配信サービス | 配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | 初回31日間無料 2,189円(税込) | 今すぐ観る
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レンタル | 初回30日間無料 550円(税込) | 今すぐ観る
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レンタル | なし 登録無料 | 今すぐ観る
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見放題 | なし 1,026円(税込) | 今すぐ観る
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U-NEXTで、『∀ガンダム』は見放題配信中です。
U-NEXTには初回31日間無料体験期間があります。
無料体験中は290,000作品以上の見放題作品を鑑賞でき、いつでもキャンセルできます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | 初回31日間無料 2,189円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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2,189円(税込) | 初回31日間無料 | 290,000作品以上 | 可能 | 4端末 | 600pt(無料トライアル) 付与 |
U-NEXT トップページから、「31日間 無料体験」ボタンを押します。
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これでU-NEXTの登録が完了です。続いてファミリーアカウントを追加することもできます。
U-NEXT にログインしている状態で、トップページ左上のメニューボタンを押します。
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DMM TVで、『∀ガンダム』はレンタル配信中です。
DMM TVでは登録時に550ptのポイントが付与されるため、ポイントを消費してお得に視聴できます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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レンタル | 初回30日間無料 550円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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550円(税込) | 初回30日間無料 | 15,000作品以上 | 可能 | 1端末 | 550pt 付与 |
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Rakuten TVで、『∀ガンダム』はレンタル配信中です。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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レンタル | なし 登録無料 | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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登録無料 | なし | 0 | 可能 | 1端末 | - |
Rakuten TVトップページから、右上のメニューを開きます。
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Huluで、『∀ガンダム』は見放題配信中です。
Huluに登録すると、100,000作品以上の見放題作品を鑑賞できます。
配信状況 | 無料期間と料金 | |
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見放題 | なし 1,026円(税込) | 今すぐ観る
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月額料金 | 無料期間 | 見放題作品数 | ダウンロード | 同時再生可能端末数 | ポイント付与 |
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1,026円(税込) | なし | 100,000作品以上 | 可能 | 1端末 | - |
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地球の地表へ向かって、人型をした機械“モビルスーツ・フラット”が数機ほど降下していく。一機にはロラン・セアックとキース・レジェ、フラン・ドールという3人の少年と少女が乗っていた。 そのひとり、ロランはノース・アメリア大陸の東にあるビシニティという町に辿り着き、近くの川で溺れてしまうが、幸運にもふたりの姉妹に助けられた。 姉妹の名はキエル・ハイムとソシエ・ハイム。その日は町の成人式の日だった。 15歳になった少年と少女が御輿を担ぎ、近くのアーク山へ向かうのだ。 麓に着いた少年少女を代表して、キエルは“ホワイトドール”と呼ばれている石像の前で成人式の主役を務め、その様子を見たロランはとても感動する。 姉妹の父が経営する鉱山に雇われたロランは、2年後、自動車の運転手に抜擢された。 その日、グエン・サード・ラインフォードと名乗る青年と会うロラン。 ガリア大陸との戦争に備えて工業化を進めているグエンが、2年前、コヨーテに襲われたのを助けてくれた人で、ビシニティを含むイングレッサ領の主の御曹司と初めて知る。 ある日、ノックスの街に出たロランは、そこで別れたきりだったキースとフランに再会できた。ふたりはそれぞれパン屋と新聞社で働いていたが、3人の心配は土に埋まったはずの“フラット”が誰かに見つかること。深夜、ひとり山中へ向かったロランは、“フラット”が埋まっていることを確かめると安心して大声で叫んだ。「地球はとてもいいところだ! みんな〜! 早く帰って来い〜っ!!」と。だが、その叫んだ先が夜空に輝く月だということを、不審に思って尾行していたソシエが見ていたのだ。
イングレッサ領の御曹司、グエン・サード・ラインフォードはミハエル大佐に連絡を取り、領の首都ノックスで行われるミリシャ(市民軍)のパレードの日を早める。天文台が月の異変を観測したからだ。このためパレードの日はビシニティの成人式と同じ日になった。 ソシエとロランは、メシェーたちが作ったミリシャの飛行機を操縦し、機械のセンスを発揮する。そして成人式のあと、友人のメシェーに続きミリシャに入ると決めていたソシエはパレードに参加できず悔しがる。が、ロランは成人式に自分も参加できると知りわくわくしていた。 その当日、パレードを貴賓席で見るハイム一家と別行動をとったロランは、キース、フランと新聞社屋上で見物して、月から仲間が来ても帰還者として戻らないと話し合う。 その宵、ビシニティでは少年少女が背中に聖痕を付けあう成人式のハイライトが始まった。代表のソシエは相手役にロランを選び、ふたりはアーク山の麓に立つホワイトドールの前で儀式を始める。 しかし同じ頃、ついに月の民(ムーンレィス)の帰還部隊が、地上への降下を開始した。ムーンレィスは“モビルスーツ”を尖兵として送り出し、ノックスの街を攻撃した。 ミリシャは果敢にも応戦する。“モビルスーツ・ウォドム”のパイロット、ポゥ少尉はノックス周辺の制圧に出て、ビシニティの町を破壊してしまった。 儀式の最中だったロランとソシエは、ホワイトドールの中から機械人形(∀ガンダム)が現れて、ポゥ少尉の乗る40m級の“ウォドム”をビーム・ライフルで攻撃する様子を目撃する。 その凄まじい火力により、町の至る所で火の手があがった。
初動のあと、“ホワイトドールの機械人形(∀ガンダム)”は動かなくなった。ロランとソシエは操縦できないかと手引書がないか調べて、ノートパソコンを見つけた。 ミリシャvsディアナ・カウンターとの戦闘は続いていた。火の手の上がったノックスの街から逃げ出そうする人々は飛行船へ急ぐ。キースはパン屋の娘を連れて乗り込んだ。 地面に降りたロランは、山師シドから、機械人形をハイム鉱山の谷の方へ隠せと指示される。 ソシエはロランの操縦ミスで谷に落ちたことを怒り、山を下りてしまう。追うロラン。 グエンはシドから機械人形出現とロランが動かしたとの報告を受けた。 グエンはキエルに忘れられた過去の時代(黒歴史)が遺跡を残し、使える形で埋葬されていることを語る。 帰宅してソシエは呆然となる。ハイム邸が半壊して、巻き込まれたハイム氏は死亡していた。ロランはムーンレィスの帰還作戦が引き起こした惨劇に愕然とした。 月の司令母船の指揮官、アジ大佐はグエンに一時休戦を与える。前線指揮のフィル大尉は失策したポゥ少尉に機会を与え、謎のビームを発した“モビルスーツ”の捕獲を命じる。 キースがハイム氏の埋葬の場に現れた。帰還者として戻りたいと言うキース。自分さえ助かればいいの? と問い、ロランは喧嘩する。しかし、ムーンレィスの全軍統率をするディアナ・ソレルさえ地上に降りれば、事態は好転するかもと希望を抱く。 しかし、ポゥの部隊がマウンテン・サイクルに接近していた。ロランは戦争への抑止力になればと“ホワイトドール”を動かす。
地球に現れた謎のモビルスーツを捕獲するため、ポゥ少尉のウォドムと7m級のモビルスーツ・“ウァッド”小隊がビシニティに近づいた。ロランはホワイトドール(∀ガンダム)で立ち向かう。不慣れで武器のひとつ出せないが、機動性のみでウァッドを捕まえたロランは、どうにか停戦を呼びかける。 ビシニティの地元兵やメシェーの飛行機も戦闘に絡んで混乱する中で、ポゥの元には司令部から撤退命令が届く。悔しがるポゥだが、帰還船の護衛を命じられ部隊を引いた。 その頃、ボストニア城で夫の死を伝えられたキエルの母は昏倒してしまう。また、母が倒れたことを知らないソシエは、メシェーが行おうと提案したムーンレィスの機械を奪取する作戦に協力するため、飛行機に同乗してノックスへ向かってしまった。 その目的地、ディアナ・カウンターの帰還地には、帰還船と共に親衛隊のモビルスーツ“スモー”が降下していた。親衛隊隊長ハリー・オード中尉は雨が降る地球の環境に好意を持つ。 ひとり命令違反してマウンテン・サイクルに近づいたポゥは、機体を隠すため先手を打って名乗り出てきたロランと出会った。2年前に地球に降りた調査員と判明したロランは、謎のモビルスーツの情報を得たいディアナ・カウンターの司令部に出頭させられる。 アジ大佐、フィル大尉、ハリー中尉の前で司令部の人々が戦争を続けないようにと願い、事実を隠しながら、地球にはモビルスーツという戦力があると話すロラン。 地上の戦力に半信半疑のアジ大佐たちだが、土地の交渉のためにグエンが招いたボストニア城へ向かう。だが、その席でアジ大佐は暗殺され、犯人のイングレッサの長老は射殺されてしまった。交渉は双方が代表のひとりを失い暗礁に乗り上げる。 また、ロランは知らなかったが、地球上には“ホワイトドールの機械人形”以外にも宇宙時代の遺物が埋蔵されており、シドたち黒歴史を信じるミリシャたちが、マウンテン・サイクルでモビルスーツ“カプル”を掘り出し始めていた。
ディアナ・カウンターは親衛隊からの命令で戦闘布陣を敷き始めた。アジ大佐が殺され、弱みを見せることで地球帰還作戦が失敗することを恐れたからだ。 ヤーニ軍曹の車輌部隊がムーンレィスの帰還地へ進撃を開始した。ソシエとメシェーの飛行機も帰還地へ攻撃をかけるが、その戦場上空をボストニア城からビシニティへ向かう途中のロランとキエルの飛行船が通過していた。 ロランは、夫を失い錯乱してしまった母を悲しむキエルを慰めて、無謀なソシエたちを諫めようと、ソシエたちの飛行機に乗り込む。が、メシェーは機械人形を奪取しようと“モビル・リブ”に飛び移り、ポゥのウォドムに捕まってしまった。 ロランはソシエに飛行機でビシニティへ行くことを命じる。ホワイトドールで助けだそうと考えたのだ。 その頃グエンは、親衛隊隊長のハリー中尉と交渉していた。これ以上お互いに犠牲者を出さないためだ。 ビシニティに先に到着していたキエルは半焼した自宅や成人式の御輿の場所に母を連れてゆき、忘れてしまった記憶を呼び戻させようとするが思い通りにならない。傷心のキエルの前をミリシャの兵士になってしまった妹ソシエの飛行機が飛び去っていった。 一方、帰還地に戻ったロランはポゥ機の注意を引き、メシェーを無事脱出させる。 ポゥは更に戦おうとするがフィル大尉に止められてしまう。 戦果に喜ぶミリシャたち。だが、前線の衝突はボストニア城で同室していたグエンとハリーに緊張をもたらしていた。身の危険を感じたグエンはロランのホワイトドールをノックスへ呼ぶ。 ハリーの元にはディアナが地上へ到着するという報告が入る。親衛隊のモビルスーツ“スモー”が護衛する中、ディアナ・カウンターの旗艦“ソレイユ”が地上へ着陸。ディアナ・ソレルが地上に降り立った。
