ウシュアイア

氷菓のウシュアイアのレビュー・感想・評価

氷菓(2012年製作のアニメ)
2.8
GYAOの無料配信で完走したので再投稿。

(3話終了時)
3話まで観たところ地方の高校の古典部員たちによる学園謎解きオムニバスのようだ。

特に活動内容が定まっていない文化系クラブの男女の部員がわちゃわちゃしている、主人公はやれやれ系、ヒロインが不思議ちゃんということで、『ハルヒ』に似ている。ただし、宇宙人、未来人、超能力者は出てこず、あくまでも学園内の謎解きの話で、ヒロインのテンションは低め。

アニメーションは京アニということで、『Free!』シリーズ同様、登場人物によって瞳の色を変え、気合の入った瞳で感情表現をしており、京アニらしさが出ている気がする。

一方で、脈絡のないロリエロ要素のある画ややや現実離れした登場人物のキャラクター(性格)から、本作はあくまでもキャラクターを楽しむ萌え文化の中にある作品で、万人受けはしない。(『Free!』シリーズもターゲットは女性だが萌え文化の中にある作品だと思う。)人によってはほんわかした雰囲気が癒しになるという人もいれば、毒にも薬にもならず退屈だと感じる人もいるだろう。

京アニが絶賛されているが、万人受けする作品はそんなに多くないと思う。アニメの場合、合わなければ1話切り、3話切りになってレビューサイト上ではネガティブなもの上がってきにくい。

今のところ、続きが気になるわけではないが、観ていてしんどさを感じるわけではない。評価が高い作品なので、もう少し、できれば最後まで観て作品の良さを見つけてみたい。

(完走後)
観ていて感じたのは、リアルに高校生だった時のことや、他の作品と比べて恋愛要素が不自然なほどに希薄であること。主要キャラはともかく、いろいろな登場人物が出てくるにも関わらず、恋愛要素が皆無である。

おそらくほのぼのしたいから、思春期のドロドロした部分なんて見たくない人のためのファンタジーなのかもしれない。この作品はリアリティや普遍性、共感性を追及した作品というよりも、作者と視聴者がこうであってほしいというものを映像にした作品と言える。これは京アニ作品の傾向かもしれない。

金曜ロードショウの『ヴァイオレットエバーガーデン』が視聴率が不振だったように、映像技術はともかく、京アニ作品が一般ウケしているとは言えないのは、こうした作品傾向からではないだろうか。一般受けに必要なのは、共感性や普遍性といった要素が大きいと思う。
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