有名書道家を父にもつサラブレットの若手書道家・半田清舟は挫折と粗相を機に父の勧めで五島列島の福江島に移り住み、「先生」と慕う好奇心旺盛な島民たちとの心温まる交流により書道家として再起を目指す物語。
GYAOでの短期一挙配信でほぼ一気見。
本来この手の作品は少しずつ噛みしめながら観るべきものだったと思う。
元々主人公がお偉いさんを殴ってしまうという粗相があったものの、決定的に人間としてアウトな面があるわけではないこともあって、田舎暮らしで人間的に成長しているという印象は薄い。人とのつながりが希薄な都会育ちで、サラブレットとして英才教育を受けながらも仕事の書道以外趣味らしい趣味をもってこなかった主人公が田舎で人生の夏休みを満喫した話、といった方が合っているように思える。作品の出来も主人公が自覚しているように環境を変えたことをきっかけにまぐれでいい作品が出てきた段階で、殻を破って新境地まで達したわけではない。そのため、芸術家の話としても少し弱い。
登場人物が全体的に精神的に幼いところがあるが、ああいう田舎のコミュニティって今もあるのだろうか？ある種のファンタジーのような気がする。