ミリシャのミハエル大佐はディアナたちの動向を探っていた。 敵の頭を押さえて戦争に勝とうと考え、カプルのソシエとメシェーで敵の機械人形を牽制し、別働隊でディアナ捕獲を目論んだのだ。 この暴走を予期していなかったグエンは困惑。女王ディアナを乗せてボストニア城へ走る車も戦闘の余波で破損し、ミラン、ディアナ共に逃げまどう。一方、護衛のハリーは、スモーでロランのホワイトドールと対峙する。あわや格闘戦かと思われたとき、グエンとミランの制止の声を耳にした。ここに戦闘状況はとりあえず停止するが、ノックスにいるミリシャはセルラァ河沿いに駐屯地を設けて、まだ戦うつもりだ。 ボストニア城に入ったグエンとディアナたちは、漸く交渉の席に着いた。 しかし、諸領主はディアナたちが月から来たことを信じられないでいた。 その頃、ロランは自転車でキースを見舞う。パン屋の親方がケガをして生活の不安を抱えているキースに「ディアナ様が来たから戦いはもう終わりだ」と勇気づけるロラン。 しかし、ミリシャはマウンテン・サイクルから更に機械人形を掘り出して戦力を増強しようと図り、シドがソシエとメシェーを発掘現場へ連れていく。ディアナ・カウンターの好戦派、フィル大尉とポゥ少尉も、敵のモビルスーツ偵察のため、部隊を出撃させた。 そんな事を全く知らないロランは、フランも見舞い、いい記事が書けると楽天的に語る。 その頃ボストニア城では、月側がサンベルトという良地を要求し続けて、地球側の反感を買っていた。激した地球の領主のエリゾナ公は、ムーンレィスは月へ逃げた人々であり、残った自分たちの祖先が地球を再開発させたと反論して昏倒。交渉は一時中断する。 一方、ソシエたちを追ってビシニティへ向かったロランは、フィルたちがソシエたちミリシャのカプルを攻撃しているのを目撃した。 ホワイトドール(∀ガンダム)の検索機能に導かれ、ビシニティの成人式の御輿置き場の地下に武器をみつけたロランはフィル機を撃退するが、ディアナが来たのにまだ戦いが起き続けることに混乱を覚える。
ミリシャは次々と発掘を始めていた。ホワイトドール(∀ガンダム)の武器が見つかった御輿置き場が土砂で陥没したため、早めに見つけられるものは見つけておこうという考えからだ。 ソシエやメシェーは喜ぶが、ロランは平和になるために話し合いが行われているのにと心を痛める。そして思わず、月の女王に会ってみたいと話して顰蹙を買う。 その頃、ディアナ・カウンターでは、地球側のモビルスーツが発掘されている脅威をフィルが訴え、埋蔵された山の査察と制圧権が与えられた。また、和平交渉を進めるために親睦のパーティを催すことが決定する。 一方、キースは親方不在のままパンを売りに街へ出た。売り上げは伸びないが、ムーンレィスの兵士たちにも買ってもらうことで活路が開けた。 パーティ開催の知らせを受けたグエンはロランをラインフォード家の別邸に呼んだ。 ハリー中尉がパーティの席でホワイトドールのパイロットに会いたいと言ってきたのだ。 パイロットが「ローラ」という女性だと考える月側に対し、グエンはロランを女装させて出席させようと目論む。 驚くロランだが、ディアナに直接話せるチャンスと感じてグエンの提案に乗る。ロランの覚悟を見たキエルは貴婦人修行のレッスンを始めた。 同じ頃、パーティで使う巨大ケーキの発注がキースのパン屋に舞い込んだ。パン以外作ったことがないキースはケーキ作りに没頭し始めた。やがてパーティ当日が来る。 ノックスの迎賓館に着飾ったムーンレィスの人々が訪れた。迎えるミリシャの機械人形はロランのホワイトドール。コックピットから、貴婦人ローラに扮したロランが登場する。ノックスの新聞記者フランは写真を撮り、それがロランだと気づいた。 しかし、パーティ会場は地球側と月側に分かれて親睦どころではない。ディアナに促されてハリーがダンスの相手を地球側に求め、キエルはローラに扮したロランを送り出した。 踊るハリーとローラのロラン。会場に和やかさが流れた時、キースの作った巨大ケーキからディアナを暗殺しようと一団が現れた。混乱する会場を逃げ出す一団をロランのホワイトドールが追う。だが、人間相手で感覚が掴めず、取り逃がしてしまう。暗殺者達はミリシャに扮していたが、ムーンレィスだと気づきハリーは驚く。
ソシエは久しぶりにキエルと会った。彼女はまだ父親の仇をとりたいと考えており、ムーンレィスを地球から追い出したいことを姉に話すのだった。 ロランのホワイトドール(∀ガンダム)に治安出動が命じられた。ムーンレィスの帰還地周辺で地球の地元農民とディアナ・カウンターが小競り合いを起こしているのだ。 機械人形の操縦をマスターしたいソシエはロランに強引についていく。 やがて現場に到着したロランは事態を仲裁するが、その時、帰還民の男が地球の農民達に対する月側の兵達の仕打ちを止めてくれたのを目撃した。 ディアナ・カウンターの兵舎でパンの行商をしていたキースも、同じ男が帰還政策の不備を指摘して、兵達に殴られているのを目撃する。男はクーエンと名乗り、妻子を抱えて帰還地での今後の生活に不安を抱き、ミルクや家畜を手に入れられないかとキースに助けを求める。話を聞きロランとフランは手だてを考えた。帰還地近くの森で家畜を飼ったりすれば、冬の食料の糧になるかもしれないからだ。 クーエンとソシエを加えたロラン達は、月の船が来てもぬけの空になった村で家畜や食料を探す。ソシエは幼なじみだというロランたち3人組を怪しいと睨んで、月側のスパイかと疑惑を持ったりするが、フランとキースにうまくごまかされ、作業に協力。 そのロラン達の動きが月側には極秘作戦の訓練と映った。フィルはポゥを出撃させる。 出撃したポゥのウァッド小隊は、ロランのホワイトドールに仕掛け、ソシエ達の乗るトラックを押さえて投降を呼びかける。困るロランだが、イングレッサ側との交渉に影響が出るのを懸念したハリー中尉が、ポゥの小隊に撤退を命じてくれた。安心したロラン達は無事帰還地へ牛や豚を届けることが出来た。 しかし地球の農民達はその有様を目撃して、ミリシャの機械人形が月の味方か? とロラン達を罵り始めた。困ったロランはついに自分がムーンレィスだと素性を明かてしまう。 裏切られたと感じたソシエはロランの頬に平手を打つ。が、フランはロランの行為をローラの行ったこととして、月と地球を結ぶ架け橋なのだと新聞記事にする。
ムーンレィスの寄留地にコンテナが到着、モビルスーツ3機とコレン・ナンダー独立部隊が現れた。パイロットのコレンは軍刑務所から恩赦され地球に送り込まれた危険な男だ。 キエルは「ホワイトドールのパイロットはムーンレィスのローラ」という新聞記事を読んで心配する。しかしグエンは、ローラがロランだと知る者は少ないので利用できると考えていた。ロランに騙されたと憤慨するソシエにも、ホワイトドールに乗ってみてはどうかと勧めて、彼女はその気になる。 その頃、当のロランはキースを見舞いに行き、途中でハリーの部下に拘束され、ディアナ・カウンターの旗艦ソレイユに連行されてしまう。ハリーの尋問を受けるロラン。 同じ頃、マウンテン・サイクルから発掘されたカプルにはミリシャの訓練生が乗り込んで、メシェーとジョゼフから操縦術を学んでいた。 そこへ現れるコレンのモビルスーツ“イーゲル”。ジョゼフ達に攻撃を仕掛け、大破させてしまった。 コレンが配属された部隊の上官、ゼノア大尉はコレンの独断専行を叱責したが、ミリシャの白いモビルスーツを“ガンダム”と呼ぶコレンは、自分が必ず倒すと息巻く。 キースはミリシャのミハエル大佐に自分たちの乗って来たモビルスーツ“フラット”を売り払い、その代価でパン工場を造ろうと考え、アーク山近くへと案内する。 そのアーク山へコレンが部下を連れて現れた。ディアナ・カウンター側が攻撃を加えていると報告を受けたグエンは、ソシエにホワイトドールでの出撃を命じる。 ハリーとミランも突出するばかりの前線部隊に困惑し、ロランを解き放して事態収拾させようと図る。 アーク山の西ではコレン機が大暴れし、ソシエの乗るホワイトドールが危機に陥る。 そこへロランが到着。ソシエに変わってホワイトドールに乗る。地球へ降りた直後のコレンは重力によって貧血を起こして撤退していった。 ロランはホワイトドールにビーム・サーベルがあることを知り、このまま更に戦火が広がるのを心配するのだった。
ボストニア城で月と地球側の会議が行われた。月側の休戦協定破りを責める地球の領主達に対し、ディアナは今まで入植したムーンレィスを引きあげることを申し出て、交換条件として交渉再開を約束させる。その手腕にグエンは瞠目するが、一方で月に帰れぬ事情があるかもしれないと洞察する。 ホワイトドールの操縦を覚えきれないソシエは、ロランにまた救われたことが悔しかった。そこへシドたちが訪ねてきた。ロランの持っている手帳に出る、機械人形の操縦マニュアルの情報全部を写真に収めて焼き増しするという。使用人のジェシカからは、ハイム夫人の様態を案じて、お嬢さんに帰ってきてほしいという嘆願がくる。 同じ頃、ボストニア城にはキエルが招かれていた。民間レベルの情報交換のために、ディアナが希望したのだ。グエンは更にディアナに飛行船での地上視察を勧め、準備を始める。 ミリシャの陣地では、掘り出されたフラットの代価として札束がキースに支払われた。喜ぶキースはパン工場を造り、パンを持ってきますと約束。視察の通達はそこにも届き、ミリシャには徹底した休戦状態が厳命される。 出発を待つディアナとキエルは、自分たちが似ていると気づく。そして遊び心から衣服を交換、すり替わったまま視察へと出かける。 飛行船にはビシニティに帰るソシエとロランも乗っていた。 ソシエは、姉キエルに扮したディアナに母を見舞うよう訴える。グエンはソシエの願いを聞き、飛行船をビシニティへ向けた。護衛のハリー中尉のゴールドスモーが遠くから見守っている。キエルに扮したディアナは、途中の車内から町に残る戦火の爪痕を見て心を痛める。やがてビシニティ空港へ到着、一行はハイム家を訪れる。 キエルに扮したディアナは夫人の痛々しい様子を見、さらにハイム氏の墓を見て、自分の責任を痛感する。墓前にひざまづき謝り続けるその姿にキエルは心打たれ、父の墓を前にキエルだと名乗れず涙ぐむのだった。
先日の視察以来、キエルとしてビシニティに残っていたディアナは、アーク山で夜明けを見た。迎えに来たロランにその素晴らしさを語るディアナは、これを月の仲間に見せたかったのだと、思い出す。 同じようにキエルもディアナに扮したまま、ディアナ・カウンターの旗艦ソレイユにいた。 しかし、キエルは困惑する。交渉の遅れを懸念するミランが、正規の帰還地サンベルトへの早期移動を進言したからだ。 一方、グエンはミハエル大佐に「ミリシャは交渉カードとして必要だが、軍事行動は起すな」と指示を出す。これに反撥したミハエルはミリシャ独自で動くことを決め、ソレイユの奪取、破壊作戦を決定。ディアナ・カウンターの入植地へ進軍させてしまった。 ハリー中尉の親衛隊で防戦しつつ、月側はソレイユの移動を開始する。 だが、コレン・ナンダーは戦闘の口実が出来たと、ノックス全市街の破壊を始め、フィルもソレイユを守りつつ、ミリシャに容赦ない攻撃を始めた。 両軍全面衝突の報が、ボストニア城に伝わった。 グエンは戦火のノックスを脱出しようとするが、領民からイングレッサの紙幣も領主の地位も見限ったと言われてしまう。パン屋の親方親子とともにノックスを逃げようとしていたキースは、その光景に出くわして、ミリシャに売ったフラットの代価が、紙切れ同然になったことを思い知る。 結局、ミハエルたちの作戦は失敗。ソレイユは南方へ飛び去った。 ウォドム部隊を率いたフィル大尉は、遺跡からモビルスーツが掘り出されることを嫌い、マウンテン・サイクルにミサイル攻撃を行う。 跡形もなく消し飛ぶマウンテン・サイクルの近くにいたロランは、間一髪で、シドとディアナを連れホワイトドールで地下坑道へと逃れていった。 ノックスには破壊の限りを尽くしたコレンが“ガンダム”を待って叫ぶのであった。
フィルたちの攻撃から逃れるため地下を行くロランは、キエル(ディアナ)を連れて先へ進み、発掘作業を指揮するシドとミリシャ兵たちと出会った。 一方、フィルは“白ヒゲ”(∀ガンダム)追撃隊として出ようとしたゼノア大尉に任せ、コレンを送り込む。 同じ頃、ノックスから離れた地に陣を退いたミハエル大佐やソシエたちは、ラジオでグエンがノックスの首都放棄を宣言したと知り、ルジャーナ領で軍を立て直すことに決める。 凋落したグエンは傷心を抱えつつ再起を考え、ルジャーナ領主の娘リリに協力を頼む。 そんな事をまったく知らないロランのホワイトドールは、ようやく地上への出口を見つけた。 そこにコレンの部下、ブルーノとヤコップのモビルスーツ“ゴッゾー”2機が待ちかまえていた。 ロランは2機をうまく穴に落として動けなくする。 しかし、シドたちが不発弾を掘り出して爆発させてしまった。爆音に気づいたイーゲルのコレンは、天井が吹き飛んだ穴の中へ入った。 コレンを引き離そうとするロランだが、運悪くマグマの穴の前に追いつめられてしまう。コレン機のミンチ・ドリルの攻撃で、危機に陥るホワイトドール。 そのロランのピンチの前にキエルに扮したディアナが現れた。ディアナは立ち去るようコレンを諭す。しかし、ディアナがミリシャに人質に取られたと考えるコレンはロランに猛攻を加えた。その時、足が不調だったホワイトドールが本来の機能を取り戻して、跳躍した。 この跳躍に相手を見失ったコレン機はマグマの中に落ちていった。ロランは戦闘の緊張で疲れ果て、ディアナの前で眠り込んでしまうのだった。
