアターまで足を運んだのだが・・・

最初とりあえず
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.6

【オスカー狙いがみえみえ】
公開初日に鑑賞。にもかかわらず今日までレビューを書いていなかった。
他の方が書いているように、荒涼ではあるが美しい風景の中で綴られ、そして人生を感がえさせられる作品ではある
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太秦ライムライト(2013年製作の映画)

5.0

【R.I.P.福本清三】
映画ファンであれば「大部屋(俳優)」の説明は不要だろう。
この大部屋俳優にスポットライトが当たったのは、何といっても「蒲田行進曲」(1982年)だ。つかこうへいの芝居を深作欣
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

4.8

【港町とエンドロール】
面白かった。
もう一度書きます。面白かった。

何度も書いているが、日本国内の興行成績ベスト10はアニメだらけであり、当然競争が働きアニメでは良作が生まれる。
韓国映画のそれは
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ザ・レポート(2019年製作の映画)

4.7

【9.11とベトナム戦争と大統領選挙】
2001年に世界を震撼させた9・11同時多発テロ。アメリカはもとより世界に衝撃を与えた事件の裏にはCIAの捜査という拷問があった。この作品は、5年間の歳月をかけ
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.9

【良かった、でも本当はもっとダラダラ生きてほしかった】
「ヤクザと家族」同様、ヤクザが生きづらい世の中で、「更生」あるいは「更正」しようとする姿を描いた作品です。

役所広司は存在感のある役者ですね。
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

5.0

【ラストは納得いかないが名作】
昔ながらのヤクザの世界は義兄弟や親子の盃など、、まさに「疑似家族」の世界である。そのヤクザ世界での「家族」や「繋がり」をテーマとしている作品だ。ヤクザ映画でもあるので群
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浮草(1959年製作の映画)

4.9

【色彩に拘る匠の映像美】
恥ずかしながら、小津作品は「東京物語」しか観ておらず、良かったことは間違いないが、かと言って、クロサワと双璧をなす巨匠であったことは理解できなかった。
それゆえに、この作品も
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

5.0

【2時間で「麒麟が来る」を見事に超越】
昨夜(1月31日)観たNHK大河ドラマ「麒麟が来る」では、明智光秀がいよいよ本能寺の変を起こす前夜であった。本能寺の変は言わずもがな、日本人であれば誰もが知る「
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のど自慢(1999年製作の映画)

4.6

【味噌汁的作品】
日本人好みの作品。あのNHKの長寿番組「のど自慢」舞台とし、出演者を描いた作品だが、それぞれの想いや背景が適度に描かれている。
出演者の一人に「寅さん」のコスチュームを身にまとった者
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ゲロッパ!(2003年製作の映画)

4.7

【エンドロールが最高にHappy】
俺の様に、ファンクやソウルが大好きな人間にはたまらん映画やわ。
J.Bのファンクと70年代80年代のダンスチューン、そして人情噺と味のある役者をミキサーにかけ、味付
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パッチギ!(2004年製作の映画)

4.7

久々に観た。不思議なことに前回観た時よりも、数倍面白かった。

セリフの中に、製作者の、「在日」というマイノリティに関し「日本人として知っていてほしい」強いメッセージや当時の状況説明が、数多く含まれて
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メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

5.0

還暦目前の俺は、物心ついたころからMotownを聴いてきた。
1984年の25周年には、大学生だったがムーンウォークに驚いたし、Motownを離れ落ち目と言われたMarvinがCBSからミッドナイト・
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スパイな奴ら(2012年製作の映画)

3.4

【冷血なユ・ヘジン】
北朝鮮の工作員(スパイ)達が織りなす、アクションコメディ。
彼らは本国からの送金が途絶え、自ら韓国で生活の糧を得なければならないため、すっかりと俗物となってしまった。と作品の背景
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復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.7

【貧しさの残滓にある家族の映画】
1979年昭和54年の今村作品。5人を殺害した西口彰事件を題材にした長編小説を映画化したものだ。

舞台は、日本が戦後の焼き野原から、朝鮮戦争の特需をへて高度経済成長
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殺人者の記憶法:新しい記憶(2017年製作の映画)

5.0

【独立したアナザ・ストーリー】
「殺人者の記憶法」を「オリジナル」、そしてこの「殺人者の記憶法:新しい記憶」を「新しい記憶」と表し備忘録のためレビューを書く。

最初に、というか大前提として、ソル・ギ
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殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

5.0

【ソル・ギョングはアジアの至宝】
この作品を観た誰もが、ソル・ギョングの怪演に圧倒される。

いつも同じことを書いているが、私にとって映画を評価するポイントは、構成力やセリフを含めた台本、美術では構図
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ラスト・シャンハイ(2012年製作の映画)

3.9

【ゴッドファーザーにはなれず】
戦前の上海は金融都市であり治外法権の「租界」で構成され、日本人を含め多くの人を魅了した「東洋のパリ」、そして不安定な国際情勢を反映し様々な特務機関やマフィアが暗躍する「
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隻眼の虎(2015年製作の映画)

3.3

パクフンジョン監督は「V.I.P. 修羅の獣たち」(2017)「新しき世界」(2014年)と、お気に入りの作品と撮っているので期待したが、残念であった。

日本の韓国併合下において、朝鮮総督府や帝国陸
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鬼はさまよう(2015年製作の映画)

4.6

【韓国俳優の役作り】
死刑制度の在り方を根底に据えた、サスペンス・エンタメ。
wikiによれば、韓国では死刑判決は下されるものの、1997年以降執行は行われておらず、現在も60名弱の死刑囚が獄中生活を
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鋼鉄の雨(2017年製作の映画)

4.9

【文在寅支持者の心情がわかる傑作映画】
 この作品は、北朝鮮で勃発したクーデター、そしてそれを契機として現在休戦中である朝鮮戦争が再度戦火を交えることを命をかけて防ごうした者達を描いたものである。
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湿地(2006年製作の映画)

4.0

平均的な日本人にとってアイスランドは、名前は知っていてもあまり馴染みはないと思う。それも、そのはずでEU非加盟国の北欧にある人口は35万人の島国で、ニュースでもほとんど耳にすることはないだろう。

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