GT

伊藤潤二『コレクション』のGTのレビュー・感想・評価

伊藤潤二『コレクション』(2018年製作のアニメ)
4.0
当方、子供の頃から伊藤潤二の漫画に親しんでいる者でございます。故にストーリーそのもののレビューではなく、原作をどれほどアニメという媒体に落とし込めているかを語っていきたい。
まず、最も重要な原作再現度だが、これはかなり高い。余計な描写をプラスして台無しにしてしまう、みたいな所はなく原作を忠実に再現してくれている。だが時間の都合上、カットされている描写も多々見られる。といって、話の辻褄が合わなくなるほどの重大なものではないが、原作を知っているものからすると「ああ、そこ見たかったのに!」というのがちらほら。ちなみに一例を言うと、「あやつり屋敷」のうつろな目をした使用人に睨まれるシーン。原作だとここは非常に不気味で、結構楽しみしてたのだが…。
あと時間に関連して、尺に収めるために割と早いテンポで話が進んでしまい、雰囲気が壊れている所も見受けられる。原作だともっと怖かったような気がするんだけど、なんかギャグみたいになったんだよなぁって所が。尤も伊藤潤二は、原作からして若干ギャグっぽい所もある。
最も気になったのは作画だ。後になるにつれて、どんどん崩壊していってる気がする…。伊藤潤二の絵がべらぼうに上手いだけに、余計気になる。尤もあまりお金をかけて作られているわけじゃないっぽいので、これは贅沢な話なのか…と思いきや、声優は妙に豪華なのはなんなのか。
とまあ色々言ってきたが、往年の伊藤潤二ファンからしたら彼の漫画がアニメ化して動いて喋っているだけで、結構嬉しいものである。「マニアック」の方も早く見たい。
GT

GT