ディアナ・カウンターの旗艦ソレイユはノース・アメリア大陸の南へ移動した。 ミランは、今回の移動はアグリッパ一派に対する牽制だとディアナ(キエル)に説明する。ディアナに扮したキエルは和平のためにもと、キエル(ディアナ)探しをミランに頼む。 そのディアナは、ロラン、シドと共に地下回廊を進んでいた。 地上へ出たところで、シドは遺跡に出会う気がすると言い出す。ロランはイーゲルの残したミンチ・ドリルを使ってホワイトドールで掘り始めた。 地上に興味を引かれたディアナは、周囲を散策中に穴掘りをしている青年、ウィルに出会う。ウィルはディアナの思い出の人とそっくりだ。それもそのはずで、遠い昔、ディアナが地球に訪れた時に恋した青年ウィルと同じ名を持つ、現在のウィルは、月へ戻った娘を追うため宇宙船を探して谷を掘っているというゲイム家の子孫なのだという。 一方、姿の見えないキエル(ディアナ)を探すロランは、魅力的な女性、テテスに出会う。テテスの案内でディアナと再会したロランは、ウィルから宇宙船らしきものを発掘していると聞かされた。シドは発掘に興味を持つ。一方、恋心が甦ったディアナはウィルが気になる。気をもむロランをテテスは温泉に誘う。テテスと仲良くなるロラン。 ディアナは自分の正体を隠して、ウィルに先祖が東方の国に行った後のことを尋ねる。 そこへ、ポゥ少尉がウォドムで追撃してきた。桶状兵器で攻撃をするポゥ機。ロランは苦戦しつつも、一か八かの作戦で、どうにかポゥ機を撃退する。 ウィルは信じないながらもディアナに先祖の残したオルゴールと極楽鳥の羽を見せた。 それは昔、ディアナが初代ウィルに課した難題だった。泣き崩れるディアナ。
キングスレーの谷で発掘中の宇宙船は、動力が生きていることが判った。シドはミリシャに連絡を取り、人を送ってもらおうとウィルに提案する。 ディアナはオーバニーの家の傍にある樹で思い出の文字を見つけた。 ミハエルたちイングレッサ出身のミリシャは、ルジャーナ領に移っていた。同領出身将校のマリガンはモビルスーツ“ボルジャーノン”だけで構成された“スエサイド部隊”のギャバンたちを連れてきて、ルジャーナの指揮下に入れと迫る。ギャバンたちが実力を見せると出撃。ソシエは見届け役で同行する。 ディアナは、ウィルに乾板を見せ、何故月へ行こうとするのか尋ねる。 ソレイユでは、ミランが建国宣言をして領土を決定すべきだと進言していた。フィルは悠長さに苛立つ。ディアナに扮しているキエルは、騙し続ける不安を感じる。 ソレイユにいるディアナに近づきたいテテスは、「ミリシャはウィルの宇宙船を戦争に利用する。ディアナ・カウンターに頼んで月へ行く夢をかなえた方がいい」と、ウィルをそそのかして出発させてしまった。 ディアナ・カウンターに宇宙船のことを知られたくないシド、ディアナと、ウィルを追ったロランは、途中で、ハリー中尉のゴールドスモーと戦闘中のギャバン、ソシエに遭遇する。 テテスは恩を売れ、と、ウィルにハリーの助太刀をさせ、ギャバンたちスエサイド部隊を撃破する。ハリーも、ロランのホワイトドールと戦い、頭部を損傷させた。機械人形を破壊され、なおも生身で戦おうとするギャバンたち。 結局、ウィルはテテスを連れて、ハリーと共に去ってしまう。 それを見たディアナは、恋人だったウィルと目前のウィルが別人だと悟るのだった。
キースは、親方の娘のベルレーヌを連れてサンベルト付近へ疎開した。パンを売るためだ。そこへリリの乗っていた車が立ち往生していた。中には病気を患い高熱を出したグエンが寝ていたのだ。 ソシエたちはルジャーナ・ミリシャの前進基地に戻り、ロランはキエルの忘れ物を取りにキングスレーの谷へ戻っていた。シド達ミリシャは、キングスレーの谷にあるウィルの宇宙船を発掘し始めていた。手伝うロランだが、キエルが心配で、オーバニーの家に見に行く。 同じ頃、ハリーに連れられてディアナ・カウンターの旗艦ソレイユに入ったウィルは、ディアナに会ったが、過去の出来事を知らない月の女王はニセモノではないかと疑う。危険を感じたハリーは、ウィルを遠ざけようとフィルに預けてしまう。 キースは病に伏したグエンにノックスが崩壊したことを詰め寄った。凋落したが気力は衰えていないグエンは、マウンテン・サイクルの技術を利用してディアナ・カウンターに勝とうと考えていた。キースは月の技術者を雇う手もあると勧める。 一方フィルは、ウィルに、宇宙船からミリシャを追い払えば恩賞として月へ行くことも可能だと話して出撃させた。ポゥは監視として追跡する。 キースは、熱で動けないグエンに変わってロランたちとミリシャに連絡を取るため、パンの行商を利用して、ベルレーヌとリリと共にミハエルの陣地へ潜り込む。ミハエルに会ったキースは、リリの助言もあって、グエンへの助力と月の帰還民と手を組む相談をもちかける。 そこへ、ウィル機が宇宙船のある谷へ向かっているとの報告が来た。ルジャーナ出身のギャバンは、リリにいいところを見せようとスエサイド部隊を出撃させた。 ウィルは、モビルスーツ“キャノン・イルフート”で、発掘中のシド達を追い払い、駆けつけたギャバンたちとも交戦する。 戦場へ向かうソシエを見つけたロランは、ホワイトドールに乗り込み戦いを止めようとするが、ディアナの目前で、スエサイド部隊にウィルが倒されるところを見せてしまう。
15話までの総集編。
暴風雨の中、月の技術者たちを案内してきたキースは、ホワイトドールで来たロランと落ち合った。ルジャーナ・ミリシャのムーンレィス狩りを警戒して、ミハエル大佐が護衛に出させたのだ。 月の技術者たちは雷をミリシャの秘密兵器とかビームと勘違いして震えるばかりだ。 そのミハエルは、グエンの冬の別荘に訪れていた。そしてグエン宛の手紙を渡す。内容はディアナ・カウンター建国式典への招待状。リリも同じ書簡を持っており、グエン達は大いに驚く。同席したディアナは、ディアナ・カウンターの旗艦ソレイユでディアナを演じるキエルが、何故そんなことを許したかと心配するが、キエルは、嵐の中、建国式典場を設営中のムーンレィスをねぎらうため出かけていく余裕を見せ始めていた。 一方、ルジャーナ・ミリシャの将校マリガンからミハエルの動きを探れと命じられたギャバンは、ロランとキース一行を見つけた。ギャバンは一行にムーンレィスが紛れてはいないかと疑い、ボルジャーノンとの力比べで白黒をつけようとする。 ロランは受けて立つが、ムーンレィスの部品を摘んだトラックを盗まれる事件があって、勝負を置いて、トラックを追いかけた。 トラックを盗んだのは、ディアナ・カウンターを逃げ出したブルーノとヤコップだった。 ブルーノ達を見つけたテテスは食料を与え、言葉巧みにディアナ暗殺をけしかける。 が、当の本人のディアナは、グエンと共にキエルに式典の前に会おうと出かけて行き、暗殺事件を目撃することなる。 ロランは偶然に、ブルーノ達のモビルスーツ“ゴッゾー”が、ディアナを暗殺しようとするのを見て、ハリーと共にこれを阻止。失敗したブルーノ達は逃げていった。 グエンたちは一方的な建国宣言をやめさせるために交渉再開の件でディアナとの接見を求めるが、暗殺騒ぎでそれどころではなくなったのだ。 ブルーノたちはテテスと合流しようとするが、彼女はロランのホワイトドールに近づき、さらわれていたと嘘を吐いて、その場から逃げていった。
グエンたちはディアナ暗殺の話を聞いてディアナ・カウンターも一枚岩でないことを知る。 ヤコップ達がキエルを襲った事件はディアナに深い憂慮を抱かせた。ディアナはロランに正体を明かして、建国宣言を行うのはキエルだから式典前に会いたいと出発する。 一方、宣言を行う不安に揺れるキエルに対して、ミランは暗殺者の追及は自分が引き受けるから建国宣言にだけ専念するようお願いした。 式典当日。領主代表の中で会場へ入るのはグエンとリリやソシエだけだ。他の諸侯は不参加で宣言を否認した。グエンは自分なりの交渉を行おうと考える。しかし、式典を妨害しようと、ギャバンは機械人形を動かし、ヤーニは大量の酒を会場に持ち込んだ。 テテスも独自にディアナ暗殺に動き出した。 会場整備を終えたハリーはキエルに報告する。同時に孤立している彼女を応援するため、サンベルト建国は戦術として行うことと、自分の両親が共に地球で暮らすことを夢見て冷凍睡眠し、父親は簡易冷眠で失敗して死んだことを話す。それは今回の宣言の真意が、ムーンレィスも自然界の摂理で生き死にすることの憧れを持っていることを物語っていた。 騒然としたソレイユ内をディアナの案内でキエルの元に急ぐロランだったが、テテスと遭遇する。テテスはロラン達をミリシャの侵入者に仕立てて、ハリー達親衛隊の目を欺くと、キエルのいる部屋に潜り込んだ。キエルをディアナだと信じるテテスは暗殺しようと拳銃を構えるが、ヤーニ達の起こした爆発でし損じてしまう。テテスは逃亡する。 キエルのもとへ現れたディアナが今回の宣言の真意を問うと月と地球の友好のためになるようにとキエルは答えた。そしてハリーに、キエルとなっているディアナをグエンのもとへ戻すよう命令する。 キエルはミリシャとムーンレィスが争う様子に決心を固めた。そして、ディアナとして建国宣言を中止し、地球に住んできた人々と月に住んできた人々が同じ血を流しあうのは止めるように、そのための時間を作ろうと演説するのだった。 ディアナは、キエルにディアナ・カウンターを任せても良いかと考え始める。 ハリーは、キエルの今回の演説はミリシャを増長させるだけだと不満を持ち、理想論だけでは軍は押さえられないと抗議するが、彼女の凛とした姿勢に従うしかなかった。 一方のミリシャたちは、今回の演説でまだ戦いが終わっておらず、建国宣言を止められると信じ始めた。
キングスレーの谷で発掘された宇宙船をグエンは“ウィルゲム”と呼び、ムーンレィス帰還民の技術者を連れて来てチェックさせる一方で、シドが掘り出した大型ホバー装甲車両“ギャロップ”をロランに与え、艦長にするから使えるようにしろと命令する。 キエルに扮したディアナもなにか手伝いたくて洗濯を始める。しかし、正体を知っているロランにとっては畏れ多くて仕事を渡したがらなかった。 ディアナは、ロランが戦いを好まないと見込んだ上で、戦闘となれば身を守るために使う性格だからギャロップの艦長になることを心配していないと言う。その上で、自分もディアナ・カウンターで生き生きと決断し始めたキエルのように、地上で地球人と関わりながら出来ることを見つけたいと話すのだった。 そこへ、ラダラムとシドがムーンレィス帰還民の技術者ホレスを連れて来た。ハリーとの戦闘で破損したホワイトドールの頭部の傷を見せて、その下に再生された部分があることを教える。ロランは、ホワイトドールに傷を受けても自分で直す力があることに驚く。 そしてホレスはこの機体がムーンレィスの神話に出てくる宇宙移民者苛めの敵“ガンダム”ではないかと語り始める。 同じ頃、ディアナ・カウンターの旗艦ソレイユにいるキエルは不安の中にいた。アグリッパと呼ばれる勢力が女王ディアナの命を狙っていると知ったからだ。ハリーは命懸けでキエルを守ると誓う。その忠誠をキエルは好意と受け取る。 一方、フィルは帰還民の流出原因が発掘中の宇宙船にあると考えてポゥを出撃させる。 ロランは、ギャロップの存在がまた戦いの火種になることを心配していた。そして、暗殺者のテテスの動機が気になっていた。ソシエはほとんど最前線に出ないロランがギャロップの艦長となったことが気に入らない。 パトロール中の“ギャロップ”を見つけ、攻撃するポゥ中尉。ソシエはカプルで迎え撃つが、窮地に陥る。 ロランはホワイトドールでソシエを守ろうとする。しかし、簡易に修理されているので戦闘時間に限界がある。猛然と戦うロランにポゥは恐怖を感じて退却した。 ソシエはそんなロランに助けられても不満をぶちまけるだけだ。ロランは、機械人形同士の戦いは人が見えないから戦えると言われているけど、自分は逆にどんな人が乗っていたのかと考えてしまうと話す。ソシエは、それでも戦えるロランに感心した。
