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幼女戦記のGTのレビュー・感想・評価

幼女戦記(2017年製作のアニメ)
3.8
 「幼女戦記」という人騒がせなタイトルだが、内容は中々に硬派な戦争モノ。
 「魔法」というファンタジー要素はあるものの、基本的にリアリズムに徹しており、戦争描写はかなり容赦なく描かれている。主人公のターニャ・デグレチャフ少佐は若干九歳の少女なのだが冷徹な性格をしており、反抗した部下を間接的に殺害するなど、およそ主人公とは思えないような性格。彼女は知識と経験豊富な徹底的な合理主義者であり、その可愛らしい声とのギャップが可笑しい。
 「戦記」とある通り、戦争映画にあるような極限状態にある兵士たちのヒロイズムというよりは、どちらかというと上層部側から見た「戦争の経過」的側面が強い印象。よって兵士は単なる一つのコマ以上の存在ではなく、ターニャ以外のキャラクターにあまり魅力を感じなかったというのは正直なところだ。敵国の奥深くまで浸透して敵司令部を直接叩いたり、わざと退却して敵を誘い込み挟み撃ちにしたりと、軍事オタク的には喜ばしいシーンが多いのかもしれないが、そうしたことに興味のない人にとっては少々盛り上がりというかエモーションが足りないと感じてしまう可能性もある。
 実はこのアニメは所謂「転生モノ」でもあり、ターニャ・デグレチャフ少佐の中身はサラリーマンのおっさんだったりする。彼は「存在X」と呼ばれる所謂神によって、この「異世界」に転生してくるわけだが、個人的には現段階を見た限りだと、この設定はあまり活かせているとは思えなかった。映画もあるようだし、丁度現在2期が放送してるっぽいので、是非続きを見てみようと思う。
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