ルジャーナ・ミリシャのスエサイド隊は、陣地を拡大するディアナ・カウンターに攻撃を仕掛けたが、キャンサー・カフカが指揮する“レット隊”のモビルスーツ“フラット”が使うハイパー・バイブレーションに押されて撤退する。 その頃、ホバー装甲車“ギャロップ”は補給を受けるため、ミリシャの飛行船の到着を待っていた。ロランは空き時間を利用して、近くの丘から断固として立ち退かない一軒家に避難を勧めるためホワイトドールで出かけていく。 一軒家には、軍を脱走したブルーノとヤコップが身を寄せていた。彼らは強盗に入ろうと失敗し、そのまま居ついてしまったのだ。 その家の老婆アニスは、ホワイトドールを見るなり怒り出してしまう。彼女はこの戦争で畑が荒らされたことに腹を立てており、畑を放り出して逃げると先祖のバチがあたるからといって聞かない。 ギャバンたちはレット隊のフラットに追われていた。どんな攻撃も効かないため、援軍で駆けつけてきたソシエとメシェーが用意した爆薬を使う。 ロランの必死の説得でアニスは、刈り入れをすましたら立ち退くと嘘をついて秋の収穫を手伝わせる。ディアナは戻ってこないロランを迎えに行って、やはり手伝いをすることになる。 アニスは、ディアナが月の女王だとは気づかずに、月から来た人間が機械人形で地球の人々が時間をかけて再生した土地を踏みにじっているとなじった。 アニスの娘一家も、ノックスで路頭に迷っていた。 ロランは、娘の手紙を見せてもらってアニスの孫の婚約者がキースだと気づく。 そんな時、ギャバンとソシエたちが、敵に追われてアニスの家のある丘まで後退してきた。そしてメシェー機が倒される。 アニスは、敵が攻撃を仕掛けてきても、先祖代々の土地で死ぬと頑として動かない。 ロランとソシエは、撤退戦を支えたギャバンのところへ戻り、キャンサーの部下ムロンのフラットを撃退した。 ロランたちは負傷したメシェーを助けるために土地に入り、添え木と布を探すとアニスが薬草を用意してくれた。そして、ディアナに傷の手当てを教えてくれる。 アニスと心が通うディアナ。彼女はアニスの身を案じて、他にも助けを待っている土地はあるから脱出するよう説得する。 娘の疎開先へ向かうアニスとロバのドンキーは、ミリシャの飛行船に乗り込んだ。ロランは友達のキースはいい奴だと伝えようとするが、その声は遠ざかる飛行船には届かなかった。
ラダラムが送った伝書鳩のブルービショップがロランが艦長を務めるギャロップの元へ着いた。メシェーが野戦病院に収容されたが、ディアナ・カウンターの攻撃の的、宇宙船の谷に近い。ロランはギャロップを向かわせた。 ギャロップに潜り込んだヤコップとブルーノはホワイトドールを盗み出そうとしてホレスに見つかり、慌ててごまかす。そしてロランに、ホレスの紹介でギャロップのブリッジを担当するように言われたと伝え、ちゃっかり仲間になるのであった。 一方、キエルはミラン執政官からアグリッパ・メンテナーが裏切り、建国宣言のときに刺客を送っていたことを聞く。 野戦病院で傷痍兵を見たディアナは、悲劇を作り出した責任を感じていた。 病院でメシェーと再会した後、宇宙船へ寄ったロランたちはグエンと再会する。 グエンはリリ・ボルジャーノを同行し、ウィルゲムを戦場で使えないかと皆に提案するが、キエルに無謀だとたしなめられる。リリはキエルがハイム家の娘だと分かると、グエンに口出しできる家柄ではないと釘を差し、野戦病院の人手が足りないから手伝う気はあるかと尋ねる。ディアナは看護の仕事を考えていたので、素直に病院で働き始めた。だが、キエルを困らせたい意地悪なリリは、婦長に自分が病院の出資者の娘であることを明かして、キエルはもっとしっかり働きたがっていると吹き込んだ。 凄惨な手術の手伝いをして気分が悪くなってしまったディアナは、患者の包帯や汚れ物の洗濯を頼まれた。ソシエは進んで働く姉の姿が信じられない。 一方、ディアナを助けたいロランは、ホワイトドールで川に即席の池を作り、洗濯機のように水流を起こして効率を図る。舞い上がったシャボン玉に沢山映るディアナ。 その頃、キエルはハリーに、フィルが計画する宇宙船の破壊攻撃をさけて、ソシエやディアナを逃がすように頼むのだった。 ディアナはロランに感謝しながらも明日からは自分の力ですると告げ、ロランは地球人の中に飛び込んでいくディアナの勇気を、舞い散る紅葉よりも美しいと感じた。
ディアナ・カウンターから脱走者が相次いだ。フィルは、掘り出し途中のミリシャの宇宙船に脱走者が集まっていると考え、総攻撃を求めてミランはこれを認める。 ディアナに扮しているキエルはハリーを呼び、攻撃に際して為すべきことをするように(本物のディアナとソシエたちを守るか、逃がすように)と命じた。 その頃、ディアナはロランとともに、キエルが得意だったというマロングラッセ作りに奮闘していた。 ハリーは変装して帰還民に紛れ込み、難なく潜入に成功するが、技術者という触れ込みのためにシャベルカーの修理を任される羽目になる。 シャベルカーの修理を終えて、ウィルゲムを目前にしたハリーは、その威容に感嘆する。そして技術者のホレスとともに、遺跡が物語る失われた技術力とホワイトドールのテクノロジーの不思議について会話する。シドは二人の話から、ウィルゲムを起動させる電力をホワイトドールで代用してみるかと思いつく。 一方、功を焦るポゥは改良したウォドムで単機出撃した。 シドのアイディアを受けて、ロランがホワイトドールとウィルゲムをつなぐと、ジェネレーターの出力が上がり、ウィルゲムのエンジンが動き出した。グエンはディアナ・カウンターと互角に戦える力を手に入れたと喜ぶ。その脅威に一瞬呆然とするハリーだが、近くまで来たディアナを見つけて連れ去ろうと動いた。 だが、それを目撃してロランは二人の後を追った。ハリーの正体を知り驚くロラン。ディアナは地上の人々と共に生きていくと告げて、ハリーに戻るように諭す。 そこへポゥが攻撃を仕掛けてきた。ハリーはゴールドスモーでその攻撃を防ごうとして片腕を溶かす。ロランは飛行船で運ばれる途中のビーム・ライフルに飛びつき、ポゥ機に攻撃を加えた。結果的にポゥはハリーに庇われて退却、複雑な思いを抱える。 グエンは、宇宙船に発掘者の名前に因んで“ウィルゲム”と名づけることを皆に提案し、飛行するのを待ち構えていた。
ポゥはホワイトドールが使用したビーム兵器類が更に発掘されれば、ディアナ・カウンターにとって脅威になると訴えた。だがキエルは地球人を野蛮人扱いする態度をたしなめ、ハリーの単独行動を不審視するフィルにも、親衛隊に動くよう命じたのは自分だといい、宇宙船の調査に行かせたのだと伝える。キエルの采配に不満を持つポゥとフィル。 その頃、テテスは、ミリシャに近づくチャンスを待ってキースの工場に潜り込んでいた。 そこへ、ミリシャに納入するパンの受け取り部隊として、ロランのギャロップが到着する。ロランはムーンレィスにもパンを売るキースの工場周辺が自然発生的な中立地帯になっていると聞き、戦いがない様子に感心する。そして、アメリア大陸全体がこうなればといいと、楽天的に考える。キースはそんなロランに慰められた。フランには、敵味方に節操なくパンを売ると戦争商人だと思われていたからだ。 そのフランは、ミリシャの陣地にいて、戦争写真を撮る自分に寂しさを感じていた。キースとロランと地球に降りてきた機体を見つけたフランは、コックピットに潜り込んで、ジョゼフと会う。同じ陣地で、ソシエはギャバンからプロポーズされ、困惑していた。 一方、テテスは工場近くで流浪していたコレンを見つけて手伝わせようとするが、悟りを開いたようなコレンは話に乗らず、木彫り人形を掘り続ける。 テテスは共謀者を求めて、工場仲間でムーンレィス帰還民のトロイに近づいた。トロイはテテスに騙されて、ロランからホワイトドールを盗む手伝いをしてしまう。 テテスを追うロランとディアナは、テテスがムーンレィスと地球人のハーフだと聞く。その負い目を挽回するため、ディアナ暗殺や“ガンダム”奪取等の秘密工作を請け負ってきたと知った。 しかし、テテスはディアナを殺そうとしたその時、ロランに邪魔されてしまう。そして、ミドガルドに射殺されてしまった。 トロイはディアナと知らずに今回の事件はディアナが罪の源だと語り、彼女は苦悩する。
ディアナ・カウンターの陣地で唄い揺れる連中がいた。先々々代が地球に帰還していたというムーンレィスの末裔で、ディアナ帰還を聞き、馳せ参じてきたモビルスーツ部隊“レット隊”のキャンサーやムロンたちである。だが、奇妙な風習を持つに至ったレット隊はディアナ・カウンターの正規軍からは異端視されていた。キャンサーたちは名誉を回復するため、ムーンレィスの裏切り者、ローラ・ローラを捕まえようと、ある作戦を始めた。ソシエやギャバンは、襲撃を受けたという村に向かうが、一足遅かった。 ハリーは、ミランに補給が滞っているため、地球の村を襲う者が出始めていることや、ミリシャが包囲する戦力を整え始めたことを報告する。 手ぶらでミリシャ陣地に帰投したソシエの結婚話はそのまま進んでいるようで、陣地中の噂になっている。グエンはアメリア大陸の合衆国建設にはいい材料だと利用する構えで、ルジャーナ領のマリガン中佐にも協力を求める。 ロランはソシエの真意をそれとなく伺うが、ふたりの間に、野戦病院の手伝いに向かっていたディアナが戻ってきた。病院が白ヒゲの機械人形に襲われたからだ。 驚くロランはすぐにギャロップで病院へ駆けつけた。看護婦長が、襲ってきたのはヒゲのついた機械人形だと言うが、メシェーはボーッとしたロランの顔を見せて犯人でないことを教える。 傷痍兵たちに炊き出しをしようと、ソシエやメシェーたちが手伝う頃、ロランはディアナにニセのローラは捕まえるためビームライフルを使う話をする。 その頃、スエサイド部隊がヒゲを付けたフラットを追っていた。ロランもすぐに合流し、彼らのやっていることはディアナが許さないと言い切る。すると、ロランに向かってムーンレイスを裏切って戦争を大きくしていることをなじるのだ。 ホワイトドールと対決したキャンサーは、ロランがローラではないと思い込み、ミリシャに増援がついたので撤退する。地球に住みながら地球人と融和できないムーンレィスに空しさを覚えるロラン。ディアナは、レット隊の悲劇の罪を悔い、戦争の暴走を止めるために月へ戻ることを決心するのであった。
グエンの要請で、宇宙船ウィルゲムのテスト飛行は一両日中と決まる。その頃、いなくなったディアナを心配してロランは探しに出た。ギャロップで留守を守るソシエは、ギャバンから花嫁衣装を手渡されて心を動かす。 月へ戻るため、旗艦ソレイユへ向かうディアナは、コレンの車で同道中にディアナ・カウンターの略奪を目撃する。同じ町に来ていたフランも騒ぎに巻き込まれ、自分の記事が載っているはずの新聞が発行されていないと聞き、愕然とする。空腹を抱えた孤児、ルルと知り合ったフランは、キースのパン工場へ連れて行く。 一方、フィルはミリシャの宇宙船攻撃の許可を、ディアナから取り付けた。 ディアナを探すロランはパン工場に立ち寄り、敵味方無くパンを売る戦争商人になったとなじるフランと、キースの喧嘩に巻き込まれた。仲裁をしようとしたロランは逆にキースから「ローラと呼ばれてグエンの道具になっている!」と糾弾されてしまう。傷ついたフランはジョゼフに安らぎを求め、ロランはソシエの相談を聞くこともできず断ってしまう。 早朝、ディアナ・カウンターはミリシャの宇宙船への攻撃を開始。ミハエルは防衛を指揮する。 雪の斜面にジョゼフのジャラピィ隊が展開するが、フィルの部隊に押されていく。ソシエとメェーも前線で危機に陥るが、それを救ったのは、ギャバン率いるスエサイド部隊だった。その戦場の光景をフランは撮影し続ける。 離陸を急ぐ宇宙船ウィルゲムは、フィルの攻撃にさらされる。そこへようやくロランが現れた。グエンはロランに「時間を稼げ、ローラ!」と命じるが、呼び名に反発したロランは、凄まじい勢いでフィルの部隊に攻撃をかけた。ロランの急変ぶりを気にしたソシエは隙が出来て、フィルの的になるが、それを庇ってギャバンは負傷してしまう。混乱の中、宇宙船ウィルゲムは無事に離陸。フィルたちは戦艦クラスの威容に退却した。 リリはグエンに、ローラは若くてきれいな豹で、将来、鋭い爪で引き裂くかもと予言するのであった。
ディアナはコレンと共に旅を続けていた。トラックから降りて歩こうとするディアナをコレンはたしなめ、子供たちの笛の鳴る方へと向かう。 飛び立った宇宙船ウィルゲムはすぐに不時着し、修復が必要だった。しかしフィル部隊も半壊といっていい状態で追撃を仕掛けることは無理となる。 キングスレー近く、野戦病院に残っていたロランはディアナ探しに気を取られて、ソシエ思いのメシェーの顰蹙を買う。 ソシエは、マウンテン・サイクルで新しく見つかった坑道を調査に出発するギャバンを見送る。ロランはディアナ探しを優先させてギャロップを出す。 先へ急ぎたいディアナだが、悟ったように穏やかなコレンと子供たちが木彫りの人形で交流するのに微笑む。 同じ頃、マウンテン・サイクル調査から戻ったゼノアの報告を聞いたミランとディアナは成果をねぎらい、モビルスーツ部隊の動員を決める。ハリーは部下の報告で、ディアナ似の女性と共にコレンが写った写真を見て顔色を変え、確かめに向かった。 ロランとヤコップとブルーノは、祭りで賑わう町を歩き、ディアナを探す。そこで、ムーンレィスと地球人が一緒に収穫を祝う姿を見て、それがキースの仲介だと知り感動する。 その町でディアナと再会したロランは、ディアナが月へ戻って帰還作戦を良い方向へ正そうと考えていることを知る。しかし、コレンは、祭りのパレードに出てきたホワイトドールそっくりの山車に記憶を呼び覚まされて、猛然と攻撃しようとし始めた。 混乱したコレンには、“ガンダム”が天国を荒らす悪鬼に見えるらしい。 ヤコップたちを見つけたコレンは、ふたりを脅してモビルスーツを用意させ、コレンを止めようとして出てきたロランのホワイトドールに襲いかかった。 しかしディアナはコレンの心根を信じ、気の済むようにしてやって欲しいとロランに命じた。困ったロランだが、ディアナ探しに来たハリーの協力もあり、コレンに天国を守ったと思いこませることが出来た。
ディアナに再会したハリーは、ロランと共に麦刈りをして、ムーンレィスにとっても地球が故郷なのだと実感する。ハリーの理解を得たディアナは、月へ戻る理由(ザックトレーガーを使った者を処罰するため)をロランに明かして、ディアナ・カウンターに帰投していった。 ゼノア隊は、可変モビルスーツ“ムットゥー”を見つけ出し、更に発掘を続ける。 戦争の真実を撮っておく決意したフランは、戦争の最中に結婚を考えるソシエを写す。 そのソシエにプロポーズしたギャバンは、スエサイド隊を率いてクレーター状になった原子野に来ており、訳ありの坑道をみつけた。 草木もない地形が核爆弾の惨状だと知らないギャバンは、近くで発掘中のゼノア隊と接触。ゼノア隊は新たに奇妙なカプセル(核爆弾)も見つけ、鉢合わせしたギャバンたちとカプセルを巡って戦闘を開始してしまいそうになるが、ゼノアの説得で一時休戦となった。 一方、ウィルゲムに戻ったロランは、ギャバン隊が、禁忌の場所“ロスト・マウンテン”に入り込み、月の部隊と接触したと知り、ソシエと向かった。 同じ頃、ハリーの導きで戻ったディアナは、身代わりをつとめたキエルと再会し、ハリーを大尉に昇進させる。そしてキエルに、月と地球の区別がない新しい国を作り、女王になって欲しいと頼む。月を任せたアグリッパが月と地球の戦争を誘導していたと考え、これを止めるために月へ向かうつもりだからだ。 ディアナの計画を聞いていたロランは、戦う必要はなくなったとギャバンやゼノアに訴える。発見した8基の核爆弾によって共倒れになる危険を察知したゼノアもロランに同意して、援軍に来たレット隊のキャンサーたちにも撤退を命じた。 何も知らないギャバン達は、核爆弾を秘密兵器と勘違いして持ち返る。手柄を焦るレット隊は、作動し始めた核爆弾を抱えていたギャバン機に攻撃を仕掛けて、足止めしてしまう。 ロランはみんなに避難を呼びかけるが、核爆弾はギャバンを巻き込んで大爆発を引き起こした。 その閃光は一瞬にして昼間のように当たり一帯を照らす。この光を地上で目撃したシド、フィル、ハリー、ディアナとキエルは戦慄を覚えるのだった。
爆発した核爆弾は、巨大な穴を空け爆発後も長い期間に渡って生命に害を与える禁忌の兵器だった。 フィル少佐とポゥ中尉は核爆弾の威力に心を奪われており、なんとしても手にいれようと画策する。 ディアナカウンターのゼノア大尉とレアは、埋蔵されていた核爆弾2つを持ち出していた。爆弾の扱いに考えあぐねていたところにミリシャのスエサイド部隊と鉢合わせし、交戦を避けて逃げるが、爆弾を探しに来たポゥと遭遇してしまう。 フィルのために核爆弾を手に入れようとするポゥに、渡すまいとするゼノア。ゼノアは恐ろしい爆発が再び引き起こされることを忌み嫌ったのだ。ポゥから逃げるゼノアは、ロランとソシエを見つけて、ふたりからディアナに直訴するという話を聞く。その役目を引き受けるゼノア。替わりに核爆弾を隠して欲しいとロランに頼む。そしてソシエを同行して、ゼノアは旗艦ソレイユへ急いだ。 そのソレイユで、フィルは話し合いを優先するディアナを「弱腰」と非難し、政権の委譲を求める。ディアナは「阻むものは武力で排除する」というフィルを処刑するとまで言い切る。そこへ、ソシエとメシェーとゼノアが到着した。 ソシエは強行突破してディアナに訴えようとするが、ミリシャが攻めてきたと考えたディアナ・カウンター守備隊の攻撃を受ける。この混乱の中、ディアナを案じるハリーは、キエルをディアナと偽って脱出させた。本当のディアナがキエルだと思われれば、身柄が守れると考えたのだ。ハリーに連れ出されたキエルはディアナを演じ、ソシエに逃げるように伝えた。 しかし、ディアナ・カウンターの攻撃は続き、ゼノアはソシエの盾になって亡くなる。 キエルは、フィルよりアグリッパの動きを警戒すべきだとハリーに説き、ザックトレーガーに向かうように進言する。ハリーはその発言に連れ出した相手が本当にキエルかどうか自信が揺らぐ。 一方、ソシエはディアナ・カウンターの動きを監視していたジョゼフに救われたが、途中で出会ったフランから、姉のキエルがディアナ・カウンターに囚われたという情報を聞き、愕然とする。
ソシエはディアナ・カウンターにさらわれたキエルを心配していた。 ハリーがディアナを守るための賭にキエルを使い、キエルをディアナと偽って連れ出して、ディアナに退陣を迫るフィルの目を欺こうとしたのだ。しかし、フィルは茶番劇だと見破って本物のディアナを拘束してしまう。だが、ディアナはキエルだと主張して、ディアナの偽物を処刑すれば物笑いの種になると牽制する。 フィルは、ポゥにハリーが連れ去った女を連れ戻して来いと命じる。 一方、ウィルゲムは「天の階段」があるマニューピチへ向かいつつあった。ミハエルはムーンレィスの技術者たちを疑うが、グエンは素直に礼を述べ、労う。 その頃、核爆弾を託されたロランは、ソシエから事情を聞いたフランと合流する。フランは、ミリシャに核爆弾があると伝わると大騒ぎになるから、ジョゼフにも話さないでおいたという。納得したロランは、絶対安全な場所に核爆弾が隠せないかと考え、宇宙で捨てることを思いつく。宇宙へ行くには宇宙船ウィルゲムに乗せてもらえばいいのだ。それまでの隠し場所をフランが提案して、ロランは無事、核爆弾を隠した。 同じ頃、キエルはハリーと共にウィルゲムの前に現れる。ミリシャが宇宙へ行きアグリッパと会う危険を考えるキエルは、素手でグエンの元に赴き、ディアナ・カウンターの最高指揮官として説得を試みる。 しかし、そこへポゥが部隊を率いて追撃してきた。「女王にしてやる」と言うフィルの言葉を拡大解釈して、ディアナを亡き者にする気だ。 ミハエルが反撃を命じ、ミリシャとポゥは交戦に突入した。 そこへ戻ったロランは、ディアナを何とか戦場から救出。ウィルゲムも、ムーンレィスの技術者たちの働きで荷粒子砲を撃ち、ポゥの部隊を撃退した。 その頃本物のディアナは、ミランの助力を得ることもできず、キエルとしてディアナ・カウンターの旗艦ソレイユから放逐されてしまうのだった。
リリがグエンの元へルジャーナ海軍を連れて来た。マニューピチまでの道案内をさせるためだ。 ウィルゲムにはディアナの姿をしたキエルが乗船した。ロランはディアナだと信じている。だが、グエンはキエルだと見抜き、隠し事せず互いに協力すべきで、月と対等に交渉するためには月へ行くと必要があるとキエルを説得する。 囚われの身のディアナはミランからミドガルドに預けられ、本物偽物に関わりなくディアナとして自分が連れ去られていくことを知る。 一方、ソシエは亡くなったギャバンのために花嫁衣装を着てみせる。そして、隠しておいた核爆弾を宇宙に捨てに行くと決めたロランの話を聞き、一緒に取りに行く。 同じ頃、爆発から逃げ延びたレット隊のキャンサーとムロンは、ディアナの身の安全を図るためにも、ミリシャが手に入れた核爆弾を処分しようと考えていた。 フランはジョゼフと港で会い、マニューピチへ向かう軍艦に乗船させてもらう。 ソシエと共に核爆弾を見つけだしたロランは「戦うのを止めて、ムーンレィスと仲良くできる」という気持ちをソシエに少し理解してもらう。そして、ホワイトドールの胸のサイロに核爆弾を隠して、ソシエと共にウィルゲムのいる港へ引き返した。 しかし、そのウィルゲムにはキャンサーとムロンが、決死の覚悟で「爆弾を渡せ」と迫っていたのだ。対応したグエンは核爆弾のことを知らないので何のことかわからず格納庫のものすべてを放り出す。そこへソシエとロランが駆けつけた。グエンは混乱に乗じてウィルゲムを洋上に出そうとするが、キャンサーは、ムロンにウァッドを投げさせてウィルゲムに取り付き、みんなまとめて爆発させようとする。 一計を案じたグエンは、キエルをディアナと偽り人質にしてキャンサーを脅し、ウィルゲムを出航させてしまう。 キエルは、ディアナとしてこの場を諌め、キャンサーたちを逃がす。 一方、水に強いソシエのカプルはホワイトドールを抱えてウィルゲムを追いかけるのだった。
ディアナを人質に取られたと知ったフィルは、それを利用して「ハリーたち親衛隊が裏切ってミリシャに引き渡した」という筋書きを、全軍に演説した。 演説を聞いたディアナ・カウンターの兵士たちは、それを信じ、フィルの言う共和国の建設に協力すると誓う。ポゥは失態を挽回しようとウィルゲムの追撃に出た。 一方、マニューピチへ向かうウィルゲムは南の海上にあった。グエンとキエルは演説を聞き、ディアナ・カウンターが女王ディアナ抜きで軍を動かそうと画策し始めたと洞察。そのウィルゲムを追って、ロランとソシエも洋上を南下していた。 同じ頃、汚名を着せられたハリーは本物のディアナの行方を追って、ポゥの追撃艦“アルマイヤー”に強引に着艦する。ブリッジに現れたハリーは、そこで体調を崩していたポゥに口移しで薬を与え、「フィルが放逐した地球人の娘」の行方を尋ねる。情報は得られなかったが、ディアナの威光でハリーは捕縛を免れる。 そのディアナはミドガルドによって帆船に乗せられていた。その姿を見かけたムロンとキャンサーはディアナを救出すべく、ウァッド&フラットと追いかけた。 同じ頃、追撃するポゥのアルマイヤーがウィルゲムを射程に捕らえた。 容赦ない攻撃でウィルゲムに限界が近づいたとき、ソシエとロランが間に合う。 ふたりは連携してアルマイヤーに攻撃を仕掛けて、追撃不能にしてしまう。ポゥはまた悔し涙に暮れた。 同じ頃、ディアナを助けようとしたキャンサーとムロンは、ミドガルドが月から迎えに来た特使で、降下してきたシャトルで月へ行くと聞き、供をすることを許され感激する。 ハリーはそのシャトルを発見し、ディアナの姿を確認するが、ゴールドスモーで追いつくことはできず、引き離されてしまう。シャトルの目的地もまたマニューピチであるとは知らないロランとソシエは、ウィルゲムを追って海上を急ぐ。 その夜、洋上でロランとソシエは流れ星を見た。二人は同じ願いごとをするのであった。
洋上を行くロランとソシエは機械人形のコクピットの中で宇宙服を合わせていた。 二人の楽しい時間は爆撃の音で消し飛んだ。 南アメリア大陸の北部、赤道下にある要衝の地、マニューピチの町。そこはすでにディアナ・カウンターの守備隊に占拠されていた。 ミリシャは機械人形部隊で攻撃をかけるが、町に設置された砲台によって敗退。グエンはウィルゲムの荷粒子砲で砲台ごと町を落とせと命じる。町に住む民も犠牲になるが、強行作戦は敵の戦艦が到着する前の翌日の夜明けに予定された。 その夜、ソシエは人影を見かけ、話を聞こうとあとを追う。しかし、土地の娘(アデスカの娘、マヤリト)は秘密があるのか、ソシエを気絶させて姿を消してしまう。 ソシエを介抱したロランは、小さな足跡から岩穴を見つけ、その中に端座した壮年の男と出会った。 その男アデスカの王、クワウトルはアデスカの民が一斉に見たという、不吉な夢の話をロランたちにするのだった。アデスカの民の神話によれば、遠い昔、北の空が赤く染まったとき、天の巨人と地の巨人が世界の始まりの樹(アデスの樹)をつたって争いを起こし、災厄が広がったという。アデスカの祖先たちは大地の女神を救うためにアデスの樹を切り倒したが、一本の枝が弾けて空へ舞い上がり、その時から、アデスカの民はアデスの枝が再び災いを招かぬように守ってきたという。 ロランはそれが核爆弾の災いを語る伝説だと悟り、災いの元凶となる爆弾を宇宙に捨てるために、アデスの枝に登って天へ行く必要があると王に訴えた。ロランの真剣さをくみ取った王は、ロランにアデスの枝を取らせようと約束する。アデスの枝に向かうには、ディアナ・カウンター守備隊を退けなければならない。守備隊の砲台を爆破するため、シドとジョゼフ、エイムズを伴ったロランと王とマヤリトは、アデスカの民しか知らない地下水路を通って、マニューピチの町へと近づいた。だが、一同の行く手を、アデスカの青年タルカと兵士たちが遮る。ジョゼフとマヤリトは辛くも捕縛を免れるが、ロランと王は捕ってしまった。タルカによるとクワウトルは「逃げた王」だというのだ。話を聞こうとしないタルカに焦るロランたち。巨大砲台の攻撃が始まる夜明けは刻一刻と迫っていた。
ジョゼフは、アデスカア民の娘マヤリトの助けを借りて水路から脱出できた。マヤリトは、ジョセフと同じマバ族の人間だったのだ。 捕らえられたアデスカの民の王クワウトルはテペトルの手によってタルカの前に出される。 クワウトルを討つ新しい王に選ばれたタルカは民の運命を引き受けることを恐れ、その不安を見抜いたクワウトルは交代の儀式の途中で逃げ、タルカに時間を与えたという。 彼らは神話の通り、白い悪魔がアデスの枝を取りに来て、再び天と地の間で巨人たちの戦いが起こることを恐れていたのだ。しかし、アデスカの神話では、不吉な災いが起こったとき、災厄を一身に背負った古き王が新しい王に討たれて厄払いしなければならないという。 地下広場に連行されたロランたちは民の王の交代の儀式に引き出される。しかし、ジョゼフとマヤリトの働きで、クワウトル王とロランたちはその場を逃亡できた。 しかし、事情を知らないアデスカ兵はロランたちを捕らえようとして、放った矢でマヤリトを傷つけてしまう。ロランたちは傷ついたマヤリトをシドに預けて、二手に分かれて砲台の爆破作戦を密かに開始した。 夜明けが近づいた地上では、ミハエルの要請で複葉機部隊も飛来し、巨大砲台攻撃の準備が整う。 シドは、木の切り株のようになった山を見て、クワウトル王からアデスの世界樹の話を聞き、この地が天の蓑虫伝説の場所だと実感する。 グエンはマニューピチを落とすため、砲撃を強行しようとするが、キエルはロランたちの安全を図るため、懸命に止めようと説得する。 だが、ロランたちはディアナ・カウンターに発見されてしまった。絶体絶命の窮地に陥るロランたちを救ったのは、ソシエたちだった。 ようやく砲台に爆薬をセットするものの誤って時限装置を作動させ、ひとつを残して爆破させてしまうロラン。クワウトルは重傷のマヤリトと共に最後の砲台に残り、ロランに「空を赤く染める兵器を宇宙に捨てに行くという誓いを果たせ」と言い残して、タルカに爆薬を射るように命じた。マヤリトはクワウトル王と共に殉じ、タルカは矢で砲台を爆破して伝説どおりに王位を得た。 攻略されたマニューピチの空から光の筋が見える。天へ上る階段、アデスの枝の光である。
ハリーは、ジャンダルムが自力で引力を振り切れるのにザックトレーガーに寄るのを疑問に思う。 ミドガルドは、ディアナの話し方から本物だと推察し、ウィルゲムよりも早く月に連れて行くことを話す。 一方、マニューピチの町にある施設をシドとラダラムが動力を繋いで復旧させていく。そして宇宙船ウィルゲムが到着した。月へ向かう準備をして宇宙に上がる予定だが、ディアナ・カウンターの追撃が心配されていた。 ミドガルドにさらわれたディアナの乗る戦艦“ジャンダルム”は、一足早く宇宙へ向けて上昇を開始する。ハリーはゴールドスモーで追うが、引き離されてしまう。この様子を見ていたディアナは、再び地球へ戻ることを誓うのだった。 ウィルゲムでも、ジャンダルムが飛び立つのが確認された。キエルはディアナが乗っていないかが気になり、追って欲しいと頼むが、ザックトレーガーには周期が存在しているので無理だという。アデスカの民の言葉を借りれば巨大な枝、ザックトレーガーは地球を3時間の周期で回転する巨大なバトンである。先端にシャトルを収容する蓑虫状の筒があり、地表近くで筒に乗ったシャトルはバトンの回転力で持ち上げられ、その推力を得て月へ放り出されるという。 ミランはミリシャの戦艦に追撃を出さないフィルに詰め寄るが、フィルは宇宙に行きたい奴は行かせれば良いとなげやりな態度で応じ、面倒なことになっても月に責任を取らせるため、黙認すると切り返す。 その頃、ポゥはウィルゲムを追ってマニューピチへと急ぎ、ついにウィルゲムを捉えた。モビルスーツ“ムットゥー”を従え、ポゥは出撃する。 ウィルゲムは発進を優先し、ジャラピィ隊とスエサイド隊は地上から援護する。 ロランもホワイトドールで空中へ飛び出し、両手のハンマーで相手のモビルスーツを絡め取り攻撃を加えた。ポゥは、ハンマーの鎖を断ち切る。墜落するロランを救ったのは、ハリーだ。戦闘機で攻撃を仕掛けたラダラムは返り討ちに遭い、後席にフランを乗せて無事ウィルゲムに軟着陸して、ロランもウィルゲムの加速前に戻ることができた。 ハリーのゴールドスモーもウィルゲムに合流し、ロランのホワイトドールとともに推力を補ったウィルゲムは、ついにザックトレーガーに辿り着く。
長さ8500キロの長大なバトンの両端にある樽状のドックから月へと宇宙船を打ち出す設備“ザックトレーガー”に、ミリシャの宇宙船ウィルゲムが辿り着いた。 しかし、ウィルゲムはドック内で動けなくなる。そしてミリシャのメンバーがあまりにも宇宙の知識に乏しいため、いちいち説明する必要があった。 ウィルゲムに乗り込んでいたハリーは、ヤーニやミハエルからディアナ親衛隊の士官ということだけで拘束されそうになるが、宇宙服の着方をアドバイスしたことで理解してもらえるようになった。 そして間が悪くドッキングアームが動かなくなる。ハリーが破壊工作をしたのではないかと疑われるが、実はディアナ・カウンターの守備隊の仕業だった。ロランとソシエが機械人形で管制室の制圧に行くことになる。 同じドックには、ミドガルドとディアナを乗せた戦艦“ジャンダルム”も入港していた。月へ打ち出されるのを待つ間、ミドガルドは守備隊にミリシャの船の足止めを命じる。ハリーはディアナを救い出そうと単身でジャンダルムへの潜入を試みた。 一方、ロランとソシエは、内部からリニアエレベーターを使ってセンターハブ(バトン中央部)の管制室へ向かうが、守備隊の防衛に撤退。外から近づくルートを選択する。 裏切り者の烙印を押されたハリーも守備隊の妨害に遭い、ディアナの姿を目にするもののジャンダルムに近づけない。 グエンはハリーに手を貸すようにミハエル達に命じた。ロランたちを動きやすくするための囮作戦と、ハリーの目的を確かめるためだ。 キエルは、ディアナとなり、ザックトレーガーに進駐した兵士たちの命令を解除しようと試してみる。するとミドガルドは、ディアナに本物のディアナとして通達するよう求め、二人はお互い同じ名前を呼び合い、再び会う約束を交わす。 ロランやハリーたちの奮闘もむなしくジャンダルムは月へ打ち出されてしまった。 ウィルゲムに残ったディアナの振りをしたキエルは、後に残った兵士たちにザックトレーガーの整備を任せるのだった。 ウィルゲムはドッキングアームが外れ、ザックトレーガーを後にして、地球を背景に月へ向かう。
ウィルゲムが月へ近づく間に、宇宙初体験のミリシャたちは様々な騒動を引き起こし、核爆弾を捨てるチャンスを伺うロランは、その収拾に奔走することになる。 ウィルゲムの通路では、移動用レバーに不慣れなミハエル達が混乱して無重力での行動の難しさに不満を覚える。宇宙酔いで体調を崩したラダラムやシドは、ハリーから頭痛止めの民間療法を教えられて試す。 無重力未体験のソシエとキエルも、シャワーを浴びようとして、ゼリー状に空中に浮かんだ大量の水滴で溺れかけて、ロランに救われたりする。 宇宙に懲りたヤーニはミリシャ兵と共に酔っ払い、脱走を企てた。樽に入って地球へ帰ってしまおうというのだが、真空の宇宙で樽は弾けてしまった。危機一髪、ロランのホワイトドールに救われるものの、無知故の事件は同時多発的に発生。リリは医務室に運ばれてくるミリシャ兵を見てバカにするが、グエンは宇宙の民として地球人がムーンレィスと交渉するためには必要な通過儀礼であり、月へ行かなくては交渉も成立しないと考えていた。 しかし、ついにミハエルの堪忍袋の緒が切れた。家族を思い出したことが原因だが、ブリッジを占拠し、地球に引き返せと叛乱を起こしたのだ。 月の女王ディアナと信じられ、人質にされたキエルは、ディアナであれば月へ向かっても安全だと諭し、キエルであれば人質にはならないと説得を試みる。ハリーは収拾策としてブリッジの空気を抜くように命じた。 酸欠になるのを恐れたミハエル達はブリッジを飛び出して格納庫へ向かい、機械人形を奪って宇宙へ飛び出してしまった。ハリーはクーデターに対する処罰は死罪が適当で、不穏分子の排除ができたと冷酷に処理しようとする。 だが、ロランの優しさはそれを否定。ホワイトドールで救助に向かう。ミハエル達は連れ戻しに来たロランに攻撃。核爆弾のこともあり、防戦一方のロランは苦戦する。しかし、大勢が乗り込んだ機械人形のコックピットでミハエル達は酸欠を起こし、敢えなく連れ戻された。 全員で写真を撮ることでみんなの気持ちは再びひとつになる。ミハエル大佐は、家族の写真を手に再び、地球へ帰ると心に誓う。ウィルゲムは月への航行を続ける。
ミドガルドとギム・ギンガナムとの通信を盗み聞き、ディアナ暗殺を考えていると知ったレット隊のキャンサーとカフカは、ディアナを連れて戦艦“ジャンダルム”を脱走する。 追っ手を撒くため、ディアナの指示でアステロイド・コロニー“ミスルトゥ”へ向かい、救助信号代わりに音楽を暗号にしてウィルゲムへ発信する。 その頃、ウィルゲムは、戦艦ジャンダルムを追うコースで月へ向けて航行していた。ロランは核爆弾を捨てるぎりぎりの位置が、月に近い廃棄コロニーの辺りだと考えて、ソシエ、フラン、メシェーと相談する。そしてフランがムーンレィスだと気づいていたソシエとメシェーが、地球の人たちが月へ行ったドキュメントを書くという彼女を励ます様子を見て、地球と月との垣根を乗り越えて仲良くなっていることに感動する。 そこへ、ディアナの通信が届いたことが知らされ、ロランとソシエは救助に向かうことになる。 廃棄されたアステロイド・コロニー“ミスルトゥ”に近づいたレット隊は、巨大な月のパノラマを目にして喜び、ディアナを交えて歌って踊り、感激していた。その一行を追うミドガルドは、スパイと自らを蔑みつつも、進軍するギンガナム艦隊の伴をしていた。艦隊の御大将ギム・ギンガナムは、月でソレル家と同格の武門の家柄である。 ウィルゲムと同じくディアナの通信を解読したギンガナムは、部下スエッソンにディアナを捕獲するように命じて先発させた。 一方、ディアナの指示でミスルツゥ内部への進入を果たしたキャンサーとムロンは、改めてディアナの英知に心酔。地球へ帰るよう諭すディアナに「命を賭けてもご一緒します!」と言ってきかない。ミスルツゥには、ディアナの先祖が月で作物を栽培するために作った実験農場があった。その荒廃に心を痛めたディアナは、ふたりを連れて設備の回復を試すため、内部へ進む。 そのころ、ハリーはディアナを守るためにキエルを利用しようと考え、グエンやリリ達が止めるのも聞かず、ゴールドスモーでキエルをさらってしまう。彼女をギンガナムに会わせることで、ミスルトゥへの攻撃を止めさせるためだ。 同じくディアナを助けようとするロランたちもミスルトゥに到着するが、待ちかまえていたスエッソンのモビルスーツ“マヒロー”隊の迎撃を受けた。 コロニーの橋脚部に隠れたロランとソシエは攻撃を逃れるため、コロニー内部へ突入する。
ハリーは、さらってきたキエルをディアナに仕立て上げ、ミリシャの船から連れ戻したとギム・ギンガナムに連絡し、ミスルトゥの戦闘を止めさせた。 ディアナの救難信号を受けて救助に来たロランとソシエは、待ち伏せていたステロ隊の攻撃を受け、慌ててミスルトゥの中へ逃げ込んだ。 一方、キャンサーとムロンは、ディアナと共にミスルトゥ内の制御室に辿り着いた。 ディアナは制御を回復しながら、ソレル家の伝説と、カフカ家への期待をレット隊のふたりに語って聞かせる。レット隊は改めてディアナの優しさに感動。 しかし、制御室にステロの部下、シッキネンが侵入、ディアナを捕えようとした。 応戦したレット隊はシッキネンを倒し、その乗機、モビルスーツ”マヒロー”を奪い、ディアナを守ってフラットで逃走するが、他の“マヒロー”の追撃が迫る。 通路を爆破して逃げる途中、ロラン達と合流したレット隊は、更に奥へ逃げた。 同じ頃、目を覚ましたキエルは、ハリーがアグリッパと差し違えるつもりだと悟る。そして、好きだと言ってくれればアグリッパ暗殺もしてみせると、ハリーへの恋を告白するが、ハリーはディアナへの忠誠のためそれを拒絶する。 ロランたちを追ってきたウィルゲムも、ステロ隊に攻撃されミスルトゥに逃げ込んできた。 ギンガナムの旗艦“アスピーテ”もミスルトゥの別の宇宙港に入港。 ハリーと対面したギンガナムは、ミドガルドから、逃亡したディアナ似の娘もディアナの可能性があると聞かされるが、ハリーの意見を受けて月へ向かう。覚悟を決めたキエルは、死ぬときはどちらかの腕の中でとハリーに願う。そこへギンガナムが現れた。キエルはやり過ぎるほどディアナを演じて、ギンガナムの不審を買う。 ギンガナムはステロ隊に命じて、ディアナがいる可能性のあるミスルトゥを攻撃させ、ハリーの反応を楽しむ。ハリーがギンガナムに、ディアナ様へ恨みがあるのかと問うと、彼は地球侵略の花火代わりだとうそぶく。 一方、崩壊するミスルトゥから待避するようウィルゲムに連絡したロランは、レット隊やソシエと共にミスルトゥを破壊して、崩壊直前の脱出に成功する。 ギンガナムは実戦の世になる喜びを噛み締めていた。そんな状況を肌で感じたキエルは、自分が強がって事態を悪くしているのではないかと苦悩する。
四散したアステロイド・コロニー“ミスルトゥ”の中でウィルゲムはホワイトドールとカプルたちをキャッチした。 ギンガナムは、ステロたちにディアナの乗ったシャトルを追撃するよう命令する。脱出したロランたちは、残骸に隠れて月を目指した。 一方、グエンはミドガルドに連絡を取り、戦時協定を結びに来たと説明。 更にロラン達を脱走者に仕立てて、無闇に撃ち落とさないように牽制する。これを聞いたギンガナムはアグリッパに取り次ぐように命じた。 その頃、ディアナ達は隠れ蓑にしている残骸が月へ落下することを知り、驚く。その落下コースは月面赤道上のフォン・シティを直撃して、大災害を起こす可能性があった。 祖先が作ったミスルトゥの破壊を黙認した上、残骸が月の民を犠牲にする時のディアナの悲しみを思い量ったキャンサーとムロンは残骸を処分しようと出撃した。 同じ頃、ギンガナムはディアナを装っているキエルの元を訪れた。キエルが偽物でも、地球の市井の女が一時でもディアナ・カウンターを束ねたことに興味を持ったギンガナムは、不躾な態度をとりながらも、フォン・シティを救うためミスルトゥの残骸の処理を約束する。 一方、思うように残骸を破壊できないキャンサー達に、ロランはホワイトドールの胸に抱えていた核爆弾で何とかしてみると提案する。キャンサー達はロランが本当にディアナ様のナイトだと理解し、追撃してきたステロの相手を引き受ける。ソシエはディアナのシャトルを守って戦場から待避。 ロランは「月側で核爆弾を爆発させます」と注意を送るが、ステロ達を相手にしたキャンサー達は死を覚悟する。 月面に近づくミスルトゥの残骸に接近するロランは更に、黒歴史に禁忌として記された天を焼く剣(核爆弾)を使うと宣言。 通信を受けたギンガナム艦隊とミリシャの宇宙船ウィルゲムは全速で離脱するが、ロランの前に自機X−TOP(エックストップ)で現れたギンガナムは、ホワイトドールを「ターンエー」と呼び、自分の艦に迎えた女性(ディアナに扮したキエル)の無事を保証し、核の力を確認するために留まった。 ロランは核爆弾を投げてミスルトゥの残骸の近くで爆発させた。残骸は月から逸れた。 ソシエは、核の光を見てギャバンを思い出す。 ロランとギンガナムは無事だったが、ステロ隊を退けたレット隊のキャンサーとムロンを乗せたフラットは大きく傷つき、「月の魂(たま)」の歌を歌いながら地球へ引き寄せられていった。
ロランたち一行は、月面に到着した。 月面を環状に走る運河の下にムーンレィスの都市は広がっていた。運河には鯨も居れば、漁をして生活をする人も、清掃をする人々もいる。ロランはその運河人(うんがびと)の出身だ。 ディアナとソシエを故郷の運河へ案内したロランは、かつての仲間、ドナやハメット達と再会する。 その頃、ギンガナムと接触したグエンは、地球からの貢ぎ物や、ミスルトゥで救助した捕虜シッキネンを渡して、直接交渉の糸口を探っていた。 ギンガナムは、月の管理人アグリッパへ伝えるが、いつ接見になるか分からぬとはぐらかす。リリは「高貴な女性を待たせる無礼な殿方は、地球にはいない」と、ギンガナムの自尊心をくすぐって興味を抱かせた。 運河人の集落に腰を落ち着けたロランとディアナとソシエは、月では地球での戦争のニュースを伝えないばかりか、戒厳令が敷かれたり、ギンガナム艦隊がちょくちょく月に降りて来て市政が悪い方向へ傾き始めていると聞かされる。そしてハリーからの連絡で、アグリッパに月のシステムの半分が掌握され、ディアナ・カウンターへの補給の遅延も暗殺者のことも全て仕組まれていたことを伝えられた。 ディアナはアグリッパを正すためにもゲンガナムへ行かわねばならないとロランに相談する。 しかし、戒厳令が敷かれ、システムが停止している現状では向かうこともままならない。 すると、ロランは幼なじみのドナに運河の癖を利用するよう提案される。 運河下のフォン・シティに降りたロランたちは、フリーマーケットを通ってある倉庫へ行く。 そこでは男達が骨組みを、女達が皮を縫い、モビルスーツを鯨に変装させるための準備が行われていた。ドナはディアナをナイトのように守ろうと一生懸命なロランを励まし、ソシエは運河人の少女達と仲良くなる。みんなの助けで完成した鯨の着ぐるみでホワイトドールを覆い、ロランとソシエは運河を月の首都ゲンガナムへ進んだ。 しかし、ヒゲがある鯨に気づいたステロ隊は攻撃を仕掛けてきた。 ロラン達は街を守るために攻撃ができず、水中で危機に陥る。 同じ頃、ゲンガナムの宇宙港へ降下するギンガナム艦隊の旗艦アスピーテに、ミリシャの宇宙船ウィルゲムも続いていく。 はじめて目にする月の運河の都市に目を見張るリリとグエン達。 そこへ、ステロ達から「ムーンレィスの裏切り者を発見」との報告が入る。 グエンは、地球では、脱走者は衆人環視で銃殺の慣例があるので、生かして引き渡して欲しいとギンガナムを牽制する。 一方、ロラン達に攻撃するステロ隊に、ドナ達の鯨の群が妨害する。 ロランはその隙をついてステロ機を動けなくして退却させた。 運河を壊さないように戦ったロランに礼を言うドナは、首都ゲンガナムの目前まで送り届けて、別れを告げた。
月の首都ゲンガナムに潜入したロラン、ディアナ、ソシエは、地下通路で宇宙用の物資をネコババしてきたばかりのミハエルたちと再会し、ウィルゲムへと向かった。 そこでディアナは、グエンたちがアグリッパとの接見を許されたと聞き、リリから同行しないかと誘われる。 ディアナはグエンたちと女王の居城“白の宮殿”に向かうが、ディアナの使っていた車や宮殿にまでメンテナー家の紋章が入っていることで、アグリッパの裏切りが確証に変わった。 一方、留守を守るウィルゲムにステロのマヒロー隊が攻撃を仕掛けてきた。 その頃、リリを仲介にしたグエンたちは、アグリッパとの接見を始めていた。 グエンはディアナを“秘書のキエル”と紹介し、ルジャーナ領の領主・ボルジャーノの親書を渡す。 ステロの攻撃を防ぐロランたちだが、ウィルゲムは攻撃から逃がれるためにゲンガナムに向かってしまった。しかし、街に被害が及ぶことを考えないステロに困ったヤコップたちは“白の宮殿”を盾にしようと、ウィルゲムを移動させる。 ウィルゲムが白の宮殿を盾にしたことに驚いたグエンは、すぐにミハエルたちの元へ戻り、「交渉を決裂させるつもりか!」と叱責するが、敵が奇襲攻撃を仕掛けてきたと聞くと、交渉を優位に進める腹案を掴み、白の宮殿にとって返す。 アグリッパとギンガナムが黒歴史に詳しいということをグエンに話したディアナは、更にウィルゲムへ奇襲を仕掛けたのは、ギンガナムの部下だと推論する。 戦い嫌いのアグリッパは、マヒロー部隊の独走を見逃しているギンガナムに不信感を持ちつつも、“∀ガンダム”を恐れるためギンガナムに頼るしかなかった。 ハリーはギンガナムの動きを読んで、キエルを連れてギンガナムの旗艦から脱走する。 ギンガナムの入れ知恵と新たな増援部隊を得たステロは、ミリシャが“ガンダム”を渡さなければ、グエンたちを処刑すると通告する。 リリは泰然として相手の出方を見ようと言い、グエンを感心させる。 ミハエルたちも守護神ホワイトドールを渡すなと言うが、それではディアナたちの命が危ない。 究極の決断に立たされたロランは困り果ててしまう。
戦闘は膠着し、白の宮殿を盾にしたウィルゲムに対して、ステロは“ガンダム”を引き渡せと要求してきた。渡さなければ、アグリッパと接見しているグエンたちを処刑するというのだ。 ミハエルたちはホワイトドールを渡すくらいなら、月もろとも滅ぶ覚悟だと切り返す。 それはハッタリだが、時間を稼ぎ陸戦隊を送るつもりなのだ。 しかし、ステロは猛然と攻撃を再開してしまう。 ギンガナムはモビルスーツ“∀ガンダム”を始末するために、マウンテン・サイクルの“ターンX(ターンエックス)”を起動させるようバンデッツに乗るメリーベルに命じた。 ロランはゲンガナムをノックスの二の舞にさせないようにホワイトドールを渡そうと考えるが、ソシエに止められている間にアグリッパから通信が入った。彼は「“ターンX”を月面上で倒せ」と命じる。 聞きなれない“ターンエー”や“ターンエックス”という言葉に戸惑うロラン。 アグリッパは“∀ガンダム”の正体も知らず乗り込んでいたロランに呆れ、遂に人質三人の命と引き替えに戦うことを強要するのだった。 次第を見ていたディアナは、アグリッパが何を考えているのかと問いかける。 アグリッパは「月の平和を考えている」と答え、「ディアナが行った地球帰還作戦が、人々に闘争本能を目覚めさせた。地球の方々もその扇動にのったのです」とディアナを糾弾する。 一方、“ターンX”の起動は、ゲンガナム全体に停電をもたらした。 この機に、ロランはステロたちをおびき出して月面へと向かった。 また、ハリーとキエルの乗ったゴールドスモーも白の宮殿へと急ぐが、謁見室に乱入する形になる。 ハリーといるキエルを見たアグリッパは驚愕し、ディアナと思ったミドガルドは銃口を向ける。 その時、ディアナが正体を明かすが、アグリッパは「ディアナが帰還を強行したために、“∀ガンダム”が動き出し、放っておけば月も地球の文明も滅ぼしてしまうかもしれない」と言い残して、その場から逃走する。 ディアナは様々な混乱を収拾するため、「冬の城で黒歴史の封印を解く」決断をした。だが、秘密の通路を先導するディアナは重なる疲労で走れないでいた。 労るキエルに、ディアナは今度の帰還で死にたかったと告白する。キエルはそんなディアナを励ます。 そこへ、ソシエとメシェーが、それぞれの機械人形で合流した。 一方、月面に辿り着いたロランを、ギンガナム率いる新たなモビルスーツ(バンデッツ&ターンX)が待ち伏せる。
月面に辿り着いたロランの耳に鈴の音が響く。ギンガナム率いる新たなモビルスーツ(バンデッツ&ターンX)からだ。この二機が待ち伏せ、攻撃を仕掛けてきた。 ロランは「戦うつもりはない」と言うが、彼らは話を聞くつもりはなく、∀ガンダムのデータを戦いながら録っていくのだった。 ロランは、ギンガナムがディアナに背いていることを問い詰めても、∀ガンダムが古代の宇宙文明を破壊した禁忌のモビルスーツで、大昔からターンXと∀ガンダムは戦いあっていたことを聞かされ、最初からまともに取り合わないことを悟るのだった。 一方、ディアナはゲンガナム中に「自らが地球に滞在していた期間の法令を全て無効にする」と通達した。そしてアグリッパたちへ「冬の城で黒歴史の封印を解く」という通信を送る。 通信を聞いたギンガナムは、地球人には黒歴史の意味は分からないと考える。アグリッパも同じだが、逃走のため、冬の城の女王専用宇宙港に戦艦を呼び寄せよ、とミドガルドに命じた。 冬の城へ向かう通路を進むソシエとリリ、メシェーたちは、キエルとディアナが入れ替わっていたことを知って驚くが、平然と受け流すグエンに、ディアナは地球人に黒歴史が実感として分かるかと不安を抱く。ソシエはディアナの心労を気づき、キエルに話すのだった。 一方、白の宮殿に横付けになったウィルゲムを守って戦うハリーにステロは毒吐く。 この様子を見たフランは、ミハエルにハリーは信じられる人物だと説明し、彼の戦うその様を見て写真に撮り続け、ロランの行方を案じる。 そのロランは、月面で2機のバンデッツの攻撃を受け、隙をついて一時逃れ気配を消していた。 ディアナの親衛隊であるハリーを恐れたアグリッパは、冬の宮殿から空港へ向かうため、近道のデータルームを通った。彼らを追いかけるディアナたち。そこにミドガルドの歩兵部隊と、救出に来たエイムズたちのミリシャ陸戦隊が激突し、交戦状態になる。 が、その時、キエルの制止の声が響いた。そしてディアナは黒歴史の封印を、グエン、アグリッパたちの前で解き放つのだった。 ゲンガナムの運河の底が光り、ミハエルたちやフラン、ハリーたちの前で戦場の光景が映し出される。それは、かつての宇宙戦争を記録した膨大なデータ映像だった。 ソシエたちはその映像の中で戦う白いモビルスーツの姿にホワイトドールを重ね見る。 核戦争をも引き起こしたという人類の多くは、地球圏を捨てて外宇宙へスペース・コロニーごと逃れて去っていったらしいが、ステロたちはその映像に武人の栄光の時代を見て、ミリシャのミハエルたちは黒歴史の技術で地上のディアナ・カウンターを薙ぎ払えると昂揚してしまう。ギンガナムも、人間は戦争で生きてきたと、武人こそ人の正道だと確信してしまう。 黒歴史の映像が出ていた頃、“ターンX”チームと“∀ガンダム”は共振していた。データが再生され、全ての機体のコントロールが利かなくなっていると気づく。 映像は、遙か昔、壊滅した都市に向かって飛ぶ1機のターンタイプ。その背のハッチが開き、羽根のように広がる。羽根から振りまかれた鱗粉の輝きは都市を砂塵に変えていったという。 ディアナはターン・タイプが文明を埋葬したことを説明し、ロランとギンガナムはお互いの乗るモビルスーツの正体を理解した。
黒歴史を開いたデータルームで、滅びの人類史を示し、先に黒歴史の真実を知った上でギンガナム家が動くことを許したのかとアグリッパに詰め寄るディアナ。 キエルも、破滅が待つと知っても機械人形を使う戦争を続ける気かとグエンに問う。 アグリッパはソレル家を支えてきたと反駁し、グエンも地上の全てをディアナ・カウンターに開け渡すことはできないと答えた。 ディアナは戦争を止めるため、軍の解体も口にするが、アグリッパは、ディアナが地球降下作戦を考え始めた300年前からパンドラの鍵が開かれたと弾劾する。 宇宙戦争時代の映像を見た月の市民達はパニックを起こし、その混乱は暴動に発展した。 闘争に目覚めたものは例外なく排除するというアグリッパに、ディアナは殺意を覚え、キエルも手を貸そうとするが、アグリッパを銃で倒したのはミドガルドだった。 同じ頃、ギンガナムとの戦いから辛くも逃れたロランは、宇宙港のハッチに潜り込む。 一方、アグリッパを射殺したミドガルドは、新たな秩序を築くため、ディアナも殺そうとするが、リリの銃がそれを防いだ。ミドガルドは逃走する。 ディアナは暴動を鎮めるため、キエル、リリ達と共にゲンガナムへ向かう。 冬の城では、一千万人の人々が冬眠しており、ディアナは攻撃が及ばないよう願い出る。 しかし、皮肉にもその付近でハリーとステロの攻防が続き、お互い火器を使わない戦闘を繰り広げていた。ミリシャのエイムズ達、ソシエ、ロランも加勢する。 その頃、グエンはシドへ混乱しているうちに黒歴史のデータ全てを吸い出すよう指示していた。 そこへミドガルドが戦艦ジャンダルムでミサイル攻撃を掛けてきた。 Iフィールドを発動して爆発を防いだハリー機は、ロランにもバリヤーを張るように要請する。すると本来の性能を発揮した∀ガンダムが光の幕を広げて爆発を吸い取っていき、更に戦艦ジャンダルムを押し戻していく。 この様子に驚愕したミドガルドは∀ガンダムから逃げようとするが、ハリーのゴールドスモーによって戦艦ジャンダルムごと潰された。 運河のスクリーンにディアナの姿が映る。 呼びかけるディアナの言葉は、月の人々を心を掴み、暴動を治める。そして、地球の人々にも黒歴史の真実を伝えることが使命だと訴えた。
負傷したハリーを見舞うキエルに、彼は影武者をさせたことを謝った。そして、キエルがディアナの哀しみの半分以上を受け持ってくれていることに感謝する。 月の都市の人々はディアナの力でアグリッパの恐怖政治から解放され、彼女を歓迎していた。 冬の城の冬眠者の解凍も開始され、様子を撮影するフランは、事実を伝える仕事に価値を見つけて、メシェーも自分の将来を考え始める。 ミハエル達は、収奪した黒歴史の技術に興奮し、地球上のディアナ・カウンターを踏みつぶすと息巻くが、シドは火事場泥棒のような真似を恥じ、ディアナに知らせるべきだと言う。だがグエンは黒歴史は繰り返さないと断言して、地球への出航準備を急がせた。 白の宮殿に呼び出されたギンガナムは、月のマウンテン・サイクルで発掘したモビルスーツの引き渡しをディアナから命じられる。ギンガナムが武力を司らずに弄んでいるからだ。同行のメリーベルは逆上して斬りかかるが、ディアナは動じない。ギンガナムは勝手に取りに来いと答えて退室する。デリケートな月の都市で、市民を味方につけた2人の女王相手に完全なクーデターは起こせないからだ。 そのギンガナムとメリーベルの前に、グエンのスポーツカーが現れた。グエンは、ギンガナムと手を組もうとする。 それを知らないディアナはターンXの受け取りをロランに頼もうとするが、ロランはグエンに呼び出された後だった。 グエンがディアナ達を裏切り、地球に帰ろうとしていることを知ったロランは、ウィルゲムから∀ガンダムで逃げ出した。乗り遅れた人たちを乗せるためウィルゲムを押し戻そうとするロランだが、ギンガナムのターンXに妨害されてしまう。 グエンは、ギンガナムと手を組んで地球に招き、自分が経済を受け持ち、ギンガナムに戦争を任せようと考えたのだ。 ターンXで∀ガンダムを潰そうとするギンガナム。 ロランはディアナにグエンとギンガナムの共謀を伝えるため、∀ガンダムからコア・ファイターを分離させて脱出した。
コア・ファイターで脱出したロランは、グエンとギンガナムに怒りを覚えていた。 そして、ブルーノとヤコップもグエンたちについていけないと感じ、ウィルゲムから脱出しようとするがヤーニに見つかり、脅かされながら地球へ向かうこととなった。 ギンガナムと手を組んだグエンは、スモーのコクピットで∀ガンダムが動くことを知り、機体の管理を自分に任せるように要求。グエンの宇宙船ウィルゲムとギンガナムの艦隊は並んで地球を目指して航行する。 一方、グエンの手元から逃げ出したロランは、月の首都ゲンガナムに着陸し、ディアナにグエンとギンガナムの結託を報告した。 シドは∀ガンダムを奪い返さねばと焦るが、ディアナは専用港から戦艦で追おうと申し出るのだった。 その専用港への道中で浮かれてしまうロラン。∀ガンダムが手元からなくなり、緊張が解けたのだ。その一行にフランがテレビ局に職替えして追いついてきた。 フランは、「内戦が始まり、ディアナ様を支持した国民はギンガナム軍によって粛正される」という噂で人々がパニックに陥っているのでディアナに鎮めて欲しいと訴える。 ギンガナム軍は、追っ手が来ないように港の設備や宇宙船を破壊し、その光景にゲンガナムの人々は恐怖したのだった。 ディアナは自分の健在と、地球へ行きギンガナムの暴挙を阻止することを許して欲しいことと、それを実行できれば地球で住む権利を後押ししてもらえる可能性を訴え、その確認をしたら必ず月に戻ってくるという約束を月の国民に向けて演説して、賛同を得る。 ギンガナムの動きを見抜けなかったディアナは落ち込むが、ハリーは彼女に希望という灯火をともされたと言って、勇気づけた。 確保された戦艦は使用できない不完全な艦だった。が、完成に力を貸す多くの船の建造技術者が現れた。ロランの運河仲間達も作業に加わり、出航へ向けて急ピッチで作業が進む。 しかし、ギンガナム軍の月残留部隊が攻撃をしかけてきた。ソシエ、メシェーやエイムズたちは防衛に出る。 ロランはコア・ファイターでモビルスーツ“ズサン”に立ち向かい、有人機だけを狙っていった。そしてハリーのゴールドスモーと共に敵機を全部撃破した。 この時間稼ぎで飛行準備は整い、ついにディアナの戦艦“ホエールズ”は月を離陸するのだった。
地上に降りたギンガナム軍は各地のミリシャに攻撃をし、爆撃を繰り返していた。 空襲は苛烈を極め、フロリヤやカルバニアの首都を瞬く間に攻め落としていたのだ。 キースたちもこの爆撃の被害を受け、婚約者のベルレーヌが傷つき、怒りを募らせている。 その頃、ディアナたちはようやく地球へ戻ってきた。リリは、父ルジャーナ領主とディアナが盟約を結び、ノース・アメリア各地の領主と連合してグエンとギンガナムに対抗する策を講じれば、勝機はある、とキエルに打ち明ける。ディアナはムーンレィスと地球人が共存している場所を降下地に決めた。 だが、その場所、中立地帯にあるキースの工場には、ギンガナムと手を組んだグエンが不意の客として訪れていた。 ギンガナム軍が地球の各領地に襲来しているはずと説明するグエンは、自分につけばギンガナムの攻撃を受けないとキースに協力を求める。 キースは即答を避けるが、その日、もう二組がキースを訪れた。 月の新型モビルスーツの情報を尋問に来たジョゼフたちと、戦艦“ホエールズ”で地上に戻ってきたロラン、フラン、ディアナたちだ。 ディアナは、グエンがロランと∀ガンダムを手元に置こうとしたことから、グエンなりの計算があってギンガナムと手を組んだかもしれないと推測するが、それが思うとおりにはいかないだろうと見通していた。 しかし、キースは自分たちの場所を守る方法は戦争に関わらないことだから、ディアナたちがグエンとギンガナムに逆らわなければ、平和に暮らせる可能性があるのではないかと切り返す。 そこに、グエンが再びやって来た。ディアナたちは翻意を求めるが、グエンは応じない。 ジョゼフは、グエンの頑固さには戦いで決着をつけるしかないとウィルゲムに機械人形で攻撃を仕掛けてしまう。 グエンに同行していたメリーベルも、∀ガンダムを呼び寄せて乗り込み、シッキネンの部隊と共にパン工場へ爆撃を開始した。 ディアナたちを守るために全モビルスーツ隊は盾になってホエールズを守る。 燃える工場を前に呆然とするキース。 キースはディアナ達を信用して、自分は残って力を貸したいと言い出す。しかしディアナは、中立地帯で頑張ってきたキースには、パンを焼きベルレーヌたちを守って、自分たちが戦いを納めるのを待っていて欲しいと頼むのだった。
メリーベルが作動させた∀ガンダムの“月光蝶”システムは、嵐を呼び、甚大な破壊を引き起こした。危険を感じたグエンはギンガナムに∀ガンダムを渡してくれと要求する。 ロランたちの元に現れたコレンは∀ガンダムの月光蝶が「汚染物質分解型のナノマシン(ナノサイズの微少ロボット)をIフィールドで拡散するシステムだ」と説明する。対抗策も判ると言うコレンは戦列への参加を希望した。ジェセフは裏切ったグエンの腹を探り、あわよくば∀ガンダムを取り返そうとフラットで出撃する。そして、フランとロランが止めようとそれを追う。 一方、ステロのモビルスーツ部隊は、ディアナ・カウンターに宣戦を布告、攻撃を開始した。驚いたフィル、ミラン等は通信を送るが、ギンガナムは黙殺して、殲滅を命じた。 知らせを受けた戦艦ホエールズで、ディアナは皆に「私たちも撃って出ましょう」という。「月と地球の民が手と手を取り合って生活できる世界を作る」ために「一度はディアナを裏切ったフィルたちディアナ・カウンターの人々を信じましょう」というディアナの言葉にキエルは同じ思いを持った。そして、ハリーに全軍を出撃させて、さらにコレン軍曹を呼ぶ。 宇宙船ウィルゲムに着艦したジョセフとロランたちはグエンの説得を試みる。ジョゼフに問いつめられたグエンは、ムーンレィスの文化に飲み込まれないように手を組んだと話して、地球産機械人形部隊の指揮を執らないかと逆に持ちかける。だが、ジョゼフはグエンの申し出を拒絶。そして、ウィルゲムからの脱走を図ったブルーノとヤコップが火事騒ぎを起こす。 ジョゼフも乗ってきたフラットの装備を爆発させて、ロランにフランを連れて逃げろと叫んだ。 脱出するロランたち。整備された∀ガンダムへロランが乗り込もうとするとジョセフがさっさと割り込んだ。 同じ頃、荒野の戦場に駆けつけたディアナ軍はステロ隊に攻撃をかける。そして、ディアナはコレンが操縦する複葉機ヒップヘビーでディアナ・カウンターの旗艦ソレイユへ降り立った。 ソレイユのディアナ・カウンターの兵士たちは全員、女王の帰還を喜んだ。ディアナは駆けつけたフィルとミランに対すると、かつての行為を咎めず、地球の戦力と協力してギンガナム軍を挟撃するために力を貸してほしいと願いに2人はディアナの温情に恭順する。ディアナ・カウンターの結束が再び固まったのだ。
ディアナ・カウンターとギンガナム艦隊の戦いは更に激しくなっていた。 武門を司っていたプロのギンガナムに対して、市民あがりのディアナ・カウンターでは戦力に差が開いており、ディアナ・カウンターのモビルスーツが次々と倒されていく。 ハリーは∀ガンダムにロランが乗っていないことを気にしていた。勿論、ロランも乗るつもりはあるのだがジョセフの地球人の意地もわかるので強く言えないでいたのだ。 ∀ガンダムに乗り込んだジョゼフを追って、ロランとフランは、フラットで戦場を視察する。 一方、グエンはギンガナムや部下のミハエルを持て余していた。それぞれが勝手に動き出し、いつ空中分解してもおかしくない空気がながれる。 ディアナが戻ってきたことでソレイユには活気が戻っていた。コレンは自分専用のカプルを一機調達して、ディアナ・カウンターの先鋒を務める。 フランは、彼氏であるジョゼフに∀ガンダムをロランに返すよう説得するが彼は耳を貸さない。ジョゼフはフランが自分の子を身篭ったのを知って、父親として∀ガンダムで戦いたいのだ。 次々と戦場に到着するアメリアの軍隊とディアナ・カウンター。 この様子に合わせて、大型ホバー車両“ギャロップ”でルジャーナ・ミリシャを率いていたリリも、ディアナ・カウンター側と合流し、全軍を前進させる。 だが、ステロのマヒロー隊とバンデットを操るメリーベルの前に、メシェー達ミリシャは苦戦する。そこへ加勢に来たコレンが現れ、メリーベルと戦いを開始した。 しかし、ターンXで出撃したギンガナムは、ルジャーナのボルジャーノンを蹴散らし、ディアナ・カウンターのウォドムも撃破した。そこにジョゼフの乗った∀ガンダムが現れ、月光蝶システムでターンXに立ち向かった。戦場に追いついたロランは、必死になってターンタイプ同士の戦いを止めようとするが、ギンガナムはターンXの月光蝶を使い、邪魔をした部下のステロも倒してしまう。コレンの作戦で地中に潜ったロラン達は月光蝶の力から逃れて、ジョゼフを助け出し、改めてコア・ファイターを∀ガンダムに換装する。
2機のターンタイプをディアナが追っていると知ったハリーは、ソレイユ以下の艦隊にギンガナム艦隊の制圧を命じ、戦場に向かわないようにしたが、ディアナはそれでもロスト・マウンテンに向かうよう指示する。フィル少佐は、反逆罪に問われても女王を守るためと言って船を動かさなかった。 コレンもロランの加勢をするためにソシエたちの協力を得て、カプルを遠くまで飛ばす。コレンは、最後にソシエたちの身を案じてブルーノたちに彼女等を収容することを命令する。 キエルの戦艦ホエールズもロスト・マウンテンに向かうが、ひとり、リリは、墜落寸前のグエンの宇宙船ウィルゲムを追っていた。 ギンガナムは、人間は戦いを忘れることなどできはしない、だからターンXで全てを破壊し、新しい時代を始めるとロランを挑発する。 メリーベルも最後の戦いに加わろうとするが、コレンのカプルに撃破されてしまう。そしてターンXにも飛び掛るが、圧倒的なパワーにかなわずコレンカプルごと破壊されてしまう。 ソレイユのディアナは月光蝶の被害を少しでも減らすため、バリアーを張りつつ戦場へ近づく。 同じ頃、不時着したウィルゲムの甲板にグエンが佇んでいた。追いついたリリは、メリーベルが乱入して気絶するのと、逃げ出したはずのミハエル達の飛行船が風に流されて近づくのを認めて、グエンに「アメリアは自分が治める」と告げる。 戦場で、ギンガナムはディアナに遠ざけられたことで彼女を否定するようになった心情を吐き出し、戦いを楽しむ。これに対してロランは捨て身でターンXの攻撃を浴び、∀ガンダムごとビーム・サーベルで突き刺し2機の動きを止める。コックピットから逃れたギンガナムとロランは生身で斬り合うが、月光蝶の糸のようなものにギンガナムは絡まれて倒れた。 ソシエがフラットでロランを救出した直後、2機のターンタイプは月光蝶の光に包まれて繭玉になり、やがて、小さなマウンテン・サイクルに変化した。 戦争終結から半年ほど経った頃。月と地球間の定期便が開通する。その宇宙船“ローラ号”にはキエルとハリーが乗り込む。そして、金色の落ち葉が降る湖畔のログハウスに隠棲したディアナの傍には、ロランの姿があった。
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